米景気悲観論(2)・世界経済“天下四分の計”ほか

★東証1・2部時価総額(6日)=412兆6879億円(前日比+9兆5635億円)

■米景気悲観論②/
2,000億ドル規模の追加対策⇒景気・金融システム安定化


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は5日、米国景気悲観論について、「市場の米国悲観論には落とし穴がある可能性がある」として次のように語った。 

後編の今回は、「2,000 億ドル規模の追加対策があれば、景気・金融システムの安定化が確保される」とのコメントをご紹介しよう――。

<2,000億ドルという数字が出てきた「5つの根拠」>

米国当局の住宅・金融危機対応はかなり進捗していると考えるのが妥当であり、2,000億ドル規模の追加対策があれば、少なくとも短期的には(あるいは中期的にみても)、米国の景気・金融システムの安定化が達成される可能性が高い。どのような根拠でこの2,000億ドルという数字が出てきたのかを以下に示そう。


■世界経済“天下四分の計”/
 米経済と資源価格の影響度で、主要国経済を4分類


大和総研・経済金融調査部(渡辺浩志エコノミスト+熊谷亮丸シニアエコノミスト/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は6日、<「天下四分の計」:「米国経済」と「資源価格」を軸に世界経済を四分割する>と題して、米国景気・資源高と各国経済への影響について、次のような見方を示した――。

<座標軸のどこに位置するかで世界各国の景況感に明暗>

(1)グローバリゼーションは米国の過剰消費を背景に強化されてきた。しかし、この過剰消費を支える資産価格の上昇がサブプライム住宅ローン問題により変調を来たしている。こうした中、米国の景気減速と資源価格の高騰がスパイラル的な構造を持ったことが世界を苦境に陥れた。実需で説明できる原油価格は60ドル/バレル程度と推計され、ここから乖離している限りは常に実体経済に悪影響を与える。

(2)こうした状況下、世界経済に大きな影響を与える米国景気の低迷と資源価格の高騰に着目した切り口で世界を4分割すると、座標軸のどこに位置するかで世界各国の景況感に明暗が分かれる。この観点からは対米輸出依存度が高い非資源国が特に不利となるが、それは日本と関わりの深い東アジア諸国である。日本の輸出は、米国景気の減速という直接的な影響と、足下の経済環境に特に弱い国々からの間接的な影響を受けやすいため、低迷しやすい。


■地球経済見通し/
 温暖経済が縮小し、寒冷経済地域の比率が拡大


東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は6日、地球温暖化がいわれる中で、「経済についてはむしろ寒冷地帯が次第に広がりを見せている」として次のような見方を示した――。

これまでは資源高で苦しんでいる消費国と、所得増で潤う資源産出国との間で明暗が大きく分かれ、グローバル経済上でも寒冷地と、熱帯・温暖地域が並存していた。またサブプライム問題でも損失処理で苦しむ米国をよそに、欧州や日本は影響が小さく、景気も堅調を維持していた。

ところが、ここへ来て資源国の中にもバブル崩壊の兆候が見られるところが現れ、欧州でも住宅バブル崩壊で金融・実物経済両面で苦しむところが出てきた。少なくとも、半年前に比べると、地球から温暖経済が縮小し、寒冷経済地域の比率が高まりつつある。


【Washington Political Report】(有料)特約 (July 26 – August 1, 2008)
巨額連邦財政赤字への逆戻り

 30日(水)ブッシュ大統領が署名して成立した住宅市場回復支援/ファニー・メイ、フレデイ・マック支援法案(H.R.3221)には、連邦累積赤字の上限を9兆8千億ドルから10兆6千億ドルに8000億ドル引き上げる条項が含まれています。連邦累積赤字は間もなく9兆8千億ドルを超える見込みで、この上限引き上げがなければ国債発行ができなくなるところであったので大事な条項でした。

 7年半前ブッシュが大統領に就任した2001年度の連邦累積赤字は5兆7700億ドルだったので、累積赤字はそれ以来4兆ドルも増えた(69%増)ことになります。毎年のように累積赤字が上限に近づくので、議会はそのたびに上限引き上げを繰り返して今日に至っています。

ブッシュ大統領は、(1)米国は2001年9月11日テロ以来非常事態の戦時体制にあって財政赤字のことなど気にしていられなかった、(2)9月11日テロのお陰で失業者は3ヶ月間に一気に100万人も増え米国は危うく景気後退に陥った、(3)多額の臨時予算を毎年必要とするイラク/アフガニスタン戦争・再建があった、(4)社会保障制度、医療補助制度という最も大きな予算を食う制度の抜本的な改革を提案したが議会がそれに取り組まなかった、(5)議会の際限のない予算浪費を抑えることができなかった、ことなどが財政赤字が大きく膨らんだ原因だと主張します。しかし、それと同時に、(1)「戦時下」という口実を使って予算を使いたい放題使って、財政均衡化を全く顧みなかった、(2)議会の予算浪費を抑制するために拒否権を行使することができたのに、最初の6年間は予算割当法案に一度も拒否権を使わなかった、(3)イラク政策の失敗により、イラク戦費・再建費としてこれまでに6000億ドルという予想しなかった巨額の予算を浪費せざるをえなくなった、ことなどブッシュ大統領自身の失策による累積赤字の急激な膨張が続いたことは否めません。議会民主党はこれに加えて、ブッシュの2回の大型所得減税が財政赤字を拡大したといつも批判しますが、減税を実施した2-3年後からは税収は毎年1000億ドルを有に超える規模で飛躍的に伸びたのでその批判は当たっていません。
 

▼今日の株価予想/
 ハイテク株に買い、一方TOPIXは25日線を超えられるか


T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

今日に関しては特に円安基調を受けて、値ごろ感のある輸出関連株には反発狙いの買いが継続しそうだ。また、特に昨日指数の指数上昇の足を引っ張った銀行株の動きがポイントとなる。

日経平均の一目均衡表では遅行スパンが株価に接近していることや、昨晩のCME日経平均先物13330円を踏まえると、7月24日高値と31日高値を結んだ上値抵抗線に到達する動きとなる。戻り売りが出やすい水準ではあるが、日経平均に続きTOPIXでも25日線を超えられるかどうかが注目される。

6日のNY株式市場ではダウ平均、NASDAQともに続伸。米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が大幅赤字になったことで利益確定売りが優勢となったが、原油先物の下落や前日決算を発表したシスコシステムズを中心にハイテク株の堅調を受けて次第に買いが優勢となった。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は1.1%上昇。シカゴ日経先物が昨日の大証日中終値に比べて100円高い13330円で終了した。

昨日の東京市場は大幅反発。日経平均は寄り付き段階で13000円台を回復し、先物主導で上げ幅を拡大した。東証1部の値上がり銘柄数は1472と全体の85.7%に達し、自動車やハイテクなど国際優良株が軒並み高となり相場を牽引。内需関連、資源関連株なども堅調に推移した。

テクニカル分析
日経平均が仮に、7月24日高値13603円を超える動きとなった場合、5月安値や6月13日安値を結んだ上値抵抗線に向けた動きからN計算値(16日安値から24日高値までの上昇幅を、29日安値から上げた水準)の13950円前後が上値のメド。一方、7月16日安値12671円を下回った場合、二段下げの動きから3月安値に対する二番底を探る展開が予想される。

話題の銘柄
6501日立製作所/会社予想に対し大幅上ぶれの見方に変更なし、目標株価1100円

JPモルガンでは、「HDD事業の営業利益は、上期で既に年間会社計画100億円を上回る123億円の黒字を達成している。季節パターンから下期の利益水準は上期を上回るため、同事業の年間営業利益は258億円(当社従来予想132億円)に上方修正した。HDDの上ぶれを主因に情報通信セグメントについては1714億円(会社予想1580億円、当社従来予想1588億円)に上方修正。一方、デジタルメディアについては、中国でのPDP事業の下ぶれリスクを考慮し180億円の赤字から会社予想とインラインの350億円の赤字に下方修正した。材料費の上昇リスクは為替影響や、値上げでカバー可能と判断。実効税率については、08年度で50%、09年度で40~50%というガイダンスが会社側から示されたが、我々の従来予想と大きな乖離はない。HDD、薄型TV事業の回復後は、情報インフラ、電力インフラ事業などのB to B事業が業績を牽引すると引き続き予想」と指摘。今2009年3月期連結営業利益を会社計画3800億円(EPS12.2円)に対し4844億円(EPS34.8円)、来2010年3月期5621億円(EPS65.6円)、2011年3月期6032億円(EPS73.0円)と予想。投資判断「Overweight」、09年3月までの目標株価1100円を継続。JPモルガン・アナリスト・フォーカスリストに継続採用している。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/


▼ドル円予想/
 109円付いた以上、110円には余り意味なくなった


AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

(ドル円が)ついに109円をつけた。この値段がついた以上、110円にはあまり意味はなくなった。今後は上がるだろうが、皆が期待するほど上がらず、下がっても以前のような下げ相場にはならない、という昔見たどうでもいい相場展開になる可能性が高い。あまり思い込まず、適当にチンタラやっている方が良いだろう。二宮尊徳相場は終わり、小原庄助相場になった。(8月7日。木曜日。仙台七夕の日。)


▼FX相場予想/
 各国の景気指標悪化⇒ドルが“漁夫の利”で上昇へ


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は6日、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。

6日の東京時間の未明、アメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。
結果は予想通りの据置き。ここまでは、みんなわかっていたことなので、声明文の内容に注目が集まりました。が・・・。内容は前回とほぼ同じで、当面金利を上げるでもなく下がるでもなくという印象を与える内容となっています。

金融機関の業績の話題も一服ということで、一時的かもしれませんが、ちょっとアメリカから投資家の目が離れてきそうな状況です。

そうなると他の国の状況に目がいくようになってくる。見回してみると、カナダも、オセアニア諸国もイギリスもユーロ圏諸国もみんな景気が悪くなってきている。5日もオーストラリアの中央銀行がこれからは金利を下げるかもしれないような言い回しをしている。いよいよアメリカに続いて他の国も景気後退から利下げを考えるようになってきます。実際、ニュージーランドは既に1回目の利下げに踏み切りました。


これから出てくる各国の景気指標が更に悪化すると、それこそ各国の通貨は弱くなってきます。そうなると「漁夫の利」でドルが強くなる。(というより、もう既にニュージーランドドルなどに対しては相当ドル高になっているのですが)。各国の経済の状態をよくチェックしなければいけない重要な時期に差し掛かってきました。



▼今日の長期金利/
 マド埋め完成=とうとう今年始値137.11円も回復


三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#295) 1.510%~1.540%
・ 債券先物(9月限) 137.00円~137.30円

<シナリオ>
長期金利は下げ渋る展開。朝方は景気後退観測(機械受注のピークアウト感)を手掛かりに、昨日の流れも引き継いで低下余地を探るが、次第に原油安/米株高/円安を好感した日経平均の上昇に押し返される。10年物価連動国債入札に対する警戒感も影響する。


▼今日の債券相場/
米株高・債券安を受けて、1.50%目前に浅くとも調整


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント…今後は利下げを織り込みにいく可能性あり。ただ、本日は浅くても調整
昨日は米債安、株高でも堅調だった。現物の押し目買いではなく、デリバティブ(先物、スワップ)主導。FOMC を受けた海外勢の買いとの解説はしっくりこない。引き続き強い円金利先物が示すとおり、日銀の金融政策に対する見方の変化が根底にあろう。短期のデリバティブはダイナミックに動くため、景気後退局面入りが濃厚な中、今後は利下げを織り込みにいく可能性もある。その場合、一旦、世界が変わろう。それでも、本日の相場は米株高債券安を受けて、さすがに1.50%を目前に浅くとも調整しよう。また、6月機械受注は船舶・電力を除く民需で前月比約10%減が予想の中心。(AM6:44、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物9月限) : 136 円76 銭 ~ 137 円29 銭


▼米欧商品市況/
 プラチナ=大幅続伸、コーヒー=急反落、粗糖=続伸


投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された6日の海外商品市況と、「厳選!!プロフェッショナル・コメンタリー(穀物)」は次のようになった――。

海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)
---------------------------------------
NY金    2008/12 883.0 - 3.1 アルミ3カ月物  2,906.0 + 6.0
NY銀    2008/ 9 1650.5 - 6.7 銅3カ月物    7,615.0 - 10.0
NYプラ   2008/10 1610.0 + 25.5 ニッケル3カ月物 17,800 + 200
NYパラ   2008/ 9 354.10 + 0.20 NY原油 2008/ 9 118.58 - 0.59
シカゴ大豆  2008/11 1222.00 -47.00 NYコーヒー 2008/ 9 137.90 - 2.30
シカゴコーン 2008/12 527.75 -17.25 NY粗糖   2008/10 14.19 + 0.26
ドル・円     109.78 + 1.49 シカゴ日経平均 2008/ 9 13,330 + 155
---------------------------------------

【貴金属=まちまち、南アの鉱山ストでプラチナは続伸】
ニューヨーク金は小幅続落。前日の安値にとどかずに反転し、南アの鉱山ストやドル安、原油高で切り返したが、ドルの反発や原油反落で前日の安値を下回った。
ニューヨーク銀は小幅続落。連日の急落で売りが途切れ、ドル安や原油・金の上昇で反発したが、ドルの反発や原油反落でファンド売りが再開し、マイナスに落ち込んだ。
ニューヨーク・プラチナは大幅続伸。ドル安や原油・金の上昇、南アの鉱山スト、エクストラタ社の買収提案で急伸した。ただ、ドル反発や原油安で、上げ幅を削った。
ニューヨーク・パラジウムは堅調。ドル安や原油高、金・プラチナの急伸をはやして前日の高値を抜いたが、ドル反発や原油の反落でマイナスに転落するなど値を消した。

【石油=期近は続落、予想を上回る在庫増加で】
ニューヨーク原油は、期近が続落。原油在庫が予想以上に増加したことを嫌気し、原油期近は一時、5月5日以来となる117.13ドルまで急落した。
石油製品は、ヒーティングオイル期近が大幅続落、改質ガソリン期近は続落。ヒーティングオイル期近は、予想を上回る在庫増加や原油安などを背景に、5月5日以来の安値を付けた。改質ガソリン期近は、予想以上の在庫減少を好感したものの、原油相場が急落に転じたことに追随し、5月2日以来の水準へと値を沈めた。

【ソフト=コーヒーは急反落、粗糖は続伸】
ニューヨーク・アラビカは急反落。依然としてブラジル産地に天候懸念はなく、ドル相場の上昇などを背景に、急反発した前日の流れに対する調整場面となった。
ニューヨーク粗糖は続伸。先行きの需給ひっ迫見通しや、テクニカル面の強さなどを背景に、上値を切り上げる動きとなった。           (オーバルネクスト シカゴ)

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html

ニュース・チェック

★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、円安・原油安など好環境に恵まれたが、景況感の悪化や利食い売りから反落。日経平均 が終値で前日比-161円安の13093円、またTOPIXも同-19.89安の1257.38、JASADAQ指数は同-0.35安の57.34となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは鉱業、その他製品、卸売業、精密機器の4業種に止まった。
午前の東京外為市場=為替は日欧の景気懸念を背景にした景況感格差などからドルが上昇。ドル円相場は  109円台前半で推移、ユーロ円は168円台後半で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

株式会社サイバーエージェント(4751)
■2008年上半期 Overture最優秀代理店賞を受賞
http://www.cyberagent.co.jp/