福井総裁会見詳解・2007年景気見通し②・今日の株価予想ほか

▼福井総裁会見詳解/
 現状を“丹念に”分析するバックワード・ルッキングに軸足

クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、一昨日行われた福井日銀総裁の記者会見について、改めて分析を行ったところ、キーワードは“丹念に”という言葉にあることが浮き上がった、と言う。

ポイント:
19 日の福井総裁の記者会見発言要旨を改めて読むと、“丹念に”という言葉が目に付く。今回の会見のキーワードは“丹念に”であると言って差し支えないだろう。日銀は足元の景気評価に慎重化しており、「景気は良い」ことを前提にしたフォワード・ルッキング・アプローチから、現状を“丹念に”分析するバックワード・ルッキング・アプローチに軸足を移したと言える。“丹念な”分析と早期の追加利上げは整合的ではない。


▼2007年景気見通し②/
 景気上昇+金融緩和効果蓄積⇒株価・不動産上昇へ

昨日に引き続いて、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)の2007年景気見通しをご紹介しよう。後編は、株価動向や為替相場にも関連があるので注目されたい――。

(3)モノインフレの前に資産インフレ ・・・来年夏には日経平均2万円へ接近?

新年はデフレもインフレも問題にならない。金融の超緩和が続いているが、これで直接マネーを増やすことも、インフレ率を引き上げることもできない。それでも、バブル期に見られたように、低金利で株や不動産などの資産価格が上昇し、その取引増を通じてマネーが増加し、資産効果からフローの需要増に波及し、インフレ率上昇に働きかけるルートはある。

新年は追加利上げが予想される中で債券価格の上昇は期待しがたいが、景気の上昇と金融緩和効果の蓄積が株価や不動産の価格を上昇させると見込まれる。出遅れていた日経平均株価は、来年夏には2 万円近くまで高まる可能性がある。資産取引が高まると、これがマネーサプライの伸びを高めることになるが、それでもモノインフレにすぐ火がつくわけではない。もっとも油断すると、89 年のように、突然消費者物価が上昇率を高めることになる。それから金利を上げても手遅れだ。


▼今日の株価予想/
 昨日の急速な戻り⇒押し目買い意欲の強さ確認

T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

本日の東京市場はもみあいからのスタートになりそうだ。米国株式は反落ながら消費拡大による先高期待は根強く、これはなお下値支え要因になろう。一方、昨日見られた急速な相場の戻りからは、東京市場での押し目買い意欲の強さが見てとれる。とりわけ、鉄鋼を含む主力銘柄が活況で、これは海外投資家からの積極的な買いを示すものとの思惑を強めている。この流れを受けて、個人投資家も押し目買いの姿勢を強めていることから、底固い相場は続きそうだ。したがって、17000円台回復を受けて、本日はこの大台を意識しながらの値固めになりそうだ。

テクニカル分析
昨日の日経平均株価は大幅反発。19日の高値16954円を上回ったことで、同日の安値16754円が目先での底値となり、上値を試す展開となった。さらに12月18日の高値16993円を上回ったことで、16993円~16754円までの下落の倍返しとなる17230円が目標値になる。さらに、今年最大の下落の起点となった大型連休明け後の高値17375円も、今後の上値の目途になろう。

一方、下値はまずは17000円の大台が維持できるのかが注目される。仮に、これを割り込むと16900円が支持線になる。ここには、10月の高値16901円(24日)がある。なお、一昨日の下落でも、16700円台は割り込まなかった。ここには年初来高値17563円(4月7日)と10月高値16901円(24日)を結んだラインがあり、強いサポートとして注目されていた。このラインの上の水準を維持できたことで、年初来高値と年初来安値(6月14日安値14045円)を2つの頂点とする中期的なトライアグルから、相場は上放れてきたとの見方がより強まった。この観点からは、年初来高値も中期的な目標値として意識される。

話題の銘柄
日本油脂(4403)/中期的成長が期待できる製品群を多数保有
前期まで好調だったARフィルムが伸び悩んだことで、直近の株価は市場インデックスに対してアンダーパフォームしている。PDP用ARフィルムのシェアは7割程度と高く、ほとんどのメーカーに幅広く納入している。よって、PDP全体需要の動向が同社のARフィルムの販売に大きく影響するため、厳しい値下げ要請によりしばらくは収益の伸びが鈍化することは避けられないと想定される。ただ、中期的には以前に比べてペースは鈍化するが、数量効果による増収増益が期待できよう。また、ARフィルム以外にも脂肪酸や有機化酸化物が堅調を持続するほか、MPC(生体適合性に優れる樹脂)や高純度メトキシPEG、可溶化剤、電子材料といった電子材料の伸びが見込まれる。コスモでは、DDS関連や液晶・基板関連など中期的に成長が期待できる専門性の高い製品群を多数保有している点を再評価。07.3期の売上高を前期比6.9%増の1530億円(会社計画1500億円)、営業利益が同5.4%増の117億円(同115億円)、EPS40.4円(同39.7円)、08.3期はARフィルムの復調により、売上高が07.3期推定比3.1%増の1578億円、営業利益が同13.1%増の132億円、EPS42.0円を予想。投資判断を「B+」→「A」に引き上げ、目標株価を08.3期予想PER20倍の820円に設定した。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/


▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【20日】売り、買いともに=新日鉄

ネット証券評議会は20日(水)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

同日分の日次データは以下の通り――。


▼2007年FX見通し/
 年央にかけ、円は対ドル、対ユーロで上昇と予想

主要3通貨の相対関係で言えば、2005年は「ドル高」、2006年は「ユーロ高」であったが、
大和総研・経済金融調査部・為替分析担当シニアエコノミストの亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、2007年の為替相場は「円高」になる可能性が高い、として次のようにコメントした――。

07年序盤(1~3月)は、景気減速局面で米利下げ期待が膨らみ、ドル売りの様相が強くなろう。円、ユーロともに対ドルで上昇しようが、為替水準や経常収支が影響し、ユーロ買いよりも円買いが優勢になると予想している。ただし、年央にかけて(4~6月)は、世界的に景気減速が進む局面で、リスクが米国以外にも分散するため、ドル売りは一服するだろう。

しかし、年後半(7~12月)は、世界景気が回復に向かう局面で、金利先高観の優位性などから円が買われやすいとみる。07年の始値と終値を比べると、ドルとユーロの相対関係に大きな変動はなく、円はドルとユーロに対して上昇すると予想している。


▼ユーロ円相場予想/
 高値更新を継続、「上値のめど」は見当たらない

元為替ディーラーで、『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は20日、ユーロ相場について、概ね次のようにコメントした――。

何度でも、繰り返し書く。
『値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い』

この「ユーロ売り」とは、対円でも、対ドルでも、『値ごろ感での、安易な「ユーロ売り」は止めた方が良い』と考えている。特に、ユーロ/円(EUR/JPY)は、高値更新を継続しており、「上値のめど」は見当たらない。

「ユーロ売り」でつかまっている場合は、レベルを気にしないで、『損切りは、切り遅れたら、【今すぐに切る】こと』が重要。

1.27台、1.28台、1.29台での「ユーロ/ドル(EUR/USD)売り持ち(ユーロ・ショート)」を抱えている場合は、さっさと損切って、新たな気持ちで、現在のマーケット(相場)に臨んだ方が良い、あるいは、次のチャンスに備えるように対応した方が良い、ということです。140円台でのユーロ/円(EUR/JPY)のショート(売り持ち)は、致命傷になる前に、損切りを敢行した方が良い。


▼オセアニア通貨取引/
 NZドル・豪ドルは、意外にメジャーな通貨ペア

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、オセアニア通貨について次のようにコメントした――。

オセアニア通貨ではここのところ、NZ$円ばかりが上昇し、A$円がついていかないという展開が続いていましたが、昨日その動きが逆転しました。円売りをしたいのだけど、どっちの通貨にしようか迷ってしまうことってよくありますね。迷った挙句買ったほうは全然上がらず、自分の買ったほうとは逆ばかり上がってしまうという経験をしたことのある方も沢山いらっしゃるのではないかと思います。そんな時少し考えてみたいのは、円クロス以外の動きです。

A$NZ$という通貨ペアは意外にメジャーなのをご存知でしょうか?
そのチャートを見ると、ここのところA$がずっと下落をしてきていました。しかし9月、10月の安値に迫って、下げと止まっているのがわかると思います。こうしたレベルを見て、今度はA$の逆襲が始まりそうだなと予想してみるというのも有効な考え方の1つです。ちょっとマニアックですが、ご紹介しておきます。


▼国債発行計画と債券市場/
 現実味増す、「公社債は物不足の時代が来る」

日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

来年度国債発行計画の発表…目先のサプライズはなし。しかし、財政再建は進む
昨日、来年度の国債発行計画が発表された。基本的には19 日の本レポートに沿った内容である。
発行総額は143.8 兆円にとどまり、今年度当初(165.4 兆円)比21.6 兆円減は過去最大の減額だ。内訳は、新規財源債25.4 兆円(同30.0 兆円)、借換債99.8 兆円(108.3 兆円)、財投債18.6 兆円(27.2 兆円)。新規財源債の減額(4.5 兆円)もこれまでで過去最大だった今年度を若干上回る。もちろん、税収増の恩恵は大きいが、小泉改革の基本理念が安倍政権に引き継がれ、財政再建の方向性は堅持されていると言えよう。

ちなみに、来年度末の長期債務のGDP 比は104.8%と今年度末見込み(105.1%)に比べて低下する予想になっている。借換などのキャッシュが存在しない新規財源債の発行が大きく減ったことは債券市場にプラスとなる。筆者は国債発行減などに伴い、「公社債は物不足の時代が来る」としているが、徐々に現実味を帯びてこよう。


ニュース・チェック

★午前の東京市場=株価は、円安進行と鉄鋼など再編期待で続伸
今日午前の東京株式市場は円安進行と鉄鋼など再編期待で続伸した。日経平均 が終値で前日比+55.28円高の17066.32円、またTOPIXも同+6.02高の1673.03、JASADAQ指数は同+0.01高の86.89となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄はアストマックス(8734)、ミヨシ油脂(4404)、日本科学冶金(5995)。またドル円相場は118.33-118.38円前後で推移、ユーロ円は上昇して、156.04-156.11円前後で推移している。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

松下電器産業株式会社(6752)
□頑丈(タフ)モバイル「TOUGHBOOK」2シリーズ発売
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?vR_2DF_1V_kqp

本田技研工業株式会社(7267)
■“公開買付けの結果および子会社の異動に関するお知らせ”を掲載しました。
http://www.honda.co.jp/investors/filings/2006/tender-offer-20061220-j.pdf

■“2006年度 半期報告書”を掲載しました。
http://www.honda.co.jp/investors/financialresult/