2009年10-12月期GDP速報/10年債利回り予測(3/11)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は3月11日(木)の金融・経済情報をお送りします。

▼4Q:GDP2次速報/
在庫と設備投資の2点で、ポジティヴな評価

大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された2009年4QのGDP2次速報について、「ポジティヴな内容」として、次のようにクイック・コメントした----。

【1】ヘッドラインは市場コンセンサスを下回るも、ポジティヴな内容

2009年10-12月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比年率+3.8%(前期比+0.9%)と1次速報(前期比年率+4.6 %、前期比+1.1%)から下方修正され、市場コンセンサス(同+4.0%、同+1.0%)を僅かながら下回った。但し、中身を見ると、①在庫調整が進展している、②設備投資の下方修正が小幅に留まった、という2つの点でポジティヴな評価が下せる。なお、GDPデフレータは前年比▲2.8%と、1次速報や市場コンセンサス(何れも同▲3.0%)を上回る結果であった。


▼1月機械受注/
外需=過去2期連続大幅増の反動で一旦調整か

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は10日、1月の機械受注について、「製造業からの受注は回復基調」として、次のようにコメントした----。

【1】 1 月のコア機械受注(電力・船舶を除く民需)は季節調整済み前月比3.7%減とほぼ事前のコンセンサス予想どおりだった。12 月に同20.1%増加した後の反落としては小幅の減少にとどまった。3 ヶ月前比では2.7%増と2ヶ月連続増加、前年比でも1.1%減までマイナス幅が縮小しており、コア機械受注は全体として底入れしたことをほぼ確認するものである。

【2】 しかし、製造業からの受注は緩やかな回復基調に向かい始めた可能性が高い一方、コア非製造業からの受注はまだ下げ止まっていない。1月の製造業からの受注は前月比3.3%増と2ヶ月連続増加、受注額は直近の底から18%増加している。他方、コア非製造業からの受注は前月比12.9%減と12 月の上昇分(同22.9%増)の45%程度の減少幅だったが、過去6ヶ月で増加したのはわずか2ヶ月であり、3ヶ月前比では4ヶ月連続減少している。3ヶ月移動平均でみた受注額は87 年12 月以来最低水準となっている。


トヨタを助けた議会公聴会

3月2日(火)には上院商業科学運輸委員会(ジョン・ロックフェラー委員長)がトヨタ・リコール問題に関して議会として3回目の公聴会を開きました。ラフッド運輸長官、ストリックランドNHTSA局長、トヨタ本社の内山田、佐々木両副社長、米国トヨタの稲葉社長など証人は下院公聴会と似通った顔ぶれで、質疑応答も似通ったものでした。新しい点はトヨタ本社の内山田、佐々木両副社長が本社のリコール問題に対する対応を隠さずに話した点で、これはトヨタに懐疑的だった議員の多くを和めました。

総じて3回の議会公聴会は、トヨタ・リコール問題を悪化させるよりはむしろ好転させる契機になりました。トヨタの経営者、特に日本人経営者が決して意図的にリコール問題から逃げた訳でもそれを無視していた訳でもなく真面目に対応していたこと、突然の意図せぬ加速の原因を意図的に曲げた事実はなく電子系統・コンピューターの原因は未だに突きとめられないことを技術的に説明したこと、原因を意図的に隠蔽しようとした事実は全くないことなどを両副社長がかなりの説得力をもって説明できたことが良い点でした。トヨタの対応が遅れたこと、トヨタの拡大戦略にマネジメントが追いつかなくなっていたことなどトヨタの方に問題があったことも事実ですが、これは既に経営方針を転換して前向きに取り組んでいるので今後は大丈夫との印象も与えました。


▼今日の株価予想/
迷い続くなか、中国の経済指標発表で動きだす?

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

きょうは寄り前に国内10−12月GDP改定値(市場予想は前期比年率4.0%)が発表される。10−12月期の法人企業統計で設備投資(全産業)が前年同期比で大幅減となっており、速報値4.6%からの下方修正は必至との見方が強いが、毎度のことでさほどネガティブな反応はなさそう。むしろ、足元の国内のマクロ指標の改善を背景に小じっかりのスタートが予想される。

来週の主要イベント(日銀金融政策決定会合など)や月末控えで心理的に動きづらいなか、前引け後には中国で主要経済統計(消費者物価、小売売上高など)が発表される。ポジティブな反応としては関連するセクターや銘柄などが動き出す可能性がある一方、予想以上の結果に対しては全体的に利上げ懸念が強まりかねない。

日経平均やTOPIXは値幅が狭い迷いの状況が続いていることや、メジャーSQ前日でもあり、後場あたりからの動きにとりあえず留意する必要はあろう。 日経平均は5日移動平均線の強い上昇から、株価と接触するタイミングということで動きが出る可能性も。CME225先物は10615円と上昇したが5日移動平均線の上でスタートできるかがまずは注目される。予想レンジ10450−10800円。

10日のNY株式市場でダウ平均は2.95ドル高と小幅続伸。S&P500は5.16ポイントと昨年来高値にあと一歩に迫った。M&A観測を背景に地銀セクターが堅調に推移するも、相場全体への波及は限定的。目立った動きはなく前日終値付近でのもみ合いに終始した。 特に金融セクターが上昇。地銀セクターはWSJの報道を受け買収ターゲットとなる観測が高まり2.9%上昇した。また、グーグルと中国の問題が近々に解決する見通しとなったことなどを好感し、NASDAQは前日比18.27ポイント高と連日で昨年来高値を更新。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ50円高の10620円、円建ては45円高の10615円となった。


話題の銘柄

6768 タムラ製作所/今期会社計画下振れも来期は大幅増益予想、目標株価380円 

三菱UFJでは、「2010年3月期第3四半期(10〜12月)は前年同期比26%減収ながら、営業損益は同約10億円改善し、5四半期ぶりの黒字。ただ、円高による目減り、情報機器、産業機器、車載関連の伸び悩みなどから、営業利益は計画を約1億円下回ったと会社側は認識。当社では前期(09年3月期)を底に回復局面にあるとの見方に変わりはないが、今期(10年3月期)は若干ながら従来想定を下回ると見て業績予想を見直した。ただし、来期はHEV用リアクタ、LED、車載用電子化学材料などが増加、拠点統廃合などの費用節減効果が通年で寄与、前年比7倍の大幅営業増益を当社では予想。従来予想費減収だが、経費節減効果が予想以上で営業利益は上振れを予想。HEV用リアクタは、数ヵ月分の受注残高を有し、当面は堅調に推移すると見る」と指摘。今2010年3月期連結営業利益を従来予想4.5億円(EPS-8.6円)から3億円(EPS-10.1円)へ減額したが、来2011年3月期同20億円(EPS12.1円)から21億円(EPS13.8円)へ増額し、2012年3月期連結営業利益を29億円(EPS20.7円)と予想。レーティングを「2」から「1」へ、目標株価を従来の360円から380円へ、それぞれ引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


■円相場の行方/
人民元切り上げ+ユーロ安=円高圧力高まる

週明けの外国為替市場では円安の動きが広がった。先週末に日銀の追加緩和観測が流れたことに加え、米国の雇用が市場の予想より強く、またギリシャの国債発行が順調に消化され、ユーロの不安が一旦は落ち着いたことなどが重なった。しかし、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は10日、「その一方で別の円高要因が現れつつある」と語った----。

<中国=人民元の実質的な切り上げに出る可能性が高まる>

まずは、中国が2008 年夏以降続けてきた「ドルペッグ」制を近々取りやめ、人民元の実質的な切り上げにでる可能性が高まってきたことだ。中国当局は、このところ不動産バブルの行き過ぎを警戒して、貸出の増加ペースにブレーキをかけている。ところが、その一方で依然として増加する外貨準備が、実際には逆に金融緩和の役割を果たしている。最近の輸入急増で経常黒字は一頃より小さくなっているが、依然として大きな黒字を出している。


▼FX相場予想/
ドル円=太陽みたいな存在vs.他通貨=衛星に

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。

ドル円。なんだか最近は太陽みたいな存在だなあ。他の通貨が衛星になってしまった感じ。それにしても欧州通貨は鈍い。上昇は下がるための序曲みたいである。しかし、相変わらずダウ見ながらやっている奴が多いね。(3月10日。夜中)


▼ドル円反発/
一時90.83円も、90.82円レベルが上値目処との声

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

海外FX市場サマリー(今朝)

ドル円は反発。欧州の取引時間帯に、「日銀は来週の金融政策決定会合で、追加の金融緩和策を探る可能性がある」との一部報道を受けて、日本の追加金融緩和策への思惑から円売り・ドル買いが進んだ。欧米株高を背景にクロス円が買われたことも相場を支えた。一時90.83円まで値を上げた。ただ、中盤以降は上値の重さが目立った。週間在庫統計発表後にWTI原油先物価格が一時1バレル=83ドル台まで急伸したことを材料に、対ユーロや資源国通貨でドル売りが強まった影響を受けたほか、市場関係者からは「一目均衡表の雲の上限90.82円レベルが上値の目処として意識されている」との声が聞かれ、戻り売りなどに押された。

ユーロドルは反発。一時1.3680ドルまで値を上げた。ギリシャが欧州連合(EU)に提出した財政再建の履行状況に関する報告で計画が前倒しで実行されていることが伝わったほか、EU報道官が「ギリシャについて必要ならば明日にでも行動する用意がある」などと述べたと伝わると、ギリシャを巡る懸念が後退。ユーロの売り持ちを解消する動きが強まった。欧米株価の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りや、原油先物価格の上昇を好感した買いも見られた。昨日の高値1.3636ドルを上抜けると、上昇に弾みが付いた。ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシング後は、伸び悩む展開に。ファンド勢からの売りで金先物価格が急落したことが相場の重しとなり、一時1.3621−24ドルまで下押しした。

ユーロ円も反発。欧州市場序盤は、ポンド円の下落につれた売りに押されて一時 121.88円まで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。日本の追加金融緩和への思惑から円売り・ユーロ買いが出たほか、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。昨日の高値123.10円を上抜けてストップロスを巻き込むと、一時124.01円まで上値を伸ばした。


▼今日の債券相場/
10年306回債利回り=再び、1.20%台見ない?

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。

本日の想定レンジとコメント 

昨日、10 年306 回債は1.30%割れとならず、5 年ゾーンは入札を控えて小甘かった。一方、前日入札が好調だった30 年債は堅調さを保った。相場全体の地合いは良好さを維持しているものの、広がりは見られないという印象である。そして、本日の相場の手掛かり材料は5 年国債入札以外になさそうだ。日銀による追加の金融緩和強化の観測が強まる中、新発債、かつ0.50%前後の利回り水準という条件なら、投資家、特に金融機関の需要は根強いと見込まれる。入札自体は無難という域にとどまっても、その後のセカンダリーを含めれば、結果は良好という判断になる可能性が高い。


■2013年度金利予想/
「出口戦略」本格的ターゲット=11年度後半〜12 年度

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は昨日、東京で「円債ストラテジーセミナー」を行った。テーマは「2010年度の展望」であり、佐野さんは「2013年度までの債券相場見通しから来年度の位置づけを考える」と題してレクチャーした。基本的には、本レポートで解説している内容だが、本日は昨日の趣旨に沿ってまとめてみた----。

<今後も10 年国債利回りの基本レンジは変わらない>

1999 年以降、10 年国債利回りは2002 年から2003 年にかけての1.0%割れという異常事態の時間帯を除けば、概ね1.00〜2.00%のレンジで推移してきた。「長期金利=期待名目成長率+リスク・プレミアム」という関係式において、景気が良い時には1.0%台後半、悪い時には1.0%台前半で動くと理解できよう。もちろん、現在は民主党政権の誕生に伴い、その政策が期待成長率を低下させる一方、リスク・プレミアムを拡大させた可能性が高いと本レポートでは論じている。おそらく、両者が相殺されることによって、今後も10 年国債利回りの基本レンジは変わらないと見られる。


▼NY金相場/
ボルカールール適用拡大で下落も、1100$割れは実需買い

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。

昨日もアジアおよびヨーロッパは非常に静かなマーケットでした。しかしニューヨークでいわゆるボルカールールに関するニュースが出て、それで大きく売られたようです。3人の米上院議員が、銀行の自己リスク取引を規制するというボルカールールの適用をより、広範囲なものとするという提案を公表したとのこと。Democrats (民主党議員)がこの政策を支持しており、これがトレーダーたちの嫌気をさそい、商品が売られたようです。ゴールドは1127ドルから1105ドルまで一瞬にして売られ、シルバーも17.60から17ドル割れまで売り込まれました。1100ドル割れは実需に買われると思います。今朝もこのレベル(1108ドル近辺)では早くも中国の買いが入っています。


ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(10日)=312兆3246億円(前日比−7472億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は、日銀の追加緩和期待と円高一服で上伸。日経平均 が終値で前日比+94.24円高の10,658.16円、またTOPIXも同+高の 、JASADAQ指数は同−7.69安の930.13となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは30業種。海運業、その他金融業、卸売業などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は円が総じて軟調。ドル円相場は90円台前半で推移、ユーロ円は123円台前半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

株式会社サイバーエージェント(4751)

■「Ameba」が新広告商品「Ameba公式アカウント」を提供開始
http://ir.cyberagent.co.jp/

積水ハウス株式会社 (1928)

■2010年2月度受注速報
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/order/orders_2010.html