過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は11月4日(水)の金融・経済情報をお送りします。
■高齢化と日本経済/
経常収支=高齢化進展でも、容易には赤字化しない?
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は2日、本格化する高齢化と日本経済への影響に関して、生産性、賃金、所得分配のダイナミックスという観点から、おおよそ次のような見解を示した――。
<実証分析、シミュレーションから判明した4つのポイント>
高齢化の進展は、将来の生産性や実質賃金にどのようなインパクトを与えるのか。また、その結果、所得分配(企業と家計の間の所得分配)はどのように変化するのであろうか。所得分配が変化すれば、設備投資や雇用の将来パスに対する考え方のみならず、日本経済の貯蓄・投資バランス、あるいは対外収支の先行き展望も変えなくてはならない。
本レポートでは学界等の先行研究も踏まえ、主として、就業者平均年齢と生産性、実質賃金の関係について実証分析を行った。分析対象とした生産性は、TFP(全要素生産性)である。TFP を分析対象としたのは、いわゆる「成長会計」の考え方に基づいて日本経済のトレンド成長率の将来パスのイメージをつかみたいと考えたからである。就業者平均年齢とTFP、実質賃金の関係に関する実証分析、シミュレーションからは、以下の諸点が判明した。
▼日銀と米FRB/
欧米に先んじ「世界中央銀行」の認識示した日銀
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist,
Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、「今回の金融危機の発生原因とも関わる金融政策の基本認識において、日銀はFRBと一線を画した」とし、このひと月の間に行われた、FRBのバーナンキ議長と日銀の白川総裁の発言との間に、明確な違いが見て取れると言う――。
<バブルの原因を巡る、日銀総裁とFRB議長との認識の相違>
先週金曜日の記者会見において、白川総裁は「先進国の金融緩和で供給された資金、あるいはリスクテイクの能力が新興国に向かい、その面から新興国の経済が押し上げられている。従って、先進国と新興国とを結ぶ1つの大きなリンクは、先進国における金融緩和が資本流入を通じて影響している」との認識を示した。これは、先月FRBのバーナンキ議長がサンタバーバラで示した認識とは明確に異なる。つまりバーナンキ議長は、金融危機をもたらした住宅バブルや証券化バブルの原因は、世界の貿易不均衡にあり、とりわけアジアの経常黒字を背景とした貯蓄余剰が米国などに流入したことが大きい。従って世界の経済金融の安定化には、アジア諸国の内需拡大努力が肝要とした。
■11月マーケット予想/
目先波乱も、いずれ株価の上昇基調に転じると予想
オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は2日、恒例の主要市場の相場見通しを公表した。それによると、「予想レンジも、方向性は変更しない」と言う――。
世界市場は目先波乱(上にも下にも振れる)が続く恐れは強いが、いずれトンネルを抜けて、株価の上昇基調に転じるものと予想している。世界の景気に対する見方が好転し、主要市場が落ち着きを取り戻せば、再度、内外の経済成長率格差・金利格差に注目した、円安傾向が進むものと考えている。
このため、予想レンジも、方向性は変更しない(このため、少し先の時期の見通しである、2010 年1~6月のメインシナリオ予想は、全く変えない)。しかし年末までの見通しレンジについては、まだ当面波乱含みの展開が残るとすると、その後株価・長期金利・米ドル等の上昇基調に入ったとしても、年末までの時間を考えると、当初予想したほどの上昇幅を実現するのは、難しくなったと言わざるを得ない。具体的な12月までの予想レンジ修正は、以下の通り。
▼11月株式相場/
今年も、日米とも波乱含みの展開から始まる
みずほ証券・商品企画グループ投資情報部エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi
Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は2日、今週の株式相場について次のようにコメントした――。
<今週の予想レンジ=日経平均で 9600円~10,000円>
今週の東京市場は下値模索を余儀なくなれよう。株式投資において11月は好ましいタイミングとされているが、ここ数年、日米の11月相場は波乱含みの展開から始まっている。①日本企業の決算発表が続くというのは例年通りであり、この面に関して様子見気分が拭えない状況なのに加えて、米国経済の先行きに対する不安が再燃しているとあれば、数年内のパターンの踏襲は避けがたいだろう。②米国の経済指標、③要人発言に注意したい。(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。
▼今日の株価予想/
米株市場にひとまず安心感、様子見から自律反発へ
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH,
INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
東京市場は反発が予想される。今週の米株市場の底堅い動きをひとまず好感する展開か。その他金融や銀行、証券など金融株に買い戻しが期待できそう。ただ、米雇用統計など週末にかけては米国でのイベントが多いため、積極的に押し目を拾う動に乏しく、日経平均は前日レンジ内で9900円~9800円処にとどまる動きが想定される。一方、テクニカル面では75日移動平均線の上昇が続いていることや、25日移動平均線の下げが緩やかにとどまっていることで、自律反発しやすい地合い。週末にかけては1万円の大台回復に向けた動きも期待できそうだ。
2日のNY株式市場では米CITの米連邦破産法11条の適用申請に対する反応は限定的で、10月のISM製造業景況指数の結果が予想を上回ったことを好感した。FRB当局者が「米金融機関は不動産ローンなどの不良債権化リスクに直面する可能性」との認識を示したことで金融セクターが重しとなったが、ダウ平均は76ドル高と反発。NASDAQやS&P500も反発で終えた。一方、昨晩のダウ平均は17ドル安と小幅反落。モルガンスタンレーによる半導体セクターの投資判断引き下げや、スイス金融大手UBSの4四半期連続の赤字決算などが嫌気されたが、著名投資家バフェット氏による鉄道大手バーリントンの買収合意を好感し資本財セクターが指数の支えとなった。
NASDAQやS&P500は小幅続伸。シカゴ・オプション取引所のVIX(ボラティリティー)指数は、28.81(直近高値10月30日30.69)に低下した。ドル建てCME225先物は2日の大証日中終値に比べ5円安の9825円、円建て清算値は20円安の9810円となった。
話題の銘柄
6762TDK/上期決算は想定以上で業績期待上昇、目標株価6000円→6500円
ゴールドマンでは、「10月29日引け後発表のTDKの上期営業利益実績は54億円と当社予想(25億円)および計画(35億円)を上回り、通期は135億円→154億円(上期分のみ上乗せ)に上方修正された。結論として、株式市場はポジティブな評価を優先すると判断する。第2四半期営業利益(90億円)は、TDK本体が101億円(営業利益率6.3%)、EPCOSが実質黒字化(のれん代12億円除くと1億円の黒字)と予想以上の速さで収益改善が進展。下期計画(100億円)は保守的で、株式市場は再度業績期待を高めると見る。今期中に四半期営業利益100億円の収益体質を構築すれば、2010年度は500億円前後を狙えると見る」、「下期以降の業績期待では、(1)第2四半期も絶好調で推移したHDDヘッドは更なる数量増と稼動増が見込まれる、(2)第2四半期で大幅な赤字縮小を実現したMLCCの更なる改善に期待できる、(3)EPCOSの黒字定着とシナジー効果、の3点。2010年度に向けては、HDDヘッドの勝ち組評価(シェア上昇や付加価値上昇)と低収益事業の改善評価(EPCOS、MLCC、電源)という2つのエクイティ・ストーリーを持つ銘柄。『業績変化率』では、大手受動部品(村田製作所、京セラ、TDK、太陽誘電)の中で最も魅力度は高いと見る」と指摘。今2010年3月期連結営業利益を会社修正後計画154億円(EPS40.3円)に対し従来予想180億円(EPS73.7円)から260億円(EPS106.2円)へ、来2011年3月期同435億円(EPS227.9円)から495億円(EPS266.7円)へ、2012年3月期同593億円(EPS325.6円)から635億円(EPS355.1円)へ上方修正。投資判断「買い」、コンビクション・リスト採用を継続、今後12ヵ月の目標株価を従来の6000円から6500円に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
■ドル円予想/
一気に直近88円を割り込む可能性も出てきた
週明けの東京市場では、先週末の海外市場の流れを受け継ぎ、ドル/円レートはほぼ2週間ぶりに90円割れとなった。グローバル景気の先行きに対する不安が、欧州通貨や高金利通貨を圧迫する一方、金曜日に公表された米国消費関連指標の悪化や米商業金融会社の破産法適用のニュースで、米国金融不安の再燃が懸念されたことが背景にあるとの指摘がある。
クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は2日、「この数週間、日本の財政赤字拡大に対する懸念がドル安円高圧力を緩和していただけに、ポジション調整で一気に直近の88円 を割り込む可能性も出てきた」として次のように語った――。
▼FX相場予想/
リスク許容度や金利の影響=高金利通貨ほど大きい
大和総研・経済金融調査部シニアエコノミスト(為替市場担当)の亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は2日、通貨変動は基本的にはリスク許容度と内外金利差の動向で決まりやすいと語った。
亀岡さんは、「リスク許容度や金利の変化が通貨に与える影響は、比較的金利が高い通貨ほど大きい」と言う。また、外貨建て資産に投資する場合、為替変動リスクは投資リスクのかなりの割合を占める。為替変動リスクは債券投資収益変動リスクを大きく上回るし、株価変動リスクと為替変動リスクは相殺しあうのではなく、相乗しあって価格変動リスクが非常に大きくなりやすい。よって、高金利通貨を中心に外貨建て資産投資は、リスク選好的か、リスク回避的かが大きな問題となる。
▼海外FX相場/
ドル円=小幅に続伸、一時90.59円まで上げた
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした――。
ドル円は小幅に続伸。一時90.59円まで上げた。米商務省が3日発表した9月の米製造業新規受注が前月比で0.9%増加し、市場予想平均を上回ったことが支えとなった。もっとも、米国株式相場が明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、上値の重い展開だったほか、ニューヨーク金先物相場が史上最高値を更新し、対欧州・オセアニア通貨でドルが戻り売りに押し戻されたため、ドル円相場は上値を切り下げた。
ユーロ円は反落。3日の欧州市場で、英・独の株価指数や時間外のダウ先物が大幅安となり、リスクポジション解消目的で売りが膨らんだ影響が残った。ただ、米国市場の取引時間帯では、米国株が安く寄り付いた後、一時買い戻しが進んだことや、米経済指標が予想を上回ったことなどを背景にショートカバーが入った。ユーロドルが下げ幅を縮小したことも下値を支え下げ渋った。
ユーロドルは反落。欧州市場で、株安を背景に売り込まれた余韻が残った。もっとも、米国市場では、ニューヨーク金先物相場が史上最高値を更新し、WTI原油先物相場が持ち直したことなどがユーロ買い・ドル売りを誘い下げ幅が縮まった。
▼今日の債券相場/
やがて様子見気分が広がり、もみ合いに移行へ
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は
今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント
昨日の米10年国債利回りは前日比5bp 上昇の3.47%(6 時22 分現在、ブルームバーグ)。先週末比では9bp 上昇した。また、NYダウは前日比17.53ドル安の9,771.91 ドル(先週末 9,712.73ドル)。したがって、米国市場はアゲインストである。
2 日は米長期金利低下や株安などを受けて、10年304 回債利回りが1.370%まで低下した。
本日はその好地合いを引き継ぐ。しかし、上記のように、外部環境は悪化した。そして、明日には10年国債入札が控えている。発行総額は変わらない(増発は12 月債から)。もっとも、前回、落札結果は好調だったものの、それが相場反落のターニングポイントになった。したがって、市場参加者の警戒感はなかなかに強そうだ。
▼11月債券推奨オペ/
基本的に「1.30%台前半ショート、1.40%台ロング」で臨む
シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)
は、11月の推奨オペレーションについて次のような戦略を示した――。
今月の推奨である。まず、ディレクションは10 年での逆張りを続ける。利回りレンジは1.30~1.45%を想定し、現在のロングは1.30%台前半ではずしたい。基本的に今月は、「1.30%台前半ショート、1.40%台ロング」で臨む。しかし、月後半になって、需給懸念が予想以上に和らぐなら、1.30%台前半でのショートは控える。年末までの予想利回りは、引き続き1.150~1.450%と考えており、そこは臨機応変に考える。
イールド・カーブでは、残念ながら、20-5 年のスプレッド・ショートは閉じることになったが、10-5 年の方はキープしたい。なお、ターゲットもロスカット・ラインも変更しない。「年末、国債増発・財政悪化懸念が一段と後退するならば、ブル・フラット化の場面も想定される。それを踏まえ、長期戦で臨む」という姿勢は不変である。
▼米欧商品市況/
NY貴金属=インド中銀の金買い報道はやし続伸
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された3日の海外商品市況は次のようになった――。
【NY貴金属=続伸、インド中銀の金買いの報をはやす】
ニューヨーク金、銀ともに大幅続伸。金12月限は、インド中央銀行がIMF保有金200トンを購入との報がはやされ、ファンド筋のテクニカル買いを誘って一代高値を更新した。ドル安や原油高も強材料。
銀12月限は、金の上昇に追随したあと、ドル高・原油安で値を消したが、金の急伸やドル反落・原油反発がファンドのテクニカル買いを誘い込み、上昇に弾みが付いた。
プラチナ系貴金属(PGM)は続伸。プラチナ1月限は、金の急伸をはやして前日の高値を抜いたあと、ドル高・原油安で値を消したが、金の上値追いやドル反落・原油の反発で時間外取引の高値を上回った。
パラジウム12月限は、金の上昇に追随したあと、ドル高や原油安を嫌気して前日の安値を下回ったが、金の急伸やドル反落・原油反発をはやして前日の高値を突破した。(オーバルネクスト シカゴ)
情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★東証1+2部時価総額(2日)=295兆9539億円(前日比-4兆4307億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、米国株軟調や今夜の米FOMCで様子見姿勢。日経平均 が終値で前日比-6.67円安の9,796.28円、またTOPIXも同-1.67安の878.87、ASADAQ指数は同-0.04安の48.34となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは12業種。非鉄金属、石油・石炭製品、その他金融業などが上位を占めた。午前の東京外為市場=為替相場は対主要通貨で円が堅調。ドル円相場は90円台前半で推移、ユーロ円は132円台後半で推移している。
★大和総研・田谷特別理事=新政権の政策と財政収支、長期金利の関係大和総研・特別理事の田谷禎三さんは、新政権の政策と財政収支、長期金利の関係について、次のように語った――。「新政権発足後1ヵ月半になり、政策動向が明らかになりつつある。そうした中でマーケットが気にしだしていることのひとつが財政赤字の先行きである。国債以外による財源の確保が不透明である一方、歳出は相当膨れそうである。最近、長期金利が上昇気味となってきているのも、そうした懸念と無関係ではないだろう。財政収支はどうなりそうか、また、それと関連して、長期金利動向はどうなるだろうか」。(詳細は、別途、ご紹介する予定です。=編集部)
★日興AM=「資源株ファンド 通貨選択シリーズ」を設定日興アセットマネジメント株式会社(取締役会長兼CEO:ティモシー・マッカーシー氏)は、追加型投信「資源株ファンド 通貨選択シリーズ<ブラジルレアル・コース>(毎月分配型)」、「同<南アフリカランド・コース>(毎月分配型)」、「同<オーストラリアドル・コース>(毎月分配型)」の3ファンドを11月20日に設定、運用を開始する予定。募集は、本年10月1日付で日興AMの主要株主となりました住友信託銀行株式会社他にて11月2日から開始。詳細は、http://www.nikkoam.com/files/lists/release/091102_j.pdf
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
株式会社大阪証券取引所(8697)
■平成21年10月の売買状況
http://www.ose.or.jp/cms/news/detail.php?id=15283&style=ja
松井証券株式会社(8628)
■平成21年10月の月間売買実績・口座数等(速報値)のお知らせ
http://www.matsui.co.jp/company/index.html
住商情報システム株式会社 (9719)
■株式会社アイ・ティ・フロンティアが住商情報システムとERPパッケージ「ProActive E2」のビジネスパートナー契約を締結
http://www.scs.co.jp/
株式会社サイバーエージェント(4751)
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