解読「2.21利上げ」・米国金利ウォッチ・今日の株価予想ほか

▼解読「2.21利上げ」/
 ルールは適時選択?裁量政策へ舵を切った日銀


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、昨日の日銀・金融政策決定会合で決定された0.25%追加利上げについて、「裁量政策へ舵を切った日銀」と題して、次のように解読した――。

ポイント:
日銀は、賃金・物価の基本シナリオがほぼ破綻しているにもかかわらず、追加利上げに踏み切った。展望リポートで言う「第2 の柱」を全面的に打ち出したと解釈される。日銀の軸足は、不動産価格、為替相場、国際資金フローなどを多面的に評価する裁量政策に完全にシフトしたと言える。政府・自民党が金融政策のルール作りに手間取り続ければ、日銀は淡々と追加利上げに打って出るだろう。不透明感もあるものの、現状では、「CPI に関係なく、半年程度に1 回のペース」で利上げが行われることを想定しておくしかないだろう。

▼米国金利ウォッチ/
 米FRB議長証言で復活「利下げ期待」に危うさ?


先週のバーナンキFRB議長による議会証言で、彼が「低成長でのインフレ回避」シナリオを提示したことから、米国市場では再び年内の利下げを期待する動きが出ている。10年国債利回りは、一時4.6%台をつけるまでに低下した。今年第4 四半期の前年比実質成長率は、半年前に3.0-3.25%と見ていたが、これを今回は2.5-3.0%に引下げた。そしてほぼ同様の緩やかな成長が来年も続き、その間にコアの消費デフレーター上昇率は2%を割り込む状況を予想しているからだ。

しかし、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は21日、「このシナリオにはいくつかの危うさが潜んでいる」として、こう指摘した――。

つまり、米国経済は、今の金融環境においては、近々成長率を高め、需給面からインフレ圧力をむしろ高める可能性がある。そこでは金利低下では無く、利上げの可能性が浮上し、長期金利は再び上昇する可能性がある。以下の2 点が気になる。

▼今日の株価予想/
18,000円台乗せで、18,150円が上値の目途


T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

本日の東京市場はもみあいからのスタートになりそうだ。昨日は利上げが実施されたが、すでにその可能性も織り込まれていたため、株式市場では目だった動きは見られなかった。また、為替市場では再び円相場が軟化していることもあり、外部環境から見ると株式市場の基調が変わる状況ではなさそうだ。むしろ、昨日は動きにくい日であるにもかかわらず、東証1部の売買代金は3兆円、売買高は30億株をそれぞれ上回り、TOPIXが昨年来の高値を終値で突破したことで、株式市場への資金の流入は変わっていないとの見方もできる。とりわけ、TOPIXは91年以降の上値抵抗線を上回り始めている。そのため、日経平均株価の18000円を意識して利益の確定売りは多いものの、好業績や再編期待の押し目買いは続き、底固い値動きが続きそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は続落。2月15日まで5日続伸となった後、昨日までの4日は、17793円(16日安値)~17974円(19日高値)の狭いレンジでの保ち合い相場になっている。そして、昨日は反落となったが、高値・安値ともに前日を上回った。そのため、次に昨日の高値17968円を上回ると、目先では2月16日安値17793円からの上昇基調が強まろう。そうなると、レンジを上放れて18000円台乗せとなる可能性が高い。この際には、2月高値17633円(2日)~2月安値17199円(17日)までの下落の倍返し18060円や、今回の保ち合いレンジの倍返しとなる18150円が上値の目途となる。

一方、下値は17900円の節目がサポートになるが、昨日の安値17850円を下回ると、過去3日にわたり安値を切り上げた流れが変わったと見て、17974円が当面の天井になる可能性が出てくる。その場合、15日安値17815円~14日高値17789円のマド、そして14日安値17648円~13日の高値17628円のマドが下値の目途として意識されそうだ。

話題の銘柄
中外製薬(4519)/新薬寄与で増収増益が継続へ、目標株価4000円

同社の07.12期見通しは、売上高が前期比2%増の3320億円、営業利益が同10%減の525億円。自社品比率の低下や抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」の行政備蓄売上、販管費の増加などが利益面を圧迫すると見ている。こうした見方に対して、クレディ・スイスでは、抗癌剤「アバスチン」と「タルセバ」の薬価収載、そして発売などの時期が確定した時点で見直す余地を残していると指摘。07年度業績が増収増益予想へ転換することは確実と想定している。また、07年度以降についても「アバスチン」や「タルセバ」、慢性関節リウマチ治療剤「アクテムラ」などが製品化される確率が高まり、09年度まで増収増益継続で推移する可能性が高いとの見解を示した。特に、アクテムラは同社が宇都宮工場でロシュ向けを含めて全量を生産する。アクテムラはロシュからのセールスロイヤルティーも大きいが、11年度以降は同社の生産性向上、原価低減に多大な貢献を果たすと考えている。業績については、07.12期の営業利益を前期比8%増の630億円(EPS68.5円)、08.12期を同14.3%増の720億円(同79.8円)、09.12期を同25%増の900億円(同101円)と予想。同社はアクテムラなどの抗体医薬をコアとするバイオテクノロジー企業としての株価評価を得ることが可能とのみて、バリュエーションの前提を09年予想PER40倍に変更。目標株価を3200円→4000円に引き上げ、投資判断「アウトパフォーム」を継続した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【21日】売り、買いともに=新日鉄

ネット証券評議会は21日(水)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

同日分の日次データは以下の通り――。


▼利上げ後の円相場/
 スイス中銀のようにキャリートレードに警告すれば?


AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

日銀の利上げは正解だよ。G7で日本経済は順調だと述べて、GDPが5%で、これで利上げしなかったら、また欧州で袋叩きだったと思うよ。利上げしてなおかつ円安が進むなら、別に日銀は国際筋を気にしなくていいんだよ。将来どういう軌跡を相場が進むかわからないけど、スイス中銀のようにキャリートレードに警告を与えておけば。
思い出すんだ。ドル円が130円の時売り介入したけど失敗して、そのまま147円に突っ込んで、アメリカが出てきてやっと急落開始となった。それで125円から110円まで落ちて120円に戻ったのがこの下げ相場の最後の日だったような気がする。一日で15円も落ちたのに中央銀行たちは知らん振りだったものね。だから、そういう結末のツケを払うのは市場参加者たちなんだから、中央銀行はやるべきことをやっていればいいんだと思うよ。物価動向とか個人消費で金融政策を決めて欲しくないね。物価なんて買い物するのはこっちなんだから安いにいいに決まっている。エコノミストは上がれと思っているみたいだけど。個人消費も企業がけちなだけ。
(2月22日。木曜日。もうじき春と思う日。)

▼利上げ後の円相場/
  思惑のぶつかり合いで、相場乱高下が継続 


元為替ディーラーで、『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は21日、「日銀金融政策決定会合の“Before & After”」として、為替相場について、概ね次のようにコメントした――。

2月20日の東京市場のドル/円(USD/JPY)は、119円台後半程度---[119.65-70]レベル---でオープン。---東京市場のオープン(寄り付き)は、東京時間午前9:00。---2月20日の東京市場は、2月21日の日銀金融政策決定会合を控えて、小動き。概して、119円台ミドルから119円台後半で推移している。
ロンドン市場の朝方に、[120.00]を越えて上昇した。この時点での高値は、[120.30]アラウンド。
2月20日の海外市場では、日銀金融政策決定会合を直前に控えて、観測が錯綜した。
先月の会合同様に、「政府筋の圧力から円金利の引き上げを見送るのではないか?」といった思惑も流布した。また、仮に、円金利の引き上げが実施されても、[0.25%]の利上げで、対ドル、対ユーロなどの金利差は依然として大きいので、「実質的に、円金利引き上げの影響は少ない」といった思惑もあった。
ニューヨーク市場は、基本的には様子見で、小動き。ロンドン市場の朝方に、[120.00]を越えて上昇しているので、概して、120円台前半で推移した。

▼利上げ後の円相場/
 円売りに踏み切れなかった投資家が大勢いた


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は21日、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。

<ドル円=119円台にズラリ並んでいた買い注文>

日銀の利上げ後は円高もつかの間で、その度は一気に円安、円安。
自分が考えていたよりかなり早く反転してしまいましたが、動き自体は全く不自然ではなく、違和感もありません。G7、日銀の利上げという2つの円高リスクがあって中々円売りに踏み切れなかった投資家(機関投資家も含めて)が私の周りにも沢山いました。

この2つの重石が取れて、これでいよいよ円売りを仕掛ける。こういう人が市場にわんさかいたのでしょう。GI24にも書きましたが、119円台はずっと買い注文が並んでいました。119円80銭ぐらいまでの買い注文はつきましたが、それより下においていた人は当然買い損ねました。利上げして円高になったところで買いたい(円売りしたい)と思っていた人が「何だよ、利上げしてもこれぐらいしか下がらないのか」とがっかりして買ってきている姿が見えるようです。

<「絶対的な金利差」をエンジョイする動きが今後徐々に浸透へ>

しかし、短時間の間に買いすぎているので、今日これから更に上がるかはちょっと疑問を感じます。 ただ、これで当面利上げがないわけですから、絶対的な金利差をエンジョイしようという動きが今後徐々に浸透してくるという展開は非常に想像しやすいシナリオです。

▼利上げ後の長期金利/
 自己暗示的な時間軸効果背景=当面、需給相場の様相


三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:30、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#284)1.670%~1.700%
・ 債券先物(3月限) 134.40円~134.70円

<シナリオ>
長期金利は、弱含みもみ合い。利上げ後のアク抜け感と「次の利上げは当分先」という金融政策をめぐる自己暗示的な時間軸効果を背景に、当面、需給相場の様相を呈する。20年利付国債入札も無難にこなされる。もっとも、短期金利水準の上方シフトにより低下余地には自ずと限りがある。

債券先物チャート
3月限の日足は上下のヒゲが異様に長い陽のコマ。上ヒゲは雲上に突き抜けて、下ヒゲは雲下に突き抜け、小さな実体は雲の中という希有な形。壮大な気迷いを映している。
【チャートポイント】
135.66円:12月4日の12月限ザラバ高値
135.20円:マド埋め(12月6日の12月限ザラバ安値)
134.96円:1月26日3月限ザラバ高値
134.76円:2月21日3月限ザラバ高値
<134.70円:本日の3月限予想レンジ上限>
≪134.60円:昨日のLIFFE先物3月限終値≫
134.53円:雲上辺(本日)
≪134.47円:昨日の東証3月限終値、前日比+0.13円≫
<134.40円:本日の3月限予想レンジ下限>
134.28円:転換線
134.25円:基準線
134.25円:5日移動平均
134.12円:雲下辺(本日)
134.03円:2月21日の3月限ザラバ安値
133.80円:2月15日の3月限ザラバ安値
133.40円:1月15日の3月限ザラバ安値
133.17円:10月24日の12月限ザラバ安値
130.84円:7月6日の9月限ザラバ安値

▼利上げ後の債券相場/
6月末まで、10年債利回り1.50~1.90%と予想


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント …さすがに、利上げ後のRally一服だが・・・。
昨日の地合いから20年国債入札の不安は乏しく、カーブはフラット気味だろう。さすがに、利上げ後のRallyは一服するとは考えるが、追加利上げ観測はすぐには強まらず、良好な環境が続こう。(AM6:42、佐野さん)
本日の想定レンジ(長国先物3月限) : 134円48銭 ~ 134円86銭

金融政策決定会合を終え…明確な拠り所が欲しい~今後の相場予想
今回の利上げを受けての相場予想は昨日のBond Market Daily Part2に詳しい。「6月末までの10年国債利回りの予想は1.50~1.90%とする。2月債券市場マンスリーでは、下限を1.40%としていたが、利上げがあった分、下限を0.10%引き上げる。また、目先、来週末までは1.650~1.750%と予想する。」もっとも、昨日の堅調相場を見る限り、強気の筆者以上に市場は強く推移する可能性を示している。

●ニュースを推理する
 日銀利上げ=政府・自民党が黙認した「事情」とは?

日銀による今回の追加利上げについては、前回1月会合時のような政府・自民党からの圧力がほとんど聞こえて来なかった。ここでは、その意味合いを記者の視線で推理してきたい・・・。

結論から言えば、いくつかあるなかで最大の理由は、5月から始まる三角合併にあると思われる。
本誌コメンテイターは幾度となく、「円安が日本企業のバーゲンセールを招く」と警鐘を鳴らしてきた。
先の独エッセンで開催されたG7で、ポールソン米財務長官がユーロ圏の円安批判とは一線を画して日本を擁護した理由の1つに三角合併で米国企業が優位に立つという狙いがあった、と見ている。

こうした見方は、必ずしも杞憂ではなさそうだ。経団連の御手洗会長は日銀の決定会合の直前、「三角合併は危険だ」と警戒心を顕わにした。日本企業と米国企業では株式時価総額にも大きな開きがある。政府・自民党が三角合併によるM&Aを警戒する企業に配慮するのも当然かも知れない。

円相場を円高トレンドに変えるほどのインパクトはないだろうが、中長期では円安の進行にある程度ブレーキをかける程度の効果は期待できそうだ。輸出型企業にとっては、5月以降は「痛し痒しの円安」になりつつある。

ただし、外為市場では利上げでアク抜けして、当面は追加利上げがないという安心感も手伝って円を売りやすくなった面もある。また安倍首相は「(利上げの)結果責任は日銀にある」としているので、政府。自民党は良いとこ取りをしたように映るのだが・・・。

(注意)この欄の意見等は、すべて筆者個人のものです。

ニュース・チェック

★ニュース・ヘッドライン
午前の東京株式市場=株価は追加利上げのアク抜けから上昇。日経平均 は終値で前日比+191.09円高の18104.30円となり、6年9ヶ月ぶりに18,000円台を回復した、またTOPIXも同+17.06高の1804.29と、15年3カ月ぶりの水準になった。JASADAQ指数は同+0.24高の90.43となった。
午前の東京外為市場=為替相場も追加利上げというリスク要因が消えて、再び、円売りが再開した。ドル円相場は121.01-121.06円前後で推移、特にユーロ円は158.92-159.07円前後と159円台に乗せた。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

松下電器産業株式会社(6752)
□市場買付による自己株式の取得結果に関するお知らせ
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?Ix_2DF_2v_kqp

株式会社ディー・エヌ・エー(2434)
■個人投資家向け会社説明会開催のお知らせ
http://www.dena.ne.jp/ir/

株式会社サイバーエージェント(4751)
■サイバーエージェント、 3月21日(祝)「東証上場会社ディスクロージャーフェア」に参加
http://www.disclosure.tse.or.jp/
■検索エンジンマーケティングの専門会社シーエーサーチ
誰にとっても快適で使いやすいサイトに改善する「アクセシビリティ強化サービス」を提供開始
http://ir.cyberagent.co.jp/