▼日銀・金融政策/
金利正常化へ向けて、日銀はフリーハンド確保
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は6日、「日銀は金利正常化に向けて、フリーハンドを確保したようだ。米国の利下げが当面なくなったことに加え、機械受注統計を機に一頃高まった設備投資減少懸念が後退したことが大きい」として次のように語った――。
<米設備投資への減少懸念が後退したことが大きい>
前回の機械受注統計では、3 月が予想外の減少となったことに加え、4-6 月の予想値が前期比11.8%もの大幅減少となったことから、景気の先行き不安が高まり、日銀の早期利上げは無い,との見方が広がった。しかし、こうした不安も、先の鉱工業生産と法人企業統計が払拭した形になる。
▼1-3月期GDP2次速報値/
前期比年率2.4%増⇒同3.1%増に上方修正へ
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は6日、2007年1-3月期GDP2 次速報値のプレビューを示した――。
(1) 1-3 月期のGDP2 次速報値では、民間企業設備投資は1%ポイント上方修正されよう
(2) 実質GDP 全体では、前期比年率2.4%増から同3.1%増へ上方修正される見通し
(3) 2006 年度の実質GDP 成長率は2.1%増と、10 年ぶりに2 年連続2%台の伸びを達成
<主な修正要因は、民間企業設備投資>
今週月曜日に発表された1-3 月期の法人企業統計の結果を受け、当社は1-3 月期の実質GDP 成長率を見直した。主な修正要因は、民間企業設備投資である。
法人企業統計によると、1-3月期の企業設備投資(ソフトウェアを除く)は、季節調整済み前期比2.8%増と5 期連続増加した。前年比では14.2%増と10-12 月期の同17.6%増から鈍化したものの、
2 ケタ台の高い伸び率を示した。また、第3 次産業活動指数では、1-3月期の受注ソフトウェアが前期比、前年比ともに減少していたのだが、当社の試算では、法人企業ベースでのソフトウェア投資はいずれも増加し、設備投資額全体を押し上げたとみられる。
▼今日の株価予想/
出遅れ感強い東京市場への影響=なお限定的
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
昨日の米国株式は大幅続落となった。前日バーナンキFRB議長がインフレへの警戒感を表明したことに続き、この日は単位労働費用が予想以上に上昇したことを受けて金利上昇への懸念が強まった。そのため、株式市場全般で利益の確定売りが見られ、NYダウは2日間では2月下旬以来となる下げ幅となった。また、シカゴ市場の日経先物は17800円を下回っている。
これを受けて本日の東京市場は売りが先行しそうだ。
昨日は、米国株式の下落にも下げ渋ったものの、金利の上昇という新たな材料を織り込みながら欧州・米国と連鎖した株価の下げに、さすがに利益の確定売り圧力が強まりそうだ。また、本日は6月限の先物・オプションの取引最終日だが、乗り換えは進んでいるものの一部の大手業者の動きが見極めきれない点で、明日のSQへの不透明感も残る。とはいえ、先行して下げた中国株式は一旦底入れの様相があることや、また米国株式もNYダウやS&P500が連日史上最高値を更新したあとの下落であり、出遅れ感の強い東京市場への影響はなお限定的だろう。そのため、本日の東京市場は利益の確定売りをこなしながら、下値を探る展開になりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は5日ぶりに反落。それでも、上値を18073.05円まで伸ばして今週の高値を更新し、年初来安値16532円(3月5日)からの上昇トレンドは維持されている。ただ、2月27日の安値18073.22円からのマド埋めにはわずかだが届かなかった。次にこのマドを明確に埋めると上昇基調があらためて強まろう。その場合、6月4日高値18071円~5日の安値17950円までの下落の倍返しとなる18190円が目標値になる。さらに中期での目標値としては、5月10日高値17827円~5月18日安値17320円までの下落の倍返しとなる18334円がある。これはまさに年初来高値の18300円(2月26日)の水準である。
一方、下値は心理的な節目の18000円が最初の支持線。これを下回ると、6月1日の安値17943円が次の下値サポートになる。ただし、これも割り込むと、5月31日高値17875円からのマド埋めに向かう可能性が高い。そして、5月の保ち合い相場の上値抵抗線であった17800円水準が、今度は強い下値支持線になろう。
話題の銘柄
4063信越化学工業/300mmウェハ伸長で、今・来期の連続2桁営業増益を予想
ドイツ証券では、同社について、◇300mmウェハを中心とした高い成長性、◇新製品の芽生え、◇株主還元策の転換、――といった点を評価し、セクタートップピックとして推奨している。同社の経営戦略も高く評価。半導体シリコン、塩ビ樹脂、合成石英、シリコーン樹脂といったコア事業の協奏により、営業利益で13期連続増益、経常利益で8期連続増益という目覚しい業績拡大が続いている点に言及した。業績の大幅拡大時に減価償却費を加速度的に消却するといった手法で、景気のスローダウン時に償却費が減少するといった備えも磐石。半導体シリコンの減価償却の耐用年数は、競合他社の7年に対し3年と競争力の差は歴然としていると指摘した。新規事業の半導体フォトマスクブランクスやLEDパッケージ材料(シリコーン樹脂)なども中期ポテンシャルに期待できる見込み。フォトマスクで30%のシェアを持つ凸版印刷と共同開発をすることで、シェア拡大の可能性は大きいとみている。
今08年3月期は、300mmウェハの出荷量が50%増になると予想。直江津工場セルロース事業の爆発事故の影響(100億円程度)はあるものの、営業利益で23.6%増を予想する。半導体の微細化進展を背景に、半導体デバイス企業の歩留まり低下などから今後も高い成長が期待できるとして、来09年3月期についても2桁利益成長を見込む。こうした状況を勘案し、今後の業績予想を見直し。営業利益ベースで、今08年3月期を、会社計画の2670億円に対し、2760億円→2980億円(EPS 445.9円)、来09年3月期を3050億円→3340億円(EPS 501.6円)と大幅に上方修正。なお、為替想定は115円/ドル(会社予想は110円/ドル)だが、現行の120円/ドルが続いた際は今期営業利益が3000億円を突破するだろうと言及した。投資判断は「Buy」を継続、目標株価を9500円→11500円(来期・PER23倍)へと引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼FX相場予想/
「彼らの予想」的中なら、円キャリー終焉の狼煙??
AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
オージーにはびっくりした。
旱魃だ、世も終わりだなんて言われているのに絶好調のGDP。102円台でもオージービーフを食べるのはアホや。カナダドルの話しが出ていたのだが、60円だったカナダ豚が80円なんだそうだ。和豚は90円らしい。それでもカナダの豚を買うかね?これだけの激しい円安でも物価が上がらないなら、何か統計がおかしいんだよ。
ところで、モルガンスタンレーの株式の推奨が話題になっていたね。あれは、日本株も含んだものかどうかわからないな。日本株だけバブルとは縁遠いからね。彼らの予想が的中するならば、それが円キャリーの終焉の狼煙になるのかもね。(6月7日。木曜日。いつ梅雨と思う日。)
▼FX市場ウォッチ/
ユーロ円=またまた、「アノマリー」は有効だった
元為替ディーラーで、『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は6日、為替相場について、概ね次のようにコメントした――。
ドル円相場
6月5日の東京市場、ロンドン市場朝方のドル/円(USD/JPY)は、121円台後半程度での揉み合いが続いた。引き続き、ドル/円(USD/JPY)自体には、主体性がない。
つまり、ユーロ/ドル(EUR/USD)の影響を受けて、「ユーロ買いドル売り」が進むと、つれて「ドル売り円買い」気味に動き、そして、「円キャリー・トレード」の影響から、「円売りプレッシャー」を受けて、「ドル買い円売り」の動きが出る、といった状況。だから、ドル/円(USD/JPY)自体には、主体性がない。
ニューヨーク市場の時間帯になって、南アで行われている国際通貨会議の情報が流れた。
バーナンキFRB議長は、米国住宅市場の調整に関するコメントや、米国経常赤字に関する懸念に言及した。それを材料にドル売りとなり、ドル/円(USD/JPY)は、[121.10-15]レベルに急落した。
その後、発表された、米国ISM非製造業景況指数(5月)が、予想より良かったことから、急激なドル買い戻しとなり、ドル/円(USD/JPY)は、[121.70-75]レベルまで急騰。
しかし、米国株式市場が下落したことを材料に、再び、ドル/円(USD/JPY)は、[121.20-25]レベルに急落。121円台前半で、昨日(6月5日)のニューヨーク・クローズ。
6月6日の東京市場は、概して、[121.25-45]程度の、121円台前半での小動き。
引き続き、ドル/円(USD/JPY)自体には、主体性がない。
ユーロ円相場
6月5日のコメントで、ユーロ/円(EUR/JPY)が、最高値を更新したときに、大量の「ユーロ売り円買い」を仕掛ける市場参加者が存在していることに言及した。
5日の激しい上下動では、その検証は難しいが、上述の市場参加者は、毎度おなじみの行動をとったのだろう、と考えている。言い換えれば、またまた、「アノマリー」は有効であった、と言える。
6月6日の東京市場のユーロ/円(EUR/JPY)は、164円台前半で、動かず。
東京市場の夕方になって、ロンドン勢が参加してくる時間帯になると、調整の「ユーロ売り円買い」といった雰囲気。163円台後半に下落気味に推移している。
▼豪ドル予想/
再び、オーストラリアドルは上昇ムードに入った
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は6日、豪ドル相場の見通しについて次のようにコメントした――。
6日オーストラリアのGDPが発表になりました。
結論からいうと非常に強い!
これで、再びオーストラリアドルは上昇ムードに入ったと考えておきたいと思います。
添付のグラブは豪州の2000年からのGDP推移です。急回復してきているのがわかると思います。
▼今日の債券相場/
米株安・債券高⇒結果的に1.85%近辺がサポートに?
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント …反発。カーブ上は先物周りの戻りが大きそう
昨日の米市場は株安・債券高。やっと、一旦の反発が見込まれる。結果的に、1.85%近辺がサポートとなりそうだ。それでも、戻りはまだ鈍く、一昨日のように、中期債などのまとまった現物売りで相場がシュリンクする懸念を抱えた状況は変わらないと考える。なお、物価連動国債入札は問題ないだろう。イールド・カーブはフラット化が基調だが、本日は先物周りの戻りが大きいと見込む。
本日の想定レンジ(長国先物6月限) : 132円52銭 ~ 132円79銭
目先の相場見通し・・・米長期金利上昇は早期に転機がくると考える
好需給への期待も外部環境がこれだけ悪化すれば脆い。
足元の長期金利上昇は米国のそれだけで十分説明が可能である。そして、期待インフレ率が比較的安定したままでの米長期金利上昇は早期に転機がくると考える。逆に言えば、それが訪れないと円債も強気相場は復活しにくい。
一方、10 年国債利回りの1.85%や1.90%は目処と考える。日銀の早期、連続利上げ観測の強まりを伴うイールド・カーブのフラット化がトレンドになっていると見られるため、2年や5年で目処を示すのはリスキーだ。それでも、5年の1.50%にはその期待がある。10 年の1.90%も5年の1.50%も9月末までの筆者の予想上限である。
ニュース・チェック
★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価はNYダウが130程度と大幅に下落したことを受けて、東京市場も下落。日経平均 が終値で前日比-141.86円安の17899.07円、またTOPIXも同-11.76安の1766.74、JASADAQ指数は同-0.56安の80.65となった。業種別株価指数の騰落率ランキングでは、上昇したのは33業種中、鉱業と小売業の2業種のみだった。
午前の東京外為市場=為替は、バーナンキ米FRB議長がインフレへの警戒感を表明したこと、単位労働コストが予想以上に上昇し金利上昇への懸念が強まったが、ドル円はむしろ下落。ドル円相場は120.98-121.03円前後で推移、ユーロ円は163.27-163.38円前後で推移している。
★日興AM=「アジアの財産3分法ファンド」を6月29日に設定、運用を開始
日興アセットマネジメント株式会社(取締役会長兼CEO:ティモシー・マッカーシー氏)は、追加型証券投資信託「アジアの財産3 分法ファンド」を6 月29日に設定、運用を開始する。募集は6 月11 日より群馬銀行、東洋証券にて行う。このたび、財産3 分法ファンドの商品ラインナップを拡充し、日興AM が培ってきましたアジア市場における資産運用の実績を活かした「アジアの財産3 分法ファンド」を提供します。当ファンドは、アジアの国や地域の株式に40%、不動産に10%、債券に50%という比率で分散投資を行う。さらに株式部分については、中国経済圏、インド、および東南アジア諸国連合(アセアン)という3 地域に分類し、それぞれの地域に特化したチームが運用を担当。また、定期的に収益を受け取りたい投資家向けに、インカム収益などを原資として奇数月に安定した分配を、1 月と7 月には組入資産の値上がり益などを原資としてボーナス分配を行うことを目指す。当ファンドは、「アジア地域の著しい経済成長からの収益を期待する投資家の皆様のニーズにお応えし、開発されました」と言う。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
松下電器産業株式会社(6752)
□「手づくりLet'snote工房 2007」を開催
http://ccml.panasonic.co.jp/r/c.do?12z_2DF_3o_kqp
□「子ども見守りシステム」実証実験の結果について
http://ccml.panasonic.co.jp/r/c.do?12A_2DF_3o_kqp
日本電気株式会社(6701)
■6月6日 第169期定時株主総会のお知らせ
http://www.nec.co.jp/ir/ja/index.html

