米FRB金融政策2・BRICs株式見通しほか

★東証1+2部時価総額(15日)=311兆2911億円(前日比−7865億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は米国株安や円高急伸を受けて全面安の展開となった。一時、日経225で200円を超す下げ幅となった。日経平均が終値で前日比−196円安の9843.67円、またTOPIXも同−24.82安の922.00、JASADAQ指数は同−0.21安の47.61となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種の全てが下落。値下がり率が小幅に止まったのは医薬品、電気・ガス業、空運業など。

午前の東京外為市場=為替相場はほぼ円の全面高。ドル円相場は97円台前半で推移、ユーロ円は133円台前半で推移している。

■米FRB金融政策2/FRBに求められる政策=「新型ツイスト・オペ」の加速

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は12日、市場でのインフレ期待の高まりや長期金利の上昇を踏まえて、今後の米FRBによる金融政策の動向について、「FRB の新型ツイスト・オペ」として次のような見解を示した。第2回は、FRBがどのような政策を実施する必要があるかについての見解をご紹介する——。

ポイント:

原油高によるインフレ期待の発散を回避し、長期金利の安定を図ることで住宅市場のダブル・ディップを阻止する。それがFRBにとっての現下の最大の課題であり、政策目標であろう。こうした政策目標を達成する有力な方策は新型ツイスト・オペの加速である。

<インフレ期待の発散を抑制することは容易ではない>

商品バブルの拡大を防ぎ、インフレ期待の発散を抑制し、長期金利の安定化を図ることで脆弱な住宅市場の持続的な回復を達成する。これが、現下のFOMCに課された課題である。しかし、インフレ期待の発散を抑制することは容易ではない。早期利上げの可能性を示唆するというオプションもあろうが、そうしたタカ派的な姿勢をみせれば、2 年ゾーンまでの短期金利が急上昇するとともに株価も急落するリスクがある。米国経済のファンダメンタルズが依然として脆弱であるからである。

他方で、ハト派的な姿勢を貫いた場合には、市場からは、インフレ警戒姿勢を示さなかったと受け取られ、その結果、インフレ期待が一段と強まり、長期金利がさらに上昇してしまう可能性もある。イールド・カーブがスティープ化すれば金融機関収益にはプラスであるから、益々、リスク・マネーが増加し、それが商品相場を押し上げ、それがさらにインフレ期待を通じて長期金利を一段と上昇させる、というスパイラルが発生するリスクすらある。FRB がインフレ期待をうまく制御できなければ、金融市場の混乱は避けられないということである。

■BRICs株式見通し/短期投資=夏場への上昇局面で利食い、秋に拾い直す

オフィス セントポーリア代表の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi:CFA/ President, Office Saintpaulia)は15日、大きく上伸してきた新興国、BRICs株価の動向について今後のシナリオを次のように描いた——。

このところ、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめとする新興国の株価が好調だ。各国の株価指数を円換算し、単純平均したグラフでは、先進国株価以上に大きく下落した新興国の株価が、かなり戻してきたことがわかる。特に新興国の場合は、株価指数だけではなく自国通貨も同じ方向に大きく変動したため、円換算した値が大幅に動いたと言える。

1.これまでの新興国株価の暴落と持ち直し〜売られ過ぎの一巡から景気回復「期待」へ

2.今後の新興国株価〜当面及び中期的上昇は期待されるが、その間に反省期もありうる

■2009年度堅調セクター/電力=18倍増益、ガス=36.8%増益を見込む

大和総研(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)がこのほど、まとめた2009年度および2010年度の企業業績見通し改訂版(2009年度・第1次予想)での、2009年度〜2010年度の各年度に好業績が見込まれる有望セクターについてのコメントを年度別にご紹介する。初回は、2009年度——。

(1)電力・ガス

電力は原発稼働率向上やスライド差損益改善等で18倍増益を見込む。前回比では、販売電力量減や原発稼動率低下などのマイナス影響を修繕費等の固定費減やスライド差損益改善等で吸収し増額修正。ガスはスライド差損益の改善で固定費増を吸収し36.8%増益と予想。前回比では諸経費増や減販影響を背景に減額修正。 (by阿部聖史さん)

(2)石 油

燃料油内需4.3%減、内需+輸出で2.6%減と想定。営業利益は在庫評価損益改善で2.6倍増、実質ベースでは上流開発部門の損益悪化や石油製品マージンのピークアウトで43%減へ。前回比では石化部門損益の改善を見込むものの、石油製品マージンと上流損益の悪化で実質営業利益は減額修正。(by阿部聖史さん)

▼長期株式投資/不況突入時や相場暴落時に買い出動する=長期投資

さわかみ投信・社長の澤上篤人さん(Atsuto Sawakami/President, Sawakami Asset Management Inc.)は、「市場の価格は、自分の都合ではなく多くの参加者の需要と供給の均衡点で決まる。きわめて合理的なものである」として、おおよおそ次のように語った——。

となると、投資もビジネスも自分だけ大儲けを狙うのではなく、そこそこ転がしていくもの? 

そのくらいで十分だろう。なぜなら、多くの参加者がそれぞれの利益の追求を経済の現場や市場の需給調整機能に委ねるわけだから、そうそう自分だけ旨い味をというわけにはいかない。

それはそれとして、時折ではあるが人々の心理行動によって需給調整機能が一方に偏る時がある。不況突入時や相場暴落時がそうだ。人々は恐怖心と損失回避とで売り逃げに殺到するから、売りのパワーが圧倒的に優勢となる。

そこで買い出動するのが長期投資である。経済や現場も市場も売り一色だから、選り取りみどりでこれはと思うものが信じられないほど安く買える。暴落時に買っておけば、後の料理は楽なもの。少し戻ってきてくれるだけで、どこで売っても利益となる。

▼今日の株価予想/益確定売り強まるも、出遅れ物色や小型株買い続く

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した——。

東京市場は主力株中心に利益確定売りが強まる展開へ。ただ、個人投資家の物色意欲は旺盛とみられ、引き続き新興銘柄などへの小型株物色は続く展開か。米株の大幅安で朝方は連れ安の場面もあろうが、小型株には早々に押し目買いが強く意識されよう。また、出遅れ内需株や業績回復が見込まれる銘柄への個別物色も考えられる。

今日発表される5月の首都圏マンション販売動向では2007年8月以来、1年9ヵ月ぶりに前年同月を上回ると見込み。不動産やマンション関連銘柄が堅調に推移するなか、その結果を受けたあとの株価の動向が注目される。

日経平均は先週末で2007年10月高値を基点とした上値抵抗線に3月安値以降初めて到達したことなどもあり、9900円を下回るような動きとなると突っ込み警戒が必要である一目均衡表では転換線、基準線ともに横ばい。遅行線のある時間帯が高値から下落に転じる局面でもあるため、当時と同じ動きとなる可能性も。転換線の9912円処が下値で意識されるかどうかが注目される。

話題の銘柄

8830 住友不動産/総合不動産で会社計画の超過達成の確度が最も高い 

大和総研では、◇現状株価の株価水準がNAV推計(1株当たり約2200円)を下回り、現状株価に対するディスカウント率が3割と他大手2社(1割程度)比で大きいこと、◇マンション分譲や不動産流通は調整長期化を想定していた前回評価時からは一転して回復感が増しており、総合不動産会社では会社計画利益の超過達成の確度が最も高い、——と指摘。高採算のパイプラインで長期成長力が高いディベロッパーとして評価した。来11年3月期は、新規ビル稼働で賃貸利益が拡大することや、不動産仲介利益の拡大などで増益が確保できる見込み。これらを踏まえて今後の業績を予想。営業利益ベースで、今10年3月期を、会社予想1360億円(EPS 107.5円)に対し、1400億円(EPS 116.0円)、来11年3月期を1510億円(EPS 126.5円)とし、投資評価を「4」→「1」と3段階引き上げた。トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼ユーロ&豪ドル急落/ポジションが極端に傾いていたんだなあと思った

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした——。

なになに?今週は大多数の予想が円安だって??ドル円が100円越えるって?下がるべき時に下がってないのだから、上がるべき時にも上がらないんだよ。今やクロス円の子分になり下がっているからね。ユーロとオージーの投げ相場を見てて、ポジションが極端に傾いていたんだなあと思ったね。下がった理由と分析は後付け。伸びきっていたからね。(6月15日夜)

▼クロス円投資戦術/株価が堅調な限りは、じりじりと上方向を目指す

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕から今朝、FX相場の動向について次のようにコメントした——。

東京時間はクロス円が下落していましたが、特に円高材料が出てきたわけではないようですから、すでに高値に位置していたために調整の売りが出たということでしょう。ただ、15日の日経平均を見てもわかるように、高値に来ていながらも大きく崩れるようなことにはなっていません。

ポンド円はポンドドルの動きも影響していますが、160.00円辺りまで下げた所で反発を始めています。その他のクロス円も大分下げましたから、そろそろ買いを入れる水準になってきそうです。

株価がしっかりしている限りは、クロス円はじりじりと上方向を目指していくと思いますから、押し目買いを基本に考えておきたいと思います。ドル円は短期的には97−98.50円辺りのレンジですから、この値幅でレンジディールを考えておきましょう。

▼今日の長期金利/米長期金利のピークアウト感背景に低下余地探る

三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした——。

<予想レンジ>

・長期金利(#301) 1.480%〜1.500%

・債券先物(9月限) 136.20円〜136.45円

<シナリオ>

長期金利は、米長期金利のピークアウト感(三羽烏の出現)を背景に低下余地を探る。日銀による景気判断の上方修正(引け後の総裁会見)は織り込み済みで、反応は乏しい。

▼今日の債券相場/先物中心の上伸?現物は全般的に強含みもみ合いへ

日興シティグル−プ証券会社・金融商品本部チ−フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした——。

本日の想定レンジとコメント…先物中心の上伸。現物は全般的に強含みもみ合い

米国は株安債券高。指標悪化などからNY ダウが187.13 ドル安、10 年国債利回りは8bp 低下の3.71%(6時34 分現在、ブルームバーグ)。このように外部環境はフォロー。しかし、10 年が1.40%台で順調に低下するほどの地合いは考え難い。本日の相場は先物中心の上伸と見られ、現物は全般的に強含みもみ合いにとどまろう。イールド・カーブは明日に20 年債入札を控え、超長期ゾーンが重いと見込む。なお、本日終了の金融政策決定会合は材料視されまい。総裁会見では、「日銀券ルール」に係る質問がありそう。(AM6:43、佐野さん)

【本日の筆者の予想レンジ】

10年301回債利回り:1.485〜1.500%、 長国先物9月限:136円23銭〜136円56線

▼米欧商品下落/NY貴金属=大幅続落:ドル続伸で商品全面安続く

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された15日の海外商品市況は次のようになった——。

【NY貴金属=軒並み大幅続落、ドル続伸で商品全面安が続く】

金は大幅続落。ドル高や原油安、米株価指数先物の下落で金曜の安値を割った。原油の戻りで持ち直したが、ドル高加速や米国の株価急落で4週間ぶりの安値に急落した。

銀は大幅続落。景気回復期待の後退やドル高による投機資金の引き上げが圧迫し、ファンドのテクニカル売りで4週間ぶりの安値に急落した。ただ、14ドルを維持した。

プラチナは大幅続落。ドル続伸で商品の高値修正が続いたことや米国の株価・金の急落が嫌気され、2週間ぶりの安値に沈んだ。ロンミン社操業停止の報は材料視されず。

パラジウムは大幅続落。ドル高による商品全面安、原油の70ドル割れや米国の株価急落、他の貴金属の急落が圧迫し、テクニカル売りで7日ぶりの安値に急落した。

【NY原油=期近は続落、ドル上昇や株安などで】

原油は、期近が続落。最近の上昇ピッチの速さに対する行きすぎ感が広がるなか、ドル相場の上昇や欧米株式相場の大幅安などを嫌気した調整が一段と進み、期近は一時、4営業日ぶりに70ドルを割り込んだ。

石油製品は、ヒーティングオイル期近が続落、改質ガソリン期近は反発。原油同様の展開となるなか、中盤にかけてはほぼ一本調子で下げ幅を拡大したが、終盤は売りが一巡したことや目先の供給ひっ迫懸念などを背景に買い戻され、改質ガソリン期近はプラスサイドを回復した。 (オーバルネクスト シカゴ)

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