国際不均衡とFX②/ロシア金売却の噂 (10/23)

過去の投資環境は? 相場はどう変化しているのか?
今を知り、未来を読むためには過去の情報も随時追いかけることが重要です。
今回は10月23日(金)の金融・経済情報をお送りします。

■特集:国際不均衡とFX②/
 中国=為替制度のより弾力化以外に選択肢はない

大和総研・特別理事の田谷禎三さんは昨日に続き、今後のG20の焦点は中国の内需拡大と人民元の切り上げがより大きなテーマとして浮上すると想定した上で、主として経常収支不均衡の問題と為替レートの関係を、特に人民元の切り上げ問題を中心として考察した――。

<固定的為替レート維持の矛盾⇒外貨準備拡大として現出>

国際金融のトレリンマとは、①いかなる国も固定(的)為替相場制、②自由な国際資本取引、③(国際的に)独立した金融政策の3つの目的を同時に実現することは出来ないという事実を指す。中国は香港などと異なり大国であり、独立した金融政策を維持することが必要だろう。中国をとりまく資本の流れも徐々に自由になりつつある。貿易取引のGDPに対する比率が上昇するにしたがい、それに付随した事実上の資本取引も拡大しつつある。中国にとって、将来的には、為替制度をより弾力化していく以外に選択の余地はないだろう。

現在は、固定的為替レートを維持するため、国際資本取引をなかなか自由化できないし、金利の設定が完全に自由にはできない。しかも、事実上の資本取引が拡大し、金融政策の独立性を維持する中で、固定的為替レートを維持する矛盾が外貨準備の拡大として現れている。

▼9月貿易統計/
 一般機械・電気機械=回復傾向続く、輸送機械=横這い

クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は22日、9月の貿易統計について次のようにコメントした――。

<内外需の回復で7-9月期の輸出入数量は高い伸び>

内外需の回復を反映し、9 月の輸出入は好調だった。当社の推計では、9 月の輸出数量および輸入数量は、季節調整済み前月比2.6%増、同4.4%増となっている。その結果、7-9 月期の輸出数量は前期比8.0%増と前期(同9.8%増)に続き高い伸びとなり、輸入数量は同6.8%増と6 期ぶりにプラスに転じた。

輸入は当初の見通しを上回るペースで推移しており、同期の外需の実質GDP 成長率に対する寄与度は、当社の現在の見通し(前期比年率4.6%ポイント)より小幅に止まる可能性が高い。しかし、輸入の増加は内需の持ち直しの反映でもあり、日本経済にとっては好ましい形である。

▼今日の株価予想/
 先物主導でショートカバー強まる?円安方向への見方強まる

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

東京市場は大幅反発へ。先物主導でショートカバー強まる展開が想定される。決算発表前で手控えムードもあろうが、短期的には円安方向に対する見方が強まる可能性があり、昨日のホンダに続き、キャノンの業績回復の観測記事なども、国際優良株に対する見直し買いの機運を高めよう。セクター内はまばらではあるが、半導体関連や商社、建機などの機械セクター、昨日軟調に推移した証券や銀行、建設や化学セクターなどにも物色が広がる展開か。日経平均は10300円台からのスタートが予想され、25日移動平均線が再び上昇に転じることで、直近20日高値10357円を超える展開が想定される。きょうの主な決算発表は、野村総研、有沢製作、日立ツール、芝浦メカ、日立ハイテク、KDDI、アイネス、千趣会、キヤノンソフト、松井証券などが予定されている。

22日のNY株式市場でダウ平均は前日比131ドル上昇。NASDAQやS&P500なども反発で終えた。9月景気先行指数の結果が予想を上回ったことや、企業業績に対する楽観的な見方が拡大。決算を発表した3Mとトラベラーズがダウ平均を46ドル程度押し上げた。業種別では金融2.9%上昇したほか、一般消費財や素材などの上げが目立った。ドル建てCME225先物は昨日の大証日中終値に比べ85円高の10355円、円建て清算値は65円高の10335円となった。


話題の銘柄

7532 ドン・キホーテ/BofAMLが業績予想を上方修正、目標株価2600円→3000円 

BofAMLでは、「単独粗利率は、10年6月期第1四半期累計で、前年比0.4ポイント程度の改善と、上期会社計画(前年比横ばい)を大きく上回った模様。国内小売全般の売上が低迷する中、NB商品の滞留在庫が増加しており、同社にとって有利な仕入れの機会となり、マージン改善につながっている」、「長崎屋では、抜本的な業務改革が引き続き進行しており、経費削減と粗利改善が計画を上回って進捗している。会社側計画の前提としては、長崎屋小売事業で7億円の営業赤字を想定しているが、第1四半期では50百万円程度まで赤字幅が縮小しているものと、当社では推定する」、「11月4日発表予定の10年6月期第1四半期営業利益は前年比20%増益と、会社側上期計画の2.5%増益を大幅に上回るモメンタムを達成した可能性が高い。第1四半期決算の好調を受けて、上期会社計画は上方修正される公算が高い。当社業績予想を上方修正する」と指摘。今2010年6月期連結営業利益を会社計画180億円(EPS144.6円)に対し従来予想185億円(EPS131.1円)から194億円(EPS144.3円)へ、来2011年6月期同200億円(EPS141.6円)から215億円(EPS160.0円)へ、2012年6月期同210億円(EPS150.8円)から230億円(EPS173.1円)へ増額。「厳しい消費環境の中、消費者の節約志向をメリットにつなげる数少ない企業としてプレミアムが付与されてこよう」と指摘。投資評価「買い」を強調、目標株価を従来の2600円から3000円(11年6月期予想PER19倍)に引き上げた。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/


▼ドル円予想/
 円とドル=FX市場での弱者競争は「ドル安」に軍配?

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

これだけドルが弱いとなると、世界には多数の中銀が存在するわけで、皆隠れてドルを売っているのではないかね?円については、民主党の政策で日本経済の先行きは非常に暗いと海外勢のコメントが影響している。まあ、すごく理解できるけどね。とはいえ、ドルと円とどっちが強いのかって議論になると、どっちもどっちだし、弱くなる要素はドルのほうに多くあるからね。
(10月22日。夜中。)

▼ドル安相場継続/
 ドル以外の通貨が下げても、それは所詮調整

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕、FX相場の動向について次のようにコメントした――。

22日は南アフリカ関連のニュースで「ランド安定のために、あらかじめ決めたレートでランドを固定する準備をしている」と一部報道が伝えました。ただ、南アフリカの経済開発省スポークスマンは「全く根拠のない話だ」として否定しています。またタッカーBOE副総裁が「必要があれば量的緩和を拡大させることが可能だ」と述べたことを受けて、ポンドが売られる動きも見られました。

とはいえこのように色々とニュースが出てきても、もっとも弱い通貨がドルであるという事実には何も変わりありません。これら報道がドル安相場のガス抜きになる事はあっても、結局ドルが安くなっていくことで、他の通貨が相対的に強くなっていきます。ドル以外の通貨が安くなった場合、それは所詮調整と考えて、熱くならないでおきたいです。

▼今日の債券相場/
スワップや先物の動きが続くなら、一段安の場面も

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は
今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント

昨日の米国市場は株高債券安とアゲインスト。NY ダウは前日比131.95 ドル高の10,081.31
ドルと1 万ドル台を回復。米10 年国債利回りは3bp 上昇の3.41%(6時25 分現在、ブルームバーグ)。

一昨日からの海外勢と言われるまとまったスワップの払いやスティープ化トレードに、先物の投機的な売りが加わった。前者は国債増発・財政悪化懸念が主因と見られ、後者は単純に直近の安値を抜けたことが誘発した。国内勢中心に需給がバランスし始めたところに新たな売り手が登場した格好だ。しかし、これもまた、相場が反発に向かうパターンの一つ。ショートが存在しないと、押し目買いが入っても戻りは遅くなりがち。しかし、所詮はカバーするデリバティブのショートなら、一定の現物買いが入れば、踏まざるを得なくなる。「余資相場」だけに、ここから利回りがさらに上がり、そういった買いが待っている可能性は高く、展開はかえって、読みやすくなったと言える。もっとも、1.20%台半ばで弱気となり、ゆっくりと強気転換する場面を探っている我々には、場の状況を見極める時間がある。


■債券:相場シナリオ②/
今年度、利回り上昇にあまり警戒感示す必要なし

シティグループ証券・投資戦略部、経済・金利戦略グループ、チーフストラテジスト(マネジングディレクター)の佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Citigroup Securities Ltd.)は
昨日に引き続き、超短期から超長期の相場シナリオを描いてみる。本日のコメントは次のとおり――。

<来年度の平均的利回り水準=今年度よりも若干高目と予想>

今年度は銀行の余資積み上がりを主因に利回りの上昇にあまり警戒感を示さなくても良い。

来年、来年度も彼らの預金増、貸出低迷は続こう。しかし、余資の積み上がりピッチは落ちると見るのが妥当である。加えて、来年度以上に心配なのが、再来年度以降の国債発行である。大きな税収増がなければ、増発は続くのが必然となる。したがって、少なくとも、来年度の需給環境は今年度に比べると悪化する可能性が高い。一方、国内景気の再減速は当面、利回りの低位安定に寄与しよう。もっとも、世界経済は過度の期待は禁物だが、緩やかながらも回復基調と見られ、米国金利は政策金利を含めて水準を切り上げる可能性がある。


■ロシア金売却の噂/
 噂の主はゴクラン(露大蔵省)=資金調達が狙いか?

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、 金市場で話題になっている「ロシア金売却の噂」について、概ね次のようにコメントした――。

一昨日にロシアの金買いの話を書いたばかりなのに、今度は彼らの金売却の噂がニュースになっています。ロシアのインターファックス通信によると、ロシア大蔵省の傘下で貴金属および鉱山資源を管理するゴクランが、アルマズ(ロシア貴金属輸出公団)を通じて45トンもの金を売却するというものです。先日22日にロシア中銀の金買いとレポートしました。(あ、ちなみに時々本レポートのタイトルの日付が間違っています。22日なのに21日とタイトルに書いてしまっています。すみません。)ロシアの金準備高が増えており、9月には約13トン買い増したというものでした。


▼米欧商品市況/
コーン=収穫遅れや産地の降雨予報はやし大幅続伸

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された22日の海外商品市況は次のようになった――。

【NY貴金属=軒並み反落、ドル反発で利食い売りが優勢に】

ニューヨーク貴金属は、軒並み反落。金12月限は、戻り売りが先行したあとも、ドル高や原油安が圧迫して値を消した。ただ、ドルが再び1.50ドルを下回ったことから地合いを回復し、インサイドデー。

銀12月限はドル高・原油安や金の下落が嫌気され、下値を切り下げる展開となった。ただ、ドル反落や金の戻りで安値拾いの買いが入り、金と同様、インサイドデー。

プラチナ1月限は、プラスに浮上したが前日の高値にとどかず、ドル反発や金の下落で値を消した。ドル反落や金の戻りで回復したが、プラスに浮上する勢いはなかった。

パラジウム12月限は、買いが先行したが、前日の高値ではね返されたあとは、ドル反発や金の下値追いで反落した。ドルの反落で地合いを回復したが、インサイドデー。

【シカゴ穀物=大豆は反落、コーンは大幅続伸】 
大豆11月限は反落。前日の急伸に対する戻り売りが先行したあと、ドル高・原油安や金の反落で値を消した。農家のヘッジ売りやベア・スプレッドが出た。ただ、収穫遅れや産地の降雨予報が買い戻しを誘い、安値から急回復した。

コーン12月限は大幅続伸。利食い売りが先行したあと、ドル高や原油安、大豆の下落で値を消したが、収穫遅れや産地の降雨予報をはやして切り返した。ドルの反落でファンドの大口買いが入り、4ドルや前日の高値を突破した。 (オーバルネクスト東京)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

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ニュース・チェック

★東証1+2部時価総額(22日)=304兆6585億円(前日比-1兆4759億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は米国株高や円安を好感して上昇も上値は重い。日経平均が終値で前日比+63.26円高の10,330.43円、またTOPIXも同+0.86の909.46、JASADAQ指数は同-0.07安の49.23となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは22業種。パルプ・紙、建設業、海運業などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は、円が対主要通貨で弱含み。ドル円相場は91円台後半で推移、ユーロ円は137円台後半で推移している。