最新更新日:7 08, 2008 05:38 PM
今日の視点

2008年07月08日

強いドル発言は本物か?

◇時事と市場の動き

原油価格にはさまざまな指標がありますが、中でも米国の株式市場に大きな影響を与えるのはWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)原油価格です。この原油はテキサス州で産出されたもので、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されています。

昨晩、このWTI原油価格が1バレル=140ドル近くまで約―3.5%近くも急低下しました。これを好感してNYダウは朝方に一時的に+100ドルの大幅高となったように、依然として原油価格が株式市場へ与える影響は大きいといえます。ただ今年の2月7日から中期上昇が始まっていますので、日柄ではちょうど5ヶ月間、そして値幅で67.9%という息が長い急騰を続けています。したがって、昨晩の下げで原油価格の上昇の勢いが止まったかどうかは、まだ分かりません。

この原油価格の上昇は、成長する新興市場の旺盛な需要増という「実需」的な側面と、一方で世界的な株安やドル安によるドル資産の目減りを嫌気した資金がさらに流入するという「投機」的な側面の2つが押し上げ要因になっています。特にグリーンスパン前FRB(米連邦準備理事会)議長も以前に「バブル相場」と警鐘を鳴らしたことがありましたが、今の原油価格の上昇は「どこで下げ止まるか分からない株式やドル資産」よりも「リスクは高いが上昇の勢いが強い原油市場」へ行き場を失った投機資金が消去法で流れ込んでいることが大きいようです。

したがって、「割高な原油市場」から「割安な株式市場やドル資産」へ資金が戻ってくるためには、強いドルの復権が条件になり、洞爺湖サミットで来日中のブッシュ大統領は「米国の経済の強さは強いドルに反映されるべき」とあらためて強いドル政策を表明しました。しかしサミットの表舞台では環境問題やインフレ懸念への対応策が中心的な議題となりそうです。つまり、「強いドル→割高な原油から割安なNY株式市場への資金流入→NY株式市場の上昇で東京株式市場も上昇」という図式のきっかけとなる外為市場に動きがないことで、昨日に久しぶりに上昇しても買いが続かないという原因の一つになっているのではないかと思います。

したがって、「強いドル」について再び表舞台で表明される可能性として、7月8日の「バーナンキFRB議長講演」もしくは7月10日の「バーナンキFRB議長とポールソン財務長官の議会証言」に注目する市場関係者もいるようです。特に後者は下院の金融委員会で金融市場や金融規制についての証言となりますので、その内容の注目度は高いようです。

◇投資戦略

原油価格および米国の株式市場や日本の株式市場の動向を想定する上で、外為市場で「ドル高円安」の傾向が今後も続くのかどうかが一つの大きなポイントになるかもしれません。そのドル円の動きですが、ちょうどフェアバリューラインまで「ドルが上昇」してきましたので、適正価値ゆえに方向感が読めない水準にあります。

またこの水準は、フェアバリューライン上であると同時に154pの強いケンミレ抵抗ラインが上値を抑えている水準とも重なっています。したがって、ドルが抵抗ラインを突破してさらに上昇してオーバーバリューを目指すのか、それともいったん上値を抑えられてアンダーバリューを目指して下がるのか、その「きっかけ」として上記の講演や議会証言での発言が注目されるのではないかと思います。

そしてTOPIXや日経平均など日本の株式市場は、前述のように今のところは「原油安」「ドル高」そして「NY市場高」と密接に連動して動いていますので、会員の方は「0499:ドル/円(逆)」チャートに「105:TOPIX」や「100:日経平均」を上書きして、一度確認してみてください。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 田中達也

Posted by Yen-Dokki at 2008年07月08日 17:37
 
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