世界経済見通し(2)・経済指標を読むほか

★東証1・2部時価総額(9日)=416兆1823億円(前日比+4702億円)
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、NYダウの急落や円高を受けて100円ほど下げて始まったが、その後、前日水準まで戻し、もみ合う。日経平均 が終値で前日比-12.64円安の13039.49円、またTOPIXも同-0.62安の1284.91、JASADAQ指数は同-0.01安の60.68となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち15業種が上昇。不動産業、精密機器、小売業などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替は、米国株の大幅下落やトルシェECB総裁発言を受けてドル軟調。ドル円相場は  106円台後半で推移、ユーロ円は167円台後半で推移している。



■世界経済見通し②/
インフレと資産デフレの併存⇒長期金利が低水準


東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、今日の世界にはインフレ抑制を困難にしている要素が数多いとする半面で、「世界のインフレ危機が募る割に、長期金利の上昇が限られたものとなっている」と語った――。

<米国金融機関=流動性が著しく欠如した「レベル3」資産が引き続き増加>

インフレの裏で進行する金融危機や住宅などの資産デフレが、長期間にわたって世界経済の負担になり、政策金利の引き上げが困難、との認識が広がっているとも読める。

実際、米国金融機関の資産内容を見ると、流動性が著しく欠如した「レベル3」資産が引き続き増加を見せている。その資産価値が画期的に高まらないと(その可能性は小さいが)、金融機関の潜在的な損失額も拡大している可能性がある。つまり、金融機関の損失処理にはまだ終わりが見えず、損失処理には資本の補充が必要だ。


▼経済指標を読む/
 外需からの受注大幅増も、慎重に見る必要あり


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は9日に発表された機械受注(5月)について、おおよそ次のようなポイントを挙げた――。

(1)5月のコア機械受注は前月比10.4%増と、事前予想を上回るポジティブ・サプライズだった。
(2)ただ、4-6月期では、内閣府の予測調査の見通し(前期比10.3%減)を上回るも、前期比では4期ぶりにマイナスに転じるだろう。
(3)外需からの受注も前月比21.1%増と大幅増となったが、グローバルに景気減速感が強まっていることからすると、慎重に見ていく必要があろう。



▼株価+FX予想/
NYダウ平均など商い薄い=最高値更新は数年ムリ


AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、株式相場と為替相場について概ね次のようにコメントした――。

日照り相場が展開中だが、夏枯れ相場にならないことを切に希望。海外の株式は時々反発なんかして、底打ち的な動きを見せたりする。ダウ平均などを眺めていると、商いが薄いのがわかる。上がった時は、何かの間違いだろうくらいに思ったほうが良いだろう。あの最高値を見ることはこの先、数年ないように思うがどうか?日本株は海外が急騰している時は追随できなかったのだから、連中の下げ相場に追随しないことを切に希望。(7月10日。木曜日。納豆の日。)


▼今日の株価予想/
 7月限オプション取引最終日、13000円維持できるか

 
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

米国市場の大幅安の影響や7月限オプションの取引最終日ということもあって、為替、地政学的リスクなどの外部環境に過敏に反応する相場展開が予想される。

ただ、原油先物の調整の動きや米国株が軟調ながらも横ばいの動きを継続していることなどから、昨日同様、銀行、不動産株などに底堅さが確認できれば、終値で13000円を意識した動きも考えられよう。テクニカル面では週足で均衡表の基準線13146円を維持できるかどうかが注目。

9日のNY株式市場ではNYダウ、ナスダックとも大幅反落となった。格付け会社フィッチがメリルリンチの長期債務格付けの見直しを検討していると発表したほか、住宅金融大手のフレディマックやファニーメイの資本不足による増資懸念が再燃した。

また、アナリストによるシスコシステムズの目標株価引き下げや、インテルの業績見通しに対する慎重な見方などがハイテク株全般の売りにつながった。

9日の東京市場は小幅反発。米国株高などを背景に日経平均は一時250円上昇する場面もあったが、上値の重さに加え地政学リスクの台頭が重なり、先物主導で急速に上げ幅を縮小する展開となった。 日経平均のテクニカル面では下落が続く一目均衡表の転換線に上値を抑えられたが、前日安値を下回ることなく陰線はらみ足を形成した。陰線はらみ足は次線が陽線ならば買いとされているが、地合いの悪さや上ヒゲ陰線になったことで印象はよくない。

テクニカル分析
7月16日前後は変化日として注目されるが、そこまでにどのような動きとなるかが重要。まずは、短期テクニカル指標などからはリバウンドの動きが想定されるが、一目均衡表の雲や基準線の動きからは戻りは大きくなさそう。そのケースでは二段下げの動きから8月中旬にかけて軟調な動きが続くことが考えられる。逆に、7月16日前後まで下げが継続する場合、4月14日安値を下回る可能性があり3月安値に対する二番底を探る動きが想定される。そのケースでは8月中旬ごろにかけて戻りを試す展開が考えられる。

目先の上値メドは、一目均衡表の転換線13291円(10日見込み値)や雲下限である13384円、心理的節目の13500円などがある。一方で下値メドは、4月14日安値12858円や3月安値から6月高値までの上昇に対する61.8%押しとなる12800円前後、同2/3押しとなる12660円などが考えられる。

話題の銘柄
2681ゲオ/向こう数年は業績拡大の再加速が見込まれる、目標株価143000円

HSBCでは、「ゲオは新品・中古テレビゲーム販売市場で国内最大手、DVDレンタル市場では同2位の大手である。昨年10月から続く既存店売上高の低迷と会社側の弱気な今期予想が嫌気され、株価は昨年10月以降、67%下落している。しかし、今期は業績のポジティブ・サプライズが期待できる(中間決算発表時の業績上方修正の発表や、来期の営業利益目標を1年前倒しで達成する可能性)ほか、DVDレンタル料金の大幅値上げによる収益改善への会社側の強い意思を示す確かな証拠や、既存店売上高の減少幅の縮小、リサイクルゲームソフトの販売低迷の底打ち、来期以降の新規出店ペースの再加速、などが向こう1年のカタリストとして期待できよう。同社のM&A実績や戦略を踏まえると、向こう2~3年は業績の拡大を伴う一段の買収を背景に、最も強気な当社予想をも上回る可能性がある。また、国内の景気減速感が強まるなか、ゲオの2大事業の強いディフェンシブ性にも注目が集まろう」と指摘。今2009年3月期連結営業利益を会社計画97億円(EPS7968円)に対し117億円(EPS10712円)、来2010年3月期141億円(EPS13388円)、2011年3月期160億円(EPS15441円)と予想。「09年3月期の当社営業利益予想は会社予想を21%上回る。さらに、10年3月期以降は業績拡大の再加速が見込まれる。10年3月期当社予想ベースのPERは6.8倍、EV/EBITDA倍率は2.0倍と割安感が強い」と指摘。DCF・割引経済モデルにより目標株価を143000円と設定。投資判断「Overweight(V)」で新規カバレッジを開始した。 トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/



■韓国中銀のFX介入/
 大量のウォン買い・ドル売り介入⇒ドル円買い支え


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は9日、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。

9日も韓国中銀が大量のウォン買いドル売りの介入を実施しています。午前中だけで20億ドルほどやっているはずです。前にもご紹介しましたが、かれからこうした介入をするとなぜかドル円を買います。8日もかなり買っていましたし、どうやら9日も・・・。これがドル円の下を支えてしまっている。イランの話でドルが売られてもドル円だけは直ぐに戻ってきてしまう。本当にやりにくい通貨です。こういうのが無ければもう少し簡単に下がっているのでしょうが・・・。

<迷走を始めた?トリシェECB総裁の発言>

トリシェECB総裁が、「インフレ懸念が高まっているが来年以降はおさまるだろう。景気はしっかりしているが、下振れリスクはある」という、きわめて中立な発言をしています。これではどちらにもポジションをとりようがありません。追っかけていくことはせず、足の速い取引が必要な相場環境であると思っています。9日も原油価格と、米株式市場への注目度が俄然高まります。



▼今日の長期金利/
 10年1.60%近辺巡り、低下余地を探る展開へ


三菱UFJ 証券・デットリサーチ部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#293) 1.585%~1.620%
・ 債券先物(9月限) 135.65円~136.15円

<シナリオ>
長期金利は、昨日の米株安/米債高を背景に低下余地を探る。ポイントは、1.60%近辺で戻り売り意欲が勝るのか、あきらめ買いが台頭するか。米金融不安の再燃、世界的な株安基調の強まりなどが、後者をサポートする。一方、朝方発表される企業物価指数が予想から上振れると、インフレ・リスクが意識され、低下余地が狭まることも。



▼米欧商品市況/
貴金属=軒並み上昇、大豆=急反発、粗糖=続伸


投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された9日の海外商品市況と、「厳選!!プロフェッショナル・コメンタリー(穀物)」は次のようになった――。

海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)
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NY金   2008/ 8 928.6 +5.3 アルミ3カ月物 3,190.0 +45.0
NY銀   2008/ 9 1817.5 +22.0 銅3カ月物 8,210.0 +10.0
NY白金  2008/10 1972.0 +19.1 ニッケル3カ月物 21,450 +850
NYパラ   2008/ 9 449.00 +6.55 NY原油 2008/ 8 136.05 +0.01
シカゴ大豆  2008/11 1557.00 +27.50   NYコーヒー  2008/ 9 140.60 -1.80
シカゴコーン 2008/12 712.75 -9.75  NY粗糖   2008/10 13.86 +0.11
ドル・円      106.71 -0.79  シカゴ日経平均 2008/ 9 13,035 -285
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【貴金属=軒並み上昇、ドル安やイランのミサイル実験をはやす】
ニューヨーク金は反発。マイナスに転落したが、ドル安や原油高、イランのミサイル実験や米ロ関係の緊張などをはやしてプラスに浮上した。ただ、インサイドデー。
ニューヨーク銀は大幅続伸。時間外取引は18ドルが抜けなかったが、ドル安や原油高、イランのミサイル実験などの国際緊張で投機買いが入り、前日の高値を上回った。
ニューヨーク・プラチナは急反発。時間外取引で下落したが、連日の急落による売り過剰感の台頭やドル安・原油高、イランのミサイル実験などでプラスに切り返した。
ニューヨーク・パラジウムは急反発。前日の安値を下回ったが、安値拾いの買いで切り返した。ドル安・原油高、プラチナ反発、イランのミサイル実験などが支援材料。

【非鉄=アルミは急反発、ドル安・原油高で押し目買いが入る】
ロンドン・アルミ3カ月物は急反発。きのうの急落を嫌気した売りで下値を切り下げたが、ユーロに対するドル安や原油高をはやしてプラスサイドに切り返した。
ロンドン銅3カ月物は堅調。指定倉庫在庫の増加やテクニカル売りで前日の安値を下回ったが、押し目買いでプラスに浮上した。
ロンドン・ニッケル3カ月物は急反発。年初来安値にとどかずに売り過剰感が台頭、指定倉庫在庫の減少やアルミ反発をはやし、テクニカル買いで値を飛ばした。

【穀物=大豆は急反発、コーンは総じて大幅続落】
シカゴ大豆は急反発。11月限は、時間外取引で上昇したあと、弱気の天気予報で地合いを後退したが、売り過剰感の台頭やドル安・原油高をはやして時間外取引の高値を上回った。需給報告を控え、供給ひっ迫見通しが蒸し返された。
シカゴ・コーンは総じて大幅続落。12月限は、プラスに浮上する場面もみられたが、産地に穏やかな天気が予報されたことからファンドの手じまい売りで続落した。ただ、前日の安値にとどかなかったことやドル安・原油高をはやし、下げ幅を縮小した。    (オーバルネクスト シカゴ)

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