最新更新日:6 30, 2008 05:46 PM
ケンミレ株式情報レポート
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2008年06月30日

外資系ファンドの動向が注目された株主総会

先週末27日に上場企業の株主総会がピークを迎えました。注目された海外投資ファンドの株主提案は、終わってみればすべて否決される結果となりました。

筆頭株主の英投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)との対立が注目された電源開発(Jパワー)では、TCIの株主提案が否決され、TCIは要求が通らなかったときには取締役再任に反対するとの姿勢を示していましたが、結局は取締役も再任となり、波乱はなかったといえます。

ただし、Jパワー株は総会でTCIの提案が否決されたことが伝わると、株価が急落していましたから、大幅増配などの株主にとって魅力のある提案の期待がはずれて失望された形となりました。

一方、5月におこなわれた東証一部上場のアデランスホールディングスの株主総会では、米系投資ファンドのスティール・パートナーズの反対により、取締役の再任案が否決されましたから、Jパワーについても投資ファンドの要求が通る可能性が期待されていたのだと思います。

外資系ファンドと聞くと、経営不振の会社に投資して再生させたあとに株式を売却する「ハゲタカ・ファンド」のイメージがあるかもしれません。

命名が屍骸に群がるハゲタカからきていることもあって、外資系ファンドが日本企業に投資すると聞いただけで「外国人が日本を食い荒らす」というイメージでニュースを受け止めることもあるのではないかと思います。

アデランスやJパワーに投資しているのはいずれも外資系投資ファンドですが、投資ファンドといっても様々な運用スタイルがあります。

運用スタイルでファンドを大きく3つに分けますと、広く投資家から資金を集めて有望な企業に投資する一般の投資信託(ファンド)系、少数の投資家から資金を集めて積極的かつ機動的な運用をするヘッジファンド、そして企業買収に特化したプライベートエクイティ系です。

もともとプライベートエクイティ業務とは未公開企業などに投資して企業公開させることによって利益を得るスタイルなのですが、上場企業の価値に注目して企業価値を高めて売却する目的で投資する場合も同じ意味となりますので、プライベートエクイティと呼ばれることが多いようです。

不振企業の再生を狙うハゲタカ・ファンドはプライベートエクイティのひとつといえますが、従業員を強制解雇したり、会社の資産を売却して現金化したりといった「金のためならなんでもやる」というモラルや社会性にかける部分があるために、よいイメージがないのだと思います。

しかし、海外のファンドといっても、今回のアデランスやJパワーにおこなっている投資は買収して解体するような目的ではなく、企業価値と株価の差に注目した純粋な投資という側面が強いと思います。

一方、外資ファンドの買占めに対抗するために、最近は買収防衛策を取り入れる企業が多くなっていますが、今年の株主総会では資生堂とイー・アクセスが買収防衛策を廃止することで話題となりました。

資生堂のコメントによると「新3カ年計画を着実に実行していくことが、グローバル市場における競争力と持続的成長性を高める」との判断が示されており、買収防衛策を廃止することで、外国人投資家に閉鎖的なイメージを払拭する狙いもあったようです。

買収されるのが嫌であれば上場をしなければよいと思いますし、本来の投資でいえば、企業価値よりも株価が安いことが外資系ファンドの買収対象となるわけですから、時価総額を高めて買収しにくくすることが一番の買収対策になると思います。

今年の株主総会は目立った波乱がありませんでしたが、閉鎖的な市場に資金は入ってこないわけですから、外資系ファンドの株主提案を真摯に受け止めることも必要だと思います。

外資系ファンドの一連の動きが、株式持ち合いのような非効率な古い慣習を打ち壊す流れに向かっていけば、結果的には日本の株式市場にとってよい方向なのではないかと思います。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 市原義明

Posted by Yen-Dokki at 2008年06月30日 17:40
 
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