■2008年内外経済・金融展望/
国際マネーフローの大きな変化に注視が必要
三菱東京UFJ銀行・経済調査室長の内田和人さん(Kazuto Uchida/ The Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ,Ltd. )は最近、2008年の世界と日本経済、さらに金融の動向について次のように展望した――。
(1)世界経済・・・・・年後半は徐々に持ち直しに転じソフトランディングへ
世界経済は、サブプライム問題に伴う信用収縮、株安を受けて消費・投資マインドが急速に冷え込み、景気のダウンサイドリスクが高まっている。年前半は米景気中心に減速するが、年後半は徐々に持ち直しに転じ、ソフトランディングに向かう。金融セクターは危機的な状況を強めているが、実体経済の調整はゆっくりと進む公算。
(2)米国経済・・・・・FRBはドル急落リスク勘案し、慎重に利下げ余地を探る
米国経済は、住宅の在庫調整が本格化し、住宅価格も前年比▲3%程度まで下落する。個人消費は逆資産効果から急減速し、国内民間最終需要は年央にかけて(リセッションレベルとなる)1%台前半まで落ち込む。しかし、金融緩和や外需(輸出)に支えられて、景気後退局面入りは回避し、年後半には住宅市場の調整一巡から徐々に持ち直しに転ずる(2008年:2%成長予想)。FRBは、信用収縮加速・負債デフレ回避に向けて利下げ姿勢に転じており、ドル急落リスクを勘案し、慎重に利下げ余地を探っていく。
■2008年世界&日本経済見通し/
深い景気後退回避されても、米景気は超低空飛行
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は2008 年の世界経済・日本経済見通しについて次のような見解を示した――。
ポイント:
サブ・プライム・ローン問題の余波はまだ当面続く。クレジット・クランチの発生によって欧米景気が後退局面に入る可能性は現時点では50:50 である。仮に、深い景気後退局面入りが回避されたにせよ、米国景気は超低空飛行を免れまい。懸念されるのは、FRB による金融緩和は米国景気をより脆弱なものとしてしまうリスクがあることである。先進国景気が大きく減速すれば、新興市場国経済も年後半から減速局面に入るとみられる。こうした中で国内景気は極めて厳しい状況に晒される。08 暦年の日本の実質成長率は1.0%を達成することすら容易ではない。
■米国投資家の見方(2)/
日本株買いのトリガー=内需好転はビッグ・サプライズ!
大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru.Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は昨年12 月17日~21日(営業日数5日間)にNY、ボストン、サンフランシスコなど米国の機関投資家(ミューチュアルファンド、年金基金、ヘッジファンドなど)23 社を訪問した。
12月26日のレポートで、米国の機関投資家とのディスカッションをもとに、外国人投資家の、(1)日本経済の関心事項、(2)日本株への投資スタンス、(3)セクター別の選好状況、(4)日本株への投資姿勢を積極化するトリガー、(5)米国のサブプライム・ローン問題に対する見方等をまとめた。
第2回目は、株式関連の(1)、(4)、(5)についての報告をご紹介しよう――。
ポイント(1):外国人投資家が関心を示した日本経済の論点
今回のミーティングを通じて、外国人投資家が関心を示した日本経済の論点(複数回答)は以下の通りであった。彼らの最大の関心事項は「(1)『デカップリング』論の是非(14社)」であった。投資家の間では、外需関連銘柄(特に、エマージング諸国経済拡大の恩恵を享受できる銘柄)に対する選好が強く、「デカップリング」論が概ね是認されているように感じられた。
さらに、外需関連銘柄への選好が強いこともあり、「(2)為替相場の動向(9社)」にも強い関心が寄せられた。また、「従来の経済環境(デフレ・個人消費の低迷)に変化があるか?」という観点から、「(3)インフレ動向(8社)」や「(4)個人消費の動向(7社)」に対する関心も高かったが、多くの投資家がインフレ率の上昇を見込む一方で、個人消費に関しては依然慎重な見方が優勢であった。
なお、投資家からは、「インフレの昂進が個人消費や株式市場に与える影響」についての質問が散見された。「(5)政治情勢(7社)」に対する関心はまずまずであったが(例えば、防衛省汚職問題等)、「日本株に投資する上では重要ではない」との意見も少なくなかった。他方で、「(6)日銀の金融政策(5社)」については、日銀の利上げ姿勢がトーンダウンしていることもあり、あまり関心が高くないように感じられた。
■北京五輪と株価(1)/
五輪前は株価上昇鈍いが、五輪後は修正から上昇傾向
新年の最大のテーマの1つが北京オリンピック(五輪)だ。
そこで、大和総研・投資戦略部クオンツチーム(吉野貴晶チーフ クオンツアナリスト、橋本純一シニア クオンツアナリスト、松田紀子クオンツアシスタント/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)では、今回は(1)五輪前後の株式市場の変動と、(2)五輪関連銘柄の動きを調べた。
その1である今回は、(1)の五輪前後の株式市場の変動を調べた。その結果、「夏季五輪期間と、その前後を通じて基本的に株価が上昇トレンドとなっていることが示された」と言う――。
夏季オリンピック前後の日米の株価・・・・・開催日前後の株価は上昇トレンド
株式市場では「夏季五輪の年は株価が高く、冬季五輪は株価が安い」というアノマリーがある。
世界的な景気のサイクルがあるのだ。夏季五輪の年は景気が拡大期にあり冬季五輪の年は後退期となる。夏季五輪の年は米大統領選挙の年でもある。米国は選挙に合わせて、景気を良くさせる政策をとると言われる。だから夏季五輪の年に向けて景気が上昇、株価も高くなる。反対に冬季五輪の年は谷間に当たり景気後退の方向が意識される年になる傾向が高い。日本株もそれに連動する。
▼今日の株価予想/
下値メド=14,450円前後、06年安値14,045円前後
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
NYダウの年始3日間の下落率は3.5%となり、1904年以来の水準を記録。ナスダックは6日続落となり、シカゴ日経先物も先週末の大証終値に比べて155円安い14505円で終了した。
今日の東京市場は米国の景気後退懸念や円高進行を受けて、国際優良株や外需関連株中心に売り先行から、下値を見極める動きとなりそうだ。週明けで米国株安に対して過剰反応になることも想定されるが、すでに直近3日間で陰線連続3本目となり、値幅も約1000円弱下落していることや、25日線との乖離がマイナス5%を超えてきていることから、売り一巡後は突っ込み警戒感から切り返す動きも想定される。4日の安値を下回り、下値模索の動きとなった場合には、ザラバで長い下ヒゲを引くローソク足となるかどうかがポイント。
1月は特に小型株が堅調に推移する傾向があることから、売り一巡後はバリュエーション面で割安感のある銘柄から、実需の見直し買いが入る可能性が考えられる。
当面の上値メドとしては、一目均衡表の遅行スパンが株価にあたる14900円前後や心理的節目の15000円。下値メドとしては、昨年6月高値から8月安値までの下落幅を、10月の戻り高値からの下げとした14450円前後や、2006年の安値14045円前後となる。それらは2006年に二番底を形成した水準にもなるため、一旦は意識されることが考えられる。
仮にそこを下回った場合、昨年10月の戻り高値から11月安値までの下落幅2819円を、12月の戻り高値からの下げとすると13300円前後となり、その水準は2006年4月高値以降の拡大波動を考える上では重要な下値ポイントとなる。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼ドル円108円台/
問題は、小幅にせよ円安にある程度戻した「あと」
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
誰だっけ?米経済はこれ以上落ちないとか、実体経済に影響はあまり出ていないとか、いろんな事言っていた人たちは? マスコミもいかんのだよ。その時々の状況によってコメントさせるやつをとっかえひっかえで替えるから。今年は良くないんだよ。もともと米経済に今まで影響が表面化しなかったほうがおかしいのだからね。FEDの連中にもそんなのがいたね。
<利回り4%台の株が叩き売られる姿は異様に見える>
それにしても日本株の姿はおぞましいなあ。利回り4%台の株が叩き売られる姿は異様に見える。その裏で、パキスタン、バングラダッシュなどを組み込んだ投信がガンガン売れている。何か変だよ、この国の投資家たちは。政治家たちは討論ばっかりやっているし、何も議案は通らないし、どうしようもない人たちだ。議員の数ばかり多いから烏合の衆。船頭多くして云々。税金なんか上げるなよな。防衛予算5割カット。今の自衛隊は戦争できない軍隊。円相場も今の状態が続くとも思っていない。いずれ小幅にせよ円安にある程度戻す。
だが、問題はそこからだね。根が深そうだ。(1月5日。土曜日。初どようび。)
▼FX投資戦術/
IMM(31日)のポジションが非常に軽くなっている
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は6日、FX相場の見通しについて次のようにコメントした――。
12月31日のIMMのポジションです。
特に大きな変化はありませんが、ポジションが非常に軽くなっていることはわかります。
(12月31日) (12月24日)
円 920 4013
ユーロ 3万6655 3万0641
英ポンド ▲2809 9126
オーストラリアドル 1万8024 1万3540
ニュージーランドドル 1万3965 1万2247
カナダドル 2万2998 1万4723
スイスフラン ▲4619 ▲1万1497
メキシコ・ペソ 5万6290 7万1808
▼今週の債券相場/
外部環境次第では、1.40%割れが視野に入ろう
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
今週の債券相場見通し…10年289回債利回りは1.395~1.495%と予想する
先週末、大発会の債券相場だが、値動きの鈍さは残ったものの、波乱含みと見る市場参加者が多い今年を象徴するかのような堅調相場だった。年末年始の米株安債券高を受けた上、日経平均株価は一時、765 円安。先物3月限は59 銭高を見、10年289 回債利回りは1.460%まで低下した。
以上を踏まえて、今週の10 年289 回債利回りは1.395~1.495%と予想する。外部環境次第では、1.40%割れが視野に入ろう。イールド・カーブは1.40%台前半だとブルでもフラット化が見られる公算が大きい。
本日の想定レンジとコメント…堅調だが、増える市場参加者の動意に注目。高値に痺れるか
大発会に続き、本日も株価睨みの展開が見込まれる。まずは、先週末の米市場を材料に値を上げて始まるのは必至。NY ダウの265.54 ドル安を受け、株価の大幅な下げが続くなら、その後も堅調に推移しよう。注目は上記のように、市場参加者が買い方向で一段と動意づくか。参加者が増えても、相場水準の高さに痺れてしまう懸念がある。カーブは先物周りまでがフラット化、以降はスティープ化と見込む。(AM6:47、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物3月限) : 137 円47 銭~137 円85 銭
▼新年の債券市場/
フレームワークが「質への逃避」⇒「米景気後退リスク」へ
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。
<予想レンジ>
・ 長期金利(#289) 1.400%~1.480%
・ 債券先物(3月限) 137.20円~137.90円
<シナリオ>
長期金利は日米景気の先行き不透明感の強まりを背景に1.40%台で弱含みに推移する。サブプライム問題で暮れ、サブプライム問題で明けた新年の債券市場では、フレームワークが「質への逃避」から「米景気後退リスク」へと変わりつつある。
ポイントは、(1)市場のフレームワークが「質への逃避」から「米景気後退リスク」へ、(2)リスクシナリオ(米景気後退)が意識されるなかでの投資家動向、(3)景況感悪化をよそに解散・総選挙のチキン・ゲームに勤しむ政界、など。
債券先物チャート
3月限の日足は上影陽線・寄り付き坊主で大きく上放れして(マドは136.87円-137.11円)12月20日のザラバ高値:137.14円を超えた。12月4日・5日のザラバ高値(07年最高値、毛抜き天井):137.73円を目指す。
▼週間原油展望/
原油110$で110番=円高の影響で先行き不透明感が漂う
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)によると、今週の原油相場見通しと4日の海外商品市況は次のとおり――。
--------------------------------------
週間高低(カッコ内は日付) 1 月 4 日~ 1 月 4 日
始 値 高 値 安 値 終 値 前週末比
ガソリン 2008/ 7 79,930 80,300( 4) 79,790( 4) 79,950 -130
灯 油 2008/ 7 75,050 75,570( 4) 75,030( 4) 75,200 -380
原 油 2008/ 5 62,680 62,810( 4) 62,400( 4) 62,520 -440
======================================
<原油> 始 値 高 値 安 値 3 日終値 前週末比
NY原油 2 月限 96.05 100.09( 3) 96.05( 2) 99.18 +3.20
======================================
<今週の焦点> 9 日 石油連盟 原油・石油製品供給統計週報
9 日 米石油協会(API)の週間在庫統計
9 日 米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計
※米国の統計は現地の日付
--------------------------------------
【前週のレビュー】
原油や製品の期先は為替や海外原油の影響で高止まりが続くが、製品の期近はこのまま需要不振が続くとガソリン・灯油ともに年明け以降に一段と下落する可能性もあるとした。
【NY原油はついに100ドル乗せ】
ニューヨーク原油は、2日にナイジェリアでの治安悪化やドル安の進行の影響で一時100ドルちょうどまで上昇した。翌3日には予想以上の原油在庫の減少で100.09ドルまで上昇して、史上最高値を更新したが、その後は利益確定の売りに押された。
3日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した12月28日までの週間在庫統計で、原油在庫は前週比400万バレル減、ガソリン在庫は同190万バレル増、留出油在庫は同60万バレル減となった。
原油在庫は大方の予想では200万バレル前後の減少と見られていたが、それを大きく上回る減少となったことが、史上最高値の更新につながった。原油の受け渡し場所であるオクラホマ州クッシングの在庫は前週比変わらずとなった。原油在庫は過去5年間の平均値を割り込んでおり、この状況が続くようだと、低水準の在庫が材料視されてニューヨーク原油の高止まりは続く可能性が高い。 (OVN 東京/佐藤昌彦さん:e-profitで毎週金曜配信中)
情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録:http://www.mag2.com/m/0000049479.html
ニュース・チェック
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価はサブプライム問題から米国景気への懸念に波及する気配、米国株安、それに伴う原油高・円高からの国内景気への懸念などから軟調な展開がつづく。日経平均 が終値で前日比-147.29円安の14544.12円、またTOPIXも同-15.38安の1396.53、JASADAQ指数は同-0.66安の69.84となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは保険業、医薬品、水産・農林業の3業種に止まった。
午前の東京外為市場=為替はややドルが戻すも米国景気懸念などでドル安・円高傾向で推移。ドル円相場は109.00-109.05円前後で推移、ユーロ円は160.59-160.71円前後で推移している。
★カブドットコム証券=私設取引システムの株券電子化踏まえ呼値の刻みの縮小へ
カブドットコム証券株式会社(8703)は、夜間取引市場「kabu.comPTS」にて、取引所外電子取引市場機能を高度化し、小口取引に対応したサービスを拡充する。1月15日(予定)より、小口取引への対応として、注文の呼値の刻みを、同市場独自の刻み値にする。1月15日の夜間取引市場「kabu.comPTS」より、呼値の刻み(呼値幅)は下表のように変更する。これまでの夜間取引市場「kabu.comPTS」では、取引所と同じ呼値幅としており、株価によっては、取引可能な価格帯が大きく固定されていた(たとえば、株価が100万円以上の銘柄では、呼値幅が10,000円)。「同市場での1年以上にわたる安定運用をふまえ、電子取引市場機能の高度化としての同小口化対応とにより、呼値の刻みを細かくした注文が可能となります」と言う。http://kabu.com/company/pressrelease/2008/20080107_1.asp
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
住商情報システム株式会社 (9719)
■1/4 2008年 阿部康行社長年頭の辞
http://www.scs.co.jp/ir/index.htm
国際マネーフローの大きな変化に注視が必要
三菱東京UFJ銀行・経済調査室長の内田和人さん(Kazuto Uchida/ The Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ,Ltd. )は最近、2008年の世界と日本経済、さらに金融の動向について次のように展望した――。
(1)世界経済・・・・・年後半は徐々に持ち直しに転じソフトランディングへ
世界経済は、サブプライム問題に伴う信用収縮、株安を受けて消費・投資マインドが急速に冷え込み、景気のダウンサイドリスクが高まっている。年前半は米景気中心に減速するが、年後半は徐々に持ち直しに転じ、ソフトランディングに向かう。金融セクターは危機的な状況を強めているが、実体経済の調整はゆっくりと進む公算。
(2)米国経済・・・・・FRBはドル急落リスク勘案し、慎重に利下げ余地を探る
米国経済は、住宅の在庫調整が本格化し、住宅価格も前年比▲3%程度まで下落する。個人消費は逆資産効果から急減速し、国内民間最終需要は年央にかけて(リセッションレベルとなる)1%台前半まで落ち込む。しかし、金融緩和や外需(輸出)に支えられて、景気後退局面入りは回避し、年後半には住宅市場の調整一巡から徐々に持ち直しに転ずる(2008年:2%成長予想)。FRBは、信用収縮加速・負債デフレ回避に向けて利下げ姿勢に転じており、ドル急落リスクを勘案し、慎重に利下げ余地を探っていく。
■2008年世界&日本経済見通し/
深い景気後退回避されても、米景気は超低空飛行
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は2008 年の世界経済・日本経済見通しについて次のような見解を示した――。
ポイント:
サブ・プライム・ローン問題の余波はまだ当面続く。クレジット・クランチの発生によって欧米景気が後退局面に入る可能性は現時点では50:50 である。仮に、深い景気後退局面入りが回避されたにせよ、米国景気は超低空飛行を免れまい。懸念されるのは、FRB による金融緩和は米国景気をより脆弱なものとしてしまうリスクがあることである。先進国景気が大きく減速すれば、新興市場国経済も年後半から減速局面に入るとみられる。こうした中で国内景気は極めて厳しい状況に晒される。08 暦年の日本の実質成長率は1.0%を達成することすら容易ではない。
■米国投資家の見方(2)/
日本株買いのトリガー=内需好転はビッグ・サプライズ!
大和総研・経済金融調査部シニアエコノミストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru.Kumagai / Senior Economist, Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は昨年12 月17日~21日(営業日数5日間)にNY、ボストン、サンフランシスコなど米国の機関投資家(ミューチュアルファンド、年金基金、ヘッジファンドなど)23 社を訪問した。
12月26日のレポートで、米国の機関投資家とのディスカッションをもとに、外国人投資家の、(1)日本経済の関心事項、(2)日本株への投資スタンス、(3)セクター別の選好状況、(4)日本株への投資姿勢を積極化するトリガー、(5)米国のサブプライム・ローン問題に対する見方等をまとめた。
第2回目は、株式関連の(1)、(4)、(5)についての報告をご紹介しよう――。
ポイント(1):外国人投資家が関心を示した日本経済の論点
今回のミーティングを通じて、外国人投資家が関心を示した日本経済の論点(複数回答)は以下の通りであった。彼らの最大の関心事項は「(1)『デカップリング』論の是非(14社)」であった。投資家の間では、外需関連銘柄(特に、エマージング諸国経済拡大の恩恵を享受できる銘柄)に対する選好が強く、「デカップリング」論が概ね是認されているように感じられた。
さらに、外需関連銘柄への選好が強いこともあり、「(2)為替相場の動向(9社)」にも強い関心が寄せられた。また、「従来の経済環境(デフレ・個人消費の低迷)に変化があるか?」という観点から、「(3)インフレ動向(8社)」や「(4)個人消費の動向(7社)」に対する関心も高かったが、多くの投資家がインフレ率の上昇を見込む一方で、個人消費に関しては依然慎重な見方が優勢であった。
なお、投資家からは、「インフレの昂進が個人消費や株式市場に与える影響」についての質問が散見された。「(5)政治情勢(7社)」に対する関心はまずまずであったが(例えば、防衛省汚職問題等)、「日本株に投資する上では重要ではない」との意見も少なくなかった。他方で、「(6)日銀の金融政策(5社)」については、日銀の利上げ姿勢がトーンダウンしていることもあり、あまり関心が高くないように感じられた。
■北京五輪と株価(1)/
五輪前は株価上昇鈍いが、五輪後は修正から上昇傾向
新年の最大のテーマの1つが北京オリンピック(五輪)だ。
そこで、大和総研・投資戦略部クオンツチーム(吉野貴晶チーフ クオンツアナリスト、橋本純一シニア クオンツアナリスト、松田紀子クオンツアシスタント/Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)では、今回は(1)五輪前後の株式市場の変動と、(2)五輪関連銘柄の動きを調べた。
その1である今回は、(1)の五輪前後の株式市場の変動を調べた。その結果、「夏季五輪期間と、その前後を通じて基本的に株価が上昇トレンドとなっていることが示された」と言う――。
夏季オリンピック前後の日米の株価・・・・・開催日前後の株価は上昇トレンド
株式市場では「夏季五輪の年は株価が高く、冬季五輪は株価が安い」というアノマリーがある。
世界的な景気のサイクルがあるのだ。夏季五輪の年は景気が拡大期にあり冬季五輪の年は後退期となる。夏季五輪の年は米大統領選挙の年でもある。米国は選挙に合わせて、景気を良くさせる政策をとると言われる。だから夏季五輪の年に向けて景気が上昇、株価も高くなる。反対に冬季五輪の年は谷間に当たり景気後退の方向が意識される年になる傾向が高い。日本株もそれに連動する。
▼今日の株価予想/
下値メド=14,450円前後、06年安値14,045円前後
T&Cフィナンシャルリサーチ(代表取締役・吉田恒氏/T&C FINANCIAL RESEARCH, INC.)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
NYダウの年始3日間の下落率は3.5%となり、1904年以来の水準を記録。ナスダックは6日続落となり、シカゴ日経先物も先週末の大証終値に比べて155円安い14505円で終了した。
今日の東京市場は米国の景気後退懸念や円高進行を受けて、国際優良株や外需関連株中心に売り先行から、下値を見極める動きとなりそうだ。週明けで米国株安に対して過剰反応になることも想定されるが、すでに直近3日間で陰線連続3本目となり、値幅も約1000円弱下落していることや、25日線との乖離がマイナス5%を超えてきていることから、売り一巡後は突っ込み警戒感から切り返す動きも想定される。4日の安値を下回り、下値模索の動きとなった場合には、ザラバで長い下ヒゲを引くローソク足となるかどうかがポイント。
1月は特に小型株が堅調に推移する傾向があることから、売り一巡後はバリュエーション面で割安感のある銘柄から、実需の見直し買いが入る可能性が考えられる。
当面の上値メドとしては、一目均衡表の遅行スパンが株価にあたる14900円前後や心理的節目の15000円。下値メドとしては、昨年6月高値から8月安値までの下落幅を、10月の戻り高値からの下げとした14450円前後や、2006年の安値14045円前後となる。それらは2006年に二番底を形成した水準にもなるため、一旦は意識されることが考えられる。
仮にそこを下回った場合、昨年10月の戻り高値から11月安値までの下落幅2819円を、12月の戻り高値からの下げとすると13300円前後となり、その水準は2006年4月高値以降の拡大波動を考える上では重要な下値ポイントとなる。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼ドル円108円台/
問題は、小幅にせよ円安にある程度戻した「あと」
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
誰だっけ?米経済はこれ以上落ちないとか、実体経済に影響はあまり出ていないとか、いろんな事言っていた人たちは? マスコミもいかんのだよ。その時々の状況によってコメントさせるやつをとっかえひっかえで替えるから。今年は良くないんだよ。もともと米経済に今まで影響が表面化しなかったほうがおかしいのだからね。FEDの連中にもそんなのがいたね。
<利回り4%台の株が叩き売られる姿は異様に見える>
それにしても日本株の姿はおぞましいなあ。利回り4%台の株が叩き売られる姿は異様に見える。その裏で、パキスタン、バングラダッシュなどを組み込んだ投信がガンガン売れている。何か変だよ、この国の投資家たちは。政治家たちは討論ばっかりやっているし、何も議案は通らないし、どうしようもない人たちだ。議員の数ばかり多いから烏合の衆。船頭多くして云々。税金なんか上げるなよな。防衛予算5割カット。今の自衛隊は戦争できない軍隊。円相場も今の状態が続くとも思っていない。いずれ小幅にせよ円安にある程度戻す。
だが、問題はそこからだね。根が深そうだ。(1月5日。土曜日。初どようび。)
▼FX投資戦術/
IMM(31日)のポジションが非常に軽くなっている
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は6日、FX相場の見通しについて次のようにコメントした――。
12月31日のIMMのポジションです。
特に大きな変化はありませんが、ポジションが非常に軽くなっていることはわかります。
(12月31日) (12月24日)
円 920 4013
ユーロ 3万6655 3万0641
英ポンド ▲2809 9126
オーストラリアドル 1万8024 1万3540
ニュージーランドドル 1万3965 1万2247
カナダドル 2万2998 1万4723
スイスフラン ▲4619 ▲1万1497
メキシコ・ペソ 5万6290 7万1808
▼今週の債券相場/
外部環境次第では、1.40%割れが視野に入ろう
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
今週の債券相場見通し…10年289回債利回りは1.395~1.495%と予想する
先週末、大発会の債券相場だが、値動きの鈍さは残ったものの、波乱含みと見る市場参加者が多い今年を象徴するかのような堅調相場だった。年末年始の米株安債券高を受けた上、日経平均株価は一時、765 円安。先物3月限は59 銭高を見、10年289 回債利回りは1.460%まで低下した。
以上を踏まえて、今週の10 年289 回債利回りは1.395~1.495%と予想する。外部環境次第では、1.40%割れが視野に入ろう。イールド・カーブは1.40%台前半だとブルでもフラット化が見られる公算が大きい。
本日の想定レンジとコメント…堅調だが、増える市場参加者の動意に注目。高値に痺れるか
大発会に続き、本日も株価睨みの展開が見込まれる。まずは、先週末の米市場を材料に値を上げて始まるのは必至。NY ダウの265.54 ドル安を受け、株価の大幅な下げが続くなら、その後も堅調に推移しよう。注目は上記のように、市場参加者が買い方向で一段と動意づくか。参加者が増えても、相場水準の高さに痺れてしまう懸念がある。カーブは先物周りまでがフラット化、以降はスティープ化と見込む。(AM6:47、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物3月限) : 137 円47 銭~137 円85 銭
▼新年の債券市場/
フレームワークが「質への逃避」⇒「米景気後退リスク」へ
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。
<予想レンジ>
・ 長期金利(#289) 1.400%~1.480%
・ 債券先物(3月限) 137.20円~137.90円
<シナリオ>
長期金利は日米景気の先行き不透明感の強まりを背景に1.40%台で弱含みに推移する。サブプライム問題で暮れ、サブプライム問題で明けた新年の債券市場では、フレームワークが「質への逃避」から「米景気後退リスク」へと変わりつつある。
ポイントは、(1)市場のフレームワークが「質への逃避」から「米景気後退リスク」へ、(2)リスクシナリオ(米景気後退)が意識されるなかでの投資家動向、(3)景況感悪化をよそに解散・総選挙のチキン・ゲームに勤しむ政界、など。
債券先物チャート
3月限の日足は上影陽線・寄り付き坊主で大きく上放れして(マドは136.87円-137.11円)12月20日のザラバ高値:137.14円を超えた。12月4日・5日のザラバ高値(07年最高値、毛抜き天井):137.73円を目指す。
▼週間原油展望/
原油110$で110番=円高の影響で先行き不透明感が漂う
投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)によると、今週の原油相場見通しと4日の海外商品市況は次のとおり――。
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週間高低(カッコ内は日付) 1 月 4 日~ 1 月 4 日
始 値 高 値 安 値 終 値 前週末比
ガソリン 2008/ 7 79,930 80,300( 4) 79,790( 4) 79,950 -130
灯 油 2008/ 7 75,050 75,570( 4) 75,030( 4) 75,200 -380
原 油 2008/ 5 62,680 62,810( 4) 62,400( 4) 62,520 -440
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<原油> 始 値 高 値 安 値 3 日終値 前週末比
NY原油 2 月限 96.05 100.09( 3) 96.05( 2) 99.18 +3.20
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<今週の焦点> 9 日 石油連盟 原油・石油製品供給統計週報
9 日 米石油協会(API)の週間在庫統計
9 日 米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計
※米国の統計は現地の日付
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【前週のレビュー】
原油や製品の期先は為替や海外原油の影響で高止まりが続くが、製品の期近はこのまま需要不振が続くとガソリン・灯油ともに年明け以降に一段と下落する可能性もあるとした。
【NY原油はついに100ドル乗せ】
ニューヨーク原油は、2日にナイジェリアでの治安悪化やドル安の進行の影響で一時100ドルちょうどまで上昇した。翌3日には予想以上の原油在庫の減少で100.09ドルまで上昇して、史上最高値を更新したが、その後は利益確定の売りに押された。
3日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した12月28日までの週間在庫統計で、原油在庫は前週比400万バレル減、ガソリン在庫は同190万バレル増、留出油在庫は同60万バレル減となった。
原油在庫は大方の予想では200万バレル前後の減少と見られていたが、それを大きく上回る減少となったことが、史上最高値の更新につながった。原油の受け渡し場所であるオクラホマ州クッシングの在庫は前週比変わらずとなった。原油在庫は過去5年間の平均値を割り込んでおり、この状況が続くようだと、低水準の在庫が材料視されてニューヨーク原油の高止まりは続く可能性が高い。 (OVN 東京/佐藤昌彦さん:e-profitで毎週金曜配信中)
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ニュース・チェック
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価はサブプライム問題から米国景気への懸念に波及する気配、米国株安、それに伴う原油高・円高からの国内景気への懸念などから軟調な展開がつづく。日経平均 が終値で前日比-147.29円安の14544.12円、またTOPIXも同-15.38安の1396.53、JASADAQ指数は同-0.66安の69.84となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、東証33業種のうち上昇したのは保険業、医薬品、水産・農林業の3業種に止まった。
午前の東京外為市場=為替はややドルが戻すも米国景気懸念などでドル安・円高傾向で推移。ドル円相場は109.00-109.05円前後で推移、ユーロ円は160.59-160.71円前後で推移している。
★カブドットコム証券=私設取引システムの株券電子化踏まえ呼値の刻みの縮小へ
カブドットコム証券株式会社(8703)は、夜間取引市場「kabu.comPTS」にて、取引所外電子取引市場機能を高度化し、小口取引に対応したサービスを拡充する。1月15日(予定)より、小口取引への対応として、注文の呼値の刻みを、同市場独自の刻み値にする。1月15日の夜間取引市場「kabu.comPTS」より、呼値の刻み(呼値幅)は下表のように変更する。これまでの夜間取引市場「kabu.comPTS」では、取引所と同じ呼値幅としており、株価によっては、取引可能な価格帯が大きく固定されていた(たとえば、株価が100万円以上の銘柄では、呼値幅が10,000円)。「同市場での1年以上にわたる安定運用をふまえ、電子取引市場機能の高度化としての同小口化対応とにより、呼値の刻みを細かくした注文が可能となります」と言う。http://kabu.com/company/pressrelease/2008/20080107_1.asp
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
住商情報システム株式会社 (9719)
■1/4 2008年 阿部康行社長年頭の辞
http://www.scs.co.jp/ir/index.htm

