最新更新日:7 01, 2008 05:33 PM
ケンミレ株式情報レポート
より詳しい株式情報は右記ケンミレサイトへ。 http://www.miller.co.jp/

2008年07月01日

日本国債格上げの受け止め方の違い

昨日(30日)の昼過ぎに、米国格付け会社大手ムーディーズが日本国債の格付けをこれまでの「A1」から「Aa3」に1段階引き上げを発表したと伝わりました。

ムーディーズが日本国債を格上げしたのは2007年10月11日以来のことになりますが、今までの格付け「A1」は最上級から5番目となっており、「Aa3」になったことで最上級から4番目になったことになります。

格付け機関はスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)など複数の格付け機関があるのですが、最も市場に影響があるといわれているのが米国のムーディーズです。

ムーディーズの格付け基準は以下のようになっておりますが、AaからCaaまでの格付けにさらに1、2、3(Aa1など、1の方がよい)という数字がつきます。

【ムーディーズの格付け基準】

Aaa:信用力が最も高く、信用リスクが限定的であると判断される債務に対する格付け。
Aa:信用力が高く、信用リスクが極めて低いと判断される債務に対する格付け。
A:中級の上位で、信用リスクが低いと判断される債務に対する格付け。
Baa:信用リスクが中程度と判断される債務に対する格付け。中位にあり、一定の投機
的な要素を含む。
Ba:投機的要素をもち、相当の信用リスクがあると判断される債務に対する格付け。
B:投機的であり、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付け
Caa:安全性が低く、信用リスクが極めて高いと判断される債務に対する格付け。
Ca:非常に投機的であり、デフォルトに陥っているか、あるいはそれに近い状態にある
が、一定の元利の回収が見込めると判断される債務に対する格付け。
C:最も格付けが低く、通常、デフォルトに陥っており、元利の回収見込みも極めて薄い
債務に対する格付け。

ムーディーズの格付け基準を参考にすれば、今回の格上げで日本は「信用力が高く、信用リスクが極めて低いと判断される債務に対する格付け」の上から3番目になったということになります。

ただし、海外主要国の格付けと比較しますと、日本の格付けはまだ先進国の一番下で、決して高い格付けというわけではありません。

【主要各国のムーディーズ格付け】

Aaa 米国 英国 カナダ スイス ドイツ フランス
Aa2 香港 イタリア
Aa3 台湾
A1 サウジアラビア 中国 『日本』
A2 イスラエル 韓国 南アフリカ

ムーディーズのコメントによると、日本の財政引き締めや財政再建の取り組みの期待によることや、不安定な世界経済に対して日本経済が強さを維持していくだろうという背景からの格上げとなったようです。

この国債格付け引き上げの発表があった昨日の市場の動きは、株式市場の反応は少なかったものの、為替市場では1ドル=106.30円近辺から106.10円程度まで円買いが進むきっかけの材料となりました。

皮肉なことに格上げによる円高が株価にとっては悪材料となって、日経平均は大引けにかけてマイナスの転じ、8日続落を記録することになりました。

昨年の格上げのときには株価が大きく上昇する材料にもなったのですが(2007年10月11日、日経平均では+281円)、7日続落していた株式市場の自律反発のきっかけにもならず、反対に世界的なインフレによる景気減速に神経質になっている市場心理を物語る結果だったと考えられます。

このように、同じような材料でもそのときの相場環境によって受け止め方や結果は違ってくるといえます。一般的に良い材料でも株価が反応しないとなりますと、悪い材料にはもっと敏感に反応する可能性も考えられます。

本日の相場は一進一退の末に結局は小幅続落となり、日経平均はついに9日連敗となりました。自律反発があってもおかしくない水準まで調整とも考えられますが、反対に良い材料にも反応が薄いため、反発力も弱い可能性もあると思います。

買うか売るだけではなく、チャンスが来るまでじっくり待つことも戦略の1つではないかと思います。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 市原義明

Posted by Yen-Dokki at 2008年07月01日 17:29
 
▲ページのトップへ戻る