企業資金繰りの皮肉・7月貿易黒字ほか
★東証1・2部時価総額(20日)=398兆7284億円(前日比-4438億円)
■企業資金繰りの皮肉/
低金利下の金融機関貸出厳格化=景気の負担に
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は20日、「資金繰りから見た日本経済診断」との観点から「このところ、日本では企業倒産が件数、金額ともに目立って増えている」として次のような見解を示した――。
<資金繰りの悪化から経営破たんするケースが増加>
原材料高が一段と進む中で、競争が激しく、価格転嫁できない都市部の中小零細小売業やサービス業での破綻が増えているほか、不動産市況の悪化や資金繰りの急悪化から、地方の建設不動産業の倒産も目立つ。
このうち、原材料高については、ここへきてようやく原油価格や他の資源価格、穀物価格が下落するようになっており、コスト高の圧力は今後幾分緩和される期待が出てきた。しかし、気になるのが、日銀による超金融緩和が続いている中で、資金繰りの悪化から経営破たんするケースが増えていることだ。この点を業種別に掘り下げてみる。
<業種別=不動産、建設資材関連だけではない。個人消費関連も悪化>
日銀短観の業種別データから、直近6 月時点での企業の資金繰り判断DI(「楽である」とする企業の割合から「苦しい」とする企業の割合を引いたもの)を見てみると、全体でこそ小幅ながらもプラス(つまり「楽である」企業の割合が「苦しい」企業の割合を2%上回っている)を維持しているが、業種別には大きな較差が見られる。
例えば、鉄鋼、金属製品、機械業などでは大幅なプラス(資金繰りが楽)であるのに対し、個人消費関連、建設不動産関連の「苦しい」状況が目立つ。特に、飲食店・宿泊業はマイナス24、木材・木製品マイナス18、建設マイナス14、窯業・土石マイナス13、対個人サービスマイナス9、不動産はマイナス3 となっている。
このうち、この1 年間での限界的な変化をみると、悪化幅の大きい順に、不動産(14 ポイント悪化)、窯業・土石(12 悪化)、木材・木製品(12 悪化)、鉱業(11 悪化)、対個人サービス(9 悪化)となっており、ここでは不動産、建設資材関連、個人向けサービスでの資金繰り悪化が顕著。
▼7月貿易黒字/
貿易相手国の景気に見合った減速の公算高い
大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝発表された7月貿易統計について、「輸出が上振れするも下方トレンド上での動き」として、次の3つのポイントを挙げた――。
【1】 7月の輸出金額は前年比8.1%と、コンセンサス(+5.3%)、DIR予想(+2.3%)を上回る結果。貿易黒字は縮小しているが輸入が価格要因で上振れており、輸出はトレンド上での底堅い動き。
【2】 国別品別に見ると、米国は自動車の減少が続き悪化傾向、EUは6月の前年比大幅マイナスから、7月は自動車などが増加しここ数ヶ月のトレンド程度の伸びとなった(基調は弱い) 。アジア向けは中国の四川大地震後、鉱物性燃料(軽油等)が前年比大幅増と特殊要因による押し上げが続いているものの、それを除いても、ここ数ヶ月のトレンドの上にあるとみられる。ただし、ここ数ヶ月のトレンドは昨年までのトレンドより弱まっている。
【3】 対世界輸出の先行きは単月では当月のような上振れも見られようが、傾向的には貿易相手国の景気に見合った形で減速する公算が高い。貿易相手国の景気を表し、対世界輸出に先行する米国ISM指数、OECD景気先行指数(非加盟6カ国を含む)が先行きの参考となる。
■プロ向け新株式市場/
東証=12月改正金商法施行受け年明けにも開設へ
大和総研・制度調査部の横山淳さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、2008年7月29日、東証とロンドン証券取引所(LSE)が公表したプロ向けの新市場の「制度概要試案」について次のように解説した――。
新市場では、英AIM市場(ロンドンのプロ向け市場:代替投資市場)に倣ったJ-Nomad(仮称)を導入し、新規上場申請者・上場会社に対する助言・指導を通じて、上場審査・上場管理上の重要な役割を担わせることとなる。
新市場の上場会社は、決算情報の開示は年2回でよいこととされている。会計基準は日本基準、国際会計基準、米国基準(これらと同等のものも含む)が採用可能であり、英文による開示も認められる予定である。東証では、12月に予定される改正金商法の施行を受けて、年明けにも新市場を立ち上げたいとしている。
▼今日の株価予想/
日経平均は、7月安値から今日は26日目
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
東京市場は様子見スタートのあとは、アジア株市場を睨んだ展開が予想される。手掛かり材料難による出来高低下と共にボラティリティも低下傾向となっているなか、中小型株優位の地合いとなりそうだ。一方で、昨日は主力株が軟調であったが、トヨタあたりが25日移動平均線から反発の動きとなるかどうかや、連続陽線が続くみずほフィナンシャルグループ、大手商社株などにリバウンドの動きが強まるかどうかが注目される。 日経平均は7月安値から今日が26日目となり、変化日として注意する1日でもある。
20日のNY株式市場ではダウ平均、NASDAQともに反発。前日発表したヒューレット・パッカード(HP)の決算が好感されたことや、全般値ごろ感からの買いが優勢となった。金融株全般は堅調であったものの、住宅金融大手ファニーメイやフレディマックの大幅下落が相場全体の足を引っ張るかたちとなった。
フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数は小幅上昇。シカゴ日経先物は昨日の大証日中終値と同値の12860円で終了した。
昨日の東京市場は続落。米国株安を受けて日経平均は100円超下落したが、売り一巡後に下げ渋る展開、後場は先物主導で上昇に転じる場面もみられた。主力の国際優良株や金融など軒並みや安となった一方、資源関連や内需関連が底堅く推移した。中小型株で切り返す銘柄も散見された。一方、マザーズ指数は算出来の安値を更新し続けてきたが、今週に入り同指数は3日続伸、買いシグナルとなる赤三兵を形成した。
テクニカル分析
日経平均は7月16日安値とほぼ同水準で抵抗する動きが見られた。引き続き7月16日安値に対してどのような動きとなるかどうかが注目されるが、今日に関しては昨日同様25日移動平均線の上昇基調や5日移動平均線が大きく切り下がらないことから、買い優勢の場面も見られそうだ。ただし、今年1月の安値から2月の戻り高値までは、一目均衡表の考え方である基本数値の26日であった。直近安値を付けた7月16日からは今日が26日目となるだけに変化日として注意する1日でもある。
話題の銘柄
1963
日揮/産油国向け中心の旺盛なプラント需要の恩恵を引き続き享受
野村では、同社について、世界景気の急減速で業績の下振れが懸念される企業が多い中で、◇年商約2年分のプラントの受注算を持っていること、◇08年4-6月期にクウェート向け石油精製プラントなど2000億円規模の案件2件を受注した実績、◇今後も受注確度が高い大型案件が控えていること、◇石油精製や化学プラントなどの引合いが強く、来10年3月期も引き続き高水準のプラント需要の恩恵を享受できるとみられること、――などを評価。底堅い業績が期待でき、投資魅力が高まっていると指摘した。採算管理についても改善が進む。世界の同業の中でも高水準のプラント建設管理能力を持つ企業だが、さらに競争力を強化。低採算だった海外プロジェクトについても詳細に調査することで対応し、08年4-6月期の単独粗利益率は前年同期の7.3%→10.0%に改善した。一方で、触媒事業ではモリブデンなど原料価格の上昇の価格転嫁が遅れている。これらの点を勘案し、今後の業績予想を見直し。営業利益ベースで、今09年3月期を、会社予想460億円(EPS 122.6円)に対し、460億円→470億円(EPS 126.6円)、来10年3月期を480億円→540億円(EPS 130.5円)、11年3月期を505億円→580億円(EPS 140.0円)と上方修正。来期までの営業利益の年率成長率予想が10%と資本財平均の5%よりも高くなることを考慮すると、今期予想PER15倍は同平均と同水準で割安感があると判断。レーティングを「3」→「2」と引き上げた。トレーダーズ・ウエブ:
http://www.traders.co.jp/
▼FX相場予想/
市場に残った玉=しこったドルショートとクロス円のロング
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
反転は一日天下。ひどいもんだなあ。市場は薄くなっている。大玉振ると簡単に動く。だが継続しない。ドル強気派はポジション利食い完了。クロス円弱気派も利食い完了。と言うわけで、現在、市場に残っている玉は、しこったドルショートとしこったクロス円のロング。これらがコストが悪すぎるので、参加者が激減した。日本政府が唯一チェックするドル円であるが、109円突破した時、上がっても下がっても方向感がなくなると書いた。まさにその展開であり、最近は110円00銭が磁石となって動いているだけという有様。かつての勇姿はいずこに?ユーロ円は底をつけていないね。(8月21日。木曜日。何でもない日。)
▼FX相場予想/
ドル円=原油反発で、上値の重い展開が続いた
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は、FX相場と原油相場について次のようにコメントした――。
ドル円は3営業日ぶりに反発。日欧市場で円安・ドル高が進んだ影響が残った。ただNY市場では原油先物相場の上昇などを背景に売りが出たため、上値の重い展開が続いた。
ユーロドルは3日ぶりに反落。原油先物価格が急落した場面で売り込まれた影響が残った。一時1.4672ドルまで値を下げた。ただ、その後は原油先物価格が持ち直したことなどを背景に買い戻しが入り底堅い展開となった。
ユーロ円は小反落。一時161.47円まで値を下げたものの、下値は堅かった。ユーロドルにつれた動きとなった。
原油先物相場は前日比0.45ドル高の1バレル=114.98ドルで続伸。米エネルギー省が発表した週間在庫統計で原油在庫が前週比で939万バレル増加したことをきっかけに一時112.61ドルまで売り込まれた。ただその後はガソリン在庫が大幅に減少したことなどを意識した買いが強まり、上昇に転じた。ゴールドマン・サックスが年末の原油価格を従来予想の149ドルに据え置いたことも相場を支えた。
▼米欧商品市況/
大豆=急反発、コーン=大幅続伸、コーヒー=続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された20日の海外商品市況は次のようになった――。
海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)
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NY金 2008/12 816.3 - 0.5 アルミ3カ月物 2,763.0 - 17.0
NY銀 2008/ 9 1304.0 - 6.5 銅3カ月物 7,515.0 - 61.0
NYプラ 2008/10 1368.9 + 17.6 ニッケル3カ月物 19,925 + 530
NYパラ 2008/ 9 278.55 - 5.30 NY原油 2008/ 9 114.98 + 0.45
シカゴ大豆 2008/11 1300.00 +24.00 NYコーヒー 2008/12 141.20 + 1.10
シカゴコーン 2008/12 595.00 +10.50 NY粗糖 2008/10 13.68 + 0.01
ドル・円 109.86 + 0.16 シカゴ日経平均 2008/ 9 12,860 + 105
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【穀物=大豆は急反発、コーンは大幅続伸】
シカゴ大豆は急反発。11月限は、前日後半の急落を受けた押し目買いが先行、ドル安や原油急伸をはやして値を飛ばした。在庫急増による原油の急反落で値を消したが、原油の反発や天候懸念をはやして節目の13ドルを上回った。
シカゴ・コーンは大幅続伸。12月限は、ドル安や原油高をはやして前日の高値を抜いたあと、原油急伸をはやして上値を切り上げた。在庫急増で原油が急反落し、高値から押されたが、コーンベルトの雨量に関する懸念や原油の反発で地合いを回復した。
【ソフト=コーヒーは続伸、粗糖は小幅高】
ニューヨーク・アラビカは続伸。12月限は、利食い売りでマイナスに転落したあと、原油の急伸をはやして前日の高値を突破した。原油が急反落に転じたが、前日終値目前で下げ止まり、原油の戻りに追随して地合いを強めた。
ニューヨーク粗糖は小幅高。10月限は、ニューヨーク市場に入ってからの原油の急伸に支えられたが、米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計発表後に原油が急落したことで買いはすぐに萎んだ。ただ、夏休みシーズンが終盤にさしかかったことで商いも極端に先細り、この日はわずか3万枚程度だったという。 (オーバルネクスト シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:
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ニュース・チェック
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、NYダウが堅調ながら円高進行や景気懸念で一時100円の下落。日経平均 が終値で前日比-44.56円安の12807.13円、またTOPIXも同-3.88安の1229.49、JASADAQ指数は同-0.09安の57.42となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは13業種。鉄鋼、鉱業、卸売業などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替は、ドル円が軟調、ユーロ円は堅調。ドル円相場は109円台後半で推移、ユーロ円は162円台前半で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社
産業ファンド投資法人(3249)
■2008年6月期(第2期)決算説明会:映像配信(2008年8月14日開催)
http://www.iif-reit.com/ir/index.html
株式会社デンソー(6902)
■名証「自己株式の立会外買付制度」による自己株式の買付けに関するお知らせ
http://www.denso.co.jp/ja/news/newsreleases/2008/080820-01.html
Posted by Yen-Dokki at 2008年08月26日 12:51