2009年の経済を振り返る〜FRBとドル〜/外貨建て金融商品の行方 (12/22)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は12月22日(火)の金融・経済情報をお送りします。

★東証1+2部時価総額(21日)=299兆8733億円(前日比−6043億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は91円台への円安・ドル高を好感して100超える上昇。日経平均 が終値で前日比+103.80円高の10,287.27円、またTOPIXも同+7.82高の899.30、JASADAQ指数は同+0.16高の47.60となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは29業種。その他製品、金属製品、輸送用機器などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は、NY市場の流れを継いでドル円相場は91円台前半で推移、ユーロ円は130円台半ばで推移している。


■09年日本経済を振り返る②FRBとドル/
FRBの金融政策=銀行監督制度改革の行方が大きく左右

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は4回シリーズで2009年の日本経済の主要テーマを振り返る。2回目は、「FRBとドル」----。

ポイント:

今年の日本経済の主要テーマを振り返るシリーズ第2 回は「FRB とドル」である。今年の日本経済はドル安と軟調な株価に悩まされた。足元では、日本の金融緩和長期化期待もあってドル安が修正されつつあるが、2010 年の為替相場の方向性を占う上では米国の金融政策動向の方が重要である。FRB の金融政策運営に関するポイントを論じる。

<グローバル・スタンダードとしてのバブル抑制>

さて、今日の本題に入ろう。「資産バブルの発生を未然に防止し、経済の不均衡を拡大させないこと」という金融政策運営上のコンセプトはグローバル・スタンダードとしての地位を確立しつつあるようである。

住宅金融バブルが崩壊し経済・金融システムが著しく不安定化した米国について多くの市場関係者が抱いているイメージは、「バブル崩壊によるバランスシート調整圧力を緩和するためには新たなバブル発生のリスクを冒してでも、金融リフレを断行するしかない」というものであろう。「バブル崩壊直後に新たなバブルを発生させることで金融システムの加速度的再生を達成する」というグリーンスパン型対応への根強い信奉である。しかし、米国では今、こうしたグリーンスパン・モデルとでもいうべき金融政策運営に対する風当たりが極めて強くなっている。


金融監視制度改革法案とグラス・ステイーガル法再導入法案

 下院は11日(金)金融パニックの再発を防ぎ一般金融消費者を保護することを目指した金融監視制度改革法案(H.R.4173)を223対202票で可決しました。消費者金融保護庁(Consumer Financial Protection Agency)を創設し、システミック・リスク(systemic risk)を監視するための金融サービス監視協議会(Financial Services Oversight Council)を創設し、大金融会社の破綻清算を秩序だてておこなうための清算システムを整備し、投資家保護を強化し、ヘッジファンドや金融派生商品の新たな規制をおこない、金融会社経営者役員の給与レベルに関して株主に投票権を与え、また財務省の住宅ローン貸付会社監視局(Office of Thrift Supervision)を貨幣検査局(Office of Comptroller of Currency)に合併統合することなどを盛り込んだ同法案は、医療制度改革法案、新エネルギー・環境保護法案と同等に緊急性の高い法案としてオバマ政権と議会が取り組んできたものです。6月に財務省が提案したものと比べると、金融システミック・リスクの監視権限を連銀に与える代わりに新たな監視協議会を創設するなど若干の修正はありますが、概ねは同じ線上にあるオバマ・民主党法案です。

 上院ではクリス・ダッド銀行委員長(民主党。コネチカット選出)が上院案の概要をひと月前に発表したばかりで銀行委員会としてのマークアップも終わっておらず、来年の春以降にならないと本格的な立法化の動きになりません。しかし下院法案が可決されて立法化が一歩前進したことにより、今後の視界は開けてきました。下院は16日(水)をもって事実上今年の会期を終えましたが、12月に入ってから2週間の延長会期で通した法案の中では長期的インパクトのあるものとしてこの制度改革法案は最も重要なものとなりました。〔下院はこの他、本年度の残った省庁(財務省、運輸省、住宅都市開発省、商務省、司法省、国務省、労働省、厚生省、教育省、退役軍人省、軍事建設、対外援助)の予算割当を包括した予算割当法案(H.R.3288)、483億ドルの新公共事業予算、267億ドルの各州政府財政支援予算、6ヵ月の失業保険支給期間延長や失業者医療保険補助などを盛り込んだ総額1540億ドルの雇用対策法案(H.R.2847)などを可決した。〕


▼今日の株価予想/
ハイテク株に買い安心感、薄商いのなか先物主導か  

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

米国市場の上昇や円安進行を好感し、先物主導で堅調な展開が予想される。ドル円は日銀短観で示された下期想定為替レートの1ドル91円前半まで円安が進んでおり、外需関連株全般に買いが期待できそうだ。ただ、外国人投資家がお休みモードであり、なかでも大型株を積極的に買い進む動きは限定的か。半導体関連を中心にハイテク株が指数を押し上げる展開となりそうだ。

日経平均は終値ベースで直近の16日高値10177円を更新した。きょうは10月26日の戻り高値10362円をトライする動きが想定される。また、大引けでは前日のTOPIXに引き続き、MSCI(国際分散投資のベンチマークとされる)で三菱UFJの増資にともなうリバランスが行われる。インパクトは前日を下回るが、規模自体が大きいだけに影響はあろう。前日と同様に加重平均型に売り圧力がかかり、NT倍率が拡大する可能性もある。

21日のダウ平均は85ドル高と続伸。NASDAQは年初来高値を更新した。アルコアがサウジアラビアの政府系企業と合弁企業を設立することが明らかになったほか、バークレイズがインテルの投資判断を引き上げたことを好感した。ダウ平均は一時129ドル高まで上昇し、終値でも25日移動平均線を上回って取引を終えた。S&P500も続伸、業種では金融や一般消費財、素材などが上昇。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ120円高の10310円、円建ては75円高の10265円となった。


話題の銘柄

3632 グリー/ネット重要分野のモバイルアプリのトップランナー、目標株価6700円→9000円

野村では、「10、11月と月間会員純増数は50万人強となり、他SNSを上回る水準で引き続き推移している模様。また会員獲得が進む中、総会員に占める課金対象者の割合や、1人当たり消費金額は安定的に推移していると見られる。(1)効果的な広告宣伝で、消費単価が10〜20代より高く、サービスへの定着率も高い30代以上の会員獲得が進んでいること、(2)継続的な機能追加・改善で主要ソーシャルゲームの訴求力を維持・拡大できていることなどがその要因と考える」、「足下の状況を踏まえ、会員数前提を上方修正し、1会員当たりの消費額も大きく低下しない予想へ改めた。課金収入が業績を牽引し、10年6月期営業利益は183億円(前年比2.2倍)と、従来予想を大きく上回ろう。11年6月期以降は、デジタルアイテム関連収入の安定成長に加え、媒体力向上により、広告収入の業績への寄与が徐々に高まろう。今後世界的にソーシャルゲームのモバイル展開の重要性が増すと見られ、世界に先駆けモバイル市場が花開いた日本市場で、持続的な開発・運営力を発揮しトップランナーの地位を確立した同社の投資魅力は大きい」と指摘。今2010年6月期営業利益を会社計画140億円(EPS165.3円)に対し従来予想166億円(EPS203.3円)から183億円(EPS241.3円)へ、来2011年6月期同200億円(EPS245.8円)から232億円(EPS306.1円)へ、2012年6月期同228億円(EPS279.3円)から269億円(EPS355.3円)へ増額。レーティング「1」を継続、目標株価を従来の6700円から9000円に引き上げた。トレーダーズ・ウエブ:http://www.traders.co.jp/


■個人の外貨建て投資/ 
活発化には、内外金利差の拡大と景気持ち直しが必要

クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、昨年の金融危機後、個人投資家の極端なリスク回避度は後退し、徐々に金融資産を安全な預貯金からリスク資産へとシフトさせようという動きは散見されるとし、「特に、日銀の超低金利政策が他の中銀より長期化すると予想される中、外貨建て金融商品への投資は今後も拡大傾向を続けると見られる」と語る。

個人投資家の外貨建て金融商品投資の現状と行方についてのコメントは、おおよそ次のとおり----。

足下のドル/円上昇は、ポジション調整が牽引している。シカゴIMM 統計によると、主要通貨(円、ユーロ、英ポンド、S フラン、豪ドル、加ドルの合計)の対ドルのネット・ポジションは、12 月15 日現在3 万5088 枚のロングと12 月上旬の約4 分の1 以下に急減している。このうち円の対ドル、ネット・ロングポジションも8372 枚へと8 月中旬以来の水準に縮小している。当社では、引き続き3ヶ月後のドル/円予想を85円としており、90円を超える水準では、利食いを推奨している。


▼FX相場予想/
太平洋は逃げ遅れ?典型的な師走相場が進行中

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。

海外勢のドルロングは急増している印象。太平洋は逃げ遅れ?典型的な師走相場が進行中。ドル円に関しては、外国人がロングを膨らませてから下げの序曲が始まるということを繰り返してきているが、今回はどうなるか?しかし、クリスマス前に相場張っていて、キリストに怒られないのかね?うん?日本人、あ、天皇誕生日近いで。(12月21日。夜。)


▼FX相場予想/
今週は、もう動かないと諦めるしかなさそう

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

海外FX市場サマリー(今朝)

ドル円は5日続伸。一時11月4日以来の高値となる91.24円まで値を上げた。白川方明日銀総裁がテレビ局とのインタビューで「実質ゼロ金利を粘り強く継続し、需給バランスの改善を図る」などと述べたうえ、デフレ克服のために強い意欲を示したことが好感された。米国株や長期金利の上昇も円売り・ドル買いを促し、91.00円を上抜けると上昇に弾みが付いた。

ユーロドルは下落。序盤は、時間外のダウ先物の上昇や欧州株高を背景に一時 1.4373ドルまで値を上げたものの、その後は売りに押される展開に。ユーロ圏のソブリンリスクが意識される中、米長期金利の上昇を意識したユーロ売り・ドル買いが広がった。年末を控えてこれまでのユーロ買いポジションを閉じる動きも見られた。一時1.4267ドルまで値を下げた。
 エバンズ米シカゴ連銀総裁は21日、「2010年の米経済をプラス3.0−3.5%成長」と予想する一方、米金利は長期間にわたって低水準に据え置かれるとの見通しを示した。ただ、為替市場での反応は特に見られなかった。

ユーロ円は続伸。一時130.38円まで値を上げた。ドル円の上昇につれた円売り・ドル買いが出たほか、米国株の上昇を受けた買いが見られた。ただ、対ドルでユーロ売りが出たため、一方的に円安・ユーロ高が進む状況にはならなかった。


▼今日の債券相場/
先物中心に下げ足速める場面もvs. 押し目買い意欲

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。

本日の想定レンジとコメント 

昨日のNY ダウは前週末比85.25 ドル高の10,414.14 ドル。米10年国債利回りは14bp上昇の3.68%(6 時24 分現在、ブルームバーグ)。株高や景気回復期待が薄い取引の中、材料視されたようだ。結局、3.50%台後半のサポートをブレイクしたことがポイントになったと言える。チャートを見ると、現水準は概ねトレンド・ライン上にあり、ここから利回り上昇が続くと相場つきが変わる可能性を秘める。

日銀の「擬似『時間軸』」の導入が加わった好需給相場に対し、この米国長期金利の大幅上昇がどの程度響くかが本日の焦点となる。さすがに、調整相場は避けられまい。先物中心に下げ足を速める場面も見込まれよう。もっとも、投資家の押し目買い意欲の強さは侮れない。イールド・カーブはショート・エンドから7 年ゾーンがスティープ化、以降ロング・エンドまでがフラット化と予想する。


▼公社債投資家別売買高/
都市銀行=10月売り越しの概ね半分を買い戻し

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は昨日、日本証券業協会が発表した11 月公社債投資家別売買高(図表1)について、次のようにコメントした----。

主要業態で最大の買い越しは都市銀行で額は1 兆6,984 億円(除く短期証券、以下同じ)。

10 月に3 兆4,274 億円を売り越しており、その概ね半分を買い戻した格好だ(もちろん、これに入札部分は含まれていない)。国債投資家別売買高を見ると、中期債を2 兆4,785 億円買い越す一方、長期債を9,779 億円売り越している。後者には、前月同様、入札で落とした10 年債などが含まれていると思料される。そして、今月に入って中期ゾーンは、日銀の「擬似量的緩和政策」や「擬似『時間軸』」の導入を主因に利回り低下が先行している。オペレーションはうまくいっていよう。


▼NY金相場/
年初からファンドから一層の資金流入?+実需の買い

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場(Overnight Ranges)について、概ね次のようにコメントした----。

貴金属マーケットの一週間は、Globexの月曜日の始まりである東京時間午前8時に始まります。

昨日は金曜日のニュ-ヨーク引けのレベルである1110ドル近辺で寄りついたあと、一挙に1020ドルまで10ドル上昇、そして午前9時の東京オープニングは1113ドルとアジア時間帯の取引レンジは朝の東京オープン前の1時間ですべてなぞってしまいました。その後の東京も神経質な取引でしたが、基本的にオープニング前よりは遥かに狭いレンジの1112-1116でした。

欧米のマーケットはクリスマス休暇前のlong liquidationから下落。一時1090ドルまで下落しました。ただ大方の向きはあくまで年末要因としてのポジション調整と受け取っているところが多いようです。年末にかけてさらなるlong liquidationの可能性はあるものの、年初からは新たな年に入り、ファンドからのさらなる資金流入があるという見方も強く、実需もこのレベルは拾っています。


▼米欧商品市況/
LMEアルミ=大幅続伸、コーンは期近が続伸

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された21日の海外商品市況は次のようになった----。

【LMEアルミ=大幅続伸、ニッケルや株価の急伸をはやす】

アルミ3カ月物は大幅続伸。ユーロに対するドル安や金・原油などの商品高、ニッケル・銅の急伸、米国の株価急伸がはやされ、テクニカル買いを誘って値を飛ばした。

【シカゴ穀物=大豆は大幅続落、コーンは期近が続伸】 

大豆は大幅続落、コーンは期近が続伸。大豆の終値の前週末比は、期近2限月が11.50〜11.00セント安、その他の限月は23.00〜10.00セント安。1月限は大幅続落。ドル安や株価の上昇をはやしてプラスに浮上したが、ドル反発からドル高加速で原油・金などの商品相場が値を消したことが圧迫し、金曜の安値や10ドルを割って5週間ぶりの安値に値を消した。
コーンの終値の前週末比は、期近2限月が2.25セント高、その他限月は0.25セント安〜2.75セント高。3月限は続伸。ドル安や原油・金などの商品高、大豆上昇でプラスに浮上したあと、金曜の高値を抜いて上昇が加速した。ただ、テクニカル買いを消化したあとは、ドル高加速や大豆の急反落が圧迫し、利食いで上げ幅を削った。
(オーバルネクスト シカゴ)

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