米国投資家ヒアリング・経済指標を読む・株式相場予想ほか

■米国投資家ヒアリング/
  日本株に本質的に強気化する「条件」とは?


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は先週、米国に出張し、北東部のヘッジファンドなどを中心とした投資家とミーティングを重ねて帰国した。ここでは、そのポイントをご紹介する――。

ポイント:
先週は米国北東部に出張し、ヘッジ・ファンドを中心に20 強の投資家(日本株投資家)とミーティングした(一部は電話会議)。そこで受けた印象は、<賃金上昇→個人消費回復→CPI プラス幅拡大→日銀追加利上げ→円安基調是正> といった好循環のシナリオがみえてこない限り、米国投資家が日本株に本質的に強気化する可能性は低そうである、というものである。

▼経済指標を読む/
 12月消費者物価=上昇圧力が高まる可能性低い


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は26日(金)、総務省が発表した消費者物価指数について次のように分析した――。

(1) 全国コアCPI は前年比0.1%上昇と、当社予想どおり
(2) 需給を反映する衣料や諸雑費の価格上昇率が鈍化し始めている
(3) エネルギー価格、耐久財価格の下落圧力で、第1 四半期後半から第2 四半期にかけ、
コアCPI が前年比マイナスに転じるとの予想に変わりはない

【Washington Political Report】(有料)特約 (January 20-26, 2007)
大統領年頭議会演説に対する民主党の反応

米国の政治・政策に関するコンサルタント、ロビイストとして、ワシントンで活躍するポール室山&アソシエイツ社長のポール室山さん(Paul M. Muroyama / Paul Muroyama & Associates, Inc.)。同社が発行するレポート『Washington Political Report』(有料)は、米国の政治情勢、さらには中東など世界情勢をウォッチする上で欠かせないレポートとして定評がある。同レポートから次の1本の記事をご紹介する――。

今年の大統領年頭議会演説ほど、演説そのものよりは民主党有力政治家の反応が大事になったことはかつてありません。ブッシュ大統領は予想通り非常にうまい演説をやり、下院本会議場の拍手喝采も上々でした。しかしもはや彼の演説が国の政策としてそのまま実行に移されると考える人は殆どおらず、残念ながら演説は演説だけで終わったと言わねばなりません。(www.whitehouse.gov/ )

ブッシュ大統領の演説の20分後に新人民主党上院議員のジェイムス・ウェッブ(バージニア選出)がテレビカメラに向けておこなった8分間の演説は、過半のアメリカ人の声を代表するものとしてこれまでにない重要な意味を持ちました。連邦予算割当の権限を持つ議会を代表するレトリックとして「ブッシュ大統領がイラク駐留米軍を安全に引き揚げさせることができないのなら、議会がそのやり方を示す」という言い方には迫力があり、ブッシュ大統領のフリーハンドのイラク政策の時代が終わったことがはっきり示されました。経済繁栄にもかかわらず経済の不平等化が進んでいることを問題視して、「自分が大学を卒業した時には経営者の所得は労働者の所得の20倍に過ぎなかったのに、今ではそれが400倍にもなっている。経営者の1日分の所得を稼ぐために労働者は1年以上も働かなければならない勘定だ」と指摘したのも民主党の関心をうまく説明するものでした。(http://webb.senate.gov/record.cfm?id=2680148& )
(以下略)

▼株式相場予想/
 TOPIX=3月末に向け1,800台目指す動きへ


大和総研・投資戦略部チーフ・ストラテジストの三宅 一弘さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は当面の株式相場について、「業績上方修正を織り込みながら、TOPIX は07年3月末に向けて1,800台を目指す動き」とみる――。

好調な企業部門(設備投資、輸出)から家計部門(消費など)への波及が進みにくい構図には(1)巨大新興国の台頭やグローバル化の進展、(2)団塊世代の退職本格化の2 つが強く影響している。

(1)日本企業が低賃金・巨大労働市場を抱える中国などとのコスト競争上、賃金面で抑制的な姿勢を堅持していること、(2)団塊世代(ハイサラリー層)の退職と若者世代(ローサラリー層)の雇用促進という人口動態面での雇用構造の変化が賃金上昇率を抑えている。一方、 (1)の巨大新興国の台頭は、日本企業が得意とする資本財や素材・部材、自動車などに対して旺盛な需要をもたらし、日本経済に輸出や設備投資などを通じて大きな恩恵を与えている。さらに(2)に伴う巨額の退職金が外債投資などを通じて円安の一因になり、外需関連企業の収益を後押ししている。

▼今日の株価予想/
 好業績+高配当銘柄の買支え=下値固めへ 


T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

本日の東京市場はもみあいからのスタートになりそうだ。先週末の米国株式がハイテク株を中心に下げ止まりの姿勢を見せたことは、ひとまずは安心感を誘いそうだが、これ自体は積極的な買いの材料にはなりにくい。また、日経平均株価は昨年の高値を突破したもののすぐに押されたために、慎重な投資家からの利益の確定売りが上値を押さえそう。ただ、円安などを背景にして国内企業の決算は好調との見方から、押し目を買おうとする向きも少なくなく、これが下値を支える。そのため、今日の東京市場は、好業績や高配当の銘柄への買いを支えに、下値を固める動きになりそうだ。

テクニカル分析
先週末の日経平均株価は、17421.93円-36.37と続落。25日の安値17427円を下回ったことで、1月25日の高値17617円が、11日の安値16758円からの上昇トレンドの天井になった。そのため、下値の目途としては38.2%押しの17290円がある。26日の安値は17300円と、ほぼこの水準で下げ止まった。なお、これを割り込むと、次は50%押しの17190円が目標になる。

一方、上値は25日安値17427円~26日高値(終値)17421円のマドを埋めると、さらに戻りを試す動きにりそうだ。ただ、24日に大商いをともないながらもみあった17500円台前半では戻り売りが予想され、強い上値抵抗線になる。しかしこれを上回り、25日の高値17617円を突破すれば騰勢が強まりそう。その際には、2000年7月4日の戻り高値17661円の節目もあるが、中期的には大発会の高値17379円(4日)~11日安値までの下落に対する倍返しとなる18000円ちょうども目標値になる。

話題の銘柄
日立国際電気(6756)/新工場稼働とメモリメーカー積極投資で縦型熱処理炉好調

同社の主力製品は半導体製造装置の縦型熱処理炉。今07年3月期の利益貢献度は約85%と推定される。縦型熱処理炉の世界シェアは約35%で、東京エレクトロンに次いで2位。90年代初頭までは首位だったが、製品開発で後手に回ったことで、90年代後半には技術力で東京エレクの後塵を拝し、世界シェアも低下していた。現在は、01年以降に講じてきた開発力・技術力の強化のための施策が徐々に効果を発揮。製品開発でも、競合の東京エレクの主導権を多少なりとも脅かせるまでになっている。特に縦型熱処理炉が好調。縦型熱処理炉はメモリの製造工程で多く使用される装置で、大口ユーザーであるメモリメーカーの積極投資を追い風に、装置の引き合いは急増している。06年12月には富山の新工場が稼働しており、近くフル操業。製造能力は5割増となる見込み。同社が市場に先駆けて投入したALDは、足元で市場が急拡大。今期売上は前期比約2.3倍の45台、来08年3月期は同2.2倍の100台を見込んでいる。野村では、こうした足元の状況を勘案し、今期以降の業績を予想。経常利益ベースで、今07年3月期は会社計画の132億円(EPS67.4円)に対し、158億円(同83.6円)、来08年3月期を225億円(同125.1円)、09年3月期を231億円(同129.0円)とした。さらに、同社の来期PER11.7倍(野村予想)は、半導体製造装置セクター13社の平均15.0倍を下回り、割安感が強いとしてレーティング「1」を継続した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【26日】売り、買いともに=Eトレード証

ネット証券評議会は26日(金)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

同日分の日次データは以下の通り――。

▼FX市場ウォッチ/
 全通貨=上に突っ込んでも下に突っ込んでも元の木阿弥


AIAの堀内昭利社長(Akitoshi Horiuchi/ President, AIA Business Consulting Ltd.)は27日(土)、為替相場について概ね次のようにコメントした――。

最低の相場展開。朝からロイターのミスで指標がばれており、しらけたね。
全通貨、上に突っ込んでも下に突っ込んでも元の木阿弥になるだろうと朝から予測ができてしまった。そして、またその通りになってしまった。真面目に考えても仕方ないので、G7まで誰が何しゃべるのかコンテストでもやってやろうかなと思うね。終わり。(1月27日。土曜日。晴れるかもと聞いた日。)

▼今週の長期金利/
「2.21追加利上げ」観測=更なる上昇余地は限定的


メリルリンチ日本証券・調査部、債券ストラテジストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru.Kumagai / Merrill Lynch Co., Ltd.)は26日(金)、今週の債券相場について、「上値の重い展開が予想される。債券相場は1 月の金融政策決定会合以降大きく上昇してきたが、2 月利上げの可能性が残存するなか、更なる上昇余地は限定的と見られる」と語った――。

今週の注目材料は、①個人消費関連の統計(全世帯家計調査等)、②10 年国債入札(2/1)、③FOMC(1/30-31)を受けた米債券相場の動向の3 点である。

<個人消費関連の統計が最大の注目材料>

今週は、2 月利上げの可否を占う意味で、個人消費関連の統計が最大の注目材料となる。
今週、わが国では、小売業販売(12 月分。1/29 発表)、全世帯家計調査(12 月分。1/30 発表)、完全失業率(12 月分。1/30 発表)、有効求人倍率(12 月分。1/30 発表)、鉱工業生産(12 月分。1/30 発表)、毎月勤労統計(12 月分。1/31 発表)といった、主要経済指標の発表が予定されている。特に、10-11 月の内閣府総合指数が個人消費を中心に大きく持ち直していることもあり(図10)、2006 年4Q の実質GDP 成長率(2/15 に発表予定。当社予想:前期比年率+3.1%)を予想する上で最後の関門ともいえる、全世帯家計調査(12 月分)には大きな関心が集まろう。

▼今週の債券相場/
1.645%抵抗は作用する一方、1.70%台乗せ必至


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

今週の債券相場見通し…10年国債利回りは1.645~1.740%と予想する
今週の10年国債利回りは1.645~1.740%と予想する。朝方の堅調から一転、急反落した先週末の相場を見ると、まとまった戻り売りがあったのだろうが、市場は一旦、材料としての金融政策離れをした感が強い。そうなると、米国長期金利の上昇傾向や2月1日の入札が気になる。前者は強気の筆者にとって、最大の誤算と言って良い。したがって、足元、何度もトライしてブレイクできなかった1.645%のレンジスタンスは今週も作用する一方、1.70%台乗せは必至の状況にある。しかし、その水準、特に1.70%台半ばでは、一定の押し目買いがあるだろう。イールド・カーブは25日の20年国債入札前後からのフラット化に期待していた。しかし、それにはもう少し時間がかかりそうだ。ただ、月末初の定例の買いには期待したい。

▼今週の長期金利/
 目白押し日米経済指標にらみつつ神経質に上下


三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:20、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#284)1.640%~1.720%
・ 債券先物(3月限) 134.25円~134.00円

<シナリオ>
長期金利は、発表が目白押しの日米の主要経済指標をにらみながら神経質に上下する。
鉱工業生産指数(30日)、消費支出(家計調査、30日)、賃金(毎月勤労統計、31日)などが押し並べて冴えないと、「2.21追加利上げ」観測の後退を背景に弱含み。2年・10年利付国債入札(各30、1日)はデュレーション長期化の動きもあって無難にこなされる。一方、米国長期金利が景気指標(GDP、所得・消費、ISM指数、雇用統計など)の上振れを嫌気して一段高になると、上昇圧力を受けて下げ渋る。スティープニングの活発化が波乱要因。
ポイントは、(1)例月の主要経済指標、(2)10-12月期決算の発表本格化と株式市場の反応、(3)米国の景気・長期金利の動向。

<投資方針>
想定レンジ内での逆張り。ブル/ベア・スティープニングの手口の要注意。

▼NY金先物相場/
悪条件の下でも、一時650ドル超えの強相場


エース交易ホームトレード部の陳晁熙(チン・チョウキ)さん(Chen Chaur-Shi)は、NY金先物相場について、「下値固めて、上値を試す」として、概ね次のようにコメントした――。

<金相場を下支えしている「5つの要因」>

ドル高、原油安、地政学的リスクの後退にもかかわらず、NY金相場は堅調な地合いを維持している。年初、急落で幕を開けたNY金相場は、節目の600ドルを割り込むことなく反発に転じ、25日には一時650ドルを上抜いている。国内相場においても2550円に達し、価格帯は上方へシフトしている。昨年の10月以降、金相場は、600~650ドルの価格帯で推移していることから、レンジ下限で買いが入った。(1)中国、インドなどの実需買い、(2)ロシア中央銀行の金準備の拡大、(3)中国の莫大な外貨の運用シフト、(4)商品インデックスファンドの買い、そして、(5)金ETF(上場投資信託)の拡大、が金の下値を支えている。

●新刊書レビュー 
『ITとカースト インド・成長の秘密と苦悩』
 伊藤 洋一[著]、定価(本体1,700円+税)、日本経済新聞出版社

「インドは間違いなく二一世紀の主要パワーの1つだ」と、著者は強調する。

「インドは多くの問題を抱える。しかし問題を抱えながらも、インドは時間の経過とともに日本にとっても大きな存在になるだろう。場合によっては中国より重要な国になるかも知れない。そのインドについて、私はいくつかの仮説を立て、それによってインド理解を試みた。」

かつて、日本とインドは友好国として自他共に認める関係だった。
その歴史に埋もれた外交関係を復活させ、新たな経済・政治関係を構築できるか否か、今後の日本経済を占う上でも重要なファクターと言えそうだ。

ニュース・チェック
★午前の東京市場=株価は、朝安後、海外勢と見られる先物買いで急反発
今日午前の東京株式市場は朝方下げるも、外国人らによると見られる先物買いで急反発。日経平均 が終値で前日比+40.66円高の17462.59円、またTOPIXも同+8.71高の1736.73、JASADAQ指数は同-0.10安の92.76となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄はシダー(2435)、日本工業検査(9784)、ストロベリーコーポレーション(3429)。またドル円相場は121.71-121.74円前後で推移、ユーロ円は157.09-157.12円前後で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

松井証券株式会社(8628)
■セブン銀行と松井証券による即時資金決済に関する提携サービスの開始について
http://www.matsui.co.jp/company/index.html

いちよし証券(8624)
■平成19年3月期 第3四半期決算短信について
http://www.ichiyoshi.co.jp/ir/ir/pdf/20070126_japanese1.pdf
http://www.ichiyoshi.co.jp/ir/ir/pdf/20070126_japanese2.pdf

松下電器産業株式会社(6752)
□ICレコーダー 2機種 RR-US470/QR270を発売
  http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?Cp_2DF_2d_kqp

ソニー株式会社(6758)
■マネックス・ビーンズ・ホールディングス株式の売却について
売却株数は64,415株(発行済株式総数の約2.7%)、売却後の当社保有株数は117,235株(発行済株式総数の約5.0%)となる。当該売却で当社連結税引前利益に約45億円の売却益計上を見込んでいる。http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200701/07-0126/index.html