民主党政権と景気/世界の株式相場(11/10)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。今回は11月10日(火)の金融・経済情報をお送りします。

■民主党政権と景気/
 適切な政策運営⇒「内需主導」で景気大幅上振れ

大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は9日、民主党政権の成立が日本経済に与える影響について検証し、次のような見方を示した――。

当社のマクロ経済モデルを用いた分析では、09 年度は公共事業の削減を主因にわが国の実質GDP 成長率は0.2%ポイント押し下げられる見通しである(下図)。これに対して、10 年度・11 年度は、「子供手当て」により個人消費が押し上げられることを主因に、それぞれ0.1%ポイント、0.3%ポイント程度ずつ、成長率が高まる計算となる。

<民主党vs.自民党、経済政策の根本的な違いとは?>

自民党と民主党の経済政策の根本的な違いは、自民党が「組織を通じた個人への所得再配分」を行なっていたのに対して、民主党は「直接的な個人への所得再配分」を行なうという点だ。言葉を変えれば、自民党が経済の供給サイドの政策に注力してきたのに対して、民主党は経済の需要サイドに働きかける政策に大きく舵を切ったとも言える。歴史的に、わが国では、家計部門に直接働きかける本格的な政策が行なわれてこなかったので、今回の民主党の政策は「壮大な社会的実験」と言っても過言ではなく、過去のデータを用いた計量モデルでは測定不能な形で、日本経済に前向きな構造変化が生じる可能性がある。

<新政権の本質=政治のマネジメントシステム自体の変革>

さらに、民主党政権の本質は、個別政策の中身という各論ではなく、政治のマネジメントシステム自体の変革という総論にある。従来のわが国の政治の根本的な問題は、政府と与党という「権力の二重構造」の存在であった。これに対して、民主党政権は政策決定を内閣に一元化し、意思決定の仕組み自体を抜本的に変革しようとしている。政治家が官僚を上手くマネージして適切な政策運営を行なうことができれば、株高による消費者マインドの改善等から、「内需主導」で景気が大きく上振れする可能性が高まろう。

■今週の株式相場/
 重苦しい雰囲気拭えず、動意に乏しい展開続く

みずほ証券・商品企画グループ投資情報部エクイティストラテジストの瀬川剛さん(Tsuyoshi
Segawa / Equity Strategist, Shinko Securities Co., Ltd.)は9日、今週の株式相場について次のようにコメントした――。

<今週の予想レンジ=日経平均で9500円~10000円>

今週の東京市場は重苦しい雰囲気が拭いきれず、引き続き動意に乏しい展開を続けると予想する。①外部環境は悪くはないが、②需給悪化への警戒が強いのに加えて、不安から諦観へと変質しつつあるようにも感じられる、市場参加者の③現政権に対する感情を映じ、方向感の定まらない動きを余儀なくなれると考える。(注)上記コメントは基本的に原文どおりですが、冒頭の文章、タイトル、小見出しなど、一部編集してあります。

■世界の株式相場/
 一時的な波乱へて世界市場は「フェーズまとも」に移行

オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/
President, Office Saintpaulia)は現在、欧州やアジア諸国市場も含めて、再度株高に向かいつつあることには異存はないとしながらも、為替の動きや国際商品市況の動きも含めて、現状の動向は何か「変」だと言う。その上で、この現状の「フェーズ(局面)変」と、通常の(米国を含めた)世界景気回復局面で想定される「フェーズまとも」という2つの側面から、今後の株式相場を予想した――。

<「フェーズ変」のままでは、年末までに日経平均1万1000円台は困難>

「フェーズ変」とは、結局は、米国株が資金余剰と、低金利、それがもたらす米ドル安によって支えられている、金融相場の色合いが濃い、ということだ。米国景気や企業収益の実力によるものとは言えない。こうした観点からは、先週末(11/6)発表の10月の米雇用統計が弱い内容であったにもかかわらず、長期金利の低下と対ユーロでの米ドル安によって、米国株価がザラ場安値から切り返し上昇したことが理解できる。

▼今日の株価予想/
 上値メド=日足基準線10013円、10150円~10250円処

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

東京市場は海外株高を素直に好感する展開へ。日経平均はここ直近の値固めから反発の動きが強まりそうだ。TOPIXも一目均衡表では雲のネジレあたりのタイミング。商い低迷は続こうが、海外勢による主力株への換金売りが徐々に和らぐことが予想され、主力株中心に終日堅調な展開が予想される。きょうの日経平均は5日、25日移動平均線ともに上昇に転じる見込み。11月2日に開けたマド埋め(9984円)や、25日移動平均線に向けた反発が期待できそうだ。一目均衡表における下げの転換線9950円処がザラ場や終値での上値抵抗のポイントになる。

9日のダウ平均は203ドル高と大幅続伸。年初来高値を更新した。海外市場の上昇の流れを引き継ぐなか、先週末のG20で各国が景気刺激策の継続で合意したことが材料視された。NY原油価格の上昇に連れてエクソンやシェブロンなどが上昇したほか、金融セクターが指数を牽引しジリ高の展開となった。NASDAQやS&P500も2%前後の上昇。業種別では金融が3.6%上昇したほか、素材や資本財などの上昇が目立った。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ210円高の10010円、円建て清算値は190円高の9990円となった。

話題の銘柄

8591オリックス/今期会社計画達成と来期大幅増益の確度高まる、目標株価9000円 

同社は11月4日に09.9月中間決算を発表。営業収益が前年同期比14.1%減の4714億円、純利益が同69.2%減の242億円となった。不動産関連の融資が減少したほか、法人金融サービス事業などで貸倒引当金の繰入額が増加した。10.3期予想は、営業収益が前期比10.1%減の9600億円、純利益は同36.8%増の360億円と据え置き。野村では、今後の外部環境は未だ楽観できないものの、◇法人金融部門における不良債権の前倒しの回収、担保不動産の処理が大きく進捗したこと、◇9月末の貸倒引当金残高が1600億円とヒストリカルで最高水準となること、◇財務の安定性強化により、リスク資産のコントロール、バランスシートの健全化が進捗していること、――などを評価。今期の会社計画達成と来11.3期の大幅増益の確度が高まったと判断し、投資判断を「2」→「1」に、目標株価を6100円→9000円(来期PBR0.7~0.9倍)に引き上げた。今後の業績については、純利益ベースで、今10.3期を329億円→332億円(EPS 242円)と上方修正し、来11.3期を708億円→689億円(EPS 502円)、12.3期を910億円→879億円(EPS 641円)と引き下げた。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼ユーロドル相場/
 一時、10.26以来の高値1.5021ドルまで上昇

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした――。

<9日夕> クロス円がユーロ円中心に若干買われていますが、これは先週の反動をいう面が強いと思います。豪ドル円も84円が視野に入ってくる水準まで上昇してきましたが、底堅いという印象はあるものの、どんどん強くなっていくような様子でもないと思います。84円台のどこかのところで頭が重くなってくるのではないでしょうか。

海外FX市場サマリー<今朝>

ユーロドルは反発。一時10月26日以来の高値となる1.5021ドルまで値を上げた。米株高やコモディティ価格の上昇を背景に、投資家のリスク志向が高まりユーロ買い・ドル売りが広がった。市場関係者からは「英系銀行からのユーロ買いが見られた」との声が聞かれた。ただ、その後は1.5000ドルを挟んでもみ合いの展開に。米国の低金利政策の長期化を背景にした買いが入る半面、1.5ドル台では利食い売りなどが厚かった。トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は9日、国際決済銀行(BIS)総裁会議終了後の記者会見で「金融市場の改善と景気の急低下は終了したようだ」「世界経済の成長は従来の予想よりも若干良好である」と述べる一方、「多くのリスクが残されていると確信している」と語った。

▼今日の債券相場/
押し目買いは限定的、ジリジリと利回り上昇が継続

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント 

昨日、10年303 回債利回りは1.475%まで上昇、二番天井と見ていた8月10日の1.460%を上回った。結局、9月末前のメイン・シナリオ、「国債増発懸念と銀行の余資積み上がりが交錯する中、年末までは1.30%~1.40%台を中心とする動き」を修正しない方が正しかったと反省している。

さて、昨日のNYダウは前週末比203.52 ドル高の10,226.94ドルと急騰。目立った材料はなく、週末のG20 を好感したとの解説が専ら。一方、米10 年国債利回りは小幅低下し、先週末比2bp 低下の3.48%(6 時26 分現在、ブルームバーグ)。したがって、株価次第で外部環境はアゲインストと判断される。

▼今日の長期金利/
12月限の日足は4日連続の陰線で下値模索

三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun
Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<シナリオ>

長期金利は強含み継続。需給懸念がくすぶるなか、欧米株高を受けた国内株の続伸(見込み)も上昇要因になる。40年利付国債入札(12:45落札結果発表予定)は無難な結果を見込むが、買い手掛かりにはならない。

■対外対内証券投資/
金利上昇の主役=海外勢より銀行勢の買い縮小が大

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は先週末、財務省から公表された週次(10月25日~31日)の「対外及び対内証券売買契約等の状況」について次のようにコメントした――。

対内証券投資の中長期債は取得1 兆0,652億円、処分1 兆4,120億円となり、ネットでは3,468 億円の処分超だった(図表1)。処分超、すなわち、最近の海外勢の売り越しは少額にとどまっているものの、4週連続である。民主党政権が誕生、その財政政策は拡張方向という見方を主因に、海外勢の円債の相場観は弱気が多い。実際、上記のように対内証券投資・中長期債は売り越しが続いている。

もっとも、その過去4 週間の累計額は9,620 億円と1 兆円に達しておらず、9 月の売り越しの方が大きくなっている。足元、彼らの主戦場はスワップや先物といったデリバティブになっていると見られる。なお、スワップに関しては、単純なペイやスティープニングに加えて、(ポジティブ・)スプレッド縮小のポジションを取り組んでいよう(図表3)。

▼NY金高値更新/
 完璧に、インベストメントのマーケットになった

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、 NY金相場について、概ね次のようにコメントした――。

昨日のアジアはスタートこそ少し弱く見えたのですが、1096ドルまで下げたあと、すぐに上昇に転じ1100ドルを超えたところで、ストップロスの買いが入り一挙に1103ドルまで上昇、その後はぎざぎざと動きながらも上昇。ヨーロッパが入ってくる頃には一時1108ドルまで上昇しました。この流れはニューヨークにも引き継がれ、NYオープニング直前につけた新高値は1111.30ドルでした。金曜日の高値をちょうど10ドル上回りました。週末のG20では各国政府の財政出動を続けることが確認され、またインドに続いてスリランカの中央銀行も金の購入を明らかにし、やはりGoldに対する関心の強さが確認されました。

▼米欧商品急反発/
NY原油=期近は急反発、貴金属=軒並み上昇

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された9日の海外商品市況は次のようになった――。

【NY貴金属=軒並み上昇、景気刺激策継続をはやし金は高値更新】

ニューヨーク貴金属は、軒並み上昇。ニューヨーク金は続伸、銀は反発。金12月限は、G20金融会議は景気刺激策の継続で合意されたことやドル安・原油高をはやし、一代高値を更新した。ただ、株価・原油は上値を追ったが、上げ幅縮小。

銀12月限は、ドル安・原油高や金の一代高値更新をはやし、2週間ぶりの高値に駆け上がった。ただ、株価・原油の上昇が加速したが、金の押しで上げ幅を削った。

プラチナ系貴金属(PGM)は急反発。プラチナ1月限は、景気刺激策継続やドル安・原油高、金の高値更新で上昇したあと、利食い売りで後退したが、株価・原油の上値追いで時間外取引の高値を上回った。

パラジウム12月限は、ドル安や金の高値更新で金曜の高値を抜いたあと、利食いで値を消したが、米国の株価や原油の上値追いをはやして2週間ぶりの高値に急伸した。

【NY原油=期近は急反発、ドル安やトロピカル・ストームへの懸念】

ニューヨーク原油は、期近が急反発。終値の前営業日比は、期近2限月が1.99~2.01ドル高、その他の限月は1.90~1.95ドル高。ドル安進行やトロピカル・ストーム、アイダによるメキシコ湾の原油生産への影響が懸念されることとなり、期近は大幅に上昇した。(オーバルネクスト シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html

ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(9日)=292兆5189億円(前日比-1兆0662億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は、業種別ではほぼ全面高。米国株が急騰したことを好感して大幅高。日経平均 が終値で前日比+161.11円高の9,970.10円、またTOPIX
も同+11.07高の881.74、JASADAQ指数は同+0.20高の47.52となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは32業種。証券業、不動産業、銀行業などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場はまちまちの動き。ドル円相場は90円台を挟む展開で推移、ユーロ円は134円台後半で推移している。

★堀内AIA社長のFXコメント=円とドルが幕下に陥落した日となった

AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした――。「ドル円のレポートを夜書いたのだが、2行で終わってしまった。シャンシャン。円とドルが幕下に陥落した日となった。ユーロとスイスは予定通りでなかなか素晴らしい」。(11月9日。夜中。)


★注目企業=IR情報+ニュースリリース

株式会社サイバーエージェント(4751)

■株式会社CAテクノロジー、SEO集客支援サービス「Cyclone Hitter(サイクロンヒッター)」の提供を開始
http://ir.cyberagent.co.jp/

株式会社マーベラスエンターテイメント(7844)

■平成22年3月期 第2四半期決算短信
http://www.mmv.co.jp/company/index.html