▼安倍内閣と経済金融政策/
日銀にとっての脅威は、内閣ではなく自民党?
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、安倍内閣の経済閣僚と、今後の経済政策の見通し、さらに日銀との関係について次のような分析を行った――。
ポイント:
安倍政権の経済政策運営に対する期待は、現状、二分されているようだ。思い切った政策が打ち出される可能性は低く、評価できないというものと、成長戦略が鮮明に打ち出されており、日銀包囲網も磐石だ、というものである。しかし、どうやら、このいずれの評価も適切ではないようである。安倍政権は経済政策に関心がないわけではない。もっとも、内閣の布陣は、マクロ派ではなく、ミクロ派であり、「線」ではなく「点」での政策運営になる可能性が高い。新内閣については、マクロ経済政策のグランドデザインを描く能力については疑問があるが、税制、再チャレンジなど、ミクロ的な政策が、横のつながりを持たずに、ポンポンと出てくる可能性が高い。従って、マクロ経済政策のグランドデザインは中川幹事長を軸に自民党が描いていくことになるだろう。日銀にとっての脅威は、内閣ではなく、自民党となるであろう。
▼世界の金利見通し/
世界の金利水準は、依然として「緩和的水準」
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は27日、日米欧がこぞって利上げをする中で、石油や金などの資源価格が急落したことから、金融引締めの影響が取りざたされるが、「米国も含めて、世界の金利水準は依然として緩和的な水準にある」として次のように語った――。
<主要国=足元の名目成長率より政策金利が明らかに低い>
各地域の名目成長率(前年比)と政策金利を対比してみると、利上げの打ち止め観測が出る米国でも、名目7%成長のもとでFF金利は5.25%、ユーロでは4.5%成長のもとで3.0%、日本では1.6%成長で0.25%と、いずれも足元の名目成長率より政策金利が明らかに低くなっている。
長期金利も同様だ。米国の7%成長で10 年債は4.5%台、ユーロでは4.5%成長で3.7%前後、日本では直近の名目成長率と長期金利がほぼ同水準だが、実質成長の2.5%対比では1.6%の長期金利が低くなる。
「景気に中立な金利水準」という言葉が使われるが、米国では4-5%程度とみられている。
今日のFF金利はこれを若干上回る「引き締め的な水準」ということになっていて、従ってまだ顕在化していない引締め効果を「パイプラインに残っている引き締め効果」とし、それがどの程度あるのかが議論されている。ここでいう中立的な金利水準とは、過去の平均的な水準であったり、持続可能な実質成長率に期待インフレ率を加えてみたり、ということで、必ずしも最近の経済成長テンポと対比されているわけではない。
▼9月日銀短観予想/
業況判断DI=循環的なピーク・アウト示すと予想
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は27日、来週月曜日に発表される9月調査日銀短観について、次のような予想を行った――。
<特に製造業者は、当初見通しと比べ状況はそれほど良くない>
11 月にも戦後最長の景気拡張期を迎える可能性が一段と高まっている中、10 月2 日発表予定の9 月の日銀短観調査では、企業の業況判断DI は、循環的なピーク・アウトを示すと予想している。
特に製造業に関しては、原油価格高騰と価格転嫁の遅れを背景に交易条件は大幅に悪化していること、7 月の鉱工業生産や機械受注が予想外に悪化したことからすると、製造業者の当初見通しと比べ、状況はそれほど良くない可能性がある。景況感の水準は依然としてバブル崩壊後2 度の景気回復局面のピークを上回るものの、モメンタムは若干後退していると推測される。当社では、大企業製造業の業況判断DI は6月の+21から+19 へ鈍化したと予想している。
非製造業に関しては、横ばいの+20 を予想している。ミクロの統計から判断すると、小売や運輸等は悪天候による売上高の減少やエネルギー価格の高騰によるコスト上昇から悪化している可能性が高いものの、好調な不動産投資や旺盛なソフトウェア投資を背景に、全体としては高水準を維持しただろう。中小企業についても、製造業は+5 と前回より2 ポイント悪化、非製造業は-6 と横ばいを予想している。
▼中国経済ウォッチ/
点在!投資再加速につながりかねない「火種」
大和総研・投資戦略部の児玉卓さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は最近、中国経済に現状と見通しについて次のような見方を示した――。
8月の固定資産投資の前年比増加率が前月の27.4%から21.5%にはっきりと鈍化し、これまでの一連の引き締め策が奏効してきたという認識が広がっている。それは間違いではなかろうが、問題は引き締め策のどの部分が効いているのかにある。それが銀行への窓口指導や土地利用規制の強化等の非市場的手段であれば、近い将来に投資が再加速する可能性を考慮しておく必要があろう。
<今回の投資減速は、持続可能な成長に向けた第一歩とは言えず>
非市場的手段がどれほどの効果を持つかは、その政策自体の強度だけではなく、どれだけの地方政府が中央の方針を尊重するかにも依存する。そして、その尊重のあり方はそれなりにダイナミックな性格を持ち、従って、中央の方針に対して地方政府が抱く予想によって変化する。過去の引き締め策についての中央政府の自賛は、より強い引き締め政策が採用されるという予想を後退させるであろう。そうした中で地方政府が投資抑制の姿勢を強化させるとは見込みにくい。しかも、投資に関して中央政府が望んでいるのはスピード調整に過ぎず、基本が高成長志向にあり、それは中央・地方で共有された方向であるという認識はほとんどコンセンサスに近い。従って、引き締め一服の先の遠くない将来に、緩和への転換を見込む地方政府も出てこよう。
【Washington Political Report】(有料)特約 (August 19-25, 2006)
共和党を助けることになった連銀の金利政策
米国の政治・政策に関するコンサルタント、ロビイストとして、ワシントンで活躍するポール室山&アソシエイツ社長のポール室山さん(Paul M. Muroyama / Paul Muroyama & Associates, Inc.)。同社が発行するレポート『Washington Political Report』(有料)は、米国の政治情勢、さらには中東など世界情勢をウォッチする上で欠かせないレポートとして定評がある。同レポートから次の1本の記事をご紹介する――。
20日(水)に定例政策会議を開いた連銀は8月8日に続いて今回も金利を据え置くことを決めました。ガソリンを初めとするエネルギー価格が目に見えて下降し住宅産業も冷え込んでインフレ圧力は明らかに後退したので、フェデラル・ファンド・レートを5.25%に据え置くというのは順当な決定です。この経済環境が続けば次の定例政策会議(10月24日、25日)でも金利の変更はないでしょう。
今回の決定は中間選挙への間接的な影響を持つ実は大切なものでした。経済環境が金利引き上げを不要にしたことは事実であるとしても、もし万が一金利引き上げがあった場合はウオールストリートへの影響は甚大で、株価の下落に伴って景気後退の懸念さえ出て来るところでした。そうなった場合には中間選挙で共和党に致命的な打撃がでることは目に見えており、それがブッシュ政権を初め共和党関係者が一番心配していたことでした。次の定例政策会議でも金利引き上げの可能性はほとんどありませんが、しかし万一引き上げがあっても選挙間近で影響は限られています。大事なのは今回でした。
今回の決定でバーナンキ総裁率いる連銀は安定感と信頼感を増しました。特に共和党関係者の間での信頼が増しました。今度の選挙ではイラク問題やブッシュ大統領支持率の低下など共和党にとって色々不利な条件が重なっているように言われますが、経済だけは共和党の味方です。いつの選挙でも実際には経済こそが最も重要な勝敗の鍵であり、そういう意味では今の共和党の立場は悪くはありません。
<室山氏のプロフィール>
ポール・室山。1982年よりアメリカ合衆国首都ワシントンDC近郊に在住。アメリカの国際弁護士事務所、ロビイング会社、PR会社勤務を経て1988年独立。アメリカの政治・政策に関するコンサルタント、ロビイストとして活躍。著書に「ワシントン政治を見る眼」(2001年4月、中央公論新社から出版)がある。学習院大学大学院卒。米国永住者。
▼今日の株価予想/
昨日急騰で、9月前半から続いた上値重い流れも終息
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
本日の東京市場もしっかりとしたスタートになりそうだ。
昨日の急騰で今月前半から続いた上値の重い流れも終息し、押し目を買う動きが強まりそうだ。史上最高値をうかがうNYダウに対する出遅れ修正に加え、実質下半期入りによる新規資金の流入への思惑もある。さらに、首相の所信表明演説を前に成長重視の政策や首相の訪中への期待も下値を支えよう。明日のCPI、鉱工業生産や来週初の日銀短観など注目される経済指標の発表を見極めたいとする動きはあるものの、押し目では積極的な買いが入り底固い値動きになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は大幅反騰。マド空けでスタートすると、そのまま押し目らしい押し目もないまま上昇し、9月19日安値15867円~9月21日高値15859円にあったマド埋めた。さらに、9月初旬の高値ゾーンから右肩下がりに引くことができる下降トレンド・ラインを突破したことで、今月の軟調な流れは終了したと見られる。したがって、目先では9月25日安値15513円を底値とする上昇トレンドが確認できる。ここから上値の節目は、まずは15960円水準。ここには、9月高値16414円(9月4日)~9月安値15513円(9月25日)までの下落の50%戻し15964円や、200日移動平均線15966円がある。これを上回れば、先述の下落の61.8%戻しとなる16070円がターゲットとなる。一方、下値の節目は昨日の安値である15681円。これを下回ると、昨日の高値が短期での天井となるだろう。
なお、今月の相場は、8月28日安値15745円と9月4日高値16414円を2つの頂点とする保ち合い圏(ウェッジ)を形成していたと見れば、昨日の上昇でそのゾーンから上抜けた形になっている。仮にそうならば、中期的な上昇トレンドが形成される。そして、9月6日安値16284円からのマド埋めが達成できれば、さらに長期の上昇トレンドにつながる可能性もあろう。
話題の銘柄
住友重機械工業(6302)/シクリカル性が薄まり、成長性が高まっている公算大
ドイツ証券では、「当社では現行中期経営計画「躍進07」における最終年度数値目標である08年3月期営業利益600億円、推定EPS約60円について、最近の受注動向などを踏まえ、これを上回る可能性が高いと予想している。マネジメントの『トップライングロース』へ向けた姿勢、変減速機の用途拡大・海外展開、またこれを組み込んだ装置・システムとして価値連鎖によるシナジー効果の追求などの方向性は支持できる。また射出成形機、PET用サイクロトロンなどに加えて、CFBボイラ、ゴライアスクレーンなどが好調。景気の先行的な業種から遅行業種の需要を広く捉えており、シクリカル性が薄まり成長性が高まっている公算が大きいと言えよう」と指摘。今2007年3月期連結営業利益を会社計画530億円(EPS51.6円)に対し555億円(EPS54.1円)、来2008年3月期630億円(EPS62.4円)、2009年3月期630億円(EPS62.4円)と予想。同社ヒストリカル「安値平均」PER(18.6倍)を基準とし、目標株価を1150円に設定。投資判断「BUY」で新規カバレッジを開始した。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【27日】売り、買いともに=ソフトバンク
ネット証券評議会は27日(水)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。
同日分の日次データは以下の通り――。
ニュース・チェック
★午前の東京市場=株価は、利益確定売りをこなしながら続伸
今日午前の東京株式市場は利益確定売りをこなしながら続伸。日経平均 が終値で前日比+41.24円高の15989.11円、またTOPIXも同+8.47高の1599.51、JASADAQ指数は同+0.66高の88.43となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄はユニコ・コーポレーション(8569)、フルヤ金属(7826)、エヌアイシ・オートテック(5742)。またドル円相場は117.47-117.52円前後で推移、ユーロ円は149.40-149.53円前後で推移している。
★カカクコム=複数のショッピングサイトを横断検索できる「ショッピングサーチ」を開始
株式会社カカクコム(代表取締役社長・田中実氏、2371)は、2006年9月27日より同社の運営する価格比較サイト「価格.com」において、複数のショッピングサイトの商品を横断検索できる「ショッピングサーチ」を提供開始する。「本機能と従来のデータベース構築による参加店舗からの価格登録システムと併用し、圧倒的な商品点数とカテゴリごとの検索性、コミュニティ機能を備えたショッピングポータルを目指します」と言う。
http://kakaku.com/info/press_release/20060927a.pdf
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
日本リテールファンド投資法人(8953)
09/27資金の借入(金利決定)に関するお知らせ
http://www.jrf-reit.com/ir/index.html
松下電器産業株式会社(6752)
□モバイルノートパソコン Let'snote 4シリーズ発売
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?gX_2DF_1k_kqp
住商情報システム株式会社 (9719)
株式会社岡村製作所(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:久松一良)が、
社内のWebシステムのユーザーインターフェイスを強化するために、
リッチクライアント言語である「Curl」を採用したことを発表
http://www.scs.co.jp/ir/index.htm
本田技研工業株式会社(7267)
■2006年度 第2四半期決算発表の日程2006年10月25日(水)をお知らせします。
http://www.honda.co.jp/investors/calendar/
■自己株式の市場買付に関するお知らせを掲載しました。
http://www.honda.co.jp/investors/filings/2006/index51.html

