過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は1月21日(木)の金融・経済情報をお送りします。
■中国人民銀行の研究②/
過剰流動性対策の継続=金融政策の正常化を遅らせる
大和総研・特別理事の田谷禎三さんは、中国の中央銀行である中国人民銀行のバランス・シート(B/S)が膨張していることに関心を寄せていることについては、既報(19日配信号)のとおり。そこで、人民銀行バランス・シートの拡大問題に対する田谷さんの見解(概略)を短期連載でご紹介しよう。第2回は、「B/S膨張の金融政策と金融機関への影響」について----。
<B/S膨張=介入継続は金融政策に対する制約にもなりうる>
所要準備預金に対する金利水準は、準備預金を過剰流動性対策上どのくらい無理なく中央銀行にとどめておく必要があるかという観点から決められる一方、超過準備に対する金利は銀行融資をどのくらい抑制する必要があるかという観点から決められるのだろう。それらの金利は、その時々の貸付金利、預金金利に影響する。同様なことは、人民銀行が過剰流動性を吸収する手段として発行する債券に付与する金利の水準についても同様なことが言えるだろう。つまり、介入を続ける中で、過剰流動性を回避する手段が金融政策を制約する可能性がある。
■各国政府債務の懸念/
財政危機によるグローバルな金利上昇は「杞憂」
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は20日、今日の世界では、ギリシャのみならず、財政危機の深刻化する国が少なくないとした上で、「行過ぎたグローバル・ソブリン・リスク懸念」について、次のように語った----。
<財政赤字のGDP比率=PIGS諸国は米英両国と同程度>
欧州では特に財政が危機的状況にあるPIGS(ポーランド、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字をとった名称)がその象徴とされている。ポーランド、スペインは昨年の財政赤字がGDPの1 割近くに達し、イタリアは政府債務の残高がGDPの115%に達した。また政府債務を海外に依存する割合がギリシャの場合77%、イタリアで42%と高いことも不安視される一因となっている。もっとも、米英両国についても、財政赤字がGDPの1 割前後にあり、PIGSと変わらない。
この財政不安を背景に、グローバルにソブリン・リスクが高まり、米英でも国債利回りが高止まりし、優良民間企業の社債利回りを上回る事態が生じた。このため、財政赤字を早急に削減しないと、世界的に長期金利が大きく上昇しかねない、との懸念が高まっている。
オバマ政権の同盟国重視への軌道修正(?)
先週までのテロ問題に続いて、今週はハイチ大地震という大きな国際的な出来事があり、オバマ政権はここでは米国の寛容さ、気前の良さをそのまま示す大規模な救援策に乗り出しました。地理的に近いこともありますが、米軍の支援にしても民間からの寄付にしてもこの種の国際救援活動では米国のようなことをできる国は他にはなく、ここは米国という国の偉さと素晴らしさと言えます。オバマ政権がやっていることは、米国のどの政権もがやることです。
ところでこの地震救援への対応のため、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアなどを歴訪する途上にあったクリントン国務長官も予定を中止して、急遽ワシントンに戻ってきました。オーストラリア、ニュージーランド歴訪の日程は再調整されますが、幸運だったのは、途上で立ち寄ったハワイの日程だけは予定通り完了することができ、その中に日本の岡田外相との会談も入ったことです。会談でどういうやり取りがあったかの詳細は知りませんが、会談後の記者会見や米紙の報道では、クリントン長官にも岡田外相にも日米同盟関係の重要性を再確認する前向きな発言が目立ち、普天間海兵隊飛行場の移転問題が日米同盟関係を損なうことを避けようとの配慮が両方にでてきたとの印象を与えました。昨年末日本がオバマ政権に、今年5月までは普天間問題に決着をつけるのは難しいとの日本の政治事情をはっきり説明し、オバマ政権がそれを理解したというのが良かったらしく、クリントン国務長官の言葉にもそれが表れていました。
■内外景気と株式相場/
日本の経済・株式物色=輸出「小患」、内需「大憂」
オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は、今月に入って発表された経済諸統計や起こった出来事をみると、国内外ともに波乱要因が表れているものの、「国内は暗い影がますます差す一方、海外要因は大きく心配するほどではなさそうだ」と語る----。
(1)国内経済は「二番底」突入の気配
まず国内経済においては、このままいけば二番底に突入するような気配が広がり始めている。筆者は全国を講演で回る際に、地元の個人事業主・中堅企業の方々とお話をする機会が多いが、昨年11 月以降、目立って売上が落ちてきた、と話す事業主の方が増えてきた感が強い。
(2)「中国こければ皆こける」という状況ではなくなってきている
一方、海外からも波乱要因が押し寄せている。最近懸念を広げているのが、中国が引き締め姿勢を強めるのではないか、との諸報道だ。しかし、融資の抑制指導などは昨年からなされており、急に引き締め基調を強めているようなものではない。中国政府が最も恐れているのは、株式や不動産のバブルが膨張しその後破裂することであり、それを避けるためにバブルになる前から「ガス抜き」を行なって、株価や不動産価格の安定した上昇傾向を維持することにある。昨年までも、融資規制や株式投資の法制度変更などの牽制球をちらつかせ、株価が調整するとそれを取り下げるといったような、飴と鞭を繰り返し使ってきた。今回の様々な引き締め的な動きも、そうした牽制の一環であると考えるべきだろう。
▼今日の株価予想/
中国で経済統計発表、売り一巡後は押し目買い優勢か
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。
東京市場は底堅い展開か。きょうは11時に中国でGDPなどの経済統計が相次いで発表される。朝方の売り一巡後は後場の動きを見極めるムードが強まろう。ドル円やユーロ円と先物を絡めた神経質な展開のなか、中国経済指標やアジア株の動向次第では主力株中心に押し目買いが予想され、相場全体徐々に持ち直す展開を想定。日経平均は短期的には一目均衡表の基準線10449円(21日見込み)や25日移動平均線(20日、10544円)まで調整する可能性もあるが、きょうのところは10830円から10670円どころの推移が予想される。
話題の銘柄
6857 アドバンテスト/受注回復が鮮明に BofAMLでは「買い」へ2段階引き上げ
同社の四半期受注は09.3期4Qの50億円を底に、10.3期1Q:116億円、2Q:144億円と回復してきたが、BofAMLでは3Qは180億円程度に達したと推察。2Qの受注回復はメカトロニクス(ハンドラー)の上振れによる部分が大きく受注改善の継続性については疑問が残ったが、3QはDDR3向けを中心にDRAMテスターが回復してきているため、4Q 以降の受注についても楽観的になれると見ている。受注の前回ピークは07.3期4Q:700億円で、水準そのものは依然として低いものの、10.3期の構造改革によって四半期の損益分岐点売上高は250億円→180億円程度に低下しており、4Qは営業黒字が期待されると指摘。また、DDR3の高速化にしたがって、韓国サムソンもDDR3テスターの導入を加速すると予想。現在主流のDDR3は動作周波数が1.066GHz で、DDR2の高速モデル(800MHz)から大きく変わらないため、DDR2テスターの転用によって対応できた。しかし、2010年半ばには1.333GHz、2GHz が主流となってくると見られ、DDR3専用テスター他の需要が大きくなると想定。こうした見方を踏まえて、10.3期の営業損益を78億円の赤字→119億円の赤字(EPS予想-35.5円)に、11.3期を22億円の赤字→291億円の黒字(同108.円)に修正。急速な受注回復を追い風に2010年前半にはSPEセクターをアウトパフォームする可能性が高いとの見方から、投資判断を「アンダーパフォーム」→「買い」へ2段階引き上げ、目標株価を1500円→4000円(11.3期予想PER37倍)に変更した。
トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/
▼FX相場予想/
年末年始の"インチキ円相場"がまともな姿に収束
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。
年末年始のインチキ円相場がやっとまともな姿に収束しつつある。ユーロはもう四面楚歌状態だね。市場は皆が強気でガンガン上がっている時は永遠に上がるような錯覚をおこし、皆が弱気でズルズル落ちている時は永遠に下がるような錯覚をおこす。だが、市場はどこかでバランスをとるものだ。とは言え、今の流れがすぐに変わるとも思えないけど。(1月20日。夜中。)
▼ユーロドル相場/
大幅5日続落:一時昨年8.18以来の安値1.4080ドル
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。
海外FX市場サマリー(今朝)
ユーロドルは大幅に5日続落。一時昨年8月18日以来の安値となる1.4080ドルまで値を下げた。ギリシャの財政を巡る懸念が高まる中、中国の金融引き締めへの警戒感が高まると、欧米株価が大幅に下落。投資家のリスク許容度が低下するとの見方から、リスクポジション解消目的のユーロ売り・ドル買いが優勢となった。金や原油など商品相場の下落や、対ポンドでユーロ売りが進んだ影響も受けた。
ドル円は小幅ながら3日続伸。欧州の取引時間帯では、中国の金融引き締め観測や三井住友フィナンシャルグループの公募増資に絡んだ思惑から、一時90.79円まで下落した。ただ、その後は値を戻す展開に。ドルがユーロなどと比べて対円で出遅れ気味だったこともあって、投機筋の一部が円売り・ドル買いに動いた。アジア時間の高値91.37円を上抜けて、一時91.46円まで値を上げた。市場関係者からは「米系ヘッジファンドからの買いが入った」との声が聞かれた。
ユーロ円は続落。一時昨年12月18日以来の安値となる128.40円まで値を下げた。ギリシャのソブリンリスクが意識される中、株価の下落を受けてリスク志向の低下した投資家からの売りが膨らんだ。対ポンドやドルでユーロ売りが進んだ影響もあった。対ドルで円売りが強まったタイミングで一時129円台前半まで値を戻す場面があったが、戻りは鈍かった。
▼今日の債券相場/
強含みもみ合い程度だが、上方向の動きに注意
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。
本日の想定レンジとコメント
外部環境への反応が乏しく、相場のマインドが盛り上がらない。本日も環境は良好だが、基本的にその延長線上、相場は強含みもみ合い程度と予想する。しかし、ボラティリティの低下が一気に爆発することはよくあり、外部環境が良くなっているだけに今後、上方向の動きに注意したい。20 年債入札は昨日の段階で超長期ゾーンが底堅くなっており、2.10%台後半では一定の需要があると見られ、不安は少ないだろう。
▼今日の長期金利/
米株安・米債高受け、株価続落を見ながら弱含みへ
三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした----。
<予想レンジ>
・長期金利(#305) 1.310%〜1.325%
・債券先物(3月限) 139.20円〜139.40円
<シナリオ>
長期金利は昨日の米株安/米債高を受け、株価続落を見ながら弱含みに転じる。ただし、20年利付国債入札(12:45落結果発表予定)までは警戒感から下げ渋る。
▼公社債投資家別売買高/
都銀の売買高は、24.5兆円と今年度最大
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は昨日、日本証券業協会が発表した12 月公社債投資家別売買高(図表1)について次のようにコメントした----。
主要業態で最大の買い越しは信託銀行。額は1兆4,955 億円(除く短期証券、以下同じ)。11月に523 億円と落ち込んだ反動もあり、通常の1 兆数千億円ペースに戻った。公的年金に関し、11月は株安に伴い株のバランス調整買い(債券売り)が入る一方、12 月は株の戻りでその逆になった可能性は考えられる。ただ、引き続き銀行勘定と企業年金などが買い越しの主体と思料される。国債投資家別売買高を見ると、中期債と超長期債を買い越し、長期債を売り越している。しかし、残存が1 年を切る10 年国債も長期債と見なされるため、あまり参考にはならないだろう。
▼NY金相場/
昨年年末につけた1074ドルが下値の目途?
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。
Gold & Silver: 月初来の下げとなりました。アジアの午前中はしっかり。じわじわと1141ドルまで上げましたが、またもや中国のニュースで相場が動きました。きっかけとなったのはアジア時間、またもや中国のニュースでした。中国政府が大手銀行に貸し出しを抑制するよう通達したというニュースが流れ、それによりドル買いユーロ、ゴールド売りが出てその後もその流れが続きました。ドルは対ユーロで1.41と5ヶ月ぶりの高値をつけ、ベースメタル、WTIも大きく下げ、商品セクター全体が大きく売られました。
▼米欧商品下落/
総じて下落のなか、NY粗糖は期近2本が続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された20日の海外商品市況は次のようになった----。
【NY貴金属】
ニューヨーク貴金属は、パラジウムを除き急反落。ニューヨーク金、銀ともに急反落。終値の前日比は、金の期近2限月が27.4ドル安、その他の限月は31.2〜27.5ドル安、銀の期近2限月は91.9〜91.8セント安、3月限は92.0セント安、その他の限月は96.1〜92.3セント安。金2月限は、前日の高値を抜いたが、中国の金融引き締め懸念を嫌気して反落に転じ
た。ドル急伸による商品安に、株価急落によるリスク回避の流れが加わって急落した。
プラチナ系貴金属(PGM)はまちまち。終値の前日比は、プラチナの期近2限月が24.0ドル安、4月限は21.8ドル安、その他の限月は21.8〜19.4ドル安、パラジウムの期近2限月は0.10ドル高、その他の限月は2.25ドル安。 プラチナ4月限は急反落。一代高値を更新したが、中国の金融引締め懸念によるリスク回避やドル高加速、金の急落で値を消した。ETF取引開始による急伸は一服した。(オーバルネクスト 東京)
情報提供:株式会社オーバルネクスト:http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(20日)=318兆3338億円(前日比−1兆4654億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、米国株下落を受けて下落して始まったが、円安進行とともにプラス圏に浮上。日経平均 が終値で前日比+39.47円高の10,776.99円、またTOPIXも同+4.61高の949.33、JASADAQ指数は同+0.38高の49.99となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは17業種。電気機器、銀行業、空運業などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場はユーロ安を背景としたドル堅調でドル円も底堅い。ドル円相場は91円台前半で推移、ユーロ円は129円を挟む展開で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
住商情報システム株式会社 (9719)
■ERPパッケージ「ProActive E2販売・購買在庫管理システム」の最新版を提供開始
〜高い業務適合率と拡張性に優れた変化に強く永く使える超寿命なシステムを実現〜
積水ハウス株式会社 (1928)
■積水ハウスグループ 2010年度中期経営計画
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/briefs.html

