日銀「1.18」後の政策・世界経済とインフレ・経済指標を読むほか

▼日銀「1.18」後の政策/
「現実派」優勢⇒年度内の追加利上げは困難?


日銀は昨日の金融政策決定会合で追加利上げの見送りを決めた。
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、今回の一連の動きを、「政府対日銀」という捉え方に対して、「誤りであろう」とした上で、「年度内の追加利上げは困難」との見通しを示した――。

ポイント:
昨日の金融政策決定会合では追加利上げが見送られた。今回の一連の動きを、「政府対日銀」の構図として捉える向きがあるが、誤りであろう。本質的な問題は、日銀内における「現実派」と「理想派」の対立である。弊社では、当面は、「現実派」の勢力が勝るとみており、年度内の追加利上げは困難とみる。

▼世界経済とインフレ/
  過去数年続く、マネーフローの「新しい構図」


大和総研・経済金融調査部の小林卓典さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は最近、「株式市場のボラティリティならびに新興国市場の信用スプレッドの低さに現れた一見リスクとは無縁であるかのような状況がいつまで続くのか、これが今年も世界経済の安定を占う大きなテーマとなる」として、次のように語った――。

<世界経済拡大、資金フロー支える基本的条件は今年も健在>

(1)BRICs など新興国を巻き込んだ世界経済の拡大、(2)国際商品市況の上昇、(3)その恩恵を享受する産油国・資源国から先進国へのマネーの還流、(4)先進国の長期金利の安定ならびに株式・不動産など資産価格の上昇、そして(5)先進国から新興国市場への資金流出というマネーフローの新しい構図は、過去数年かなりの頑健さを保ってきた。加えて、(6)ドル相場に下落圧力がかかる局面では、特にアジア各国の外貨準備が増加し、それが米国に還流して債券市場の安定が強化されるという状況が続いている。

この構図が崩れかねないと懸念されたのは、昨年の場合、(1)インフレ率の上昇、(2)FRB(連邦準備制度理事会)の金融引締め政策の維持、(3)資産市場の調整、特に住宅不動産ブームの崩壊が、世界の流動性の拡大にブレーキを掛けるきっかけになると考えられたからであった。このうち確かに米国の住宅市場は厳しい調整局面を迎えたが、結果的に大きな脅威とはなりえず、流動性収縮への懸念はこれまでのところ杞憂に終わっている。4 月に新興国の株式市場を中心とした調整が一時的に発生したが、その後、FRB が利下げに転換する予想を拠り所に各国の株式市場は上昇し、NY ダウは最高値を更新する展開となった。

世界経済の拡大、資金フローを支える基本的な条件は今年も維持されると思われるが、昨年末から年初にかけて、各国中央銀行の金融政策は、引締め継続に重心を移しているように見える。

▼経済指標を読む/
 11月第3次産業活動=前年比では夏以降の伸び鈍化


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は18日、11月の第3 次産業活動指数と日銀が発表した製造業部門別投入・産出物価指数について次のようにコメントした――。

(1) 11月の第3 次産業活動指数は前月比0.3%下落
(2) 10-11 月平均は前期比1.2%上昇。12 月次第だがGDP の個人消費が前期比プラスとなる可能性高まる
(3) 12 月の交易条件は、再び前月比で悪化に転じた

11月の第3次産業活動指数
11月の第3次産業活動指数は前月比0.3%下落となり、コンセンサス予想(同0.1%下落)を下回った。しかし、10 月の好調から10-11 月平均は、7-9 月期比1.2%上昇という結果となった。7-9 月期のGDP 統計では個人消費の低迷が全体の足かせとなっていたが、似通った動きをする第3 次産業活動指数でみる限り、12 月の結果次第ではあるものの10-12 月期は、個人消費が前期比プラスとなる可能性は高まっている。

▼株式相場見通し/
  2007年は、「新興株復活の年」になる可能性


大和証券・投資情報部アナリスト課次長の保志泰さん(Yasushi Hoshi/ Daiwa Securities Co., Ltd.)は今朝、本誌の取材に応じて、来週の株式相場見通しについて日経平均で17,100円~17,600円のレンジを予想した。

日米とも景気が堅調で、日米金利が抑え気味であることや商品市況が下げ止まりつつあることなどから株式市場を取り巻く環境は良好で、「特に、株を売る材料が見当たらない」と言う。なお、日銀による追加利上げの先送りについては、「安心というより、(アク抜けできないために)心に引っかかる」と言う。

いずれにしても利上げ先送りで為替は円安に振れている。そして、来週からは企業決算の発表が本格化する。今年は円高と見られていたが、当分は円安が続く可能性が高まった。この円安効果と景気堅調、さらに過去9ヶ月も上方修正して来なかったことから、上方修正する企業が増えると見る。

<利益予想は20%成長=市場も織り込み始めている>

円安環境では、引き続き輸出関連の国際優良銘柄が期待される。
ただ、市場全体が動かないときには、「新興銘柄が買われる可能性がある」と言う。昨年、下げ続けた新興銘柄の調整はすでに終わっており、「そろそろ(買いが)再開されるタイミングではないか」と見ている。

利益成長のペースが止まっていた昨年と比べて、2007年度は20%成長が見込まれる。これは10%弱と予想される大手企業を凌駕する伸び率であり、市場も織り込み始めている、と言う。


▼今日の株価予想/
121円台の円安背景に、好業績銘柄に押し目買い


T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

本日の東京市場は戻り売りが先行しそうだ。昨日の米国市場でハイテク株が売られたことで、東京市場でも同セクターへの売りを見極めることになろう。一方で、先週のSQそして今週の日銀金融政策決定会合というイベントを通過し、市場参加者の目は発表が本格化する企業決算に向うだろう。とりわけ、121円台に入った円安を背景に、好業績が期待できる銘柄には積極的な押し目買いが入るものとみられ、これが相場を下支えそうだ。そのため、本日も戻り売りをこなしながら下値を固める動きになりそうだ。

テクニカル分析
昨日の日経平均株価は続伸。17日の高値17335円を上回ったことで、目先では17日の安値17002円を底値とする上昇トレンドが見られる。また、昨年5月の高値17375円(8日)や1月4日の高値17379円があり、強い抵抗ラインと見られた17300円台後半も上回ってきた。そのため、昨年の高値17563円(4月7日)へのトライも期待できる。なお、細かく見ると、一昨日の高値17335円~昨日の安値17220円までの下落の倍返しとなる17450円も目標値。また、昨年4月21日の高値17479円も上値の節目である。

一方、下値は17300円台前半が最初の支持線。これを下回ると、昨日の安値17220円が次の下値の目途になる。なお、終値で見ると、15日は17209円、16日は17202円、そして17日は17261円と17200円台に集まり、この間は実質的には保ち合い相場だった。しかし、昨日の終値は17370円と、このレンジを上放れてきた。そのため、あらためて上昇基調が強まったと判断できると同時に、17200円台が注目される下値サポートになる。

話題の銘柄
鹿島建設(1812)/構造変化でスーパーゼネコンに魅力が高まる

2006年1月スタートの改正独占禁止法施行後、建設市場で公共工事の低入札価格が続いている。これにより公共工事からの利益が多くを占める土木工事の利益が急低下しており、公共工事に収益の殆どを依存する多くの準大手以下のゼネコン(民間工事に強いゼネコン戸田建設や長谷工コーポ等を除く)は、実質営業赤字に陥りつつある。一方、スーパーゼネコンの単体粗利益の7割強は、民間からの工事が中心の建築工事からの利益と開発事業=不動産事業の利益から来ており、スーパーゼネコンにとって公共工事の重要性は低下しつつある。

UBSでは、準大手以下のゼネコンが民間からの受注抑制(赤字受注を減少)、淘汰やリストラの加速化はスーパーゼネコンの受注環境改善、供給圧力の減少をもたらすと指摘。その一方で、建設労働者の逼迫による労務費の上昇を受注価格に転嫁することにより、利益率は2006年度または2007年度にボトムアウトし、その後改善すると予想。景気さえ持続的に回復すれば、建替え需要の顕在化とシェアアップにより受注及び売上は増加傾向で推移し、談合のリスクが減り透明度が増した日本の建設市場(世界2位の市場規模)は魅力があるとして、スーパーゼネコン4社のレーティング「Buy2」を継続した。

その一角である鹿島は、英国を中心とする欧州での事業の赤字がネックとなっている。同事業は2004年度が155億円、2005年度は157億円の経常赤字を続けて計上、今2006年度も69億円の経常赤字見通し(期初では赤字脱却を想定)。90年代後半にも、米国で多額の経常損失を計上した前科があり、海外事業でのリスクコントロール、損失処理のやり方と見通しに甘く、今後も海外事業は潜在的なリスクとみている。その一方で、今春に英国で残る2つのプロジェクトが竣工で受注残はなくなり、来2007年度は少なくとも欧州で赤字が大幅に減少する可能性が高いと指摘。また、スーパーゼネコン4社の中で不動産開発に最も強みを持つ会社であることを評価、目標株価1000円を継続した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【18日】売り、買いともに=ソフトバンク

ネット証券評議会は18日(木)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

同日分の日次データは以下の通り――。

●東証IPO銘柄 
■株式会社ストリーム (3071)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200702/2stream.html

当社は、平成11年7月、中国(香港)向けにパソコン及び周辺機器の輸出を行う 企業として、文京区湯島で創業いたしました。平成12年1月より利用者が急増していた国内のインターネット通販事業へ本格的に参入いたしました。当サイトは、わずか数年でインターネット通販でトップクラスの地位を築き、現在では当社の主力事業へと成長しました。又、中国上海に子会社2社を有し、日本企業の中国市場進出のパートナーとして強力にバックアップしております。 同社ホームページ http://www.stream-jp.com/

▼FX市場ウォッチ/
 日銀の追加利上げ見送り⇒「円売り」が進む


元為替ディーラーで、『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は昨日、17日の為替相場について、概ね次のようにコメントした――。
ユーロ円相場
1月17日の東京市場のユーロ/円(EUR/JPY)は、[156.00]アラウンド---[156.00-05]レベル---でオープン。東京市場では、概して[156.00]を挟んで、20銭程度の上下動に推移。
ロンドン市場では、「ユーロ売り円買い」が出て、[155.50-55]レベルに下げた。しかし、155円台ミドルを下に抜けることが出来ない様子を見て、底堅いと考えた向きが、「ユーロ買い円売り」を行い、ニューヨーク市場では、156円台前半に戻している。そのままニューヨーク・クローズを迎えている。
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1月18日の東京市場では、金融政策決定会合で、現行の金融政策の維持を決定したことから、「円売り」が進み、ユーロ/円(EUR/JPY)は、156円台ミドルないし156円台後半に上昇している。


▼円相場と利上げ/
早く利上げすれば、みんな安心して円売りに出る


マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は18日、日銀の追加利上げ見送りと円相場について、次のようにコメントした――。

日銀は金利の据え置きを決定しました。投票の結果は6:3で3人が利上げを主張しました。
3人が誰かを考えると、水野審議委員は当確、残りは野田伸議員、西村審議委員、須田審議委員のうちの2人ではないかと思います。

さて、6:3ということは 後2人利上げに賛成すれば利上げ決定ということになります。つまり誰か1人が賛成すれば、福井総裁が利上げを決断して 5名の過半数を超えるということになります。これで、2月の利上げの可能性はかなり高くなったといえるでしょう。利上げが遅れたことで、目先は円安ですが、2月の利上げはかなりありそうだという認識は持っておく必要があるでしょう。

また、今井さんは以下のようにも語っている。

一度利上げをしても所詮、金利はまだ0.5%、この程度では、円安の流れを止めるのは難しいと大方の人は考えています。しかし、利上げが実施された場合、一時的に円高になる可能性がある。それに引っかかりたくない。出来れば利上げで円高になったところで円売りをしたいと考えている人が沢山いても全く不思議ではありません。本当は円売りをしたいのだけど、利上げによる一時的な円高を嫌がって、手が出せない人がいるので、早く利上げをしてくれれば、みんな安心して円売りをするだろう。

▼「1.18」後と債券相場/
  早くも「2.21利上げ」までの居所探ってもみ合う


三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:30、長期金利(債券相場)見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

<予想レンジ>
・ 長期金利(#284)1.680%~1.715%
・ 債券先物(3月限) 134.10円~134.45円

<シナリオ>
「1.18追加見送り」明けの長期金利は、早くも「2.21利上げ」の可能性を瀬踏みしながら、それまでの居所を探って神経質にもみ合う。

▼「1.18」後と債券相場/
「2月利上げ」は五分五分だが、「なし」と見る


日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

本日の想定レンジとコメント …先物3月限は昨日のレンジ内、カーブはやっとフラット化
利上げ騒動の余波があり、市場のメインは2月利上げである。一方、米10年国債利回りが4.80%台をつけて反落した(フック・リバーサル)のはフォロー。本日の先物3月限は(昨日も同じことを書いたが)前日のレンジで推移と予想する。カーブは2月の利上げ観測も手伝い、やっとフラット化と見る。(AM6:49、佐野さん)
本日の想定レンジ(長国先物3月限) : 134円01銭 ~ 134円40銭

ニュース・チェック
★午前の東京市場=株価は、新興株続伸、為替はドル円121台、ユーロ円157円台
今日午前の東京株式市場は大型株が軟調のなか、新興株が堅調に推移している。日経平均 が終値で前日比-112.51円安の17258.42円、またTOPIXも同-7.13安の1708.04、JASADAQ指数は同+0.35高の91.16となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄は大盛工業(1844)、森組(1853)、昭和ゴム(5103)。また為替は円売りが進み、ドル円相場は121.33-121.38円前後で推移、ユーロ円は157.52-157.58円前後で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

カブドットコム証券株式会社(8703)
■東京証券取引所「第5回(平成18年度)個人株主拡大表彰」受賞について
http://www.kabu.com/company/pressrelease/2007/20070118_2.asp

松井証券株式会社(8628)
■逆指値の導入について
http://www.matsui.co.jp/company/index.html

いちよし証券(8624)
■「ラップアカウントMYSTAR」の提供開始のお知らせ
http://www.ichiyoshi.co.jp/ir/ir/pdf/20070118_japanese.pdf

松下電器産業株式会社(6752)
□アルカリ乾電池 単1形・単2形・単3形・単4形を発売
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?B8_2DF_28_kqp

ソニー株式会社(6758)
■最大610万画素の静止画記録を実現した、
コンパクトなデジタル ハイビジョン“ハンディカム” 3機種 発売
  http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200701/07-0118/ 

日本電気株式会社(6701)
■1月17日 当社米国預託証券(ADR)のNASDAQ取引について
http://www.nec.co.jp/ir/ja/index.html

株式会社サイバーエージェント(4751)
■「第5回(平成18年度)個人株主拡大表彰」を受賞いたしました
http://www.tse.or.jp/news/200701/070118_c.html
■サイバーエージェント「Ameba(アメブロ)」が大手パソコン教室と事業提携
団塊の世代をターゲットにブログライフ提案
http://ir.cyberagent.co.jp/