米利上げ論と金融不安・速報:6月鉱工業生産ほか
★東証1・2部時価総額(29日)=413兆0564億円(前日比-6兆0080億円)
■米利上げ論と金融不安/
利上げ実施=市場の不安定化を加速させるリスク大
FRB内部から早期利上げ論が浮上しているが、その一方でまた金融不安が再燃している。
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、一見相反する動きに見えるが、金融危機への対処によっては、利上げ論も否定しきれなくなるとし、「その点、今回のファニーメイ、フレディマック救済策の実効性と、空売り規制期間中に、追加的な市場安定化策が打ち出せるかどうかがカギとなる」と語る――。
<FRBメンバー10人のうち3人が「インフレ警戒派」に>
もともとインフレに対する警戒感を強調していたダラス連銀のフィッシャー総裁に、最近になってミネアポリス連銀のスターン総裁、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が、「金融市場が正常化し、経済が力強く拡大するのを待つことは出来ない。FRBは早期に政策を転換すべきだ」として、援軍に加わった。欠員でFOMCの投票権をもつメンバーが10 人になっているところへ、3 人が利上げを求める可能性が出てきたことを示唆する。
一方で、IMFは米国のみならず、欧州にも住宅価格の下げが広がり、金融機関の損失が100 兆円に上るとの見方を確認した。また、大手銀行のプライム・ローンやクレジット・カードの延滞率が上昇、サブプライム問題がすでにその周辺市場にまで感染していることが分かった。更に、ソブリン・ファンドがドル資産への投資に躊躇し始めたために、金融機関の資本調達が困難になっている面もある。
▼速報:6月鉱工業生産/
予測指数も一般機械など主力業種で悪化目立つ
大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された6月鉱工業生産について、「下振れ懸念が強まる」として次のようなポイントを挙げた――。
(1)6月の鉱工業生産は前月比▲2.0%とコンセンサス(同▲1.7%)を下回る結果となった。情報通信機械(携帯電話、液晶テレビ等)が全体を押し上げる一方、輸送機械(普通乗用車等)や一般機械(半導体製造装置等)が押し下げ要因となった。
(2)四半期ベースに均すと今景気回復局面初の2四半期連続マイナス。これは過去の踊り場局面でも観察されなかったことから、経験則に照らすとは調整局面入りが示唆される。過去の後退局面に比べるとマイナス幅はまだ小さいが、先行性のある出荷在庫バランスが悪化しており先行きは慎重に見るべきであろう。また、景気に敏感な電子部品・デバイス工業の出荷在庫バランスにおいて特に悪化が加速しており、注意が必要。
(3)予測指数も7月▲0.2%(←+2.2%から大幅に下方修正)、8月▲0.6%と低迷している。業種別にみても電子部品・デバイス工業や輸送機械工業、一般機械工業など生産の主力業種での悪化が目立つ。
▼家計&雇用統計/
所得の大幅減少なければ、消費支出はそこそこ維持へ
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は29日、総務省が発表した家計調査(6月)と雇用統計(6月)について次のようにコメントした――。
(1) 6月の全世帯実質消費支出は前年比1.8%減と、予想より小幅な減少にとどまった
(2) 4-6 月期では、前期比3.3%減と、前期の0.7%増から大幅減
(3) 6月の失業率は4.1%、有効求人倍率は0.91倍といずれも前月から悪化した
6月家計調査
総務省が発表した6 月の家計調査報告では、全世帯の実質消費支出は前年比1.8%減と、事前予想(CS:同3.0%減、コンセンサス:同2.8%減)より、小幅の減少となった。季節調整済みでは前月比1.5%増と5 ヶ月ぶりにプラスに転じ、個人消費は弱いながらも、とりあえず底割れの状況は避けられたことを示唆している。もっとも、4-6 月期では前期比3.3%減と、1-3 月期の同0.7%増から急減しており、同期の実質GDP 統計では、現在の当社の個人消費予想(前期比年率0.8%減)に大幅な下振れリスクがあることを確認するものである。
勤労者世帯の実質消費支出は前年比0.3%増と、4ヶ月ぶりにプラスに転じ、季節調整済みでは前月比0.5%増と2ヶ月連続増加した。また、6 月の勤労者世帯の実収入は、前年比2.1%減と3ヶ月連続減少したが、昨年同月が同7.6%増と大幅に上昇していたことに対する反動減であり、季節調整済みでは前月比0.9%増と2ヶ月連続増加した。平均消費性向も74.7%と1-3 月期から0.5%ポイント上昇している。消費者マインド調査では、エネルギーや食料品価格の高騰や所得の伸び悩みで、消費者センチメントは大幅に悪化しているものの、所得が大幅に減少しなければ、消費支出はそこそこ維持される可能性があることを示唆しているようだ。
■8月の株価予想/
日本株=対欧米・新興国で選好されやすい局面に入り
大和総研・投資戦略部チーフ・ストラテジストの三宅一弘さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、「サブプライム危機の波紋が広がる中で、対欧米、対新興国の両面で、日本株の相対的な優位性が浮かび上がってきた」として、8月の株式相場の見通しについて、次のように語った――。
<反転攻勢に出てきた日本の大手金融機関>
対欧米という観点では、3 月半ば以降の日本と欧米の銀行株の二極化(欧米銀行株の不振に対して日本の銀行株の底堅い展開)に端的に表れだしているように推察される。日本の銀行株の相対株価指数(対米国、対欧州)は4月以降、大幅に好転している。サブプライム関連の損失処理を迫られている欧米金融機関は、さらなる損失拡大懸念を抱え、業務の縮小や資産・負債の圧縮に追われている。
一方、サブプライムの傷が浅い日本の銀行はサブプライム関連の損失処理を08 年3 月期でほぼ終えた。さらに、三井住友銀行によるバークレイズに対する約1,000 億円の出資、あるいは1 月に実施されたみずほコーポレート銀行によるメリルリンチに対する12 億ドル出資など、邦銀(メガバンク)の攻めへの転換が際立つ形になっている。アジアを中心に海外貸出市場においては、欧米金融機関が事業縮小を図る中で邦銀の貸出が拡大している。過去10 数年間にわたり、「低迷する日本の銀行 vs. 拡大する欧米の銀行」が続いたが、サブプライム危機を契機に立場逆転に動き出した可能性が高い。
▼今日の株価予想/
日経平均は、下値確認から上のマド埋めへ
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
東京市場は国際優良株や金融株中心に買い先行のスタートか。日経平均は終日13300円を挟んだ動きが予想される。昨日終値で下値サポートとなった10日移動平均線の上昇が継続することや、一目均衡表では転換線が上昇に転じる。昨日とは逆に上のマド埋め(13327円)の動きが期待されよう。ただ、25日移動平均線の下落は続いており、終値では上げ幅を縮小する動きか。
主な決算発表では、テルモ、富士フイルム、新日鉱HD、日本製鋼所、エプソン、デンソー、京セラ、SBIHD、プロミス、大和証券G、NTTドコモなどが予定されている。
29日のNY株式市場はNYダウ、ナスダックとも大幅反発となった。シンガポールの政府系投資会社テマセクによるメリルリンチへの出資報道や、USスティールなどの決算が好感された。さらに、7月の消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことや、原油先物相場の大幅安を受けて上げ幅を拡大する展開となった。 フィラデルフィア半導体(SOX)指数は2.3%上昇。シカゴ日経先物は昨日の大証日中終値に比べて215円高い13345円で終了した。
昨日の日経平均は一時下げ幅が300円超に達したが、大引けにかけては下げ渋る展開。長い下ヒゲを形成し、上昇基調の10日移動平均線を上回って終了した。日足の一目均衡表では転換線を上回って終了。週足の一目均衡表の基準線13146円もかろうじて上回り底堅い印象である。
テクニカル分析
今日に関しては米国株の大幅反発や原油相場の下落が好感されそう。米国では週末にかけて重要な経済統計を控えていることや、国内の決算発表見極めなどから、基本的には手控えムードに変わりはないが、日経平均、TOPIXとも上のマド埋めの動きが期待される。ローソク足の長い下ヒゲから押し目買い水準を確認できたことから、当面は24日高値13603円に向けた動きが想定される。
目先の上値メドは、28日安値13327円や24日高値13603円、6月26日安値13798円前後。一方、下値メドは、週足均衡表の13146円や29日安値13018円などがある。
話題の銘柄
9101
日本郵船/リスク後退や株価の出遅れ感に着目、目標株価1380円
海運大手3社の1Q決算は、全社が経常利益ベースで会社計画を超過、上期会社業績予想を増額修正した。通期予想は商船三井のみが増額修正し、他2社は据え置き(ただし、日本郵船は営業利益予想を小幅減額修正)。クレディ・スイスでは、通期予想の据え置きは、為替、燃油価格前提を考慮した場合、十分に保守的だと指摘した。大手3社の中では日本郵船を選好するとしている。理由は、(1)1Q決算の営業および経常利益の増益額、増益率がともに商船三井を上回ったこと、(2)日本貨物航空(NCA)のリスクが後退したこと、(3)出遅れ感があること、――など。(1)では、特にドライバルクを中心とする非コンテナ海運事業の経常増益額が、商船三井の190億円に対して230億円強となっていることに注目した。(2)については、燃油価格急騰と航空貨物需要の減速による収支の大幅悪化が懸念されていたが、1Qの収支は改善しており、燃油サーチャージの課徴も順調だという。(3)については、NCAリスクや燃油価格想定が低いこと、ドライバルク市況感応度が低いという認識から、投資家の警戒感が相対的に強く、7月半ば以降で遅れ感があると言及した。これらを踏まえて今後の業績を予想。経常利益ベースで、今09年3月期を、会社予想2100億円(EPS 114.0円)に対し、2020億円(EPS 107.5円)、来10年3月期を1800億円(EPS 92.7円)、11年3月期を1950億円(EPS 100.7円)とし、目標株価を1380円とした。現状の株価との乖離は50%弱となる。
トレーダーズ・ウエブ:
http://www.traders.co.jp/
▼ドル円投資戦術/
円高に向かったところは、押し目を入れもいい?
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は29日、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。
28日はIMFがアメリカの住宅市場に対して懸念を示したことなどで米ダウが急落、ドル売り円高も進みました。ただ、為替相場は大きな動きにはなりませんでした。それを受けての29日は、各通貨まちまちの動きです。ドル円はショートカバーもあって107円60銭程度、ユーロ円は169円40銭程度まで上げています。ポンド円やNZドル円は軟調です。
29日のNY市場も、やはり米国株価に左右されるでしょう。ただ、アメリカ経済の減速にかなりなれて、特に動揺しなくなっていますから、(ドル円は)円高に向かったところは、押し目を入れていくのもいいかもしれません。ただ、NZは悪いニュースが続々出てきているため、この通貨での押し目買いは、ちょっと控えたいと思います。
▼ロシア・エナジー事情/
石油ビジネスで、最小の投資で最大の歳入を狙う
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された29日の海外商品市況と、「ロシア・エナジー情報」は次のようになった――。
海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)
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NY金 2008/ 8 916.5 - 11.2 アルミ3カ月物 2,960.0 - 56.0
NY銀 2008/ 9 1737.5 - 9.0 銅3カ月物 7,931.0 - 64.0
NYプラ 2008/10 1745.4 - 31.3 ニッケル3カ月物 18,050 - 700
NYパラ 2008/ 9 383.35 - 7.90 NY原油 2008/ 9 122.19 - 2.54
シカゴ大豆 2008/11 1391.00 - 5.00 NYコーヒー 2008/ 9 140.15 + 1.10
シカゴコーン 2008/12 613.50 +12.25 NY粗糖 2008/10 12.82 + 0.50
ドル・円 108.03 + 0.57 シカゴ日経平均 2008/ 9 13,345 + 75
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ロシア・エナジー情報 ロシアに原油輸出拡大の意思はない!? 08/7/15
By ルスエナジー、ミハイル・クルーティヒン氏
主要8カ国(G8)が国際的なエネルギー安全保障問題の協議を始めた時、ロシアはこの会議から一歩退き、議論には参加しなかった。ロシアのメドベージェフ大統領による宣言は、まったくあいまいで、一般的な懸念の表明に限定され、エネルギー供給を保証するといった、通常の一般的かつ現実的な約束を伴うものではなかった。
【非協力的態度】
G8北海道サミットは、メドベージェフ大統領のロシア新大統領としてのデビューの場だった。
前任者のプーチン前大統領とは違って、メドベージェフ大統領は、波風を立てるような、そして脅迫的な声明を出すことはなく、丁寧かつ友好的で、場互いの環境のなかで寡黙でもあった。世界の首脳らが、原油の供給や国境間貿易の拡大への努力について議論を始めると、大統領の寡黙さは一層際立ったものとなった。
はっきり言うと、ロシアには原油輸出を拡大する意思はないのである。この戦略にはいくつかの理由がある。その中でも最大の理由は、モスクワは、石油ビジネスで、最小の投資で最大の歳入を得ようとしていることである。
ロシアでの原油生産は、急速にコスト高が進んでいるのである。新規の発見は、量が少なく、しかも未開の地域の広範囲にちらばっている。新規の油田の多くは、現在の原油価格でさえ、経済的に開発の採算が取れないのである。これらの油田は、巨額のインフラ開発のコストがかかり、また高度な原油回収技術が必要なのである。ロシアは、原油価格が、開発に商業的な採算が取れる水準まで高騰するのを、ただ待っているだけなのである。
情報提供:株式会社オーバルネクスト:
http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:
http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、NYダウが266ドル高と急騰したことに加え、原油安・円安効果で反転上昇した。 日経平均 が終値で前日比+156.26円高の13315.71円、またTOPIXも同+13.13高の1294.77、JASADAQ指数は同+0.47高の59.72となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは28業種。水産・農林業、その他金融業、医薬品などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替はドルが堅調に推移、やや円安。ドル円相場は108円台前後で推移、ユーロ円は168円台半ばで推移している。
★AIA堀内氏のFXコメント=ユーロ、東の横綱陥落の可能性
AIAの堀内昭利社長は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。「ユーロ、東の横綱陥落の可能性。朝青龍の影が忍び寄る。夜の米指標?9割がた良い数字を出してくると思っていた。最近ほとんど指標の発表を信じていないのだ。」
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
松井証券株式会社(8628)
■7/29:組織変更および役職員の異動について
http://www.matsui.co.jp/company/index.html
ソニー株式会社(6758)
■29日:2008年度第1四半期 連結業績のお知らせ
決算発表文、プレゼンテーション資料は弊社IRサイトに掲載しております。
また、同日17:20より説明会の模様をWEB中継。詳しくは、弊社IRサイトをご覧ください。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/info/presen/index.html
Posted by Yen-Dokki at 2008年08月01日 19:59