過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は1月29日(金)の金融・経済情報をお送りします。
■第2次補正予算/
支出の質改善を勘案しても、GDP押し上げ0.3%程度
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は昨日、国会で可決・成立した09年度第2 次補正予算について次のように論評した----。
(1)規模は7.2兆円であるが、既定経費の削減などを勘案すれば、付加的な景気刺激効果は高々1兆円程度
(2)支出の質の改善(乗数効果の高まり)を勘案してもGDP 押し上げは0.3%程度
【1】 国費規模は7.2 兆円であるが、地方交付税・補助金のやりくりという技術的な部分を除くと、4.2 兆円強になる。しかも、その4.2 兆円強の財源は、既定経費の削減であり、ネットでの財政支出は1 兆円程度に止まる。さらに、直接的な政府支出ではない金融対策費用 の1.6 兆円を除けば、ネット財政支出は若干のマイナスになる。
■中国経済ウォッチ/
千客万来を待ち望む上海万博=特需も期待可能?
大和総研・投資戦略部の肖敏捷さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、開幕まで100日を切った今年中国最大のイベントである上海万博と北京五輪と何が違うのか、との問いに関して、次のような見方を示した----。
<前売券収入は、北京五輪の入場料収入を超えた>
関連施設や市内道路などの建設作業が急ピッチで進んでおり、上海市は巨大な工事現場となっている。また、関係者は市民へのマナー教育や英語特訓に力を入れ始めた。このような光景は確かに2008年の北京五輪前にもみられた。ただし、万博開催中に、環境対策として上海周辺地域の工場操業を中止するという話は今のところ聞かない。建設工事についても、会場周辺25キロ以内の地域に制限を加える程度だ。青空を確保するために実施された厳しい五輪規制とは対照的だ。北京五輪の開催期間は約1ヶ月だったが、上海万博の開催期間が半年に及ぶことを考えればこのような規制は無理な話だ。
北京五輪中は、生産や物流などモノよりヒトの流れの方が厳しく規制されていたかもしれない。
テロを防止するため、国の威信をかけた厳戒体制が敷かれ、この間に北京を訪れた国内の観光客は急減。ホテルや航空会社、小売にとっては「五輪特需」が期待外れに終わった。しかし、金メダル獲得数世界一が目標だった北京五輪に対し、来場者数世界一を目指す上海万博はヒトの流れを制限するどころか、千客万来を待ち望んでいるはずだ。既に前売券収入は北京五輪の入場料収入を超えた。
▼12月鉱工業生産/
10ヶ月連続の増加だが、7月以降、増勢は鈍化
大和総研・経済金融調査部(渡辺浩志エコノミスト+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された12月の鉱工業生産について、「増産続くも減速の見込み」として、次のようにコメントした----。
【1】 堅調な推移
12月の鉱工業生産は前月比+2.2%と市場コンセンサス(同+2.5%)を下回ったものの、10ヶ月連続の増加となった。09年春以降、外需の反転と一部産業の在庫積み増しなどから生産が勢いよく立ち上がった時期と比べると、7月以降、増勢は鈍化している(前月比は3〜6月平均+3.9%→7〜12月平均+1.8%)。ただし、輸出数量(内閣府季節調整済み値)の7〜12月の前月比は平均すると+2.4%となっており、鉱工業生産の輸出に対する弾力性が0.6程度であることを考慮すれば、ほぼ輸出並みの回復が続いているといえよう。
▼消費・雇用・家計/
実質個人消費=政策効果で3期連続の前期比プラス
クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は今朝、発表された個人消費、雇用、家計の経済指標に関して、「10-12 月期:コアコア既往最低、雇用は悪化、しかし、消費は回復基調」として次のようにコメントした----。
(1)12月の全国コアCPI
大幅な負のアウトプット・ギャップ、雇用回復の遅れによる賃金下落を背景に物価は下落基調を辿っている。12月の全国コアCPI(生鮮食品を除く)は前年比-1.3%。コアコアCPI(食料およびエネルギーを除く)は同-1.2%と、09 年10 月の-1.1%を下回り、既往最低を更新した。また、2010 年1 月の東京都区部コアコアCPI は前年比-1.4%となり、同月の全国コアコアCPI も引き続き下落基調にあることを示唆した。10-12 月期平均の全国コアコアCPI は季調済前期比-0.2%となり、4 四半期連続で下落した。12 月の全国コアコアCPI 下落の背景として、財では教養娯楽耐久財(前年比-22.0%)、家庭用耐久財(同-9.5%)が、また、サービスでは教養娯楽サービス(同-2.6%)の下落幅が大きかった。
▼12月消費者物価/
需給面からみたデフレ圧力は当面続く見通し
大和総研・経済金融調査部(渡辺浩志エコノミスト+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された12月の消費者物価について、「デフレ基調が継続」とした上で次のようにコメントした----。
【1】 コアCPIの前年比マイナス幅は縮小
12月の全国CPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比▲1.3%と、市場コンセンサス(同▲1.3%)通りとなった。前年比マイナス幅は11月の▲1.7%から縮小した。ガソリンが前年を上回るなど、エネルギー価格が前年の反動の局面を終えつつあり、物価押し下げ寄与を縮小させていることが主因。一方、消費者の低価格志向やデフレ期待を反映し、生鮮食品を除く食料や被服・履物、家庭用耐久財などは前年比のマイナス幅を拡大させている。なお、エネルギーなど海外市況要因を除いた基調的な物価の動きを表すコアコアCPI(酒類以外の食料とエネルギーを除く総合CPI)は、前年比▲1.2%と12ヶ月連続で前年割れとなり、前月の同▲1.0%からマイナス幅は拡大した。
▼今日の株価予想/
ダメ押しは買い場なるか、変化日前後の動きに注目
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は米株安を背景に売り先行のスタートへ。ハイテク株中心に売りが予想される一方で、金融株や小売、通信などの内需関連がどこまで底堅さをみせるかが指数の動きを左右しそうだ。日経平均の予想レンジは10400円−10200円。ダメ押しとなる可能性はあるが、変化日前後の動きであり突っ込み警戒は必要だ。
寄り前に12月の鉱工業生産(予想、前月比2.5%)が発表されるほか、きょうは3Q決算発表で主力企業のピークを迎える。昨日は通期予想を下方修正した新日鉄が急落。新興国需要で業績回復が見込まれていただけに、ネガティブ・サプライズとなった。きょうは、前引け後に決算発表を行う海運株が相場のカギを握りそうだ。そのほか、NTTドコモ、東芝、日東電工、富士フイルム、富士通、みずほFG、ユニ・チャーム、村田製作所、三菱商事、住友鉱山、ANA、東京電力などが予定されている。
話題の銘柄
6981 村田製作所/MLCC収益性回復や無線用部品拡大見込む、目標株価6000円
野村では、(1)汎用部品に対する需要季節パターンの変化から、MLCC(積層セラミックコンデンサ)の収益性回復が見込まれること、(2)新アプリケーションの登場で売上の約4割を占める無線用部品の成長が今後加速すると判断したこと、----などを理由に、投資判断を「2」→「1」、目標株価を4800円→6000円と引き上げた。(1)について、足元では需給逼迫を背景にMLCCの値下がりが緩やかで、リーマンショック以降に取り組んでいる生産性の改善(コスト削減)が収益性の上昇につながる好環境にあると指摘。アジア市場におけるシェア挽回も、数量増加に期待できると評価した。また、同社は09年10月にサムスンを特許侵害で米ITCに提訴しており、特許侵害が認められれば製品差し止めや高率のロイヤリティー請求につながる可能性があることにも言及した。(2)については、1月27日に発表予定のAppleのタブレットPCのように、今後はMP3プレイヤーやノートPCでも無線搭載機種が急増する見通しで、「無線の村田」はその成長を取り込めるという見方を示した。これらを踏まえて今後の業績を見直し。営業利益ベースで、今10.3期を、会社予想125億円に対し、230億円→290億円(EPS 99.7円)、来11.3期を470億円→650億円(EPS 205.5円)、12.3期を650億円→870億円(EPS 270.2円)と上方修正した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
●東証IPO銘柄
■(株)エスクリ 株式 (2196)
http://www.tse.or.jp/listing/new/201003/3escrit.html
当社は、挙式・披露宴の企画・運営を行うブライダル事業を主な事業としております。当社は、多様化するお客様のニーズに応えるため、東京23区および全国政令指定都市を中心に「専門式場」「ゲストハウス」「ホテル」「レストラン」など様々なスタイルの店舗を運営しており、「施設の貸し切り感」や「オリジナル感」を重視したオーダーメイド型の婚礼サービスを提供しております。当社は今後とも、様々なスタイルの結婚式場を運営するノウハウを生かすことで成長を目指すとともに、より良いサービスを提供し続けることで、お客様の満足度を向上させ、更なる企業価値の向上を図ってまいります。 会社ホームページ:http://www.escrit.jp/
▼FX投資戦略/
ユーロドルでの戻り売りがもっとも安定、と考える
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
【28日】 あれこれと材料が出てくる、方向がはっきりしない相場が続いています。27日発表された米新築住宅販売件数は、26日発表の中古住宅販売件数に続いて予想を大きく下回り、住宅市場が弱いことは改めて印象付けました。ただ、FOMCではホーニッグ米カンザスシティー連銀総裁が据え置きに反対票を投じるなど、一方では出口戦略がちらつく動きも見られます。雇用が改善していない状況で利上げはまだまだ考えられませんが、こうやって、いろいろ材料が出てきて、どちらにも向かいにくい相場が続きそうです。
▼今日の長期金利/
決め手を欠いてもみ合いが継続する、と予想
三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした----。
<予想レンジ>
・長期金利(#305) 1.300%〜1.315%
・債券先物(3月限) 139.45円〜139.65円
<シナリオ>
長期金利は決め手を欠いてもみ合い継続。朝方、発表される一連の重要経済指標の影響もサプライズがなければ限られる。米株安を受けた日経平均株価の反落が大きくなると弱含み。
▼今日の債券相場/
強含みから堅調も、1.30%割れは一旦、強く抵抗か
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。
本日の想定レンジとコメント
引き続き株価睨みの先物目先筋の動きが相対的に目立つ。しかし、動意薄だった現物債に上方向の力が垣間見られるようになってきた。本日は良好な外部環境に加え、週末ということでその力が増幅されることに期待したい。相場は強含みから堅調と予想する。もっとも、10 年国債利回りの1.30%割れは一旦、強く抵抗される可能性が高い。また、イールド・カーブでは、基本的に先物連動ゾーンが強いと見る。8 時30 分に12 月全国消費者物価指数が、8 時50 分に鉱工業生産指数が発表される。前者は除く生鮮食品前年比で1.3%減(前回1.7%減)、後者は前月比2.5%増(前回2.2%増)が予想の中心(ブルームバーグ)。しかし、いずれも市場の注目度は低く、よほどのことがない限り、材料視されることはあるまい。
■期初の債券投資戦略/
利回り上昇実現⇒水準を確認しながら買いで臨む
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は、期初の債券投資に関して、「期初の利回り上昇に気を付けろ」として、概略、次のように語った----。
過去4 年、5〜6 月に長期金利は年度のピークを打つ傾向がある。もちろん、一昨年は原油価格急騰、昨年は国債増発懸念など、基本的な材料は異なっている。しかし一方で、期初の投資家行動が、特に長期債においては、インカム取りの買いよりも益固めの売りの方が多くなっていると印象を受ける(もちろん、それは投資家の数ではなく、売買量においてである)。外部環境面の材料は色々後講釈が可能である。したがって、来年度も期初の利回り上昇には十分、気を付けるべきだ。そして、その利回り上昇が実現すれば、水準を確認しながら、買いで臨めば良い。
▼NY金相場/
ロング損切りvs.実需買いのせめぎあいは当面続く?
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold & Silver: 上へ下へとレンジ内なのですが、よく動きます。このところアジアの時間帯でも10ドル近いレンジがあります。昨日は一昨日をまったく逆のパターンでアジア時間は下がってからあげました。ニューヨークでは現在のレンジの上と下を見事になめて1074-1096という20ドル以上のレンジを取引し、真ん中の1085ドルで終わり。1074ドルはちょうど12月の安値でもありました。このところの安値であった1083ドルを割ったことで、ストップが発動され、一瞬1074ドルまで下がりましたが、そこはすぐに買戻されています。投機家ロングの売り、実需の買いで激しい動きになっています。中国や東南アジアでは品薄になるほど現物が売れており、現在プレミアムが大きく上昇しています。このロングの損切りと実需の買いのせめぎあいはまだしばらく続きそうです。
▼米欧商品市況/
コーン=売り過剰感から反発、大豆=好調な需給で反発
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された28日の海外商品市況は次のようになった----。
◎シカゴ穀物引け速報=大豆、コーンともに反発
大豆、コーンともに反発。大豆3月限は反発。一般教書演説を受けた株価高やドル反落で上昇したあと、株価の急反落・ドル反発によ
りリスク回避や南米の豊作観測で年初来安値を更新したが、売り過剰感の台頭でプラスサイドに浮上した。圧砕や輸出など好調な需要見直された。
コーン3月限は反発。株価の急反落やドル反発によるリスク回避で下落したが、年初来安値を更新しても下げ渋ったことから売り過剰感が台頭、売り方の買い戻しが入ってプラスに浮上し、時間外取引の高値を突破した。ただ、やや妙味に欠ける値動き。
(オーバルネクスト シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(28日)=308兆0997億円(前日比+3兆3227億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は業種別ではほぼ全面安。米国株の下落や円高含みのFX相場が響く。日経平均 が終値で前日比−162.13円安の10,252.16円、またTOPIXも同−8.29安の906.03、JASADAQ指数は同+0.35高の51.49となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは非鉄金属の1業種のみに止まった。
午前の東京外為市場=為替相場は円高が進んだが、その後円安方向に戻す。ドル円相場は89円台後半で推移、ユーロ円は下落して125円台前半で推移している。
★堀内AIA社長のFXコメント=日本人は、太平洋円、皆ロングで我慢?
AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。「円は、ベルトをつけずに、ズボンはいて走り回っている。91円も128円も回復できないとはね。日本人は、太平洋円、皆ロングで我慢しているようだね」。(1月28日。夜中。)
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
松井証券株式会社(8628)
■松井証券・大阪証券取引所共催「大証FX取扱開始記念セミナー」の開催について
http://www.matsui.co.jp/company/index.html
いちよし証券(8624)
■平成22年3月期 第3四半期決算短信
http://www.ichiyoshi.co.jp/info/pdf/200100128_tansin_j.pdf
日本電気株式会社(6701)
■平成21年度(第172期)第3四半期および直近3ヵ月連結決算概要
http://www.nec.co.jp/press/ja/1001/2801.html
株式会社サイバーエージェント(4751)
■2010年9月期第1四半期の連結業績(2009年10月1日〜2009年12月31日)
売上高21,419百万円(-8.2%)、営業利益2,115百万円 (193.2%)、経常利益2,129百万円(202.4%)、当期純利益1,284百万円(1658.9%)。2010年9月期より、(株)ネットプライスドットコムを連結子会社から持分法関係子会社へ移行。(株)ネットプライスドットコムを除く増収率は7.7%となっております。()内:対前年同四半期増減率。
http://ir.cyberagent.co.jp/

