過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は2月17日(水)の金融・経済情報をお送りします。
■デフレ経済の持続性/
企業の設備投資意欲は持続=デフレは長期化へ
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は16日、日本経済のデフレ長期化が展望されるとして、概ね、次のように語った----。
ポイント:
いわゆる"成長会計"に基づいた生産関数アプローチを用いて日本経済のGDP ギャップを推計すると、2009 年は過去最悪の−8.2%となる。この6 割は資本ギャップ(過剰資本ストックに起因するデフレ・ギャップ)である。財政・金融政策で負のGDPギャップを解消することは困難であるが、ストック調整による縮小均衡型のギャップ解消シナリオも展望しづらい。個別企業レベルでは設備投資意欲が維持されるとみられるからである。デフレ長期化を展望せざるを得ない。
■中国発「追い風」/
貸出のスピード調整あっても本格的引締めは「まだ先」
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、高度経済成長を続ける中国経済の追い風を受けて、日本の二番底懸念は後退するとの見通しを示した----。
<中国の輸入急増が、日本の輸出には大きな援軍となる>
日本の景気については、この春先にも景気の二番底か足踏みが懸念されていたが、昨年第4 四半期の年率4.6%の高成長に続いて、この不安を吹き飛ばすような強い追い風が中国から吹いてきた。引締め懸念が出ている中国の今年1月の貸出が、1.39兆元と、過去3か月分の合計を上回る大幅な増加となったことだ。このため、1月のマネーサプライM1は、前年比39%増と一段加速。さすがに預金準備率を再び引き上げたが、消費者物価はむしろ前月よりも上昇率が低下し、貸出のスピード調整はあっても、本格的な引締めはまだ先と思われる。マネーサプライの景気先行性からすると、中国景気はしばらく高成長が続くとみられる。
▼今日の株価予想/
マクロ・ミクロ再評価で全面高へ、悪材料一旦遠のく
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は全面高の展開へ。日経平均は直近3日間で1万円の大台を維持した底堅さが証明される一日となりそうだ。米株市場に見直し買いの気運が強まっていることや、円安方向への動き、欧州ソブリンリスクに対する抵抗力がついてきていることも追い風に。企業業績の改善やマクロ指標の改善基調を好感する地合いに変化していく可能性は高い。アジア市場で休場明けとなるハンセン指数の動向によっては、後場からさらに上値をトライする展開も。なお、上海市場は19日まで休場となる。
日経平均は5日移動平均線の上昇基調が続くなか、はらみ足から上手く反発基調が続きそうだ。上のマド埋め水準(2月4日安値10279円)までの上昇が見込まれる。きょうの予想レンジは10120円−10280円。来週前半にかけての短期的な上値メドは基準線の10424円となる。
話題の銘柄
7239 タチエス/09年10〜12月期決算はポジティブサプライズ、目標株価920円→1100円
野村では、「2月12日に発表された09年10〜12月期決算は、売上高が前四半期比で88億円増収の542億円、営業利益が同9億円増益の24億円となった。日本では会社が実施してきた事業構造改革と自動車用シートの生産の増加が業績に寄与し、営業利益は同9億円増益の16億円となった。米国では、日産のマキシマの生産が堅調に推移し、営業利益は同1億円増益の4億円、中国では、主力車種である日産のシルフィ、キャッシュカイ、リヴィナの生産が堅調に推移し、営業利益は同3億円増益の5億円となった。一方でメキシコでは、車種構成の悪化が影響し、営業利益は同3億円減益の収支均衡となった」、「予想以上のペースでシートの売上が回復していることを踏まえ、10年3月期の当社営業利益予想を上方修正した。また、11年3月期以降は、足元の回復ペース、国内の新車効果、中国の増産を織り込み、当社予想を修正した」と指摘。今2010年3月期連結営業利益を従来予想36億円(EPS64.4円)から43億円(EPS93.4円)へ、来2011年3月期同52億円(EPS83.7円)から60億円(EPS103.1円)へ、2012年3月期同61億円(EPS99.9円)から68億円(EPS119.2円)へ増額。レーティング「1」を継続、目標株価を従来の920円から1100円(11年3月期予想基準PER11倍)に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
■Q4GDPとドル円相場/
需給ギャップの大幅縮小なければ、円安進行も緩やか
Q4GDP1 次速報値ではGDP デフレーターは前期比0.9%下落と4ヶ月連続マイナス、前年比では3.0%下落と過去最大の落ち込みとなった。デフレは実質金利を上昇させ、様々な投資活動を抑制する。クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/ Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は16日、貿易黒字は金融危機前の水準に戻りつつあるが、リスクマネーが十分海外へ還流しにくい状況が続いているとして、こう続けた。
「足下、ギリシャの財政赤字問題や中国金融引締策の影響に対する懸念が後退し、投資家のリスク許容度が回復すれば、いずれ円安方向に転じるだろうが、需給ギャップがかなり縮小しなければ、デフレからの脱却は難しく、円安の進行も緩やかなものにとどまろう。」
■ドルと米輸出倍増策/
人民元高を求めても、ドル安政策はとらない?
大和総研・投資調査部・為替ストラテジストの亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は16日、米政府は輸出増強のためにドル安政策をとるのではないかとの声も聞かれるが、「人民元高求めてもドル安政策はとらないのでは」と語った。
オバマ米大統領は一般教書演説で、今後5年間で輸出を倍増し、200万人の雇用を支えるとした。この輸出倍増のために米政府はドル安政策を志向する、との見方もある。ただ、今年に入りドルが反発したとはいえ、新興国を含めた幅広い通貨に対するドルの実質実効為替レートは、歴史的にみてかなり低い水準にあり、輸出は伸びやすい状況だ。
▼FX相場急変/
ギリシャとは別の畑に行くか、再度芽が出るまで待つ?
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。
相場は下がるとなるとどこまでも下がるような錯覚に陥り、上がるとなるとどこまでも上がるような錯覚に陥りやすい。ギリシャ畑は、もう荒らされてしまって、別な畑に行くか、再度芽が出てくるまで待つってことになりそうだ。喉元過ぎると何とかというのは株式市場でも同じで、要は全て人々の心理の集合体の鏡が相場だと思う。(2月16日。夜中)
▼ユーロ急反発/
ユーロドル=一時1.3780ドル、ユーロ円=一時124.48円
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
海外FX市場サマリー(今朝)
ユーロドルは5営業日ぶりに反発。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、現物の米国株が大幅に上昇すると、投資家のリスク志向が改善するとの見方から全般的にドル売りが強まった流れに沿った。商品相場の上昇を手掛かりに対資源国通貨でドル売りが進んだ影響も受けた。市場関係者からは「このところユーロは売られすぎとの見方が広がった」との声が聞かれ、一時1.3780ドルまで値を上げた。
16日に開かれた欧州連合(EU)財務相理事会では、ギリシャが策定した財政再建計画について、目標とする財政赤字削減が3月中旬までに軌道に乗らなければ、追加対策を義務付けることで合意したと伝わった。ギリシャへの具体的な金融支援策は打ち出されなかったものの、イベントを通過したことで「材料出尽くし感」もあり、これまでに膨らんだユーロの売り持ちを解消する動きにつながったとの指摘があった。
ユーロ円も5日ぶりに反発。一時124.48円まで値を上げた。欧米株価の上昇やコモディティ価格の上昇を背景に、投資家のリスク許容度が上昇し円売り・ユーロ買いが広がった。心理的節目の123.00円や124.00円を上抜けると、ストップロスを巻き込んで上昇に弾みが付いた。ただ、急ピッチで上昇した反動で引けにかけてはやや伸び悩んだ。
ドル円は小幅ながら上昇。欧米株高や商品相場高を背景に、対資源国通貨中心に円売りが進んだ影響を受けたほか、2月NY連銀製造業景気指数が予想より強い内容となったことを手掛かりに円売り・ドル買いが進んだ。先週末の高値90.43円を上抜けて、一時90.52円まで値を上げた。ただ、中盤以降は上値の重さが目立った。対ユーロや資源国通貨でドル売りが進んだ影響を受けたほか、米長期金利の低下を意識した売りが上値を抑えた。「ドル円の上値では国内輸出企業などからの売り注文が断続的に観測されており、戻りを売りたい向きも多い」との指摘があった。
▼今日の債券相場/
軟調だが、現物は全般的に意外と底堅いと見込む
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。
本日の想定レンジとコメント
昨日は5 年国債入札が好調、先物は年初来高値更新でショートカバーが続き、中期から9 年ゾーン辺りまでは小じっかりだった。しかし、相変わらず超長期ゾーンの需給は悪い。それだけに、相場の地合い好転も中途半端な印象が強い。本日は外部環境もアゲインストであり、相場は軟調と予想する。それでも20 年債の2.20%接近、30 年債の2.30%台後半では最終投資家の一定の需要があると見られ、本日は現物が全般的に意外と底堅いと見込まれる。したがって、先物の踏みがどの程度終わっているかにもよるが、イールド・カーブは7 年からロングエンドにかけてフラット気味と見る。本日から金融政策決定会合が始まる。重要な決定があると考える向きは皆無に等しい。しかし、政府・与党のデフレに対する懸念は強まっており、今後の日銀に対する圧力は視野に入れておく必要がある。
▼2010年度債券相場/
今年度に比べても、狭いレンジに止まる可能性高い
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は、「今後も続くタイトなレンジ」として、今後の債券相場について、概略、次のような見方を示した----。
今後数ヵ月も1.30%台の推移が続くわけはない。しかし、ファンダメンタルズに大きな変化があればその限りではないものの、今後も以前に比べればタイトなレンジ推移は免れ得ないと考えている。「根深い問題」が低金利、そして、狭いレンジの背景にあるならば、状況は簡単に変わらないだろう。
▼NY金急反発/
実需買いは強い=投機ショート筋の踏みが入った構図
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
昨日も旧正月でアジアは日本以外ほぼお休み。閑散に売りなし、が続き、逆にじわじわ上がるのにつれてストップの買いオーダーを引っ掛けて上がっていきました。東京では1100ドルで始まり、午後5時半の引けは高値の1117ドル。17ドルも上がりました。この流れは欧米に入っても続きました。ニューヨークの高値は1122ドル。シルバーも同様でアジアでは15.50から15.80へ上昇、そして欧米では16ドルを回復、16.20までありました。
▼米欧商品市況/
ギリシャ財政懸念緩和で、ほぼ全銘柄が急反発
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された16日の海外商品市況は次のようになった----。
◎NY貴金属引け速報=急反発、ギリシャ問題に対する楽観的な見方が広がる
ニューヨーク貴金属は急反発。ニューヨーク金、銀ともに急反発。
金4月限は、ドル安・原油高の加速や株価急伸でリスク許容度が高まり、2月3日以来の高値に急伸した。ギリシャ債務問題にEU財務相が関与を強めたことも支援材料。 銀3月限は、ドル安・原油高の加速や株価急伸、金・銅の急伸をはやして投機買いを集め、2月4日以来の高値に急騰した。リスク許容度の高まりや商品全面高も強材料。
プラチナ系貴金属(PGM)は急反発。
プラチナ4月限は、ドル安・原油高の加速や株価・金の急伸でリスク許容度が高まったことや、ギリシャの債務問題に対する楽観的な見方で先週の高値を突破した。パラジウム3月限は、ドル安・原油高の加速や株価の急伸、他の貴金属の急伸で2月4日以来の高値を付けた。リスク許容度の高まりや商品高、米景気回復も強材料。
◎NY原油引け速報=期近は急反発、ドル下落やテクニカルな動きなどで
ニューヨーク原油は期近が急反発。終値の前営業日比は、期近2限月が2.90〜2.92ドル高、その他の限月は2.79〜2.90ドル高。ドル下落・株高や米指標改善などを好感するなか、テクニカルな動きも強まると、期近は一時、4日以来の高値を付けた。
(オーバルネクスト/シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
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ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(16日)=299兆8476億円(前日比+5456億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は祝日明けのNY市場が169.67ドル高、またユーロ円が急反発したことを好感して200円を超す急騰となった。日経平均 が終値で前日比+210.37円高の10,244.62円、またTOPIXも同+15.70高の900.87、JASADAQ指数は同+0.06高の50.14となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうちパルプ・紙以外の32業種は上昇した。
午前の東京外為市場=為替相場ではユーロ急反発後はまちまちの値動き。ドル円相場はやや上昇して90円台前半で推移、ユーロ円は一気に124円台前半まで上昇した。
★大和総研・田谷特別理事=日本の景気・金利に影響をおよぼす欧州危機
大和総研・特別理事の田谷禎三さんは、ギリシャの財政問題などEUの見通しについて、「さらに厳しくなる欧州の経済情勢」として、こう語った----。「ギリシャの財政問題を契機に欧州の経済、財政、金融情勢への関心が高まっている。財政問題はギリシャにとどまらず、PIIGS と呼称される国々をも巻き込んだものとなり、今後の展開によっては、さらに広がりを持ったものになりかねない。日本の輸出の約15%がEU 向けであることを考えると、日本の景気にもマイナスであるし、日本の景気がさらにアジア依存を強めることにもなるだろう。また、市場がソブリン・リスクにより敏感になることを通じて、日本の長期金利に影響が出る可能性もある」。(詳細は別途、ご紹介する予定です。=編集部)
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
株式会社大阪証券取引所(8697)
■平成22年〜24年度中期経営計画
http://www.ose.or.jp/cms/news/detail.php?id=15653&style=ja
ソニー株式会社(6758)
■2009年度 第3四半期報告書 掲載
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/yu.html
株式会社サイバーエージェント(4751)
■サイバーエージェント、「mixiアプリ」向け成果報酬型広告「CAリワード」を開始
http://ir.cyberagent.co.jp/

