日本経済見通し・デフレ懸念とインフレ懸念ほか

★東証1+2部時価総額(23日)=297兆8682億円(前日比−5兆8285億円)

★ニュース・ヘッドライン・・・25日03:15、米FOMCが結果公表予定

午前の東京株式市場=株価は昨日の急落のリバウンドで上げて始まるも、今夜の米FOMC待ちで上値重い。

日経平均が終値で前日比−5.52円安の9544.09円、またTOPIXも同−2.06安の899.63、JASADAQ指数は同−0.24安の46.74となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは17業種。石油・石炭製品、鉱業、精密機器などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替相場は総じて円が軟調。ドル円相場は95円台前半で推移、ユーロ円は134円台前半で推移している。

■日本経済見通し/政府のオプション=大型増税orマネタリー・リフレへ

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は23日、一時の危機感から明るい兆しも見えてきた日本経済の先行きについて、「日本経済のパス:リバウンド後、減速」として、次のような見方を示した——。

<日本経済のパス:リバウンド後に減速か>

(1)在庫調整の進展を受けて製造業の生産活動が上向いている。米国製造業ISM などの先行指標の動きからは、日本の輸出と鉱工業生産のリバウンドが短期的にはかなり大幅なものになることが示唆されている。

(2)輸出と生産活動の回復によって、企業設備投資のさらなる深い調整は回避されるだろう。  また、労働時間の増加による雇用者所得の下げ止まりと政府の各種減税措置などを背景に個人消費も一時的に上向く可能性が高い。

■デフレ懸念とインフレ懸念/摩訶不思議?!捉え方でデフレとインフレが共存

東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、今日の経済危機のように、経済が一旦均衡から大きく乖離すると、デフレ懸念と共に、その積極的な政策対応からインフレ懸念も併発することになるとして、こう続ける——。

<経済の時期、スパン、どの側面をどの経済理論で見るかで両者ともあり得る>

もっとも、これはサイコロの目がどちらに出るかわからないとか、同時に二者択一とかということではない。経済の時期、スパンによって発露の時期がことなり、経済のどの側面をどの経済理論で見るかによって、デフレもインフレもある、ということに過ぎない。

まず、デフレ懸念はケインズ理論から来るもので、米国など今日の主要国経済が大きなデフレ・ギャップ(現実のGDPが生産要素をフルに活用したときに実現できる潜在GDPを大きく下回る状況)を抱えており、この需要不足ゆえに、短期的に商品・サービスの供給価格が下落して少ない需要にマッチしようとする。

(中略)これに対し、インフレ懸念は、足元の景気底入れや一部の回復期待から来ているわけではない。また金融正常化で国債利回りが上昇している面があるが、これが直ちにインフレ懸念につながるものでもない。では何がインフレ懸念をもたらしているか。それはM.フリードマンのマネタリー理論による面が大きい。

▼5月貿易統計/全体で見ると、加工組立は増勢が減速、素材は微減

大和総研・経済金融調査部(渡辺 浩志エコノミスト+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は今朝、発表された5月貿易統計について、「輸出入とも改善一服」とした上で、次のようにコメントした——。

(1)輸出入とも改善一服

5月の貿易収支は+2998億円と市場コンセンサス(2100億円)を上回り、4ヶ月連続の黒字となった。輸出金額は前年比▲40.9%とコンセンサス(同▲39.3%)を下回り、輸入金額は同▲42.4%と、こちらもコンセンサス(▲41.1%)を下回った。輸出入とも数量・価格の両面で悪化幅が拡大し、前年比のマイナス幅が拡大した格好。季節調整値では輸出は前月比
▲0.3%、輸入は同▲3.6%と、3ヶ月ぶりにマイナスに転じ、輸出入とも改善一服となっている。

■株価反落の見方/相場の方向性が、下向きになったとは考えにくい

オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は23日、米国株価下落を受けて、同日、国内株価も軟調、外貨も全般的に対円で調整色を強めたが、「株価等の相場の方向性が、下向きになったとは考えにくい」と語った。

馬渕さんのコメントは、おおよそ次のとおり——。

<再度景況感の強弱が交錯、気迷いにとらわれているに過ぎない>

世界経済は、今年1〜3月を底として、改善傾向には向かっている。当メモ1で、今年5月は、相場は過去の売られ過ぎから実力相場(景気の改善に応じて上昇する相場)への端境期であり、その他の材料も合わせて、気迷い気分が強いだろう、と述べた。その後6月には気迷いを抜けたと考えたが、再度景況感の強弱が交錯して、この気迷いにとらわれているに過ぎないと考えている。

▼今日の株価予想/好業績株を選別物色へ、米FOMC控え身動きとれず

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した——。

東京市場は前日終値を意識した展開か。日経平均は9400円から9300円処が下値メドとなろう。同水準を下値として月末あたりまではダラダラした動きが続きそうだ。自律反発の動きも想定されるが、基準線9648円や転換線9841円処が小さな戻りのポイントになる。

特に目立って買われるセクターもなく、外部環境を睨みながら先物主導で神経質な展開が想定される。原油価格の上昇で資源関連株には値ごろ感の買いは期待できそう。ただ、自動車を中心とした主力の輸出関連株が指数の上値を押さえる展開を想定。好業績株を選別物色する動きにとどまろう。今晩の米FOMCの声明文発表も気になるところである。

話題の銘柄

6753 シャープ/液晶価格上昇で10年3月期予想利益を上方修正、目標株価1210円

三菱UFJでは、「10年3月期の液晶パネル事業の32型価格前提をパネル需給逼迫で従来の165〜170ドルから200ドルに引き上げ、10年3月期当社予想営業利益を上方修正する。32型の液晶パネルは、1枚200ドルまで上昇し、32型中心から42型、47型のテレビ用液晶パネル、さらにはノート用やモニタ用液晶パネルにまで供給不足が広がり、液晶パネルの基本部材であるマザーガラスや液晶フィルム材料の不足も表面化している。当社では32型の損益分岐点を180〜190ドルと推測しており、業績好転の目途が付いたと考える。09年第4四半期に50%であった8世代の亀山工場の稼働率は、10年3月期第1四半期には100%と大幅な好転を予想する。また、10世代工場の稼働(10月予定)でコスト競争力が高まり、中期的な収益貢献も期待できよう」と指摘。今2010年3月期営業利益を従来予想608億円の損失(EPS-18.2円)から300億円の損失(EPS-10.9円)へ上方修正し、来2011年3月期連結営業利益を500億円(EPS27.3円)、2012年3月期800億円(EPS43.6円)と予想。「当社では従来、10年3月期予想PBR1.0倍に基づく940円をフェアバリューとしていたが、パネル価格が損益分岐点を越えたことから、今後株価が同社の成長性を織り込む展開になると予想、過去5年平均EV/EBITDA5.9倍に収束すると考える」と指摘。今後6〜12ヵ月の目標株価を10年3月期予想EV/EBITDA5.9倍相当の1210円と設定。レーティングを「3」から「2」に引き上げた。 トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼ユーロ円投資戦術/上値が重くなったところはしっかりと売り叩く

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした——。

現在はクロス円の上昇が目立っています。昨日の米ダウは、世界銀行の発表を受けて下落。日経平均も値を下げて、東京時間は上値が重くなっていました。しかし欧州勢が参入すると、欧州株が比較的堅調だったことなどを受けて、クロス円が上昇することになっています。

ただ米ダウは、昨日200ドル下げたことなどから考えても、3月頃からの上昇に対する調整局面は、まだ終わっていないと思います。クロス円は23日、特にユーロ円などが大きく上昇していますが、株価の調整局面がまだ終わっていない環境でドンドン円安が進むとは考えづらいですから、どこかで失速して反落していくと思います。上値が重くなったところはしっかりと売り叩いていきましょう。

▼債券相場8連騰/「八手十手の法則」によれば、そろそろ上昇一服?

三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした——。

<予想レンジ>

・長期金利(#301) 1.395%〜1.410%

・債券先物(9月限) 137.40円〜137.60円

<シナリオ>

長期金利は、心理的な節目の1.40%ラインで下げ渋る。米債相場の3日続伸から低下圧力を受けるものの、半面、国債増発前の見切り発車的な急低下に対する警戒感も高まる。

債券先物チャート

9月限の日足は上放れ陽線で8日続伸。連日となるマドは137.09円〜137.29円。前日の反落形(高値圏でのカラカサ)をものともせず雲深部へと突入した。QUICKによると、8連騰は2004年1月30日〜2月12日の9連騰以来、5年半ぶりの快挙とのこと。ただ、「八手十手の法則」に従えば、そろそろ上昇一服と見込まれる。今期初の急落時に残したマド:137.69円(4月2日のザラバ安値)を埋められるか。

【チャート・ポイント】

141.91円:年初来高値(08年3月19日ザラバ高値)

140.19円:年初来高値(1月15日ザラバ高値)

138.92円:マド埋め(3月25日ザラバ安値)

138.01円:雲上辺(本日)

137.69円:マド埋め(4月2日ザラバ安値)

<137.60円:本日の9月限予想レンジ上限>

≪137.47円:昨日のLIFFE先物9月限終値 東証日+0.03円≫

≪137.44円:昨日の東証9月限終値、前日比+0.44円≫

<137.40円:本日の9月限予想レンジ下限>

137.09円:マド埋め(6月22日ザラバ高値)

136.94円:5日移動平均

136.92円:マド埋め(6月19日ザラバ高値)

136.89円:雲下辺(本日)

136.49円:20日移動平均

136.46円:基準線 

136.46円:転換線

135.82円:38.2%水準【132.05円vs.141.91円】

135.47円:6月11日のザラバ安値

135.46円:08年10月21日のザラバ安値

134.38円:23.6%水準【132.05円vs.141.91円】

132.05円:年初来安値(08年6月13日のザラバ安値)

▼今日の債券相場/1.40%割れに抵抗感、最終的には伸び悩みで反落へ

日興シティグル−プ証券会社・金融商品本部チ−フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした——。

本日の想定レンジとコメント

昨日は先物のみならず、現物も10 年中心に長いところが堅調であり、地合いは再び好転した。

「6月が利回りの天井。10 年の1.50%台は買うべき水準」との本レポートの主張は正解になりつつある。昨日の米10年国債利回りは6bp 低下の3.62%(6時45 分現在、ブルームバーグ)と外部環境は引き続きフォロー。以上から、朝方は続伸の公算大。しかし、1.40%割れには抵抗感があり、一定の利喰い売りも見込まれる。したがって、最終的には伸び悩みから反落と予想する。一部にFOMC の結果を待ちたいとの声も。(AM6:49、佐野さん)

【本日の筆者の予想レンジ】

10 年301 回債利回り : 1.400 〜 1.425% 長国先物9月限 : 137 円26 銭 〜 137 円57 銭

▼NY金相場/ユーロの戻しで値を戻す=またこの辺で停滞か

スタンダード・バンク東京支店(コモディティ・トレーディング)支店代表・副支店長の池水雄一さん(Yuichi Ikemizu/ Head of Commodity Trading, Japan, Standard Bank Plc)は、NY金相場について、概ね次のようにコメントした——。

920ドルまで前日ニューヨークで下がった割りにはアジアの午前中は拍子抜けするほど静かでしたが、午後になるとそれは一変。920ドルを割ったところでComexでのストップロスの売りの引き金が引かれたようで、914ドル近辺までほぼ一直線に下がりました。その後は916ドルまで戻し、東工取は引け。Goldは7万枚近くと新システム以降以来の大きな出来高となりました。その後ロンドンが入ってくるとさらに下げるかと思ったのですが、逆にユーロが値を戻し、東工取が閉じている間にGoldも920ドルまで上昇しました。

その後の欧米マーケットは基本的に狭いレンジながらもニューヨークは925ドルまで戻して終わっています。結局アジアでつけた914ドル近辺が一日の低値でした。思ったほどの実需の買いはなく、ユーロの戻しにしたがってGoldも値を戻したという感じですね。またちょっとこの辺で停滞でしょうか。

▼米欧商品市況/NY原油=期近急反発、大豆=急反発、粗糖=大幅続伸

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された23日の海外商品市況は次のようになった——。

【ロンドン・アルミ=急反発、ドル反落で買い戻しが優勢に】

アルミ3カ月物は急反発。前日の安値を維持したことから買い安心感が広がり、ドル安加速や米国の株価・原油の反発をはやして1600ドルを抜いた。インサイドデー。

【NY原油=期近は急反発、ドル下落や在庫減少見通しなどで】

原油は、期近が急反発。立会い開始後は戻り売りなどに押される場面があったが、ドル相場の下落や在庫減少見通しなどを背景に持ち直すと、中盤以降はほぼ一本調子で上値を切り上げた。

石油製品は、ヒーティングオイル期近が急反発、改質ガソリン期近は反発。原油相場同様の展開となり、立会い開始後は早めの調整などに押されたが、その後は急速に切り返した。

【シカゴ穀物=大豆は急反発、コーンは反発】 

大豆は急反発。7月限は、売り過剰感の台頭で買いが先行したあと、強気の外部市場や作付遅れをはやして上値を切り上げた。米国の株価や原油の反落で値を消したが、ドル安加速や株価・原油の反発をはやして上値を伸ばした。

コーンは反発。7月限は、売り過剰感で買いが先行したあと、生育に適した天気や米国の株価・原油の反落で値を消したが、前日の安値を維持したあとは、ドル安加速や大豆・原油・株価の反発をはやして切り返し、時間外取引の高値を上回った。

【NYソフト=コーヒーは反落、粗糖は大幅続伸】

アラビカ・コーヒーは反落。9月限は、強力な売り材料などは見当たらなかったが、今月に入ってからの高値調整が一段と進むこととなった。
粗糖は大幅続伸。10月限は、ドル下落・原油上昇などを好感するなか、テクニカルな動きも強まると、17セントちょうどまで急伸し、一代高値を更新した。    (オーバルネクスト シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

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