世界の長期金利・経済指標を読む・来週の株式相場ほか
■世界の長期金利/
金利上昇要因として、食料インフレを強く意識へ
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は18日、「債券市場での綱引きが、微妙に変わってきた」として次のように語った――。
日米の景気に先行き不安が指摘される点は金利低下要因だが、一方で原油から食料へのインフレの波及がより強く金利上昇要因として意識されるようになっている。このため、景気好調の独のみならず、先行き不安が意識される日米においても、長期金利が上昇気味となっている。
▼経済指標を読む/
2月第3次産業活動=個人消費が持続的な回復基調
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は19日、2月の第3 次産業活動指数について次のようにコメントした――。
(1) 2月の第3 次産業活動指数は2ヶ月連続で前月比上昇(1.0%)した
(2) 前年比の伸びは再び加速する兆しがあり、内需はやや勢いを取り戻した
(3) 1-2 月の第3 次産業活動指数は、個人消費が持続的な回復基調にあることを示した
2月の第3 次産業活動指数は、前月比1.0%上昇と2ヶ月連続で上昇した。
今回、先日発表された鉱工業生産指数同様、経済産業省は年間補正を行った。2007 年2 月は事前のコンセンサス予想である前月比0.5%下落に反して上昇となったものの、1 月が同1.6%上昇から同0.4%上昇へ下方修正されており、1-2 月の内需に対する見方に変わりはない。今回の結果から、3 月が前月比2.5%以上下落しない限り、1-3 月期は前期比プラスを確保する計算となる。循環的にも、2 月は前年比1.7%上昇と、内需はやや勢いを取り戻しつつある。
▼来週の株式相場/
中国株安要因で下げれば、押し目買いのチャンス
日興コーディアル証券・国際市場分析部長の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi/ Nikko Cordial Securities Inc.)は今朝、本誌の取材に応じて、来週の株式相場について、「投資家の様子見気分が強い」として、日経平均で17,200円~17,700円のレンジを予想した。
<株価加熱を冷やす「上海の銀行間金利」の上昇>
第1のポイントに、投資家が様子見のスタンスを取っているのは、来週半ばから5月にかけて決算発表が控えており、会社予想よりも強い数字が出ると見込まれるので心配は要らないものの、「実際の決算内容を確認してから買いに入りたい」という意識が働いているために売り買いとも低調となっている。
第2のポイントは、中国株式が急落したが、むしろ上海の銀行間金利「Shibor(シャイボ)」の短期金利(1週間~2週間)が跳ね上がっていることに注目する。「2月末の世界連鎖安の時も、株価の加熱を冷やすためにShiborが上昇し、それをきっかけに株価が調整した。通常、1%後半の金利が3%前後まで上昇している」。ただ、この金利水準は長続きはしない、と言う。
馬渕さんは、中国株の調整が日本株に波及するルートとして、(1)中国以外の他国の株式市場が連れ安になるケースと、(2)為替相場が株安に動揺して円キャリー・トレードの円売りポジションを閉じることで円高になるケース、の2つを挙げる。そして、「もし、そうしたルートで株安になれば押し目買いのチャンス」と言う。
<中国経済は根強い=資源関連銘柄に投資妙味あり>
度々の調整にも関わらず、中国経済は2ケタ成長を続けており、世界の資源需要は旺盛なので、エネルギー関連株、鉄鋼株、非鉄金属株などのセクターに注目する。個別では、石油関連で国際石油開発(1605)、鉄鋼株では新日鐵(5401)、総合商社では鉄鋼炭に強みをもつ三井物産(8031)を挙げた。
▼今日の株価予想/
米国株堅調+円安=株価戻した後は次第にもみあい
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
昨日の米国株式はまちまちだった。中国株式の大幅下落に利益の確定売りが先行した。しかし、市場の予想通りないしは予想を上回る企業決算の発表が相次いでいることや、M&Aなどの思惑により押し目買いが入ると、相場全体も上昇に転じる場面もあった。結局、ナスダックは3日続けての小幅下落ながら、NYダウは6日続伸となった。また、シカゴ市場の日経先物は17660円まで値を戻す場面もあった。
これを受けて、本日の東京市場は買いが先行しそうだ。
アジア株式の急落の影響が、米国市場では極めて限定的だったことが安心感を与える。また、ドル円相場が118円台に戻していることも好感されそうだ。そのため、朝方は昨日の急落に対する修正として反発し、その後始まるアジア株式の動きを見守ることになろう。ただ、海外投資家からの売りへの思惑などが残ることから、大きく値を戻せば利益の確定売りは出やすい。したがって、本日の東京市場は株価を戻したあとは、次第にもみあいになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は大幅反落。前日の安値を下回り、目先では4月17日高値17782円からの下落トレンドが見られる。一方、中期的に見ると、3月の高値17558円(26日)と4月の高値17747円(9日)を結んだ上値抵抗線、そして3月の2番底となった16628円(14日)と4月の安値16999円(2日)を結んだ下値支持線にはさまれた形で、上昇トレンドを形成中である。そして、そして、昨日は、現在17300円台にある下値支持線を割り込む場面があった。ただし、終盤は下落幅を縮めて、終値では先述の下値支持線上をキープしたかたちになっている。しかし、再度下値トライとなると、3月からの上昇に対する調整として、3月の安値16532円(3月5日)~17382円に対する50%押しとなる17150円や、61.8%押しの17010円が下値の目途になる。
一方、昨日の高値17530円を上回ると、中期的な上昇基調の維持が明確となり、昨日の安値17219円を底値にして今度は上値抵抗線に向かう可能性が出てくる。
話題の銘柄
7003 三井造船/会社が07年3月期経常予想140億円から180億円に上方修正
18日に2007年3月期業績予想の上方修正を発表した三井造船について、野村が速報レポートを作成。「会社が18日に07年3月期経常利益予想を従来の140億円(前期比11%増)から180億円(同43%増)に上方修正した。会社は営業利益(従来の会社予想は同83%増の180億円)についてはコメントしていないが、当社では営業利益についてもほぼ同額の増額修正だと推定している。なお、現在の07年3月期当社予想は営業利益185億円(同88%増)、経常利益145億円(同15%増)である。会社は業績上振れの要因についても言及していないが、当社では船舶の駆動用エンジンやプラント用圧縮機などを販売する機械事業の好調が主因だと推定している。これらの製品は建造量などの拡大に伴う数量増に加えて、販売価格も上昇に転じていると見ている。決算発表は4月27日、説明会は5月8日に予定されている」と報告。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼FX相場予想/
シドニーは相場操作向き⇒東京は玉さばき向き
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
ファンドの連中、全部のゲームに参加してんじゃないの?
売り手も買い手も同じ顔だったりしてね。大体、引けの1時間くらいで仕掛けて相場操作しようなんてするからおかしくなるんだ。結局、仕掛けた奴の投げ。中国の金融引き締めが理由とかいろいろ言っても、ただの後からの材料探し。総投げで落ちたものの、あれだけ夜まで118円台復帰できなかったのが、夜中に118.50?オイオイって感じだね。クロス円はその上下幅がさらにすさまじい。一日の間でのこういう往来は良い相場ではないよ。
オージー円が99円台から97円台に落ちた時、あれ?やっぱり俺にオージービーフ食わせたいの?って思ったよ。そしたら、お預け!って感じで夜中に99円だもんね。この日のクロス円の往来上下は怪我人多かったと思うね。個人投資家と違って、ファンド連中はドタバタやるからね。ってなわけで、今夜も夜中と明け方にガチャガチャ仕掛けるのかね?そして、東京の昼まで同時参加。シドニーは相場操作向きの時間帯。東京は玉さばき向きの市場。そして参加者はオリンピック的ファンド勢。(4月20日。金曜日。なつかしい切手趣味週間。)
▼FX相場予想/
円キャリー・トレードが長続きしなくなった「2つの理由」
元為替ディーラーで、『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は19日、為替相場について、概ね次のようにコメントした――。
4月18日のドル円は、概して「ドル売り(円買い)」方向に動いた。
G7が、現状容認のスタンスだったので、「円キャリー・トレード」が進むのではないか、と思われたが、G7直後の月曜日だけに、そうした動きが見られたが、長続きしていない。
理由は2つ挙げられる――。
ひとつは「円キャリー・トレード」を行っている市場参加者にしても、「学習効果」で、高値、上値を追いかけての「外貨買い円売り」を抑制するようになった、ということ。
「円キャリー・トレード」は、円の低金利を利用して、円ローンを組み、―――円資金を借りて、―――
その円資金を高金利の外貨に交換して、―――つまり、「円売り外貨買い」の外国為替取引を行って―――外貨の高金利と円の低金利の金利差を享受しようとする「トレード・テクニック(取引手法)」のこと。
通常、金利はすぐには大きく変化しないから、金利差享受は通常は思惑通りにいく。
しかし、「円キャリー・トレード」には為替リスクがあるので、円高になれば為替差損となる。
―――元本が減る、キャピタル・ロス(売買損)が出る。―――
つまり、「円キャリー・トレード」は、為替レートが動かないか、「円安」になれば、利益になるが、「円高」になれば、損失になる。「円キャリー・トレード」を行っている市場参加者がそのことを学習して、高値を追いかけなくなった。
▼今日の長期金利/
アジア株の余震を見極めつつ神経質にもみ合う
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:25、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。
<予想レンジ>
・ 長期金利(#285)1.665%~1.685%
・ 債券先物(6月限) 133.80円~134.00円
<シナリオ>
長期金利は、株価動向(アジア株の余震)を見極めながら神経質にもみ合う。
▼07年度の債券投資/
外部環境で押せば買いで切り返す場面繰り返しへ
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント …もみ合い、カーブも大きな変動なし
再び押し目買いの強さが確認された。ただ、外部環境のフォローがなければ、現値を追って買うま
では期待しづらい。本日は株安の可能性はあろうが、現時点で、そういったフォローを想定して相場予想するのは難しい。したがって、相場はもみ合い、カーブも大きな変動なしと見込む。
本日の筆者の想定レンジ(長国先物6月限) : 133円80銭 ~ 134円03銭
ニュース・チェック
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は中国株などアジア株急落後の欧米市場が堅調に推移したこと、円相場が円安に戻したことなどから安心感が戻り、一時100円超の上昇となった。日経平均 が終値で前日比+87.92円高の 17459.89円、またTOPIXも同+0.22高の1707.15、JASADAQ指数は同-0.70安の79.57となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、保険業、ゴム製品、精密機器などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替はアジア株安や日銀による早期利上げ観測から昨夜の海外市場で117円台まで円高が進んだが、その後は118円台に戻した。 ドル円相場は118.58-118.63円前後で推移、ユーロ円は 161.50-161.56円前後で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
カブドットコム証券株式会社(8703)
■主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ
当社の主要株主である筆頭株主であった伊藤忠商事株式会社が、平成19年3月9日付で株式の売却を行ったことにより、株式会社三菱東京UFJ銀行が当社の主要株主である筆頭株主に該当することとなりました。 http://kabu.com/company/pressrelease/2007/20070419_2.asp
Posted by Yen-Dokki at 2007年04月25日 18:24