4-6月法人企業統計・徹底検証:円キャリー取引②・今日の株価予想ほか

▼4-6月法人企業統計/
経済政策運営が必要以上に景気刺激的となるリスク


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は4 年ぶりの前年割れとなった4-6月期の法人企業統計調査について、ややアングルを変えて捉えている――。

ポイント:
4-6 月期の法人企業統計は、日本のマクロ統計の信頼性をさらに低下させたとみられる点では憂慮すべき事態を提供したが、景気刺激的な政策運営がなされる可能性を高めたという意味では中小企業に朗報をもたらしたと言えるかもしれない。

<法人企業統計の結果には、違和感を持たざるを得ない>

4-6 月期の法人企業統計調査によれば、設備投資は前年比-4.9%となり、2003 年1-3 月期(-1.7%)以来、実に4 年ぶりの前年割れとなった。季節調整値の前期比ベースでは、-10.2%(除くソフトウェア)と、1985年4-6月期の公表開始以来で最大の落ち込みとなった。英語で言えば、まさに設備投資がクラッシュした格好である。

■徹底検証:円キャリー取引②/
 狭義の円キャリー・トレード
大手ヘッジファンドは先物取引を余り利用しない

クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)による「円キャリー・トレードの現状」第2回の今回は、「狭義の円キャリー・トレード」にスポットを当てる――。

<IMM統計=円のネット・ポジションとドル円の間に高い相関関係あるが・・・>

狭義の円キャリー・トレードとして為替市場で注目度の高いのが、シカゴ商品取引所の円通貨先物である。通称IMM 統計と言われるものであり、このうち非商業分を投機筋のポジションとして見なす場合が多い。ヒストリカルに見ると、IMM 統計の円のネット・ポジションとドル/円の間に比較的高い相関関係があることがうかがわれる。最近では、6月にドル/円レートが123 円台まで円安が進んだ局面では、円のポジションはネット18 万枚(約2 兆3500 億円)のショートと過去最高水準にあった。また、今回の金融市場の混乱では、ショート・ポジションは大幅に縮小し、8 月21 日現在で1516 枚のネット・ロング(約190 億円)と、昨年6 月以来の買い越しに転じている。

▼今日の株価予想/
 16,500円を割り込んだ水準を買う動き目立つ


T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

昨日の米国株式はレーバーデーのため休場である。そのため、本日の東京市場では新たな手掛かり材料に乏しいことから、昨日の動きを引き継いでもみあいからのスタートになりそうだ。それでも、昨日は寄り付き前の外資系証券の注文が、7月20日以来はじめて2日連続の買い越しになっていた。したがって、この流れが続けば、海外投資家からの売り圧力が弱まったと見て、押し目を買う動きが活発化しそうだ。とりわけ、日経平均株価が16500円を割り込んだ水準を買う動きが目立つことから、この節目が次第に下値支持線として意識される可能性があり、その場合はあらためて上値を試す動きになりそうだ。したがって、本日の東京市場は、好業績が期待できる銘柄への押し目買いが下値支えとなり、引き続き底固い値動きになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は、小幅反落。それでも、先週末の高値を一旦は越え、25日移動平均線16495円を2日続けて終値で上回っており、年初来安値15262円(8月17日)からの中期的な上昇トレンドは維持されている。上値のめどとしては、年初来高値18300円(2月26日)~年初来安値までの下落の50%戻しとなる16781円がある。また、これは8月14日安値16747円からのマド埋めであり、ここまで上昇すると8月半ばの急落分をすべて取り戻す形になる。なお、年初来高値-安値の61.8%戻しは17139円だが、これは同時に16504円(8月27日)~15830円(8月29日)の下落の倍返し17178円の水準でもある。

一方、下値では、25日移動平均線が近い16500円水準は心理的な節目でもあり、強い支持線として注目される。ただし、昨日の安値16452円を割り込むと、まずは先週末の後場の安値16386円が支持線となり、次に8月23日、24日、そして28日の高値がある16300円台前半がサポートになる。

話題の銘柄
7747朝日インテック/PTCAガイドワイヤーの世界シェア拡大、中期的高成長を期待

みずほ証券では、「朝日インテックは、心筋梗塞などの虚血性疾患の治療の際に使用されるPTCAガイドワイヤーの国内最大手メーカーであり、品質、技術力などで医師から高い評価を得ている。03年にアボット社と欧米での独占販売代理店契約を締結してからは欧米向売上が急拡大中で、業績を牽引している。経常利益は08年6月期の前期比28.1%増益、09年6月期の22.3%増益予想に続き、中期的にも年率15.7%税調を予想する」、「株価は過去1年間ほぼ調整局面にある。小型株市場全体が軟調であること、米国のDES(ドラッグエリューティングステント)市場の低迷懸念、アボット社向け出荷時期の一時的ずれ込みなどの、いくつかの懸念材料が同社の株価が調整するきっかけになったと考えられる。しかしいずれも同社のファンダメンタルズに影響する要素ではなく、高成長路線が今後も続くと予想する」と指摘。今2008年6月期連結経常利益を会社計画27.73億円(EPS100.1円)に対し28.2億円(EPS101.6円)、来2009年6月期34.5億円(EPS124.3円)、2010年6月期39.0億円(EPS140.1円)と予想。投資判断「2」で新規カバレッジを開始した。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/"

●東証IPO銘柄
■(株)ドトール・日レスホールディングス (3087)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200710/10doutor.html

株式会社ドトール・日レスホールディングスは、グループの持つ経営資源とノウハウを有効活用し、店舗展開力と業態開発力の融合による新たな価値創造を最大限発揮できる体制を確立することで、企業価値・株主価値の最大化を推進し、多様化したお客様の心の奥底にある期待感に応えることのできる「外食業界における日本一のエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立を目指してまいります。
同社ホームページ http://www.dnh.co.jp/ (平成19年10月1日開設予定)
■(株)マツモトキヨシホールディングス (3088)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200710/10matsukiyo.html

当社は、主にドラッグストア事業を展開している株式会社マツモトキヨシが設立する持株会社です。当社は、グループ全体の経営戦略立案、方針決定、とその進捗等管理を行うとともに、積極的な経営革新を行うことにより、グループ全体の企業価値を向上させてまいります。今後も、当社グループは常に顧客視点にたち、高い専門性をもってお客様の健康で美しくありたいというニーズに応え、お客様との信頼関係をより高めてまいります。
同社ホームページ http://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/ (平成19年10月1日開設予定)
■国際航業ホールディングス(株) (9234)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200710/10kokusaih.html

当社は、公共分野の社会基盤整備および民間市場に空間情報や技術コンサルティングを提供することを中核事業とする国際航業(株)からの株式移転により設立された持株会社です。高度な技術ノウハウを駆使し進展するユビキタス社会に応える技術サービス事業、不動産事業など特徴ある事業会社を統括し、あわせて関連事業領域の拡大を目指して、国際航業グループの付加価値を高めるとともに、お客様の信頼に応え豊かな生活基盤づくりに貢献してまいります。 同社ホームページhttp://www.kkc-hd.co.jp/ (開設予定日未定)

▼FX投資パターン変化/
 株安・円高が進む可能性は当面残る、と予想


IMM の円先物(非商業)のポジションが買い持ちに転じた。また、ドル円相場と逆相関に近い動きをしてきた個人の為替証拠金取引の円売りポジションが、順相関に近い動きをし始めた。為替相場のボラティリティは急上昇し、低位にあった05~07 年前半の水準を上回る。

<為替のボラティリティが高く、円キャリーが困難に>

大和総研・経済金融調査部シニアエコノミスト(為替市場担当)の亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、「為替のボラティリティが低ければ内外金利差を利用した円キャリー取引が生きるが、そうもいかなくなっている」と語る。

為替は株価動向と密接に結びついており、株価が今後どのように変化するかが為替にとっても重要だ。株価のボラティリティは、株価が上昇基調にあった03 年4 月以降のレンジを上回り、株価が下落基調にあった00 年後半から03 年3 月にかけてのレンジにある。「株価堅調との期待が薄れ、先行きに対する不安が増している状況がうかがえる」と言う。

▼8月の為替ポジション/ 
FX取引=再び建玉が積み上がり始めたNZドル・円


クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、8 月の為替相場について、「サブプライム問題に始まり、サブプライム問題に終わったといっていいだろう」として、8月のレビューとポジションについて次のような分析を行った――。

7 月下旬の米国株式市場の急落が他の株式市場に伝播するにつれ、リスク削減の動きから高金利通貨を中心に下落していたのだが、8 月に入り、ECB が市場の信用収縮を回避すべく、大量の資金供給を行ったことが、皮肉にも市場の懸念を高めることになり、一層相場の混乱をもたらすことになった。その後、米国、日本ともに、市場を安定化させるため、潤沢な資金供給を行っているものの、信用リスクが高まる可能性の低い日本を除くと、欧米市場では未だに不安定な状況が続いている。

<8月のポジション=FX取引は、急減したのち一進一退の動き>

シカゴIMM 統計によれば、円のネットショート・ポジションは6 月末にピークをつけた後、急速に縮小していたのだが、信用市場ショック後には昨年6 月以来のネット・ロングに転じ、8 月28 日に終わる週には、9846 枚とさらに拡大した。また、CS ポジション・インデックスは、7 月31 日までのデータしか公表されていないが、5月以降、IMM 統計の円ポジションに追随する動きを示していることからすると、8 月中旬以降の急激に円高が進む中、同インデックスも大幅に円のアンダーウェイトが縮小しているか、若干オーバーウェイトとなっている可能性があろう。

▼FX投資戦術/
 個人的には、ユーロ円相場に安定感を感じる


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は3日、為替相場の見通しについて次のようにコメントした――。

為替相場のほうですが、3日はNYが休みなので、穏やかな1日となりそうです。
今週は4日のISM製造業景況指数、7日の米雇用統計あたりが目玉でしょうか。

今週も先週同様、レンジ相場になりそうだと思っているので、
しっかり押し目を買うなり、戻り売りをするなり、作戦をたてて臨みたいところです。
私個人的にはユーロ円に安定感を感じるのですが・・・。

▼今週の債券相場/
 10年債=1.600~1.695%で推移、1.50%台は見ない


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

今週の債券相場見通し…10年286回債利回りは1.600~1.695%と予想する
8月21、22日と10年国債利回りは、昨年3月の量的緩和解除以降の最低水準である1.540%をつけた。ここを当面、下回ることはないと考えている。先週末の31日にも同水準を見ており、ダブルボトム(価格で言えばダブルトップ)をつけたということもあるが、サブプライム問題に米政府が本腰を入れたことを評価している。今週の10年286回債利回りは1.600~1.695%で推移、1.50%台は見ないと予想している。イールド・カーブは基本的に「ベア・フラットorブル・スティープ」だが、目先はスティープ化のリスクありと考える。それでも、20-10年国債複利利回りスプレッドで100bpを超えるようなら、それは一旦の目処と見込む。

▼石油業界ウォッチ/
 過去のピークデータとの比較で分かるSS業界の苦悩


投資情報会社オーバルネクスト(社長・坂元修二氏)発行のメルマガ『朝らく!最速コモディティ情報』(本日号)に掲載された、石油・SS業界アナリスト、垣見裕司氏のプロフェッショナル・コメンタリー(石油)「過去のピークデータとの比較で分かるSS業界の苦悩『価格と数字で見る石油業界』…(71)」をご紹介しよう――。
<原油輸入CIF価格の過去最高=1982年の5万6960円/KL>
先日、財務省から7月の原油輸入CIF価格が69.29ドル/B、円レート122.98円/$、5万3599円/KLと発表された。新聞等では「高値更新」と掲載されたが、これは「昨年の」という注釈をつけるべきだ。では原油輸入価格の過去最高はというと、それは1882年(昭和57年)第二次オイルショック時の11月である。当時、ドル建て価格は33.19ドル/Bに過ぎなかったが、円建ての5万6960円/KLは今でも日本のギネス(最高)価格だ。一方、ドル/Bのピークは81年4月の38.49ドル/Bだが、当時の211.90円/$という円高が効き、円建てでは5万1324円/KLだった。
参考までに、1990年(平成2年)の湾岸戦争時はというと、7月の15.42ドル/Bが11月に34.16ドル/Bまで上昇したが、為替が128.31円/$と円高だったので、今から思えばまだ安価な2万7574円/KLというレベルにとどまっていた。では先の第二次オイルショック当時の末端価格はいくらだったのであろうか。当時は「石油情報センターの調査価格」はまだなかった。総理府統計局が出している物価版という指標もあるが、昭和55年を100とした指数で表しているので、今一つ絶対価格が分かりにくい。(以下略)
(注)その道のプロならではの視点でe-profitに毎日執筆中。
情報提供:株式会社オーバルネクスト: http://www.ovalnext.co.jp/
メールマガジン登録: http://www.mag2.com/m/0000049479.html

ニュース・チェック

★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価はNYダウが120ドル近い上げとなったが、東京は下落。日経平均 が終値で前日比-70.15円安の16454.78円、またTOPIXも同-3.38安の1602.06、JASADAQ指数は同-0.27安の73.86となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、ゴム製品、情報・通信業、繊維製品などが上位を占めた。
午前の東京外為市場=為替は、ドル円相場は115.86-115.91円前後で推移、ユーロ円は157.75-157.86円前後で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

カブドットコム証券株式会社(8703)
■南アフリカ・中東投資ファンドやアジア株式ファンドなど投資信託4ファンド8本追加
~ ノーロード67ファンド110本含む全155ファンド238本に。「秋の投資信託キャンペーン」実施 ~
http://kabu.com/company/pressrelease/2007/20070903.asp

松下電器産業株式会社(6752)
□大型映像表示装置「アストロビジョン/AZ-LE12Fシリーズ」発売開始
http://ccml.panasonic.co.jp/r/c.do?1lQ_2DF_48_kqp

ソニー株式会社(6758)
■パーソナルコンピューター“VAIO” 6シリーズ 計34モデル 発売
カラーコーディネートが楽しめるプライベートノート 4色の新『type C』登場
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200709/07-0903C/

株式会社デンソー(6902)
■デンソー、「CSRレポート2007」を発行
デンソーは、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任) の 考え方や取り組みをまとめた「CSRレポート2007」を発行しました。 http://www.denso.co.jp/ja/newsreleases/070903-01.html