激動する外為市場・06-07企業業績見通し・今日の株価予想ほか

■激動する外為市場/
 円キャリー巻き戻し⇒世界の株売りへ「小噴火」

東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は、先週来の急激な円高に関して、「いわゆる円キャリー(円借り)取引のマグマが小噴火した」と捉え、次のような見方を示した――。

<世界同時株安=本当の発端はヘッジ・ファンド等>

このところの世界同時株安は、中国上海市場での株価急落がきっかけのように見える。
しかし、実際にはグリーンスパン前FRB議長の「米国景気は年内にも景気後退に入る可能性」発言を契機に、ヘッジ・ファンドなどが、世界に張り巡らされていた円キャリー取引を一斉に巻き戻したことにより、世界の株売りとなったことが大きい。

これは以下の事実と照らして見るとわかりやすい。
まず、投機筋の動きを見ると、2 月21 日の利上げに先立って、その直前20 日の段階で、シカゴIMMの円先物の「売り超し」が縮小していた。その前の週に16 万枚を超す売り超しにあったところから、利上げ前日には既に11 万枚あまりに整理されていたことになる。海外資本の間には「2 月利上げ」の見方が広がっていたことの反映でもある。

【Washington Political Report】(有料)特約 (February 24 - March 2, 2007)
外国投資審査委員会改革・監視強化法案の下院通過

デユバイ・ポーツ・ワールド社が米国6大港港湾荷揚げ会社を買収したこと(買収した英国のP&O社の一部として買収)は丁度1年前ワシントンで大きな政治問題となり、ブッシュ大統領の首席補佐官アンドリュー・カードはそれを最後にホワイトハウスを去ることにもなりました。この問題は同買収を審査し認可した外国投資審査委員会(Committee on Foreign Investment in the U.S.=CFIUS)の問題となり、議会上下両院は昨年、同委員会を改革し、外国政府の米国企業買収が国家安全保障に係わる場合にはその審査を強化する法案を可決しました。上院案と下院案では委員会構成や委員会権限、議会の役割などで大きな開きがあり、昨年は結局調整一本化に成功せず廃案となりました。

今週水曜(2月28日)下院本会議はこの法案を再度取り上げ、昨年の法案に準ずる外国投資審査強化法案(H.R.556)を423対0票の全会一致で可決しました。a)外国の米国企業買収はすべて外国投資審査委員会の30日間の標準審査を受ける、b)米国の安全保障に係わると見なされる買収、外国政府ないし公社による買収は45日間の追加審査を受ける、c)国家情報局長に安全保障上の危険を指摘する権限を与える、c)外国投資審査委員会構成は財務長官を委員長、本土安全保障長官を副委員長とし、商務、国防、国務、司法、エネルギー各長官、経済諮問評議会長、通商代表、予算管理局長などをメンバーとする、などが柱となっています。(以下略)

▼06-07企業業績見通し/
  売上、経常利益とも全年度で前回から増額修正

大和総研(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)はこのほど、大和総研では企業業績見通しを改訂した(注1)。東証1 部上場の主要300 社(注2)(ただし金融は除く。以下、DIR300)を対象にアナリストの予想を集計(注3)した結果、売上高は2006 年度8.5%増収、2007年度3.2%増収、2008 年度2.8%増収予想となった。また経常利益は、2006 年度9.4%増益、2007年度8.4%増益、2008 年度9.7%増益の予想であり、2008年度まで7期連続増益を見込む。

前回予想(2006 年12 月)からは売上、経常利益ともに小幅ながらも2006~2008 年度のすべて増額修正となった。また経常利益に関して、①2006 年度は大幅な増収効果、2007 年度以降は増収効果と限界マージン等の改善が主たる増益要因となること、②売上高経常利益率は2008 年度まで上昇が継続すること、は前回予想から変化していない。世界経済の安定成長に呼応するように企業業績は極めて安定的な推移が見込まれる。

2006年度=8.5%増収、9.1%営業増益、9.4%経常増益の予想
2006 年度は、8.5%増収、9.1%営業増益、9.4%経常増益の予想。経常利益は5期連続の増益を達
成するとともに、過去最高益を更新する。売上高は外需を牽引役に96 年度(8.7%増収)以来の高い伸びとなる。増収効果が固定費の増加、限界マージン低下といった減益要因を上回る。電機、精密、総合商社の増益寄与が大きく、2005年度の資源・素材関連から加工組立に主役がシフトする。前回予想比では、増収率が7.9%から8.5%へと0.6%ポイント、経常増益率が9.2%から9.4%へと0.2%ポイントの上方修正。利益段階におけるノンバンクの減額修正の影響から営業増益率は9.3%から9.1%へとわずかながら下方修正となった。実額ではそれぞれ0.5%の増額修正、0.2%の減額修正、0.2%の増額修正である。経常利益を前回予想と比較すると、16 業種が増額修正(前回19)、11 業種が減額修正(同8)。

▼今日の株価予想/
 週末SQ絡みの売り見極めながら、戻りを試す動き

T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

昨日の米国株式も大きく反発した。住宅統計など景気の先行きに不透明感をもたらす材料はあったものの、アジアや欧州の株式が大きく反発したことやドルが上昇したことが好感されて、株式市場には買戻しが殺到した。また、シカゴ市場の日経先物は、16900円台を回復している。

これを受けて、本日の東京市場も買いが先行しそうだ。昨日から始まった大幅反発の流れは、米国株式の上昇を受けて本日にも引き継がれる。また、米国株式でハイテク株の上昇が目立ったことも、東京市場でのこのセクターの買いをうながしそうだ。ただ、週末に先物・オプションのSQを控えていることもあり、これにからんだポジションの整理売りへの思惑が残る。そのため、本日はこの売りを見極めながら戻りを試す動きになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は、6日ぶりに反発。寄り付きから上昇し、その後も下値を確かめながら戻りを試す動きが続いた。一昨日割り込んだ1月の安値16758円を上回り、16882円まで上値を伸ばしている。直近の上値の節目は、100日移動平均線の16901円。このラインは昨年8月半ば以降おおむね下値支持線となってきただけに、早期にこの上の水準を回復できるのかが注目される。また、5日の高値16992円を上回ると、5日の安値16532円が当面の底値となる可能性が高い。その場合、2日の安値17160円から形成されたマドを埋める動きも期待できる。一方、下値は16800円が最初の支持線。そして、昨日の安値16649円が下値の大きな節目となる。これを割り込むと、あらためて今週の安値にトライする可能性が強い。なお、長期で見れば、日経平均株価は昨年の安値14045円(6月14日)を底値とした上昇トレンドを形成している。この底値と11月27日安値15615円を結んで延長したラインが現在16500円水準にあるが、先週からの急落でもこれは割り込まず、長期の上昇トレンドはなお維持されている。

話題の銘柄
日本板硝子(5202)/欧州ガラス市場は活況が続く見通し、目標株価660円

モルガンスタンレーでは、同社の業績予想を上方修正した。営業利益ベースで、今07年3月期は会社計画460億円に対し、382億円(EPS32.2円)→448.1億円(EPS39.0円)、来08年3月期は440億円(EPS42.5円)→514.2億円(EPS47.6円)、09年3月期は486億円(EPS49.0円)→569.5億円(EPS57.5円)に増額修正。欧州ガラス市場の価格上昇を若干織込み、為替レートを従来の1ポンド=220 円→1ポンド=235 円へ修正したことが引き上げ要因。今期は、のれん代・無形固定資産償却額などを、ピルキントン社の業績改善が埋めきれず、会社計画に対し若干未達となる見込みだが、大きなサプライズはなく、未達幅は縮小。来期も欧州建築用ガラスの販売数量と価格は堅調に推移する見通しとした。また、ピルキントン社買収により事業基盤が強化され、買収前のような赤字リスクが大幅に低減されたことで、PBR1倍以上が妥当と指摘。業績修正を踏まえ、目標株価を600円→660円(来期予想PER14倍)へ引き上げ。投資判断は「オーバーウエイト」を継続した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【6日】売り、買いともに=新日鉄

ネット証券評議会は6日(火)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

同日分の日次データは以下の通り――。


▼FX相場予想/
 オージー円やスイス円は、ほぼ天井は確定的だ

AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

海外からのレポートは108円だ、112円だとかの類が多く、面食らうよ。
「あれえ、こいつ130円って言ってなかったかなあ?」ってな感じ。コロコロ変わるディーラー心と風車の弥七。しばらくウロウロしながら居心地の良い水準を捜し求めるものと思われる。日経もネタがないようで、個人投資家の話ばっか。ポンド円はさすがの私もすっかり値ごろ感がなくなってしまった。オージー円やスイス円はほぼ天井は確定的だと思う。後はどこまで戻れるかリトマス試験紙のみ。
(3月7日。水曜日。消防記念日の日。)

▼世界同時通貨安/
「LTCMショック」のミニ版が起こっていた?

元為替ディーラーで、『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は6日、為替相場について、概ね次のようにコメントした――。

今回の為替の変動は、もちろん、世界の株安に起因している、と考えている。そして、「円キャリー・トレードのアンワインド(解消)」が起こったのだが、なぜ、それが起こったのか?
それは、どれ(誰)でもよいのだが、(そんなことは、どーでもよいのだが、)
某、巨額のヘッジファンドが、エマージング株式に、巨額の投資を行っていた。
原因は何であれ、株価が下落した。エマージング株式は、リクイディテイ(流動性)がないから、売りたいときに、カウンターパーティ(取引の相手)がいない。要するに、エマージング株式は、ヘッジをしたくても、ヘッジができないのだ。フューチャーだとか、代替マーケットもない。
あっても、巨額のアマウントでは、取引不能。誰が、そんなカウンターパーティ(取引の相手)になるものか? (『か』は、強い反語)。だから、『取引不可能』ではなく、『不能』なのだ。
そーすると、下落している場合に、指をくわえて見ている羽目に陥る。
とーぜん、損が出る。損が出ると、ヘッジファンドへ投資している投資家たちは、解約しようとするから、手元に、キャッシュ(現金)が必要になる。それじゃあ・・・・、何か、「利食えるもの」はないか?(こーいったときは、損してまで、ポジションを縮めたくないから、「利食えるもの」を探すのは、人間の常・・・)

そーだよ!
「ドル/円」「ユーロ/円」「ポンド/円」「その他クロス円」が、利食えるじゃないか!
換金しやすいし!(っていうか、お金とお金の取引だから、もろキャッシュ)。で、利食いを始めたら、そのアマウント(金額)が大きかったので、マーケットが動き出してしまった・・・。


▼今日の債券相場/
マイナス材料でも底堅い動き=好需給のなせる技

日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

足元の株安でも、基本的見通しは変わらない
足元の債券高、筆者には痛し痒しである。基本的に強気なのだが、世界的ディスインフレーション・シナリオ下で、株高と長期金利低位安定の共存が可能と説いている。年内の日経平均株価は1万6,000~1万9,500円のレンジをイメージしてきた。もちろん、その下限は抜けていないが・・・。

中国株の急落、米国でのサブプライムローン問題やグリーンスパン前FRB 議長によるリセッションの可能性の指摘、そして、日銀の利上げが円キャリー取引の巻き戻し、過剰流動性の吸収を促したとの見方などが重なった結果、世界的株安が起こった。しかし、個々の影響度合いは小さく、イメージ先行の部分もある。したがって、株安は一時的と見ており、当面の債券相場の見通しは現状、不変である。

ニュース・チェック

★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価はNYダウが157ドルもの大幅上昇となったのを受けて、朝方こそ上昇したが、その後は反落となり依然として地合いは芳しくない。日経平均 が終値で前日比-77.90円安の16766.60円、またTOPIXも同-1.60安の1690.94、JASADAQ指数は同+0.07高の85.45となった。セクター別騰落率では、不動産、鉱業、鉄鋼などが上位を示した。
午前の東京外為市場=為替市場はドル、ユーロの反発が弱く小康状態にある。ドル円相場は116.27-116.32円前後で推移、ユーロ円は152.65-152.70円前後で推移している。

★住商情報システム=Shareネットワーク上に流出した情報追跡可能システム提供へ
住商情報システム株式会社(代表取締役社長・阿部康行氏:SCS)は、eEye Digital Security社(本社・米国 カリフォルニア州、以下eEye)が開発したP2Pファイル交換ソフトShare EX2(以下Share)用ネットワーク可視化システム「Retina Sharebot」(以下「Sharebot」)を法人及び個人向けに提供開始する。「Sharebot」はShareネットワーク上に存在するファイルがどのノードに存在するかを特定できるソフトウェア。「Sharebot」の利用により、Shareネットワーク上に存在する違法データや、Share経由で流出した個人情報等の拡散状況を容易に把握可能と言う。 詳細は、www.scs.co.jp/eeye

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

大和証券グループ本社(8601)
■代表執行役の異動に関するお知らせ
http://www.daiwa.jp/CACHE/japanese/press.cfm

松下電器産業株式会社(6752)
□デジタル一眼レフカメラ フォーサーズレンズを発売 25mm/F1.4 ASPH.
  http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?MY_2DF_2E_kqp
 □電球形蛍光灯「パルックボールプレミア」G形とD形を発売
  http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?MZ_2DF_2E_kqp