デフレvs.ドルばら撒き・FRBゼロ金利とドル円ほか

★東証1・2部時価総額(25日)=272兆5657億円(前日比+9兆1382億円)

★ニュース・ヘッドライン

午前の東京株式市場=株価は米国の金融救済策効果が息切れ、円高と合わせ108円の反落となった。日経平均 が終値で前日比−108.27円安の8215.66円、またTOPIXも同−14.03安の817.55、JASADAQ指数は同−0.22安の44.35となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは8業種。保険業、倉庫運輸関連、パルプ・紙などが上位を占めた。

午前の東京外為市場=為替は円が反発。ドル円相場は95円台前半で推移、ユーロ円は123円台後半で推移している。

■デフレvs.ドルばら撒き/ドルばら撒き⇒将来の過剰流動性+ドル下落

米国債券市場では「需給悪化」対「デフレ懸念」の綱引きがなされているが、目下のところは「デフレ懸念」が優勢となっている。そうしたなか、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、「デフレ懸念対ドルのばら撒き」として次のような見方を示した——。

<新年度の国債発行額は2兆ドル近くになるとの試算も>

出口の見えない金融危機に米国自動車業界の経営危機が重なって、米国では金融・財政両面ともにフル稼働の状態にある。オバマ次期大統領は、原則財政中立の立場を示してきたが、ブッシュ政権での7000 億ドルに上る金融安定化ファンドを引き継ぎ、今後も金融機関への支援に資金を投下することになる。特に今般シティ・グループに大きな保証をつけたことから、これが政府の追加負担に転嫁されるリスクも大きくなる。また自動車業界への財政支援も見込まれ、更には景気対策として公共事業、低中所得者向けの減税も予想される。これらを先行させると、当面財政赤字は1 兆ドルを上回り、新年度の国債発行額は2兆ドル近くになるとの試算もなされる。これが国債の需給悪化懸念となっている。

更にこれに止まらず、FRBが世界の主要中央銀行の協力も得て、世界中にドル資金を青天井で供給する体制をとっている。そこへ今般、新たに消費者金融や住宅ローン担保証券市場支援のために、最大8,000億ドルの救済プランを提示した。これらが将来過剰流動性となる可能性があり、FRBの資産膨張、資産劣化につながると、現在はまだ強いドルの下げ材料にもなりうる。これがまた将来のインフレ懸念につながる。国債の増発懸念とこのドルばら撒きとが、将来のインフレ懸念を通じて長期金利の上昇要因と懸念される。

▼今日の株価予想/もみ合い、金融株の底堅さから25日線トライの動きも

T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した——。

東京市場はもみ合いの展開となりそうだ。利益確定売りが予想されるなか、日経平均で一目均衡表の基準線(8258円)を下値サポートに押し目買い優勢の地合いが想定される。米国での相次ぐ金融対策に対し売り込む動きも限定され、引き続き金融株が相場を牽引する展開を予想。CME225先物(8335円)はほぼ横ばいの動きだが、25日移動平均線(25日現在、8486円)をトライする場面もありそうだ。

25日のNY株式市場ではダウ平均は続伸、NASDAQは小幅に反落した。FRBが政府系住宅金融関連証券の買い取りや、住宅ローン担保証券(ABS)の保有者に対する資金供給策を発表したことが好感された。ただ、利益確定売りが出やすい環境のなか、第3QのGDPのマイナス成長や決算発表したヒューレット・パッカード(HP)が大幅安となったことなどが重しとなった。S&P500は続伸し、業種別では素材や金融が上昇、テクノロジーは下げた。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は2.1%下落した。

昨日の東京市場は外部環境の好転を受けてほぼ全面高なった。東証1部の値上がり銘柄数は1270と全体の74.4%に達し、商品市況の上昇を背景に資源関連が軒並み高となったほか、金融株が大幅高となり相場を牽引。ただ、東証1部の売買代金は1兆7000億円前後と低迷が続いた。 日経平均は約1週間ぶりに8000円の大台を回復。5日移動平均線を上回り、25日移動平均線に接近した。ローソク足ではほぼ寄り切り線(陽の寄り付き坊主)を形成、先週末から連続して強い足が形成された。

テクニカル分析

日足均衡表では下向きの転換線に押し戻される場面はあったが、終値ベースで基準線(8258円)を上回った。今日は基準線の横ばいは続き、転換線も横ばいとなる。遅行スパンの8687円処が強い抵抗となることや、25日移動平均線が下向きのため上値を抑えられる可能性はあるが、そういった中でも基準線の上方を維持できるかどうかが重要となる。上値メドは、5日高値からの下げの半値戻しとなる8500円処や、17日高値8767円、10日高値9106円、5日高値の9521円となる。一方、下値メドは転換線の8094円や21日安値7406円、10月28日安値の6994円などがある。

話題の銘柄

2792ハニーズ/デフレが勝機になると予想、目標株価1100円→1400円

今09年5月期の1Q(6-8月期)は、郊外立地のためガソリン高の影響で来店客数が減少したうえ、商品企画がニーズに合わず売上が低迷したが、メリルでは1Qを底に売上は回復に向かうと予想。ガソリン高の影響が一服し、9月下旬から商品企画精度も向上しているほか、主力の若年層が戻りつつあり、また買上点数が増加し始めたことから、下期以降は緩やかな業績回復が期待できるとの見解を示した。足元の株価の大幅下落については、業績悪化懸念が影響しているが、市場が想定しているように同社のビジネスモデルが崩壊したわけではないと指摘。競合他社に比べて価格優位性があり、消費者の低価格志向に適応して今後もシェアが拡大すると見込む。これらを踏まえて今後の業績を予想。営業利益ベースで、今09年5月期を、会社予想72億円(EPS 139.8円)に対し、68億円→66億円(EPS 125.3円)と調整し、来10年5月期を65億円→70億円(EPS 134.0円)、11年5月期を67億円→74億円(EPS 142.2円)へ上方修正。投資判断を「アンダーパフォーム」→「買い」へ2段階引き上げ、目標株価を1100円→1400円(10.5期予想PER10倍)に変更した。トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

■FRBゼロ金利とドル円/ドル円は弱含みに推移し、3ヶ月後は93円へ

クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、金融危機対応に追われる米FRBは、「宣言するかしないかに関わらず、事実上ゼロ金利政策を採用している」との認識のもと、FRBによるゼロ金利、量的緩和政策がドル円相場におよぼす影響について次のように語った——。

<FRBFFレート=実効ベースではすでに1%を大幅に下回って推移>

この一週間、ドル/円レートは、一時93円台前半まで下落する局面はあったものの、大方95円台を維持、落ち着きどころを探る展開となっている。金融市場では、先週来米国政府がビッグ・スリーやシティ・グループに対する救済策を決定したことが好感され、株価やドルは持ち直した。しかし、これらの対策が、金融市場の安定化をもたらすまでには、まだしばらく時間がかかりそうである。加えて、米国経済がデフレに陥るリスクが高まっている。グローバルにデレバレッジングが継続する中、ドルは新興国通貨や高金利通貨に対して堅調に推移すると見られるが、対円では弱含みで推移すると予想される。

先週末、当社米国経済調査部では、FRB は金融政策の軸を金利から量的緩和にシフトしており、宣言するかしないかに関わらず、事実上ゼロ金利政策を採用し、少なくとも2009年末までは維持するとの見方を示した。現在、FRBのFFレートのターゲットは1.0%だが、実効ベースではすでに1%を大幅に下回って推移している。FRB の当座預金に付利されていることから、それがFF レートのアンカーとなるはずなのだが、付利が適用されない住宅公社が、余剰金を短期市場に供給していることが背景にある。

▼FX投資戦術/相場は徐々に“変化の芽”を見せ始めている

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は昨夜、為替相場について概ね次のようにコメントした——。

相場は徐々に変化の芽を見せ始めている。ユーロとポンドに注目。今年の夏頃、投資を始めようと思った人たちはあの金融庁に感謝したほうが良いだろう。あの金商法はめんどくさく、投資をさせたくない印象を持った人も多い。めんどくさくなって投資をしなかった人々が多い。何が幸いするかわからないものだ。おかげでやけどをおわずに良かったではないか?(11月25日。夜中。明日は晴れみたいだぞ。)

▼FX投資戦術/ドル円93-98円程度を想定した「もぐら叩き戦略」

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨夕、FX相場の動向について次のようにコメントした——。

米国株価に振り回される相場が相変わらず続いています。24日は、破綻するのではないかとまで言われていたシティグループの救済策が出てきたことで、米ダウが上昇、為替も円安に向かうことになりました。ドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円等軒並み上昇しています。ただ、お決まりのことではありますが、実体経済に何も変化がないにも関らず、株価や為替が上昇していくのは難しいでしょう。あくまでこの上昇は一時的と見て、上げたところではしっかりと売りで攻めていきましょう。もぐらたたき戦略でいきたいと思います。

ドル円で言えば、93−98円程度を想定しておきます。

■日銀:企業金融円滑化策/次回定例会合を待たず決定・実施の可能性あり

日興シティグル−プ証券会社・金融商品本部チ−フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした——。

本日の想定レンジとコメント

米10 年国債利回りは3.10%と前日比23bp 低下(6時33 分現在、ブルームバーグ)。FRB のMBS 買入れとの策を受け、そのヘッジのカバーが入った。また、昨日の円債相場は予想以上に下げ渋った。したがって、本日の地合いは良好である。10年1.30%台での売り圧力も徐々に弱まろう。それでも、追って買うまでの向きは依然少なく、高寄り後は強含み程度の動きが見込まれる。カーブは大きな変動なしと予想。(AM6:44、佐野さん)

本日の筆者の想定レンジ(長国先物12 月限) : 139 円24 銭〜 139 円78 銭

日銀の話題…利下げの可能性〜企業金融の円滑化〜「金融経済月報」

20、21日の金融政策決定会合では、具体的な新たな決定はなかった。

市場の一部には、「なお書き」の追加を含めて流動性供給策が打ち出されるのではないかという期待感があった。加えて、会合後の会見で白川総裁が、「短期金融市場の円滑な機能の確保という観点から考えますと、極めて低い金利水準のもとでは、追加的に金利を引き下げることで様々な問題が生じる可能性があります」(日銀、以下同じ)と発言、一段と失望感を誘った。

それでも、現在、来年3月末までにターゲット金利を0.20%引き下げ、0.10%とすると考えるエコノミスト・アナリストは筆者を含めて少なくないようだ。前回10 月31 日の利下げまでの経緯もあって、動態的予測の必要性を感じているのだろう。

それはともかく、12月4日のECB、12月16日のFOMC において、各々追加利下げが行われる可能性は高く、再び急速な円高、株安が訪れるリスクがある(筆者はそれを前提に、12月18、19日の決定会合で0.10%の利下げを決定、さらに、来年3月末までに0.10%の再利下げを行うと想定)。もちろん、株価のみで金融政策を変更しないというのが公式見解だろう。しかし、10月の利下げの状況を考えると、12 月はともかく、来年3月末までとなれば国内景気の一段の悪化は必至と見られ、「短期金融市場の円滑な機能の確保」などに配慮してはいられない状況も十分見込まれる。そして、ゼロ金利はもとより、現在の水準でも超低金利、すなわち、既に異常事態と言える。

▼今日の長期金利/低下基調後、株価にらみの展開になると予想

三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした——。

<予想レンジ>

・ 長期金利(#296) 1.375%〜1.435%

・ 債券先物(12月限) 138.80円〜139.50円

<シナリオ>

長期金利はもみ合い。昨日の米債高を受けて低下基調でスタートするが、その後は株価にらみの展開。FRBによる新たな金融対策を好感して日経平均株価が続伸すれば、先週末に空けたマド埋め(1.405%〜1.435%)が意識される。

▼ロシア・エナジー事情/原油供給の価格交渉で中国に敗北するロシア

投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された25日の海外商品市況と、「ロシア・エナジー情報」は次のようになった——。

海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)

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NY金    2008/12 818.5 - 1.0 アルミ3カ月物  1,810.0 + 10.0

NY銀    2008/12 1,027.0 - 8.5 銅3カ月物    3,695.0 - 55.0

NYプラ   2009/ 1 871.6 + 5.2 ニッケル3カ月物 10,500 - 175

NYパラ   2008/12 196.20 + 0.40 NY原油 2009/ 1 50.77 - 3.73

シカゴ大豆  2009/ 1 883.00 - 1.00 NYコーヒー 2009/ 3 114.40 + 0.35

シカゴコーン 2009/ 3 370.50 - 0.50 NY粗糖   2009/ 3 11.61 - 0.11

ドル・円     95.10 - 1.94 シカゴ日経平均 2008/12 8,335 - 135

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ロシア・エナジー情報  By ルスエナジー、ミハイル・クルーティヒン氏

報道によると、プーチン首相は激怒しているようだ。ロシア原油を供給する価格をめぐる中国との交渉は、中国に完全に有利な方向に進展した。中国は、その要求を通すのに成功したようで、もはやロシア側には中国の勝利を阻止する手立てはないようだ。

【困った時の友達は】

ロシアの国営石油会社、ロスネフチは大きな問題に直面している。同社には130億ドルの対外債務があり、しかも年末までに、緊急の運転資金として20億ドルが必要である。さらに世界的な金融危機によって、同社は債務のリストラを進めることもできず、ロシア政府も同社の苦境を救済するための十分な資金を提供できない状態にある。ロシア政府には、同社以外にも、救済しなければならないお抱えの企業や銀行があるのである。

一方、中国側には、同社が喉から手が出るほど必要としている資金援助を提供する準備がある。中国は、最近モスクワで開催されたロシア・中国の交渉で、ロスネフチに対して150億ドルを提供し、そして、東シベリア・太平洋(ESPO)石油パイプラインの太平洋岸までのルートを完成させるために、トランスネフチに対して、別に100億ドル提供する可能性も示した。もちろん中国側は、この友好的な支援に対して、十分な見返りを期待している。

ロシアの交渉チームの複数の当局者によると、中国側は、将来のESPOパイプラインと、中国国境までのその支線を通じて、年間1500万トンのロシア原油を供給する保証を求めている。この契約の期間は、2011〜2015年である。しかし、中国は、この原油の価格算定フォーミュラについては、ロシア側が受け入れられないような金額を求めている。ロスネフチは、これで中国に輸出した場合、原油をバルト海や黒海のターミナルから輸出する場合に比べて、1トン当たり40ドルの損失を出すと主張している。

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/

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