IT循環と長期金利・日銀・早期利上げ・経済指標を読むほか

■IT循環と長期金利/
 利上げに慎重な金融政策⇒国内企業の二極化を加速


三菱UFJ証券リサーチ本部チ-フエコノミストの水野和夫さん(Kazuo Mizuno/Chief Economist, Mitsubishi Securities Co., Ltd.)はこのほど、IT循環と長期金利の関係について分析し、日銀による利上げタイミングや円キャリートレードとの関連性についても言及した――。

<世界共通現象「IT循環」の代表例が長期金利>

IT 循環が90 年代後半から現出して10 年たった。
IT 循環は世界共通現象であるから、IT 循環に起因する経済現象は普遍性を有する。その代表例が長期金利である。IT 循環において世界の長期金利は次の三つの特徴的な動きをする。    

(1)IT循環が下降期から上昇期に変わる時、すなわち、「谷」をつけた直後に長期金利は過剰反応する。いわばE・ハイマンが米国で従来型の景気循環において名付けた”hiccup”(しゃっくり)現象が、「超」短期循環であるIT 循環で、しかもグローバルに見られる。
(2) “hiccup”現象が収まると、長期金利はIT循環の上昇期に“hiccup”現象でつけた水準よりもかなり低いレンジで安定する。金利水準は当該国の潜在成長率と概ね等しい水準に落ち着くのである。過剰に反応したと判断できるのは、“hiccup”現象のさいに、その落ち着いた金利水準に2~3 倍の標準偏差を加えた水準まで上がるからである。
(3)IT循環の「山」前後で再び金利は“hiccup”現象で記録した金利水準前後まで急騰するのである。

■日銀・早期利上げ/
 将来の不確実性に備え、機動的に利上げすべき


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は28日、日銀がかなり厳格なインフレ目標型の政策運営を行った場合、追加利上げのタイミングは年明けの1月であるとした上で、次のような見解を示した――。

ポイント:
日銀は、インフレ期待の上昇による米国長期金利の上昇が米国景気をハードランディングさせるリスクを恐れている。しかし、そうしたリスクが明確に消えることはないだろう。今、日銀に求められていることは、リスクを見極めることに時間を浪費するのではなく、将来の不確実性に備える意味からも、機動的に政策金利を引き上げておくことであろう。

▼経済指標を読む/
 5月鉱工業生産=全体の評価はそれほど悪くない


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は28日、経済産業省が発表した5月の鉱工業生産について次のようにコメントした――。

(1) 5月の生産は前月比0.4%減と、事前予想を下回った
(2) しかし、出荷は2ヶ月連続増加、在庫は緩やかな減少傾向にあり、在庫調整局面が終了すると
予想される年央以降は、生産は回復に向かうとの見通しに変わりはない
(3) ハイテク・セクターの在庫調整は遅れ気味であり、一段の生産調整の可能性が高い

<6月の生産は、再び下振れする可能性は十分ある>

経済産業省が発表した生産統計によると、5 月の鉱工業生産は前月比0.4%減少し、事前予想(当社:同0.8%増、コンセンサス:同0.7%増)を下回った。これで3ヶ月連続のマイナスとなり、経済産業省では、生産判断を先月の「緩やかな上昇傾向にある」から「横ばい傾向で推移している」と下方修正した。今回の数字は、ネガティブ・サプライズとなったものの、全体の評価としてはそれほど悪いとは判断していない。

【Washington Political Report】(有料)特約 (June 16 - 22, 2007)
危険なパレスチナへの肩入れ

パレスチナのガザ地区が過激派ハマスの支配するところとなり、ウェストバンクのアバス大統領はハマスの閣僚を含んだ統一内閣を直ちに解散、ハマスを抜いた新しい内閣を形成しました。この混乱に当たって、ブッシュ政権と欧州連合はただちにアバス大統領と新内閣を支持、止めていたパレスチナへの援助を再開することを決定しました。ライス国務長官は、「アバス政権がハマス抜きになったことは、パレスチナとの関係を改善するための、むしろ絶好の機会となる」と述べて、今度の事態がむしろプラスになるという言い換え(スピン)をしました。

たまたまワシントンを訪れてブッシュ大統領と会談したイスラエルのオルマート首相も同じようにアバス政権を支持し、アバス政権との和平努力に力を注ぐことを約束しました。

しかし、ハマスに支配されたガザ地区を置き去りにしたウェストバンクのアバス政権だけへの肩入れが正しい選択であるかどうかはわかりません。ガザには150万人のパレスチナ人が取り残されています。アバス政権はハマスに対抗するファターに支えられていますが、このファターもハマスと似たり寄ったりの過激派集団であり、米国と欧州の選択は、一方の過激派集団に対抗して他方の過激派集団に組したに過ぎない面もあります。そのファターに軍事訓練も含めた支援をすることが果たして賢明な選択なのかどうか。見方によっては、米国はパレスチナ問題でもイラクと同じような泥沼に引き込まれる危険があると言わねばなりません。

▼今日の株価予想/
 18,008円からのマド埋め⇒新短期上昇トレンド形成


T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

昨日の米国株式はまちまちだった。もみ合いが続いたが、FOMCの声明文が明らかになると、その解釈をめぐって相場は大きく上下した。声明文では緩やかな経済成長が続くとする一方、最大の関心事はインフレであると言及。ただ、コア・インフレへの警戒は和らいでいた。結局、NYダウは小幅反落する一方、ナスダックは小幅続伸となっている。またシカゴ市場の日経先物は18000円台を回復する場面があった。

これを受けて、本日の東京市場は様子見気分の強いスタートになりそうだ。
注目されるFOMCの発表を受けた米国株式の反応はまちまちだったことから、東京市場での材料にはなりにくい。また、来週初に迫った日銀短観を見極めたいとする向きは多いことから、日経平均株価の18000円を意識した戻り売りと、好業績の個別銘柄への押し目買いにはさまれてレンジを形成する動きになろう。さらに、週末であり月末であることも手控え気分を強める。そのため、本日の東京市場はもみあいになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は5日ぶりに反発。17960円~17893円と上下70円弱の狭いレンジでの取引だった。また、前日のザラバの範囲内に含まれ、はらみ足となった。そのため、6月20日高値18297円からの短期下落トレンドには変化はない。昨日の安値を下回ると一昨日の安値17848円が最初の下値の節目。なお、マド埋めのポイントとなる13日高値17781円は注目される下値のめどである。一方、昨日の高値である17960円を上回ると、18000円の大台乗せにトライする可能性が強い。そして、26日の安値18008円からのマドを埋めると、27日の安値17848円が目先では底値になり、新たな短期上昇トレンドを形成することになりそうだ。

話題の銘柄
7262ダイハツ工業/今期営業利益計画は10%以上、上振れる可能性高い

ゴールドマンでは、「(1)今期営業利益計画は10%以上上振れる可能性が高い。当社予想はIFISコンセンサス予想を7%上回る営業利益554億円。アジア通貨高に加え、海外事業の収益環境が好転している。(2)09年3月期に向けマレーシア、インドネシアで各々20万台生産体制を構築、合計200億円(全体収益の3分の1程度)創出が可能に。(3)設備投資は08年3月期でピークアウトし、09年3月期営業利益は10.1%増益とカバレッジ内でも高い利益成長が見込まれる」と指摘。今2008年3月期連結営業利益を会社計画485億円(EPS56.2円)に対し従来予想540億円(EPS65.4円)から554億円(EPS67.7円)へ、来2009年3月期同590億円(EPS76.6円)から610億円(EPS79.7円)へ、2010年3月期同609億円(EPS77.8円)から649億円(EPS84.1円)へ上方修正。「株価はコンセンサスを上回る利益を織り込んでいくと考える。今期当社予想EV/EBITDAは4.4倍と同カバレッジ平均5.9倍、ヒストリカル・レンジ4~6倍で見ても割安」と指摘。投資判断を「中立」から「買い」へ、目標株価を従来の1200円から1250円へそれぞれ引き上げた。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

●東証IPO銘柄
■株式会社フルスピード (2159)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200708/8fullspeed.html

当社は、広いくくりではインターネット広告関連の会社です。SEO、アフィリエイト広告等、インターネット広告の中でも特に費用対効果に優れたサービスを自社独自サービスとして提供していることが特長です。さらに、Web制作からSEM、アクセス解析までWebマーケティングのあらゆるステージにおけるお客様のパートナーとして、通常のインターネット広告代理店とは異なった独自の提案を行っています。また、自社メディア、CGM、提携媒体ネットワークを生かしたインターネットメディア事業や、金庫、物置、ペット用品等を販売するEC事業も行っており、今後もインターネットの領域で積極的に事業を拡大していく予定です。
会社ホームページ http://www.fullspeed.co.jp/

▼FX相場予想/
 欧州通貨=前週と同じでフライデーは動くと思う


AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

おふざけの123円を挟んだ展開。
右往左往したNYもこの日は静か。朝方、東京で殴りこみかけていたからね。彼らの売買指標のダウは動かないから仕掛けられない?この後、FOMCがあるからもうひと悶着かね。

オージーは私が買いに回るとガンガン売りに来て、私が利食いをするとその後、強さを誇ると言ういやらしい性格があることを発見。欧州通貨は前週と同じでフライデーは動くと思うよ。週一回しか働かない変な奴ら。(6月29日。金曜日。東京だけ雨が降らない予想の日。)

▼FX投資戦術/
 チャート的に面白そうな通貨ペア=ドル・カナダ


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は28日、ドル・カナダ投資について次のようにコメントした――。

途中ひやひやする局面もありましたが、今のところうまく円安が進んでくれています。
実は円相場とは別に28日、チャート的には面白そうな通貨ペアがあります。ドル・カナダです。ここ最近、原油価格が高止まりしていたのですが、カナダドルはなかなか強くなりませんでした。ちょっと買いポジションが溜まりすぎていたのでしょう。28日、ひょっとすると最近作ってきた、緩やかな上昇トレンドを下に抜くかもしれません。そろそろポジション調整が終わって、次のトレンドが出て始めてもいいころなので、楽しみにしておきたいと思います。

▼今日の長期金利/
 チャート=6月中旬からの反発局面が終了した?


三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#286)1.905%~1.935%
・ 債券先物(9月限) 131.40円~131.65円

<シナリオ>
長期金利は、FRBのインフレ警戒姿勢の維持と米債安を受けて強含みにもみ合う。朝方、発表されるコア消費者物価指数が前年比ゼロ%に市場予想(同▲0.1%)を上回ると、上振れする。週明け2日発表の日銀短観(を受けた「7月利上げ」観測の再浮上)、3日の10年利付国債入札に対する警戒感もくすぶる。

▼債券相場見通し/
 足元の弱気相場=米長期金利の急騰で大半は説明可


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント …基本的には続落だが、予見難しく、需給次第の出たとこ勝負
本日発表の指標は5月全国消費者物価指数・除く生鮮食品前年比0.1%減、5月完全失業率3.9%、5月家計調査・実質消費支出前年比0.6%増が予想の中心(ブルームバーグ)。しかし、昨日の鉱工業生産に反応しなかった地合いに加え、来週初に短観も控える。また、米債は弱含み。したがって、基本的には相場続落が見込まれる。しかし、昨日同様に、予見が難しく、需給次第の出たとこ勝負の感が強い。
本日の想定レンジ(長国先物9月限) : 131円34銭 ~ 131円63銭

シナリオ・ライティング(4)
とにかく、世界的金余りである。
そのかなりの部分はディスインフレに起因するマネーと見られ、性格付けをするなら、「臆病」となろう。したがって、それは各国債券市場の中だけをぐるぐる巡り(一部はリスクテイクに向かい、例えば、株高を演出する)、結果、世界の長期金利の連動性が高まる(特に日米長期金利のそれに関しては、円債市場で先物中心に海外勢の売買比率が高まっていることも影響していよう)。足元の弱気相場も米長期金利の急騰でほとんど説明ができる(図表1)。そして、世界の長期金利の「カップリング」がメイン・シナリオである限り、今後、欧米長期金利が上昇を続けると日本もそれに連れ高となる。

ニュース・チェック

★ニュース・ヘッドライン=原油価格が一時70ドル台に上昇
28日のNY原油相場は、WTIが一時70.52ドルと、10ヶ月ぶりの高値を付けた。ガソリン在庫が予想に反して減
少したことがきっかけになった。こうした背景もあって、NYダウは5.45ドルの下落となった。しかし、東京株式市場
では10:40現在、160円を超える上昇となり、日経平均は18,000円台を回復している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

松下電器産業株式会社(6752)
□テキスト・画像・音声データを位置情報と統合管理、
マルチに配信するPOI情報ダウンロードサービスを開始
http://ccml.panasonic.co.jp/r/c.do?17l_2DF_3C_kqp
□組織変更・人事異動について(6月27日)
http://ccml.panasonic.co.jp/r/c.do?17m_2DF_3C_kqp

株式会社サイバーエージェント(4751)
■2007年5月業績速報の開示について
http://ir.cyberagent.co.jp/financial/monthly/index.html