FRB政策とドル相場・ドル円予想ほか

★東証1・2部時価総額(9日)=280兆1066億円(前日比−1兆8985億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は米景気悪化懸念から株安、ドル安となり、一時88円台に急伸。これを受けて連休明けの東京市場は一時400超の急落となった。日経平均が終値で前日比−380.32円安の8456.48円、またTOPIXも同−37.33安の817.69、JASADAQ指数は同−0.44安の46.38となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのはパルプ・紙の1業種のみに止まった。

午前の東京外為市場=為替は海外市場での円急騰を受けて90円割れの円高傾向。ドル円相場は89円台半ばで推移、ユーロ円も円高が進み119円台前半で推移している。

★堀内AIA社長のドル円コメント=「休み明けの東京がどの程度押し上げられるのか見てみたいね」

AIAの堀内昭利社長は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした——。 「熟れた柿が落ちるような下げ、円高だったね。東京の休みを狙うと思ったら本当にやってきたね。まあ、休み明けの東京がどの程度押し上げられるのか見てみたいね」。(1月12日夜中。)

■FRB政策とドル相場/当面、裁量型量的緩和が継続=ドル暴落も回避?

クレディ・スイス証券チ−フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は9日、「足元のFRB の量的緩和政策は2006年3月までの日銀の量的緩和政策と本質的に異なる」とした上で、今後のFRBの政策とドル相場の関係について次のように語った——。

ポイント:足元のFRBの量的緩和政策は2006年3月までの日銀の量的緩和政策と本質的に異なる。米ドル相場維持志向が働いていることがその背景である。しかし、FRB が日銀型量的緩和政策を模索し始めたことも事実であり、その帰趨を注意深くフォローしなくてはならない。

(1)FRB の量的緩和政策は“信用リスク・テーク型”

FRBが足元で行っている量的緩和政策(マネタリーベース、あるいはFRBのバランスシートの拡大)は、いわば“信用リスク・テーク型”の量的緩和政策である。

すなわち、過去1 年間においてFRB が供給した準備資金(reserve funds)の増加額は1.31 兆ドル(1 月7 日現在)であったが、この増加額のうち、広義の信用リスク資産購入(CP 買取ファシリティ、ABCP/MMMF ファシリティ、AIG 等への特別融資)は4,700 億ドル強と、全体の36%にも達した。足元からはMBS の購入がスタートするが、総額は5,000 億ドルであるから、他の資産購入が不変であった場合、FRB のバランスシート拡大(過去1 年と向こう6 ヶ月程度の合計)のうち、まさに2 分の1 以上(0.536=(0.47 兆ドル+0.50 兆ドル)/(1.31 兆ドル+0.50 兆ドル))が信用リスク資産購入という計算になる。

翻って、日銀が2006 年3 月まで実施していた量的緩和政策では、日銀のバランスシートは約30 兆円増加したが、信用リスク資産の直接購入(株式購入、資産担保証券購入、特別融資の合計)は3 兆円程度に過ぎなかった。信用リスク・テーク型資金供給のウェイトはわずか10%程度であったということである。

▼今日の株価予想/円高・ソニー等が主力株の重石、日経25日線を意識?

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した——。

東京市場は連休中の米国株安や円高傾向を受け、輸出関連株中心に売り先行のスタートが予想される。その後も為替相場の動向に左右される展開が続こう。ソニーの今期営業赤字報道なども主力株には重石になりそうだ。日経平均は25日移動平均線の8580処を意識した展開が想定されるが、終値ベースで25日移動平均線を上回ることが出来るかどうかがポイント。経済指標では12月景気ウォチャー調査が注目される。直近2ヵ月連続で過去最低を更新しているが、足元の雇用情勢の悪化等を考えると更に落ち込む公算が高そう。

9日のNY株式市場ではダウ平均が前日比143.28ドル安と大幅続落。NASDAQやS&P500は大幅反落となった。発表された12月の雇用統計では非農業雇用者数が前月から改善されたことで買い優勢で始まったものの、失業率が7.2%と93年1月以来の水準へ悪化したことが嫌気された。業種では金融や一般消費財セクターが指数の重石となった。

一方、昨晩のダウ平均も続落。NASDAQやS&P500は大幅続落となった。バンカメの第4四半期の赤字や減配の可能性があるとの指摘が嫌気された。また、アルコアの投資判断引き下げなども全般下げ足を速める要因となった。ドル建てのCME225先物は先週末の大証日中終値と比べ270円安の8580円で終了。円建ての清算値は8475円となった。

今週は値固めの展開か。週初は米国株安を受けて軟調な展開が予想されるが、25日移動平均線を意識して、もみ合いを継続できるかどうかがポイント。米国では、クリスマス商戦を含む12月の小売売上高の発表が予定されている。足元の景気後退の影響でウォルマートですら下方修正を余儀なくされたことを勘案すると、厳しい着地になりそうだ。

話題の銘柄

7826フルヤ金属/09年6月2Q累計も会社計画上回る見通し、フェアバリュー18490円 

いちよしでは、「単独営業利益が前年同期比86.4%増と好調な伸びを示した第1四半期(2008年7〜9月)以降、経済環境の急激な冷え込みなど、同社の業績動向に対する不安材料は少なくないと見られている。直近の収益牽引役であった薄膜部門に対するエレクトロニクス業界の生産調整や、貴金属化合物事業にも化学プラントの減産などの影響が懸念されるためだ。しかし、足元の状況を見る限り、HDD用ルテニウムターゲットを主力製品とするルテニウムターゲットの出荷状況には、外部環境から想像されるほどの影響はない模様だ。また、薄膜部門に次ぐ成長ドライバーとして期待される、その他部門中の貴金属化合物事業は、薄膜部門以上に堅調と見られる。現在、育成中の新事業のため、新規顧客の開拓が収益ドライバーになりうるといえよう。急激な世界的景気悪化に対して、環境問題対策などに必要な重要技術を有する同社の収益が大きく落ち込むリスクは相対的に小さいと見られる」と指摘。今2009年6月期営業利益を会社計画36.5億円(EPS692.7円)に対し41億円(EPS825.1円)、来2010年6月期50億円(EPS1031.3円)、2011年6月期60億円(EPS1237.6円)と予想。現状では、2009年6月期及び中期業績予想の変更は必要ないと判断。DCF法に基づくフェアバリュー18490円、株価レーティング「1-A-MR」を継続した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

■ドル円予想/財政赤字拡大=米国債売りやドル売りに直結しない

大和総研・経済金融調査部シニアエコノミスト(為替市場担当)の亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は9日、「米景気悪化によるドル安は進むか」として、今週のFX相場を予想した——。

亀岡さんは、雇用減少が予想を上回ると、一時的にドル売りを招く可能性はあるとしながらも、

「米当局の金融緩和や財政支出が景気悪化を止めるとの期待がドル売りを抑える要因になる」と見ている。信用収縮を背景にドル需要が強いからこそFRBの信用供給が増えているのであり、「FRB の大規模な信用膨張がドルの信認低下とドル安にすぐに直結するわけではない」と言う。また、財政赤字の拡大についても、「景気回復で将来赤字が縮小するとの期待があるうちは、米国債売りやドル売りにはつながりにくい」と言う。

■今週の予想レンジ(先週のレンジ)

ドル/円: 89.00− 94.00 ( 89.75− 94.63)

ユーロ/円:121.50−127.50 (124.11−129.69)

ユーロ/ドル:1.3300−1.3900 (1.3313−1.4364)

豪ドル/円: 61.50− 67.50 ( 61.85− 68.28)

豪ドル/ドル:0.6800−0.7300 (0.6827−0.7268)

▼NY外為市場/ドル円=一時88.89円と12.19以来の安値水準

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は、海外FX相場の動向について次のようにコメントした——。

ドル円は4日続落。一時88.89円と12月19日以来の安値水準を付けた。12日の米国株相場が下落したことを受けて売りが出た。株安でリスク回避姿勢が強まりクロス円の売りが膨らんだこともドル円の売りを誘った。

ユーロドルは続落。一時1.3289ドルと12月12日以来の安値まで売られた。今週15日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会での利下げ観測を背景にユーロ売り・ドル買いが出た。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が12日、スペインの長期ソブリン格付けを引き下げることも含めて見直すと発表したことや、対円でのユーロ売りなども重しとなった。

ユーロ円は大幅に5日続落。一時118.66円と12月12日以来の安値を更新した。欧金利先安観や米株安を受けて売られた。

▼今週の債券相場/明日の5年債入札次第で、再びスティープ化も

日興シティグル−プ証券会社・金融商品本部チ−フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした——。

今週の債券相場見通し…10年298回債利回りは1.225〜1.305%と予想

先週、10年国債利回りの1.30%台は考えていなかった。以前に比べて参加者が減り、市場の寡占が進んでいる感がある。それが外部環境の変化に対する反応という点で、初期スピードの遅さとその後の加速を演出していよう。5年の0.70%台、そして、10年は1.30%台はおろか、1.20%台後半も押し目買いに妥当な水準と考えるが、その見方が広がるには一定の時間を要しよう。

今週の10年298回債利回りは1.225〜1.305%での推移と予想する。イールド・カーブはスティープ化が一服すると見ている。しかし、月後半の30年債(20日)、20年債(27日)の入札を終えるまでは、フラット化が再トレンドになるとは見込み難い。また、明日の5年債入札の結果次第では、再度、スティープ化が進む可能性が否定できない。米債市場にも注目。

▼今週の長期金利/視点が日米ファンダメンタルズの悪化に回帰へ

三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした——。

<予想レンジ>

・ 長期金利(#297) 1.230%〜1.320%

・ 債券先物(3月限) 138.60円〜139.60円

<シナリオ>

長期金利は上昇一服となり、弱含みもみ合いに転じる。債券市場の視点が日米ファンダメンタルズの悪化に回帰し、デフレスパイラル/量的緩和強化観測が強まる。波乱要因はオバマノミクス期待とファンドの解約/換金売り。

ポイントは(1)日米のファンダメンタルズに回帰する債券市場の関心、(2)オバマノミクス期待vs.ファンドの解約/換金売りニーズ、(3)5年利付国債入札は3月決算期末に向けた投資スタンスの試金石など。

▼米欧商品下落/原油=OPEC減産不十分との見方等で期近大幅続落

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された12日の海外商品市況は次のようになった——。

海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)

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NY金    2009/ 2 821.0 - 34.0 アルミ3カ月物  1,522.0 - 48.0

NY銀    2009/ 3 1,075.0 - 57.0 銅3カ月物    3,256.0 -144.0

NYプラ   2009/ 4 973.9 - 31.6 ニッケル3カ月物 10,650 -1,525

NYパラ   2009/ 3 187.15 - 4.75 NY原油 2009/ 2 37.59 - 3.24

シカゴ大豆  2009/ 3 966.00 -70.00 NYコーヒー 2009/ 3 114.50 - 2.40

シカゴコーン 2009/ 3 380.75 -30.00 NY粗糖   2009/ 3 11.47 - 0.58

ドル・円     89.16 - 1.15 シカゴ日経平均 2009/ 3 8,580 - 215

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【NY貴金属=総じて急落、ドル高・原油安で値を消す】

金は急落。対ユーロのドル堅調や原油安で金曜の安値を下回ったあと、ドル高一服で地合いを回復したが、ドル高再開や原油・株価の下落で一カ月ぶりの安値に沈んだ。

銀は急反落。景気後退による需要減少懸念が広がるなか、ドル高や原油・金・株価の下落がテクニカル売りを誘い、一週間ぶりの安値に急落した。商品指数の下落も圧迫。

プラチナは急反落。テクニカル買いが先行したが、金曜の高値にとどかず反転したあとは、景気後退による悲観ムードやドル高・原油安で金曜の安値を割り込んだ。

パラジウムは大幅続落。押し目買いが先行したが、上値が伸びなかったことやドル

高、原油・プラチナの下落が圧迫し、テクニカル売りで金曜の安値を下回った。

【NY原油=期近は大幅続落、OPEC減産は不十分との見方などで】

原油は、期近が大幅続落。世界的なリセッションの深刻化による需要減少が続くなか、石油輸出国機構による減産は不十分との見方や序盤のドル高などが嫌気され、期近は昨年12月31日以来となる38ドルを割り込んで引けた。

石油製品は、ヒーティングオイルが続落、改質ガソリンは反落。原油同様にドル高や需要減少見通しなどを背景に下値を切り下げる展開となったが、中盤以降は売られすぎ感などから下げ止まった。                (オーバルネクスト シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

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