日銀・金融政策・GDP成長率チェック・株式相場予想ほか

▼日銀・金融政策/
 1.18追加利上げなら、「見切り発車」の批判

クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、「見切り発車の1月追加利上げは可能か?」として、1.18追加利上げに関する3つの問題点を指摘する――。

ポイント:
前回の日本経済アドバイザーでも指摘したが、昨年末以降に公表された主要経済データをみる限り、日銀が次回の決定会合(18日)で追加利上げを決定できる確率は50%でしかない。決め手がないからである。従って、1 月の追加利上げは、政府の政策運営との非整合性という大きな問題を提起するだけでなく、見切り発車の批判を免れないものとなる。1 月追加利上げに関する3つの問題点を指摘しておく。


▼GDP成長率チェック/
 大幅下方修正とは裏腹に、過少推計の可能性

東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は10日、「名目成長率は本当に低いのか?」と問題提議した上で、次のような分析を行った――。

<特に、名目GDPは関連指標から見てやや不自然>

米国の強い雇用統計が、GDP過少推計の可能性を指摘する議論を呼んだが、日本のGDPについても、先の大幅下方修正とは裏腹に、やはり過少推計の可能性がある。特に、名目GDPは、足元で前年比1%成長にまで下方修正されたが、関連指標から見てやや不自然なところがある。

不自然な点・1 国民所得1%成長は低すぎる
まず、「三面等価」の法則に則って、所得面から7-9 月の国民所得を見てみると、どう見ても1%成長は低すぎる。財務省の『法人企業統計』によれば、7-9 月期の企業利益(経常利益)は、前年比15.5%の大幅増加となっている。このカバレッジは7 割程度で、これから漏れる資本金1 千万円未満の企業利益を仮に前年比ゼロ成長としても、企業部門の所得は前年比2 桁成長となる。

この間、「虐げられた」家計部門の所得を見ると、7-9 月期の雇用者報酬は、前年比1.4%増加している。これも名目GDPの1%成長より高い。個人の所得では、この他に配当所得や利子所得などの財産所得も大きく伸びているはずで、これを加えれば、個人の所得は明らかに1%を上回って増えている。所得を生み出す主体は、基本的に企業と家計(労働)部門だ。このいずれにおいても、所得成長率が1%を超えている。償却費や補助金などがよほどの撹乱をしていない限り、名目成長率はもっと高くても良いことになり、少なくとも企業、家計に限ってみれば、現実の所得成長率は1%より高くなっている。

【Washington Political Report】(有料)特約 (September 30-October 6, 2006)

ブッシュ政権人事異動
米国の政治・政策に関するコンサルタント、ロビイストとして、ワシントンで活躍するポール室山&アソシエイツ社長のポール室山さん(Paul M. Muroyama / Paul Muroyama & Associates, Inc.)。同社が発行するレポート『Washington Political Report』(有料)は、米国の政治情勢、さらには中東など世界情勢をウォッチする上で欠かせないレポートとして定評がある。同レポートから次の1本の記事をご紹介する――。

ブッシュ大統領は来週水曜(10日)にも新たなイラク政策の発表をおこなうべく、今週末にはその最後の詰めをキャンプデイビッドでおこなう模様です。バグダッドの治安回復と宗派間武力闘争鎮静化のための2万人程度の米陸軍、海兵隊の短期間の増派、経済復興・雇用創出支援のための施策などが含まれることは間違いがなさそうですが、政権内でも意見は割れており最後はブッシュ大統領自身の決断にかかることになります。ブッシュ大統領としてはイラク再建を間借りなりにも成功に導くための最後のチャンスとなり、それが成功するにしても失敗するにしてもイラクの見通しと米駐留軍の将来は今年末までには今よりもはっきりしてくるでしょう。

イラク政策の修正と期を一にして、イラク関連の軍事、外交分野の鍵となる人々の多くも入れ替わります。イラク、アフガニスタンを含む中東地域の軍事行動を総括する中央司令部(Central Command)の司令長官はジョン・アビゼイド陸軍大将からウィリアム・ファロン海軍大将、イラク現地の司令長官はジョージ・ケイシー陸軍大将からデイビッド・ペトラウス陸軍中将に代わるのがひとつ。ザルメイ・カリルザード駐イラク大使が3日で休会任命(recess appointment)の有効期限の切れたジョン・ボルトン駐国連大使の後任になり、カリルザード大使の後任には現駐パキスタン大使のライアン・クローカーが指名される予定なのがひとつ。(以下略)


▼株式相場予想/
 収益拡大下の株価停滞=割高の調整はほぼ終了

昨年は日本株の出遅れが目立ったが、大和総研・投資戦略部チーフ・ストラテジストの三宅 一弘さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、「05 年の株価急騰で割高となっていた日本株のPER は、こうした収益拡大下の株価停滞によって調整がほぼ終わった」と語る。06年は株価調整色の強い1年だったが、「次なる上昇相場に向けて、エネルギー蓄積局面であった」と評価する。

その上で、三宅さんは次のようにコメントした――。

市場心理面では、楽観に振れていた05 年末と、企業価値向上の中で慎重な見方が多い現在を比べると、むしろ日本株に投資好機が訪れているように推察される。例えば、将来に対しては控えめな業績予想だが、企業収益は期を追いながら着実に上方修正が進み、結果的に前年比15%前後の高い増益率を堅持している。成長ポテンシャルの大きい海外事業の強化を進めると同時に、固定費抑制姿勢を堅持し、経営体質の強化が収益拡大につながっている。しかも念願の事業再編などに絡んだM&A が増加し、株主還元姿勢が強まっている。これまで動きが緩慢であった伝統産業の業界トップ企業がコア事業強化などからM&A に乗り出している点も変化の胎動を感じる。


▼今日の株価予想/
 昨日高値17,199円超⇒新たな上昇トレンド形成へ

T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

本日の東京市場はもみあいからのスタートになりそうだ。昨日の急落の余波はあるものの、120円に近づく円安や米国株式の上昇が下値支えになろう。とりわけ、米国ではハイテク株の動きが良いことから、東京市場でもこのセクターへの押し目買いが期待できる。もっとも、本日は1月限オプションの取引最終日であることや、アジア市場に影響を与えやすい原油相場が下落していることなど、手控え材料も少なくない。そのため、本日はオプションの行使価格でもある17000円を意識しながら、様子見気分の強い相場になりそうだ。

テクニカル分析
昨日の日経平均株価は、16942.40円‐295.37と大幅反落。前日の安値を下回り、1月4日の高値17379円からの下落トレンドがあらためて確認された。同時に、現状は11月の安値15615円(27日)からの上昇に対する調整局面との認識が強まった。したがって、15615円~17379円の上昇に対する38.2%押しとなる16700円水準が下値の目途となる。

一方、上値は心理的な節目の17000円が最初の上値抵抗線。ただし、昨日の高値17199円を上回る上昇となれば、昨日の安値16847円を底値とした新たな上昇トレンドが形成される可能性がある。なお、昨年の相場は次第にトライアングルを形成していったが、その上値抵抗線、すなわち昨年の高値17563円(4月7日)と10月高値16901円(24日)を結んだ線は、現在16600円台にある。そのため、今後これを大きく下回らないことが、中期的な上昇トレンド維持のための条件となる。

話題の銘柄
ソニー(6758)/割安感が再認識される局面へ、目標株価6200円に引上げ

ゴールドマンでは、従来からゲーム事業の赤字が減少し始めると試算される07年4-6月期が、ソニー株を再評価するタイミングとしてきた。しかし今回、液晶テレビを中心にクリスマス商戦は好調に推移したとみられ、電池の回収問題や薄型テレビの価格競争激化で高まった不安は3Q決算を機に解消されるとの期待から、エレクトロニクス事業の利益改善力を再評価した。また、現経営体制下で策定した中期計画で、来期営業利益率5%の目標を掲げているが、達成が危ぶまれており、今後達成に向けて、追加施策が発表される可能性が出てきたと指摘。さらに、テレビ業界全体は、薄型テレビによる利益回収サイクルが中盤に差し掛かっているが、ソニーの多様化した事業ポートフォリオのポジティブな面が注目される可能性があるとした。このため、3Q決算を織り込む前により強気に転じるべきと判断。営業利益ベースで、今07年3月期を、会社計画500億円(同79.9円)に対し、760億円(同129.9円)、来08年3月期を3120億円(同262.8円)、来09年3月期を4830億円(同366.7円)と予想。ゲーム事業が先行投資期にあることを考慮すると、株価バリュエーションの割安感が強いとして、目標株価を5150円→6200円に引き上げた。なお、6200円はゲーム事業が来08年3月期と09年3月期の平均値(675億円の赤字)になるという想定をもとに算出したが、仮に、赤字をゼロとした場合には7100円と試算。投資判断「買い」に設定した。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/


▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【10日】売り、買いともに=ソフトバンク

ネット証券評議会は10日(水)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

同日分の日次データは以下の通り――。


▼FX相場予想/
 今相場のポイント=商品相場とユーロドルの動向

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は10日、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。

今回の相場は、商品相場の動向を見ておかなければいけないことと、もう1つポイントになるのが、ユーロドルの動きではないかと思っています。商品相場は資源国通貨など、いろんな形で為替相場に影響を与えます。これが上がってこないと、豪ドル、ニュージーランドドルは勢いが出てきません。

私は、商品相場は素人なので、正直今後どうなるかよくわかりません。専門家に聞いて見ましたが、どうも明確な意見はもらえませんでした。今後の値動きを見ながら判断するしかないかと今は諦めています。もう1つの注目のユーロドルですが、チャートだけ見ると1.28ぐらいまで下がりそうに見えます。しかし、中銀などのユーロ買いが立ちふさがってくるかもしれません。この攻防はクロス円にも影響を与えます。これが続落するようだと、クロス円もまだ下がる公算が高くなります。


▼今日の債券相場/
 軟調後、ブル・フラットで切り返すと予想する

日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

完全フラット化シミュレーション
昨日、次回の金融政策決定会合(17、18 日)での利上げ懸念が若干後退した。海外レポートがきっかけとされるが、本レポートでも、「利上げ報道(1日の読売)のフォローがないことに目が向う公算がある」と指摘していた。もっとも、昨日、福井総裁が海外出張から帰国している。今後、政府などとの調整が本格化すると見られ、引き続き報道からは目が離せない。依然、債券市場では、今回、利上げが見送られる方がサプライズとなる状況だ。その際、目先的に好感すると同時に、「2、3月に実施されても、次までには相当時間がかかる」と織り込み易い。したがって、見送りの場合、そのフォローは長続きする公算が大きいだろう。


▼今日の長期金利/
 押し目買いの感触探りながら、強含みにもみ合う

三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:35、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・長期金利(#284)1.740%~1.760%
・債券先物(3月限) 133.40円~133.60円

<シナリオ>
長期金利は、昨日の地合いと米債安を引き継いで、押し目買い動向の感触を探りながら強含みにもみ合う。


ニュース・チェック

★午前の東京市場=ドル円は120円に接近、株価は小反発
今日午前の東京株式市場は昨日の急落からの反動で上昇するも反発力は弱い。経平均 が終値で前日比+42.56円高の16984.96円、またTOPIXも同+8.26高の1671.26、JASADAQ指数は同-0.08安の86.67となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄は大盛工業(1844)、佐伯建設工業(1889)、岡本硝子(7746)。またドル円相場は119.59-119.62円前後で推移、ユーロ円は154.89-154.97円前後で推移している。

★大和証券=2月12日、「ダイワの投信フォーラム2007」を開催へ
大和証券では、2月12日(月・祝)、投資信託をテーマとしたイベント「ダイワの投信フォーラム2007」を開催。テーマは 「投資信託をしっかり学ぶ。じっくり極める。」。日時は2月12日(月・祝)10:00~18:30、場所は東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内3-5-1) 。開催形式は基調講演会(ホールB7)と展示会(地下2 階展示ホール)を同時開催。概要は、投資と人生設計の“今”がわかる、基調講演会【事前登録制(無料)】。米国の著名投資家 ジム・ロジャーズ氏をはじめとして多士済々なプロが講演する。
申込み方法=同社ホームページ(www.daiwa.co.jp)、又はコールセンター(0120-334487)へ。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

株式会社大阪証券取引所(8697)
■「本日の一部報道について」(平成19年1月10日)
http://www.ose.or.jp/profile/pr_irpr.html

松下電器産業株式会社(6752)
□2007年度 経営方針(要旨)
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?zN_2DF_24_kqp
□PDP国内第5工場を兵庫県尼崎市に建設
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?zM_2DF_24_kqp

ソニー株式会社(6758)
■『「プレイステーション 3」北米にて100万台出荷達成』発表の件
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/news/qfhh7c00000bl4t9-att/qfhh7c00000bl4uj.pdf
■2007 International CESについて
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200701/07-002/index.html

株式会社デンソー(6902)
■デンソーエコポイント制度の運用開始
エコポイント制度(通称:DECO(デコ)ポン)の運用を2006年12月18日より開始。
http://www.denso.co.jp/ja/newsreleases/070110-01.html

株式会社サイバーエージェント(4751)
■1月16日(火)個人投資家向け説明会を開催いたします【入場無料】
http://www.kabutocho.net/seminar/060828/index.html#1127

株式会社カカクコム(2371)
■価格.com、秋葉原情報サイト『アキバ総研』を全面リニューアル
~オタク文化の発信地「アキバ」を総合的な見地から日々取材~
http://akiba.kakaku.com/

積水ハウス株式会社 (1928)
■1月10日、2006年12月度受注速報をアップしました。
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/order/orders_2007.html