デフレ宣言再び/米投資家の日本株に対する冷たい視線(11/25)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は11月25日(水)の金融・経済情報をお送りします。

■デフレ宣言再び/
 流動性供給国の金融機関=バブル輸出で潤う

先週末に菅経済財政担当相が、月例経済報告で「日本は緩やかなデフレにある」との認識を示した。東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、これは日銀の「出口戦略」を牽制し、超低金利を継続させる圧力になるばかりか、「日銀に追加策を期待する声が高まる可能性を含んでいる」として次のように語る----。

<欧米でもインフレ、デフレ懸念並存下、デフレ抑制を優先との認識>

実際、物価下落の原因が「需要不足」にあるとの認識は政府日銀に共通するが、苦しい財政事情からみて財務省の慎重姿勢は変わらないため、政府は需要追加策の一部を日銀にも協力してもらいたいのではないかと思われる。本来、有効需要の追加は財政で行うのが筋で、中央銀行がいくら流動性を積み上げても、これが銀行貸出などの形で市場に出て行かなければ、絵に描いた餅でしかない。むしろこれがキャリー取引に使われて、海外市場のバブル醸成を後押しする可能性もある。

欧米でもインフレ懸念とデフレ懸念の並存するなかでは、性質の悪いデフレ抑制を優先すべき、との認識が強く、引き続き主要国の中央銀行からは、潤沢な流動性が供給される形となっている。これを正当化するために、FRB幹部などは「銀行はむしろレバレッジを落としているから、バブルの懸念は無い」、とも説明している。実際には中央銀行が代わりにレバレッジを効かせているのだが。


▼10月貿易統計/
 横這い傾向覆した格好だが、過去の円高影響浮上へ

大和総研・経済金融調査部(渡辺 浩志エコノミスト+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された10月貿易統計について、「市場予想に反し輸出の回復加速」として次のようにコメントした----。

【1】 予想に反し輸出の回復加速

10月の貿易収支は+8071億円と市場コンセンサス(+4655億円)に比べ上振れ、9ヶ月連続の黒字となった。これは、輸出金額が前年比▲23.2%とコンセンサス(同▲26.8%)を上回り、輸入金額が同▲35.6%とコンセンサス(同▲34.0%)を下回ったことによる。輸出は、季節調整済みの前月比でみても+2.5%と大きくプラスとなっており、このところの横這い傾向を覆した格好となった。


■今週の株式相場/
 売り飽き気分持続=増資の消化動向が鍵を握る

みずほ証券・商品企画グループ投資情報部エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は24日、今週の株式相場について次のようにコメントした----。

<今週の予想レンジ=日経平均で9,400円〜9,800円>

今週の東京市場は下値固めの局面と予想する。先週後半に出来した、売り飽き気分が持続されるには一連の①エクイティファイナンスの消化動向が鍵を握ると考える。これら銘柄群の値動きを注視したい。今週はこうした内部要因の悪化から②外部環境面の改善へと市場の視線が移る可能性が高い。週末からクリスマス商戦を迎えるとあって③米国の経済指標への注目度が通常以上に高まろう。(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。


■米国出張報告/
 印象的!米投資家の日本株に対する「冷たい視線」

オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は中間報告でもお知らせしたように、11月15日〜22 日の間、日本を離れて米国に滞在した。その概要を以下にご紹介しよう----。

そこで得た最も大きな印象は、日本では「米国経済は二番底に向かうのでは」「商業用不動産の悪化で再度不況に陥るのでは」との懸念が強いが、現地では、今後の景気回復は牽引車を欠く緩やかなものだとは予想しているものの、二番底を見込む向きがほとんどいなかったことだ、と語る。

<米国株式市場=現在の金融相場から将来の業績相場へ>

米国株式市場は、現在の金融相場(フェーズ変)から将来の業績相場(フェーズまとも)へ、大きな波乱なく移行するかもしれない、との感触を強く得た。業績相場へ移行すれば、現在の資金余剰を反映した米ドル安から景気実態を反映した米ドル高へと転換するかもしれない。景気回復の実力を反映した米ドル高であれば、米国株価はそれを跳ね返して上昇しうる。となれば、米国を中心とした世界株高、米ドルの底入れ反転となり、通常であれば、日本株にとっても外部環境の改善として、大いに上昇要因となりそうである。しかし、米国出張で得たもう1つの大きな印象は、米国投資家の日本株に対する冷たい視線だ。

▼今日の株価予想/
 200日移動平均下回ると9050円等が下値メド

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した----。

東京市場は小幅反発の展開か。米金融株やハイテク株の軟調を背景に全般的には様子見スタートが予想されるが、主力株にはそろそろ押し目を拾う動きが出てきそう。昨日、反落した新興3指数が反発できるかどうかも注目ポイント。

昨日の日経平均はテクニカル面で下値メドの一つとされるN計算値、8月26日高値から10月5日まで下げた幅を10月26日高値から下げた水準である9397円処まで下落した。200日移動平均線(24日現在、9349円)にも接近していることや、東証1部の騰落レシオ25日平均の70%割れなど、積極的には売り込みづらい状況に変わりない。手掛かり材料難のなか、寄り前に発表される10月の貿易収支も注目材料となろう。

24日のダウ平均は17ドル安の小幅反落。7−9月期GDP(改定値)の結果が2.8%増と速報値の3.5%増から下方修正されたことや、9月のS&Pケースシラー住宅価格指数が予想よりも悪化したことを受けて、一時91ドル安まで下落した。一方、11月の消費者信頼感指数が予想を上回ったことを好感。FOMC議事録で2010年4Qの失業率の改善予測が示されたことなども好感され、前日終値近辺まで戻して終えた。

話題の銘柄

9792ニチイ学館/業績予想を上方修正、10.3期会社予想は慎重、目標株価1050円 

みずほでは、「10年3月期上期業績は、ホームヘルパー育成などの教育事業の好調と、有料老人ホームの入居率が順調に上昇していることを主因に、経常利益は会社計画の15億円を上回る22億円となった。会社側は10年3月期計画を変更していないが、会社計画は慎重と見られ、当社予想を上方修正する。教育事業について、株式市場の一部ではピークアウトが懸念されているが、10月のホームヘルパー受講生数は前年同月比で40%程度の伸びが続いている模様である。教育事業は年間を通じて好調に推移するものと予想する。一方、有料老人ホームは、業界全体を通じて新規開設が限られる中で、既存施設の入居率上昇の流れを受けて、同社の有料老人ホームも計画を上回るペースで入居率が上昇している。上期の経常利益が7億円計画を上回っていること、その流れが下期も継続していると考えられることから、当社では10年3月期経常利益予想を会社計画を上回る63億円と予想する。また、政府の緊急雇用対策『「働きながら資格をとる」介護雇用プログラム』に伴う補助金が、10年3月期下期から11年3月期にかけて、同社の原価低減に寄与するものと思われる。医療事務受託事業も11年3月期にかけて採算の改善が進むと考え、11年3月期も増益が続くものと予想する」と指摘。今2010年3月期連結経常利益を会社計画53.5億円(EPS36.0円)に対し従来予想46億円(EPS31.1円)から63億円(EPS43.4円)へ、来2011年3月期同52億円(EPS35.5円)から69億円(EPS47.8円)へ増額。目標株価1050円を据え置き、投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げた。トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/


▼クロス円投資戦略/
 ちょっと下げてきているので注意しておきたい

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした----。

日本株は相変わらず軟調な動きを示し、それに呼応するようにクロス円も売られる展開となっています。本日の外為どっとコムのつぼで日本株についても少し触れているのでそちらをご覧下さい。

またつぼにも少し書きましたが、日本政府がデフレ宣言をしました。デフレになると、普通であれば中央銀行が金利を下げて物価の低下に歯止めをかけようとしますので、通貨安の圧力が働きます。ただ、日本は金利がすでにゼロ金利に近づいていることもあり、金利低下からの通貨安圧力がかかりません。

その中で、内需に比べると外需が盛況ということで経常収支が黒字になると、円高圧力がかかります。実需の動きだけで今日明日の相場が極端に動く事は中々ありませんが、クロス円はちょっと下げてきているので注意しておきたいと思います。先週も書きましたが、ドル円は88円前半をつける展開もありうると考えておきたいと思います。


▼今日の長期金利/
米債高と円高・株安傾向を背景に弱含み、と予想

三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした----。

<予想レンジ>

・ 長期金利(#303) 1.275%〜1.295%

・ 債券先物(12月限) 139.45円〜139.65円

<シナリオ>

長期金利は昨日の米債高と円高/株安傾向を背景に弱含み。増発となる2年利付国債入札(12:45落札結果発表予定)も難なくこなす。


▼今年度の債券相場/
 最低利回りつける時期=12月より、もう少し先か?

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした----。

本日の想定レンジとコメント 

昨日のNY ダウは小幅安。前日比17.24 ドル安の10,433.71 ドル。一方、米10 年国債利回りは4bp 低下の3.30%(6 時27 分現在、ブルームバーグ)。先週、ブレイクできなかった3.30%に再度トライしている。米国市場はフォローである。

国債増発懸念がゆっくりと薄れる中、政府のデフレ認定や株安などファンダメンタルズの好材料が目立ってきた。引き続き10 年国債利回りの1.20%台を持続的に低下するには、役者が揃っていないようではある。しかし、来月の国債大量償還やインデックスの長期化なども踏まえ、徐々に昨年末の需給相場が多くの市場参加者の脳裏をよぎりはじめていよう。後は、もう少しの時間の経過と外部環境の手掛かり、たとえば、国債増発の姿が明らかになることや米国長期金利の低下などが必要と考えられる。なお、今年度の最低利回りをつける時期は12 月ではなく、もう少し先と筆者は見ている。


▼公社債投資家別売買高/
買い先行の都銀は売りに転じ、地銀が最大の買い手に

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は、先週末、日本証券業協会が発表した10月の公社債投資家別売買高 (図表1) について、概ね、次のようにコメントした----。

主要業態で最大の買い越しは地方銀行だった(除く短期証券、以下同じ)。買い越し額は1 兆8,800 億円と昨年4 月以来の高水準となった。余資が積み上がる中、銀行勢でまず買いを先行させたのは都市銀行だった。彼らは9 月まで4 カ月連続で最大の買い越し業態となり、特に9 月は過去最高額を記録した。下期初になって、地銀がその都銀に追随した格好となった。国債投資家別売買高を見ると、彼らの買い越しの多くは長期債だった。


■NY銀相場/
Silver=銅下落で頭重く19ドルが当面の天井?

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY銀相場について、概ね次のようにコメントした----。

Gold: 昨日は広いレンジでしたが、とりあえず新しい高値更新はなし。ニューヨークもThanksgiving holiday前で静かでした。OTCのOption Expiryも大きな波乱はありませんでした。今晩のニューヨークはお休み。

Silverはその副産物であるcopperの価格へのリンクが強く、昨日はCopperが下落したためSilverも頭が重たい展開。Copperの7000ドルとSilverの19ドルというのが当面の天井のようです。

▼米欧商品市況/
シカゴ大豆=期近が反発、NYコーヒー=反発

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された24日の海外商品市況は次のようになった----。

【シカゴ穀物=大豆は期近が反発、コーンは大幅続落】

大豆は期近が反発、コーンは大幅続落。大豆1月限は反発。押し目買いで反発したあと、ドル高・原油安を嫌気して下値を切り下げたが、時間外取引の安値を維持したことから戻り歩調となった。輸出や圧砕需要が旺盛なことがはやされ、終盤の買い戻しでプラスに浮上。
コーン12月限は大幅続落。前日の安値を下回ったあと、戻りが前日終値ではね返されて値を消した。ドル高・原油安や収穫進展による現物べーシスの低下、40日移動平均割れによるファンド売りで約2週間ぶりの安値に急落した。
 
【NYソフト=NYコーヒーは反発、粗糖は期近が小幅続落】

ニューヨーク・アラビカも反落。3月限は、安寄り後の戻りが限られるなか、ニューヨーク入り後はドル持ち直しや原油安などから早めの手じまいを進める動きなどに押された。
ニューヨーク粗糖は期近が小幅続落。3月限は、短期的な売られすぎ感などから切り上がったものの、買一巡後は原油相場の急落などに圧迫され、一転して10日以来の水準へと値を沈めた。 (オーバルネクスト シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

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ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(24日)=278兆6035億円(前日比−3兆1164億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は、日経平均9400円を挟んで小動き。日経平均 が終値で前日比+3.60円高の9,405.18円、またTOPIXも同−0.19安の829.03、JASADAQ指数は同−0.05安の45.05となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは13業種。電気・ガス業、空運業、輸送用機器などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は円高が進む。ドル円相場は88円台前半で推移、ユーロ円は132円台前半で推移している。

★堀内AIA社長のFXコメント=ドル円は次第に忍者屋敷の吊り天井相場に?

AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした----。 「何ともジメジメした相場だ。感謝祭のせいだと言うけどそうなのかなあ。動いたら何て言うんだろう。ドル円は次第に忍者屋敷の吊り天井相場になりつつあるね」。(11月24日。夜。)

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

大和証券グループ本社(8601)

■大和証券SMBC株式会社、機構改革および役職員の異動について

(1)金融証券研究所担当の下に汎アジア調査推進部を新設する。

(2)アジア特別担当を新設し、当該担当の下にアジア戦略室を新設する。

http://www.daiwa-grp.jp/press/index.cfm

住商情報システム株式会社 (9719)

■自社開発の勤怠・給与管理連携ソリューションを改正労働基準法へ対応し提供開始
−勤怠管理システム「SHARE/OTM」とERPパッケージ「ProActive E2」給与システムによる連携ソリューション−

http://www.scs.co.jp/

株式会社ディー・エヌ・エー(2434)

■株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモとの合弁会社設立に関するお知らせ
http://www.dena.jp/ir/

積水ハウス株式会社 (1928)

■積水ハウスの環境配慮型住宅「グリーンファースト」が「第6回エコプロダクツ大賞」において

 "エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞"を受賞
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2009.html