GDP低成長で"失われた20年"へ/日本企業への長期投資(2/16)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は2月16日(火)の金融・経済情報をお送りします。

■デフレ経済脱出法/
現実的なデフレ解消策=供給調整シナリオは不可避

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は15日、根強いデフレ問題の解消策に関して、「日本経済には大幅なストック調整が必要」との見解を示した----。

<名目GDP=年率0.9%の低成長に止まった>

【1】 09 年10-12 月期のGDP 統計が公表された。実質GDPは年率4.6%の高成長となったが、名目GDPは年率0.9%の低成長に止まった。足元の名目GDP水準はピークとなった2008年1-3月期を8.3%下回っており、1991年10-12月期並みの水準である。まさに"失われた20年"と呼ぶに相応しい状況である。

【2】 こうした中、政府・日銀はデフレ解消の重要性を認識してはいるものの、具体的な政策対応を示せないままでいる。急激な円高を回避するために金融政策をより緩和的に運営することも重要ではあるが、それだけでデフレが解消するわけではない。他方で、財政刺激策によってデフレ解消を狙うことも殆ど不可能であると考えられる。そもそも負のGDP ギャップ(経済におけるマクロ的な供給超過)が8%程度という大規模なものに上っているうえ、社会保障制度改革の遅れから裁量的支出を増加させる余地が既に著しく制約されているためである。


▼10-12月期GDP/
堅調な個人消費と設備投資のプラス転換が寄与

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は15日、10-12月期GDPについて、「名目GDP の伸び悩みとデフレの進行で日銀に追加緩和の圧力高まる」として次のようにコメントした----。

(1) 09年10-12月期のGDP1次速報値では、名目GDP成長率は前期比年率0.9%増と7 期ぶりにプラスに  転じたが、内需の寄与度は-1.0%ポイントと7期連続マイナス。

(2) GDP デフレーターは前期比0.9%下落、前年比では3.0%減と前期の同0.6%減から大幅にマイナス幅が   拡大した。デフレの進行で日銀に対する追加緩和の圧力は一段と高まると予想される。

(3) 実質ベースでは前期比年率4.6%増と市場の事前予想(同3.5%増)を上回ったが、ほぼ当社の予想通りで 大きなサプライズはなかった。

(4) 引き続き外需が好調さを維持した一方、堅調な個人消費と民間企業設備投資のプラス転換が寄与した。


■今週の株式相場/
目先、最も厳しい局面通過との認識で底堅い展開か

みずほ証券・商品企画グループ投資情報部エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は15日、今週の株式相場について次のようにコメントした----。

<今週の予想レンジ=日経平均で9900円〜10300円>

今週の東京市場は堅調と予想する。アジア(中華圏)の正月休暇、北米の祝日の影響で動意には乏しいものの、材料および需給両面から短期的に①最も厳しい局面を通過したとの認識が徐々に広がり全体相場は底堅さを見せるのではないか。改めて②好業績企業が散発的に物色されそうだ。現地時間15日の③ユーロ圏財務相会合の結論、それを受けてのユーロの値動き次第では日米欧3極の株価の一段高も考えられる。今週最大の注目点であろう。(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。


▼長期投資戦略/
新興国が豊かになるほど、大活躍する日本企業に注目

さわかみ投信・社長の澤上篤人さん(Atsuto Sawakami/President, Sawakami Asset Management Inc.)は、新興国のエネルギーや食料品への需要が膨大になるとした上で、今後の長期投資のテーマについて、次のように語った----。

早い話、地球資源に頼っている現状にはいずれ限界が来る。そう遠くない将来、工場で生産されたエネルギーや鉱業原材料、それと工業化による飲用水確保や食料増産が世界中の人々の生活を支えていくことになろう。 

それらの供給ニーズは量的にも半端な規模ではない。高度な技術開発力と鉱業製品を安く大量に生産する能力を併せ持っている日本の製造業にとっては、とんでもない将来需要が横たわっているわけだ。新興国が豊かになればなるほど、大活躍するであろう日本企業は数多い。われわれ長期投資家にとっては応援しがいのあるテーマである。


▼今日の株価予想/
米グローベックス先物を睨みながらの展開へ

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

東京市場はアジア休場など手掛かり材料難で商い閑散のなか、小幅高の推移が続きそうだ。日経平均は1万円の心理的節目を前に買い戻しが先行する展開か。米グローベックスの動向を睨みながら神経質な展開が予想される。

不安定な外部環境に国内の相次ぐ公募増資や各種経営リスクなどの悪材料が買い手控え要因に。一方、企業業績の改善やマクロ指標の改善基調は続いており、海外市場の連休明けの相場安定が確認できれば、反発基調を強める可能性は十分に考えられる。日経平均は200日移動平均線の緩やかな上昇が続くなか、5日移動平均線の上昇に株価が上手く反発できるかが注目される。予想レンジは10050−10150円。


話題の銘柄

5301 東海カーボン/黒鉛電極事業がコンセンサス比で大幅上振れへ、目標株価600円 

同社は2月10日に今10.12期見通しを発表。売上高を前期比20.1%増の1000億円、営業利益を同51%増の80億円とした。ドイツ証では、◇黒鉛電極の需要面に力強さが加わったこと、◇同電極の価格下落が想定より小幅にとどまる可能性が高まってきたこと、◇同社は保守的なガイダンスを出すことが多いこと、----などを指摘。黒鉛電極事業に関して一段の利益アップサイドがあり、コンセンサスを大きく上回る業績が期待できるとして、投資判断を「Hold」→「Buy」に、目標株価を480円→600円(10.12期予想PER20倍)に引き上げた。今後の業績については、営業利益ベースで、今10.12期を90億円→115億円(EPS 30円)と上方修正し、来11.12期を155億円(同41円)と予想した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


▼NYユーロドル相場/
4日続落、ユーログループ議長発言には反応薄

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

海外FX市場サマリー(今朝)

15日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4日続落。終値は1.3597−02ドルと前日NY終値(1.3630ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準だった。欧州の取引時間帯に、欧州株相場や金先物価格の上昇を手掛かりに、対資源国通貨でドル売りが進むと、アジア時間早朝に付けた本日高値1.3635ドルに面合わせする場面があった。ただ、1.3635ドルを上抜け出来なかったため、上値の重さが意識されると徐々に売りに押される展開に。ユーロ圏財務相の発言が伝わる中、ギリシャに対する具体策が示されなかったことが嫌気されて1.3581−84ドルとアジア時間に付けた本日安値 1.3578ドルに接近する場面があった。もっとも、米国市場が休場でポジションを傾けにくい地合いだったうえ、16日の欧州連合(EU)財務相理事会を見極めたいとして、その後は1.3600ドルを挟んだもみ合いに終始した。

なお、取引終了間際にユンケル・ルクセンブルク首相兼財務相(ユーログループ議長)の記者会見での発言が伝わった。同氏は「ギリシャは3月半ばに追加的な財政赤字削減措置を公表する見込み」「EUは必要であれば行動を取る用意がある」などと述べたが、特に目立った反応は見られなかった。

ユーロ円は4日続落。終値は122.35−40円と前日NY終値(122.60円)と比べて25銭程度のユーロ安水準だった。ギリシャ救済への不透明が残る中、ユーロ圏財務相会合を前にした売りに押された。一時 122.26円まで値を下げた。ただ、米国市場が休場でポジションを傾けにくい地合いとなったため、一方的に円高・ユーロ安が進む状況にはならなかった。

ドル円はほぼ横ばい。終値は90.00−05円と前日NY終値(89.95円)と比べて5銭程度のドル高水準となった。ユーロ円の下落につれた円買い・ドル売りが入ったほか、対資源国通貨で一時ドル売りが進んだ影響で89.92円まで売られた。ただ、その後は動意の薄い展開に。米国がプレジデンツデーの祝日で休場だったため、90.00円を意識した狭いレンジでの取引に終始した。今日の高値はアジア時間に付けた90.25円で値幅は33銭程度だった。


▼今日の債券相場/
もみ合い、5年債入札絡みで多少上下動ありと予想

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。

本日の想定レンジとコメント

昨日の米国市場はプレジデントデーの休日。したがって、本日の相場は基本的に昨日の地合いを引き継ぐ。昨日はしっかりだったものの、主役は先物の買戻し。現物の需給がさらに改善した証拠はなく、超長期債、13年ゾーン以降の利回りは先週末比で上昇した。本日は5年国債入札が行われる。その事前準備は終わった感がある。しかし、最近は投資家がプライマリー段階で積極的に買わず、セカンダリーで甘くなったところを拾う傾向が強い。ましてやリオープン発行が濃厚である。

したがって、最終的に今回の入札が相場に決定的インパクトを与えることはないと見るものの、短期的には警戒感を持って臨むべきと言える。


▼NY金相場/
旧正月明けの来週以降も、アジア需要が続くか注目

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。

昨日今日は旧正月。昨日アジアは静かですがしっかりでした。ゴールドは1092-1098ドルのレンジ。その後のロンドンも1094-1103ドルとしっかりで1100ドル回復。閑散に売り無し。シルバーも同様。15.46-15.56東京、ロンドンでは15.65まで上昇しました。中国圏が休み、ニューヨークも休みでおそらく買い手(現物需要)も売り手(投機筋のロングからの売り)も休み。投機筋休みの影響のほうが大きいのでしょうかね。


ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(15日)=299兆0302億円(前日比−2兆8473億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は、米中の市場が休暇中のため様子見で薄商い続く。日経平均 が終値で前日比+47.04円高の10,060.34円、またTOPIXも同+3.50高の886.97、JASADAQ指数は同+0.62高の50.12となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは24業種。空運業、石油石炭製品、海運業などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場はやや円安で小動き。ドル円相場は90円を挟んだもみ合いで推移、ユーロ円は122円台半ばで推移している。

★堀内AIA社長のFXコメント=米中休場で、当然ながら相場は居眠りだね

AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。「チャイナとアメリカがお休みだと当然ながら相場は居眠りだね。ドル円は別に毎日居眠りだからどうでもいいか。ユーロは、いつまでもギリシャギリシャってよく飽きないなあ。おーい、何か他の材料持ってこい」。(2月15日。夜中)

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

大和証券グループ本社(8601)
■職員の異動について
http://www.daiwa-grp.jp/press/index.cfm

三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社

産業ファンド投資法人(3249)
■平成21年12月期(第5期)決算短信
http://r31.smp.ne.jp/u/No/39836/i894F0bIEC8J_56/100215001.html

■資産の取得に関するお知らせ(IIF習志野ロジスティクスセンター(底地))
http://r31.smp.ne.jp/u/No/39836/25OEh4bIEC8J_56/100215002.html

住商情報システム株式会社 (9719)
■Arbor Networks社製「Peakflow SPシリーズ」の販売を開始
http://www.scs.co.jp/