過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は11月11日(水)の金融・経済情報をお送りします。
■特集:長期金利/
長期金利のパスに大きな影響=「経常収支GDP比率」
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は10日、上昇が続く長期金利の先行きパスについて、トレンド名目成長率、短期金利(Tibor6ヶ月)、経常収支GDP 比率を説明変数とした長期金利モデルは、一時期を除けば、過去10年強の長期金利の動きをそれなりにうまく説明できるとして次のような見通しを示した――。
<経常収支の先行きパスを予測することが重要>
そうした長期金利モデルに基づいた場合、仮に金融政策が不変で市場短期金利も大きく動かない場合、「向こう1年程度の長期金利のパスに大きな影響を与えるのは経常収支GDP 比率であること」が示される。
■特集:長期金利/
当面、「3つの安全弁」が金利上昇を抑制と予想
世界的な金利上昇のなかで、米国、カナダの10 年国債利回りは3.5%に、英国では4%近くにまで上昇、日本の10 年国債も1.4%台後半にまで高まった。この内、日本では新年度の国債発行額が麻生政権時の44 兆円を上回るのではとの懸念があり、IMFは5 年後に政府債務の対GDP比が245%に達すると試算する。海外の投資家の間には、民主党政権の予算編成に対する不安感が強く、日本の「国家破綻」を危惧する声や、「新斜陽国」といった評価までみられる。
しかし、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、「こうした国債相場への不安には行き過ぎた面があり、当面は3つの安全弁が金利上昇を抑制しそうだ。
▼9月機械受注/
特殊要因割り引いても、底這い圏上離れた格好
大和総研・経済金融調査部(渡辺 浩志エコノミスト+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された9月の機械受注について、「底入れの兆し」とした上で、次のようにコメントした――。
【1】 底入れの兆し
9月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比+10.5%と市場コンセンサス(同+4.1%)を大きく上回り、2ヶ月連続で増加した。一部の業種に特殊要因と見られる強い動きもあるが、これを割り引いても5月から続いてきた底這い圏での推移から上離れた格好となっている。業種別にみると、製造業は前月比▲0.1%と2ヶ月ぶりの減少となった。一般機械で3ヶ月連続下落の後、大幅増(同+32.5%)となった一方で、その他製造業が大きく押し下げた(同▲24.4%)。これらの業種以外では一進一退で横ばい圏の動きとなっている。非製造業(船舶・電力を除く)は+18.0%と、3ヶ月ぶりの増加となった。通信業で3ヶ月連続下落の後、大幅増(同+45.2%)となったことや、農林漁業でも大幅増(同+35.6%)となっており、やや割り引いてみる必要があろう。その他の業種は一進一退の動きといえる。なお、先行指標である外需は9月は同+25.9%と増加した。より広いユニバースで捉えた貿易統計の一般機械輸出の動きと比べると上振れており慎重に評価する必要があるが、こちらにも底入れの兆しが出ているといえる。
▼今日の株価予想/
中国経済指標前に様子見、後場は先物主導の展開へ
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
東京市場は様子見スタートとなりそうだ。日経平均はCME225先物9930円(円建て)を背景に小高く推移しそうだが、きょうは11時に中国の10月鉱工業生産、小売売上高などの主要経済統計が発表される。前場はそれを前にもみ合いの展開で、後場からの動きに注目したい。寄り前に9月の機械受注(市場予想は前月比+4.1%)が発表される。昨日発表の10月景気ウォッチャー調査では現状判断DIや先行き判断DIがともに低下したこともあって、予想を下回る着地となれば先行き不透明感が強まりかねない。
日経平均のテクニカル面では、5日移動平均線まで下押す場面も想定されるが、25日移動平均線(10日現在、10020円)の上昇が続く中、同線突破を意識した展開は続こう。一目均衡表では転換線が9870円と昨日の終値レベルまで切り下がる。それを下回る寄り付きでは、5日移動平均線まで下押す可能性がある一方、逆に転換線を上回るスタートとなれば、値固めから今週中にも25日移動平均線を突破する展開が予想される。
10日のダウ平均は20ドル高と5日続伸。材料不足のなかで序盤は売りが先行したが、好地合い継続から下値は限定的。高値警戒感も強く上昇する局面では利益確定売りが優勢となるなど、前日終値を意識した展開が続いた。NASDAQは反落、S&P500は7日ぶりの下落となった。業種別ではヘルスケアや公益が上昇した一方、金融や資本財などが下落。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ80円高の9950円、円建て清算値は60円高の9930円となった。
話題の銘柄
7762シチズンHD/コスト構造改善で中期的な利益成長へ、目標株価580円→620円
同社は11月6日、9月中間決算を発表。営業利益は17.27億円(前年同期比81.8%減)と、会社計画(35億円の赤字)を上回った。主力の時計事業を始めすべての事業で需要が低迷し、円高も収益を押し下げたが、固定費削減や構造改革の効果により従来予想を上方修正した。今10年3月期の予想は30億円→55億円(前期比3.93倍)に上方修正。下期の想定為替レートを1ドル=90円、1ユーロ=125円とした。野村では、市場コンセンサスおよび野村予想を大幅に上回った中間決算について、コスト構造が予想以上に早く改善していると評価。事業別では、コスト体質の強化に加え、年末商戦に向けて日米の需要が予想以上に回復している時計の見通しを上方修正した。固定費削減は今期中に完了し、来11.3期は攻めの姿勢に転換すると見込む。中期的に固定費が積み上がっていくとみられるが、同社の製品は限界利益率が高いため、マクロ景気の回復が緩やかだとしても大幅な営業増益が可能と判断。中長期的には不採算製品から積極的に撤退し、経営資源を成長性の高い照明用やテレビ用LEDにシフトしたことなどを評価した。これらを踏まえて今後の業績を見直し。営業利益ベースで、今10.3期を、会社予想55億円に対し、25億円→60億円(EPS 10.3円)、来11.3期を105億円→110億円(EPS 20.6円)、12.3期を130億円
→140億円(EPS 25.0円)と上方修正し、投資判断を「2」→「1」、目標株価を580円→620円(PBR1.4倍)と引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
■FX投資戦略/
益々膠着の方向⇒より狭いレンジで戦略を練る
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした――。
<10日> 10日も静かな1日となりました。ドル円の1Mの通貨オプションの変動率(ボラティリティ)を見ると、直近12.3%にまで低下してきています。これはどの程度の水準というと、今年の5月に一度12.13%まで低下していて、それに迫る低水準です。つまり、今年1年間で見ても、最も相場が安定して動かない時期であるということを示しています。
リーマンショックの前は10%を切る局面もあったので、それから比べるとまだ高いですが、それでもかなり低下してきていることは事実です。トレンド的にもまだ低下しそうにも見えます。相場は益々膠着の方向に向かう可能性が高まってきました。こういうときは、レンジをより狭くとって戦略を練る必要があります。ドル円で週間2円程度のレンジを想定しておきたいところです。
▼今日の債券相場/
1.485%を背に、もみ合い強含みと予想する
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は 今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント
昨日の米国市場は小動き。NY ダウは前日比20.03 ドル高の10,246.97 ドル。米10年国債利回りは1bp 低下の3.47%(6 時26 分現在、ブルームバーグ)。したがって、これらはニュートラルと言える。
昨日の10 年303 回債利回りは1.455~1.485%とやや広めのレンジを推移した。
藤井財務相や菅戦略相の発言を好感、フィッチの格付け見直しの可能性を嫌気したなど背景と指摘されたが、どれもが大きな材料ではなく、特に現物市場においては後講釈の感が強かった。しかし、利回りが1.50%という節目に接近する中で、投資家の売り買いが交錯してきたという事実は残る。加えて、補正見直しの財源を2 次補正予算で使うといった新たな材料が出ている
ものの、あくまで、「15 ヵ月予算」との理解であり、その分、来年度の当初予算が削られる方向。いずれにせよ、国債増発の話題に市場が飽きてきた印象がある。そろそろ、利回りの天井を探る展開になると見て良さそうだ。
▼堅調な物価連動国債/
足元、名目債対比でジリジリと値を上げている
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は
先週も伝えているが、「足元、物価連動国債が名目債対比でジリジリと値を上げている」として次のようにコメントした――。
カレント・ブレイク・イーブン・インフレーション(BEI)は-100bp が大きな壁と考えていた。しかし、9 日には、そこをも上回ってきた(Close ベース、図表3)。米国も同様の状況にあり、特に11 月3、4 日のFOMC 終了以来、その動きに加速感がある(図表4)。政策金利の引き上げ時期が後ずれするとの見方が広がったことが寄与していよう。
さて、本レポートでは、これまでカレントBEI の押し目買いを推奨してきた。その方針は正しかった。しかし、取り組む水準を-120bp 以下としていたため(今月の推奨も変らず)、結局、ポジショ
ンが取れず、収益機会を逸してしまった。したがって、今からでは遅いと躊躇する部分もあるが、-105bp 以下で入って、-75~-80bp 程度を狙ってみたい。もっとも、押し目はすぐに訪れても、ターゲットに達するにはかなり時間がかかると覚悟している。
▼NY金相場/
超高レベルでみんな安心している市場は不気味?
スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、 NY金相場について、概ね次のようにコメントした――。
昨日は比較的静かな一日でした。アジアは全体的に弱含み。しかし1098ドルではサポートされてニューヨークの高値は1110ドル。フロアの引けは1102ドル。その後1105ドルまで上がりました。今週は目立った経済指標もなく、上昇も一服?しないか。(笑)とりあえず強い基調は変わらずで、ドルの動き次第相場が今日も続きそうです。今朝は1105-1109の間を結構激しく動いています。また最高値1111.30ドルへのトライもあるかもしれません。夏からずっとそうなんですが、こんな高いレベルでみんなが安心しているマーケットというのはどうも気持ち悪くて仕方ありません。
▼米欧商品市況/
シカゴコーン=大幅続伸、LMEアルミ=小幅続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された10日の海外商品市況は次のようになった――。
【LMEアルミ=小幅続伸、指定倉庫在庫の減少で2週間ぶりの高値】
アルミ3カ月物は小幅続伸。ドル高や銅の下落で値を消したが、ドルの反落や指定倉庫在庫の減少、米国株・原油の急反発をはやして約2週間ぶりの高値に値を飛ばした。
【シカゴ穀物=大豆は期近が反落、コーンは大幅続伸】
大豆は期近が反落、コーンは大幅続伸。大豆1月限は反落。生産高や期末在庫が予想平均を上回ったことが圧迫し、ファンド売りで値を消した。収穫進展観測やドル高も弱材料。ただ、前日の安値を維持したことや、生産高に対する懐疑的な見方で安値から急回復。
コーン12月限は大幅続伸。買い過剰感や収穫進展観測、ドル高・原油安で下落したが、生産高・期末在庫が予想を下回って切り返した。大豆の急落で値を消したが、ファンドのスプレッド買いが買い戻しを誘って上昇が加速した。(オーバルネクスト シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(10日)=292兆9061億円(前日比+3872億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、一時9950円に迫ったが円高などで上げ幅を縮める。日経平均 が終値で前日比+21.56円高の9,892.29円、またTOPIXも同+3.89高の876.33、JASADAQ指数は同-0.03安の47.31となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは22業種。空運業、電気・ガス業、情報・通信業などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替相場は総じて円が堅調な展開。ドル円相場は89円台後半で推移、ユーロ円は134円台前半後半で推移している。
★堀内AIA社長のFXコメント=10日はカラスもネコもイヌも鳴かないドル円とした
AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした――。「ここのところ、昼寝すると寝坊するし、二度寝してしまうし。弱ったもんだ。つまり、レートアラートをセットしているのだが、あまりに動かないのでブザーが鳴らないのである。カラスも鳴かないドル円と書いたが、10日はカラスもネコもイヌも鳴かないドル円とした」。(11月10日。夜中。)
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
大和証券グループ本社(8601)
■ストック・オプション(新株予約権)行使価額等確定のお知らせ
http://www.daiwa-grp.jp/press/index.cfm
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社
日本リテールファンド投資法人(8953)
■投資主総会開催に関するお知らせ
http://r26.smp.ne.jp/u/No/99160/0B7KE6BIGdc8_677/091110001.html
株式会社サイバーエージェント(4751)
■マイクロアド、モバイルアドネットワークの提携メディア数が100社を突破
http://www.microad.jp/ad/mobile/
トレンドマイクロ株式会社(4704)
■ストックオプション(新株予約権)の付与に関するお知らせ
http://www.trendmicro.com/jp/about/investors/overview.htm
積水ハウス株式会社 (1928)
■2009年10月度受注速報
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/order/orders_2009.html

