6月の株価見通し・08-09年度:企業業績見通しほか

★東証1・2部時価総額(5日)=459兆8241億円(前日比-1兆3156億円)


■6月の株価見通し/
米金融機関決算「最後の痛み」通過⇒上値追いへ


ソシエテ ジェネラル アセット マネジメント投資調査部チーフエコノミストの吉野晶雄さん(Akio Yoshino/ Chief Economist, Societe Generale Asset Management (Japan) Co.,Ltd.)は今朝、本誌の取材に応じ、「今月中旬の米大手金融機関の決算発表が“最後の痛み”になるだろう」として、予想レンジは日経平均で14,000円~15,000円とした。

<予想レンジ=日経平均で14,000円~15,000円>

今回の決算は、いわゆる100日プランの最後の決算であり、米金融機関は包み隠さずに追加の評価損や増資計画を公表することが求められる。最近、モノラインの格下げが発表されたが、大手金融機関の格下げも懸念される。しかし、吉野さんは、「この最後の痛みを通過すれば、今度は株価が上値を追っていく展開になる」と予想する。 

一方、日本国内では6月の株主総会シーズンを迎え、「モノ言う株主」が増えるにつれてコーポレート・ガバナンスが株価を動かすようになってきた。また自社株買い、配送への関心が高まる、と見ている。株主還元に積極的な銘柄を個別で拾っていく相場になろう。

<低調に推移してきた自動車株や電機株に注目>

そこで、注目セクターとしては米国景気への懸念や円高で、ここしばらく低調に推移してきた自動車株や電機株を挙げる。自動車ではホンダ(7267)が5月の米国市場売上げで1位になるなど日本勢が健闘している。円高への懸念は依然として残るが、吉野さんは「1年間という長い期間に10円程度の円高進行であれば、対応できるのではないか」と言う。



■08-09年度:企業業績見通し/
  08年度は減益予想だが、09年度以降は増益回帰


大和総研(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)では、2008年度~2009年度の企業業績見通しを集計した。銀行・証券・保険を除く東証1部上場の主要300社(以下、DIR300)を対象に、
アナリストの予想を集計した結果、売上高は07年度実績が6.6%増収、08年度が3.5%増収、09年度が3.1%増収を予想。経常利益は、07年度実績が6.1%増益、08年度が4.3%減益、09年度が11.6%増益を見込む。

08年度:立ちはだかる円高、7期ぶりの減益予想
2008年度の業績は、3.5%増収、4.0%営業減益、4.3%経常減益を予想する。
前年度比で対ドルが14円、対ユーロで6.5円の円高を前提としていることに加え、原油高、日米の経済停滞を想定しており、7期ぶりの減益予想である。ただし、減益予想のなかでも、09年度以降の増益回帰や利益成長への期待を高める動きが見て取れる。急激な原燃料・原材料費の上昇ペースを背景に、紙パ、セメントでは国内値上げに本格的に動き出す。また新興地域での数量増、価格上昇を見込む自動車、フリーキャッシュフローの使途として大規模M&Aを選択した薬品などである。

<「価格転嫁を期待できる業種」が業績伸ばす>

自動車は減収予想だが、円高による海外売上高の円換算時の目減り効果が主因である。同様の要因から、製造業の海外売上高は2.0%増収と大幅に伸びが鈍化することから、全体ベースの増収率の水準も低下する。一方、製造業の国内売上高および非製造業の増収率は3.8%、4.9%と底堅く、海外売上高の伸びを上回ると予想する。

ただし、寄与が大きいのは鉄鋼、石油、化学、電力・ガスなどである。資源高を受けて価格転嫁(電力、ガスはスライド制度)を期待する業種であり、数量面で内需の本格的伸長を予想する内容とはなっていない。固定費は07年度比で2.5兆円の増加に留まるが、大幅な円高デメリット(3.2兆円の減益要因)が発生する。一方、鉄鋼、化学などの価格転嫁や、自動車におけるコストダウンや海外値上げといった取り組みはあるが、原燃料・原材料費の上昇を十分に吸収するには至らず、減益予想となった。

<増益寄与率でトップは総合商社>

全体ベースでは経常減益を予想するが、業種別では増益予想が15業種と減益予想の12業種を上回る。増益寄与率でトップは総合商社。他にソフト・ゲーム、電機などが上位となる。総合商社は資源高の恩恵、ソフト・ゲームではゲームソフトで高収益の有力タイトル投入、電機ではゲーム事業の改善、家電部門のリストラ、重電やソリューションの好調持続などが増益に寄与する。一方、減益額が大きいのは自動車、電力・ガス、薬品などである。円高、資材価格上昇の影響を受ける自動車の減益額(1.37兆円)の規模は、全体ベースの減益額(1.32兆円)を上回る。電力は原油高や退職給付費用の増加、薬品はM&Aによる一時費用などが減益要因。


▼今日の株価予想/
日経平均もち合い放れのタイミング+米株大幅高


T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

日経平均は今週に入ってからは小さな三角もち合いを形成している。トレンド継続の意味でも上に抜け出せるかどうかのタイミングであったが、昨晩の米国市場は大幅上昇でもどってきた。足元の相場の底固さが証明される一日となりそうだ。 シカゴ日経先物(14575円)にサヤ寄せスタートから、105円台後半で推移している円相場が主力の輸出関連株には追い風となろう。

5日のNYダウは大幅反発。発表された週間の新規失業保険申請件数が減少したことや、5月の小売り各社の既存店売上高が市場予想を上回る結果となったことが好感され幅広い銘柄が買われた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がMBIAなど金融保証会社(モノライン)の格下げを発表したが、悪材料出尽くし感からか買い戻しが優勢となった。ナスダックは大幅続伸。フィラデルフィア半導体(SOX)指数は1.0%上昇した。シカゴ日経先物は14575円と昨日の大証日中終値に比べ225円高となった。

NYダウは2003年3月安値と2006年7月安値を通るサポートライン上で推移しており、日本株にとっても分岐点にあるNYダウの動きは重要である。日経平均の直近の堅調な動きに加え、昨晩の大幅反発の勢いがこの先継続すれば日経平均は変化日が集中する6月17日から20日ごろにかけて、15200円前後までの上昇シナリオを描くことも出来よう。 


テクニカル分析
昨日の日経平均は陰線はらみ足を形成。その次線となる今日は上寄り陽線か、下寄り陰線かが注目される。今週4日間で小さな三角もち合いを形成しており、トレンド継続の意味では上に抜け出すのが理想的であろう。ただ、月足均衡表では転換線14589円や雲上限が5月から切り上がり14528円の水準にある。月足ベースで大きな関門に近づいており、その近辺でどのような動きをするのかどうかが注目される。 上値メドは、4日高値14435円や14500円、昨年11月22日安値の14669円前後、200日移動平均線の14736円前後となる。一方、下値メドは3日の安値14127円や基準線の14000円(6日の見込み値)、28日安値13665円などが考えられる。

話題の銘柄
9104 商船三井/資源・エネルギー輸送拡大を謳歌、目標株価2000円

みずほ証券では、同社について、同業他社との比較で、短期的に、◇バルク市況高騰に伴う増益インパクトが中位であること、◇燃料油価格の高騰に伴う減益インパクトが小さいこと、――などを評価。中期的には所謂「2010年問題」への楽観論台頭が及ぼす経営戦略との整合性なども考慮して、投資判断を見直した。今09年3月期の予想前提は、為替が103円/ドル(会社予想100円/ドル)、燃料油価格614ドル/MT(同530ドル/MT)。これらは、前08年3月期の実績比で1090億円、今期会社予想比では140億円の減益要因になるという。これらを踏まえて今後の業績を見直した。経常利益ベースで、今09年3月期を、会社予想3000億円(EPS 167.2円)に対し、2840億円→3295億円(EPS 183.4円)、来10年3月期を2470億円→2985億円(EPS 161.7円)へと上方修正し、11年3月期を2460億円(EPS 132.9円)と予想。目標株価を1700円→2000円(今期PER10.9倍)とし、◆現行株価との乖離率約27%、◆直近3ヶ月の対TOPIX超過リターン+8.0%pt、◆今期会社予想の達成確度、――などを考慮して、投資判断を「2」→「1」へと引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/



▼ドル円106円台/
 相場全体=ダッチロール状態に入ってきた?


AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

円、無残。平家の落人的。106円台に乗せた事から、今後はどうでもいい相場が続くだろう。つまり上がってみたり、下がってみたりという奴である。相場全体がダッチロール状態に入ってきたようだ。ナビ故障。ECBの一貫性を見ただろうか。これで景気が鈍化しているから、金利を下げるなどというたわごとを言う奴もいなくなるだろう。これほど通貨の価値に気を配るところもない。日本とは大違いである。アメリカが今頃インフレ懸念を持ったが、欧州は当然もっと前から懸念を表明している。それにしても米FEDも次第に手札がなくなってきているようだ。アラブ人たちをいくらでも誘い込んでうまくやるとは思うが。金融ではアメリカにはかなわないよ。だからこそ馬鹿もやるんだけど。(6月6日。金曜日。楽器の日。)


▼再びバーナンキ発言/
 FRB議長はインフレ抑制最優先=ドルは当面強そう


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は5日、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。

4日もバーナンキFRB議長が発言しました。「インフレ抑制が最優先」――。これがポイントです。サブプライムローン問題が起きた後、彼は「景気回復を最優先課題とする」と発言しました。つまり、金利を下げるよ。と言っていたわけです。それが「インフレ抑制を最優先」と表現を変えたのは、明らかに意図的で、「金利をそのうち上げるよ」と意思表示しているわけです。為替相場は金利の変化に敏感に反応するのは、周知の事実です。それだけを考えるとドルは当面強そうだなということが想像できますね。そこまでではなくても、少なくともあまりドル安が進んでいくという環境ではなくなってきたなということは言えそうです。



▼乖離した金利上昇/
経済実態の理解超えた金利上昇=やがて自然落下へ


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント…世界は変わった、1.80%も。来週は1.90%が視野、2.10%も排除できず
バーナンキFRB 議長のインフレ警戒発言に続き、トリシェECB 総裁の利上げ示唆発言で世界は変わったと言わざるを得ない。物価上昇が限定的な日本は同様の状況になく、あくまで、インフレ・リスク・プレミアムの一時的拡大に過ぎない。さらに、利上げは今後の欧州景気にかなりの痛手であり、長期金利はあまり上昇しまい(実際、独では2-10年が逆イールド化)。それらを全て考慮した上で、海外勢が足元の主役の感が強い円債市場、かなりの影響を強いられると見込む。

本日は10 年国債利回りで1.80%へ、来週は1.90%が視野に入る可能性がある。そして、5月30日の本レポートで指摘したとおり、2.10%までの上昇も排除しない。この弱気相場の過程、イールド・カーブはフラット化圧力を強めよう。(AM6:46、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物6月限) : 134 円22 銭 ~ 134 円73 銭

米国市場は債券よりも株価に注目
図表1が示すように、引き続き日米長期金利の連動性は高い。
しかし、これまでの関係を前提に足元の動きを確認すると、米国の金利上昇に対して、日本のそれが大きいようである(ただし、図表1 は回帰分析など統計的アプローチを使っておらず、その分は割り引いて考えて欲しい)。金融危機の不安後退やインフレ懸念の広がりなどからすれば、結果が逆(米金利の上昇が大きい)でも不思議はない。


▼岐路の長期金利/
 期初からの金利上昇基調にようやく転機到来か?


三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#293) 1.750%~1.800%
・ 債券先物(6月限) 134.50円~135.00円

<シナリオ>
長期金利は昨日の米株高/米債安を受けて反発。日経平均株価が1万4,500円の節目回復も嫌気する。今晩発表の米雇用統計を控えて様子見ムードが強まると、CTAなど海外ファンド筋の株式先物買い/債券先物売りによって振れが大きくなりやすい。また、ここ2日連続で前日のLIFFE先物や米債に対し逆行していることもあり、思惑的、投機的な動きが入りやすく、振れが助長される。なお石井さんは、「昨日までの今週の債券市場は、需給不安に侵されていたセンチメントが潮目を迎えたことを感じさせた」として、次の3つの傍証を挙げた。


▼商品ブル・ベア指数/
上昇率上位はトウモロコシ・大豆vs.石油関連は低下


投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された5日の海外商品市況と、「ブル・ベア指数」は次のようになった――。

海外主要銘柄の中心限月の相場表(限月、終値、前営業日比)
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NY金   2008/ 8 875.5 -8.3 アルミ3カ月物 2,899.0 +24.0
NY銀   2008/ 7 1717.0 +23.0 銅3カ月物 7,815.0 -60.0
NY白金  2008/ 7 2012.5 +17.6 ニッケル3カ月物 22,800 +5
NYパラ    2008/ 9 427.40 -3.60 NY原油 2008/ 7 127.79 +5.49
シカゴ大豆  2008/ 7 1452.00 +63.00   NYコーヒー  2008/ 7 135.80 +3.05
コーン  2008/ 7 643.25 +28.75  NY粗糖   2008/ 7 9.56 +0.04
ドル・円      105.96 +0.75  シカゴ日経平均 2008/ 6 14,575 +210
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今週のブル・ベア指数は下記の通りです。
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前々週 前週 今週 前々週 前週 今週
  22 日 29 日 5 日 22 日 29 日 5 日
大豆       74 71 78 金      78 53 48
とうもろこし   65 57 69 銀      80 55 48
小豆       57 64 58 プラチナ   83 59 50
粗糖       54 47 40 アルミニウム 67 52 39
コーヒー     68 51 50 ゴム     67 59 50
ドル/円   41 63 53 原油     83 66 36
ガソリン   81 67 35
灯油     83 65 32
注:「コーヒー」はアラビカコーヒーが対象。
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【総 括】
今週6月5日のブル・ベア指数は、ドル・円が前回5月29日の63から53まで降下し、ドル高意見が幾分後退。今回商品の同指数は上昇したのが国際穀物2品目だけで、その他は全面低下に見舞われた。ことに石油はNY市場でファンドに対する規制が言われ出して以来の低落。

55以上の強気サイドに入ったのは、上から大豆78、トウモロコシ69、小豆の58の順。そのうち上昇率1~2位がトウモロコシ、大豆。1位の前者は57から69までポイント数を伸ばした。 一方、今回40台以下の弱気サイドには、下から灯油32、ガソリン35、原油36アルミ39、粗糖40と続いた。低下率1~3位に灯油、ガソリン、原油。1位の灯油だが、65から32まで半分以下に沈んだ。


(注)ブル・ベア指数とは、オーバルネクストが毎週木曜日に主要商品の強弱感を市場関係者に幅広くアンケート集計したものです。アンケートの結果を指数化して、0~100で市場関係者の強弱感の判断が表されます。数字の小さいほうが弱気、大きいほど強気となります。なお、逆張り的な見方をして「80に近づくと過熱感が強く、下げに転じる可能性が高い」とか「20に近づくと市場が総弱気となり、反転上昇が近い」といった見方をすることもできます。

情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html

ニュース・チェック

★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は、NYダウの213ドル高や円安進行を好感して大幅上昇となった。日経平均 が終値で前日比+222.02円高の14563.14円、またTOPIXも同+15.81高の1440.26、JASADAQ指数は同+0.01高の64.90となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち27業種が上昇。鉱業、鉄鋼、証券商品先物などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替は、再度のバーナンキ米FRB議長の発言を受けてドルが上昇した。ドル円相場は106円台前半で推移、ユーロ円は165円台半ばで推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

ソニー株式会社(6758)
■2007年度連結財務諸表(英文のみ)
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/qfhh7c00000gpdar-att/CFS.pdf
■Regulatory announcement regarding 2waytraffic Offer Update(英文のみ) 
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/qfhh7c00000gpdbp-att/2waytraffic.pdf