■グローバル化と日本の危機/
格差是正に本腰入れなければ「植民地インド」の二の舞
~日本人個人の能力差を超越した「経済格差の原因」~
三菱UFJ証券リサーチ本部チ-フエコノミストの水野和夫さん(Kazuo Mizuno/Chief Economist, Mitsubishi Securities Co., Ltd.)は最近のレポートで、政治が経済格差を真剣に取り除く努力をしなければ、かつて「インドを貧乏にしたから英国は豊になれた」という“インドの教訓”が日本に当てはまり、「日本国内で英国とインドの関係が10年超にわたって起きている」と警鐘を鳴らす。
アジアの近代化は成長の「収斂仮説」で説明ができる。
収斂仮説とは、ある条件を満たせば、生活水準の低い国は平均して豊な国よりも速く成長し、初期の貧しいときの所得水準に影響を受けず、最終的には先進国の生活水準の7 割から9 割に収斂していくというのである。
<インフレ志向的な政策は、国の長期停滞に手を貸すだけ>
近代資本主義が成立して以来、この仮説は妥当性を有している。
1600 年当時最も豊な国はイタリア、スペインであり、貧しい国は米国であったが、1870 年には米国は170 年前の豊な国に追いついた。英国の覇権がピークを迎えた1870 年に、貧しかった日本は、1995 年には先進国ベスト5 に仲間入りした。重工業中心の産業革命が19 世紀後半に欧州大陸や日本で起きて、1970 年代前半に大量生産・大量消費社会はピークを迎えた。その後、様々な矛盾が顕在化してきたが、1990 年代になってIT 革命とグローバリゼーションで資本主義が質的に変貌を遂げた。1995 年時点で貧しい国は中国、インド、ロシアなどのいわゆるBRICsである。成長の「収斂仮説」によれば、数十年後には中国の生活水準は同じ時期に予想される先進国の所得の7割に追いつくことになる。
初期時点で豊な国はすでに国内で開発を終え、投資機会が減り、低成長かつ超低金利の時代が到来している。1995 年以降最も豊な国である日本が400年ぶりの超低金利時代に突入していった基本的背景は、過去のイタリアやオランダ、そしてイギリスと同じである。超低金利を実現した国が、後発国の金利よりも高くなると、超低金利国は衰退に向かう。16 世紀前半に超低金利国イタリアの金利がオランダの金利よりも高くなって数年後にイタリアは世界の中心から消えた。現在日本の長期金利は2.0%以下で推移しているが、04 年には5%あった中国の長期金利は3.0%前後まで低下し、日本に接近してきた。インフレ志向的な政策は国の長期停滞に手を貸すだけである。
▼日本経済ウオッチ/
素材・エネルギー高を労働コスト抑制で調整する企業
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、「プラス化しないユニット・レイバー・コスト」と題して次のような見解を示した――。
弊社の推計によれば、4-6 月期もユニット・レイバー・コスト(単位労働コスト、名目雇用者報酬/実質GDP)は前年比マイナスの領域(-0.8%)に止まった模様である(図表1)。毎勤統計と労働力調査を用いて推計される雇用者報酬の伸び(前年比)が2.0%程度と、1-3 月期比幾分弱含むとみられる(図表2)一方、4-6 月期の実質GDP 前年比は弊社見通し(前期比年率1.8%増)に基づく限り、+2.8%程度となるためである。これで、ユニット・レイバー・コストは、2002 年4-6 月期から17 四半期連続の前年割れとなる。労働コスト上昇によるインフレ圧力の高まりはみられない。
<素材高・エネルギー高≠日本経済にとってインフレ的>
ユニット・レイバー・コストのプラス化が回避されているのは、企業が1 人当たり賃金の伸びを依然として抑制しているためである。過剰雇用が解消された中で企業の採用意欲はそれなりに回復しているものの、交易条件循環(素材高、エネルギー高による交易条件の悪化)を背景とした企業利益環境の悪化を受けて、賃金引上げを渋る企業が増加しているとみられる。夏のボーナスも、毎勤統計でみる限り、6 月時点での滑り出しは昨年に比べてかなり弱く、中小企業も含めたマクロベースでは前年並みで仕上がる可能性が十分にあるだろう。
▼中国経済ウオッチ/
高成長ゆえの歪、景気加速で内外に波紋広げる
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満さん(Mitsuru Saito/Chief Economist, Tokai Tokyo Securities Co.,Ltd.)は2日、「中国経済が減速懸念とは裏腹に、むしろ景気加速で内外に波紋を広げている」として、次のようにコメントした――。
<価格抑制=国有企業の利益減+政府の財政赤字で負担・吸収>
数字の制約はあるが、高成長ゆえの歪が随所に見られる。中国の実質成長率は01年の7.4%を直近の底に、以後毎年スピードアップし、昨年は9.9%成長となり、今年前半には11%成長と、ついに2桁成長となった。
中国を筆頭に、いわゆるBRICsの台頭が、供給の増加を通じてグローバルにデフレ圧力となる、との見方がつい最近までみられた。しかし、『セイの法則』を持出すまでも無く、供給がそれ自体大きな需要を生み出し、資源価格などの上昇をもたらしている。原油価格は70ドル以上が定着し、金価格も600ドルを下らない。
それでも中国国内の物価は、消費者物価上昇率が1%台に止まっているため、インフレ懸念とは程遠い状態にあるが、実際には多くの価格が規制下にあって、原油価格や鉄鋼などの輸入コストが高まっても、ガソリンなどの販売価格が低く抑えられているだけだ。その分は、国有企業の利益減や政府の財政赤字で負担、吸収される。これで財政が制約されると、今度は国有銀行の貸出で代替的に資金供与がなされ、回収できずに不良債権化するケースも少なくない。また沿海地域では大幅な賃金上昇も報告され、「低賃金労働」は、中国からベトナムなどの東南アジアにシフトしている。同時に、内陸部や農村労働者と、これら沿海地域の高額賃金労働者との格差が拡大し、社会不安を増幅。ボトムアップのためにある程度の成長を維持しなければならない悪循環に陥っている。
▼今日の株価予想/
米国株の反発で、東京市場は改めて上値トライ
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
本日の東京市場は買い先行になりそうだ。
過去2日の相場は、米国株式が利上げ休止の有無を巡って神経質な動きを続けていることを横目に、7月の 底値からの上昇に対する利益の確定売りをこなす局面だった。しかし、昨日は米国株式が反発に転じたことで、東京市場はあらためて上値を試すことになりそう。その際には、引き続き好調な企業決算への期待が支えになろう。さらに、日経平均株価が今週の高値を更新すると、今度は7月の高値が意識されることから、押し目買いの意欲も一段と強まる。したがって、本日もしっかりとした値動きになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は反発。朝方は15287円まで値を下げたことで、7月31日の高値15536円が、同27日安値14839円からの上昇トレンドの天井となった。そして、現在はその上昇に対する修正局面だが、昨日の安値は15287円と、14839円~15536円までの上昇の38.2%押し(15270円)の水準で下げ止まった。仮に、ここを下回ると、 50%押しの15187円が下値の目標となる。一方、現状は戻りを試している局面だが、上値の節目は先述の15536円。これを上回ると7月10日の高値15555円の突破につながりそう。その場合、7月4日高値15710円がつぎの上値の目途となる。なお、今週は、値幅で見ると15536円~15287円と上下で249円あるが、終値で見ると月曜日は15456 円、火曜日は15440円、そして水曜日は15464円と上下で24円の極めて狭い範囲にあり、結果的には値固めともいえる状況である。したがって、終値でどちらに放れるのかは、次の相場の方向を見極める上での大きなヒントとなろう。
話題の銘柄
ゴールドクレスト(8871)/地価下落局面で土地を積極的に仕込んだ優位性
8月1日、国税庁が06年1月1日時点の路線価(土地の相続税評価額)を発表した。路線価は、日本全国でみて前年同期比0.9%の上昇と14年ぶりの上昇に転じ、デフレ脱却を意識した報道が多くなされている。野村では、「株式市場では、上場・公開している不動産会社へのヒアリングを通じて、投資適格不動産の価格は、過去2~3年で、既に2倍程度には上昇しているとの認知が進んでおり、大きな驚きはない。しかし、政府が発表した路線価を通じて、地価が下げ止まり、上昇に転じたことが広く一般消費者に浸透するにはタイムラグがあると考えられる。一般消費者が、地価の上昇や住宅ローン金利の先高感を感じ取って、今後住宅需要が強まってくる可能性があると考えており、住宅株やマンション株に注目しておきたい」、「首都圏のマンション価格はまだ横ばいで推移しているが、マンションデベロッパーが取得したマンション用地は03年を底に上昇に転じており、マンションデベロッパーは仕入コストの上昇を夏から秋にかけて販売価格に転嫁するタイミングを狙っている。マンション価格は10~20%程度上昇する可能性が高まっている」と指摘。マンション株の中では、地価の下落局面に土地を積極的に仕込んだゴールドクレストを推奨している。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【2日】売り、買いともに=ソフトバンク
ネット証券評議会は2日(水)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。
同日分の日次データは以下の通り――。
▼ドル円予想/
静かな時、NYはよく後場に仕掛けてくる?
アキ投資顧問・社長の堀内昭利さん(Akitoshi Horiuchi/ President, AKI Investment Advisor)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
もう見飽きた。114円台と146円台。
ドル円とクロス円が落ちる時は、ロングの投げが起きた時のみという印象。連日、同じようなパターン。日中は下げ、欧州は買い、NYも買い、そして最後は投げ。今日はどうなるかわからないけどね。こういう静かな時、NYはよく後場に仕掛けてくるからね。
(8月3日。木曜日。冷麦がうまくない夏、と思う日。)
▼豪ドル相場予想/
強い材料でも上がらない=後でじわじわ効いてくる?
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今朝、ドル円相場の見通しについて次のようにコメントした――。
軽い気持ちで売っていたユーロは少しだけですが、下がってくれたので、
あまり思い入れもないことですからどこかで閉じることにします。
昨日は、非常に小動きでした。豪ドルはここのところ、利上げあり、小売り売上げ高が予想より強かった、RBAがタカ派のコメントを出す(利上げに強気のコメント)など、強い材料が出るにもかかわらず、あがりません。事前に織り込んでしまっていたのでしょう。しかし、後でじわじわ効いてくるような気がしますが、どうでしょうか。
▼8月の債券投資戦略/
9月までの限定で「超長期債買い+中期債売り」
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント …まだ、イベントを控えて伸び悩み、カーブはフラット化一服を予想
昨日の水野審議委員のタカ派発言に対し、市場の反応は予想以上に限定的だった。主因は「慣れた」ということなのだろう。想定通り、1.90%台半ばでは投資家の押し目買いが勝ることとなり、本日はその好地合いを引き継ぐ。しかし、昨日も指摘のように、1.80%台中心に推移するにはまだイベントが終わっていない。伸び悩みと見る。カーブはフラット化一服を予想。物価連動国債入札は、初のリオープンの可能性がある。基本的に波乱なしだろう。(AM6:39、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物9月限) : 132 円18 銭 ~ 132 円54 銭
6、7月の推奨オペレーションのパフォーマンス~9月までの推奨
6月2日の本レポートでは、今月の推奨オペレーションとして、「短期債と超長期債のバーベル」を挙げた。「カーブのフラット化がトレンドになるとは考えておらず、特に10 年国債利回りが1.90%を超え、20-10 年国債複利利回りスプレッドの35bp 以上で積極化したい」とした。しかし、図表1からも明らかなように、6~7月を通じてパフォーマンスは良くなかった。相対的に、超長期ゾーンの需給悪化が目立ち、20-10 年スプレッドはイメージより拡大して推移した。一方、今年度、中期的に推奨の「中期ゾーン、5年国債利回りの1.30%台後半以上での押し目買い」は良好だった。昨年度は超長期債、今年度はこの中期債を物色の中心としているが、国債全体のパフォーマンスがマイナスとなる中、いずれもプラスとなっている。
さて、今月は9月までの限定で、上記バーベルを少し修正し、「超長期債買い+中期債売り」を挙げたい。一方、中期ゾーンの押し目買いも続けていく(目先の矛盾は承知)。ただ、どこかで、これを長期・超長期ゾーンへスイッチすることを考えている。
▼穀物先物相場/
トウモロコシ=9月以降の需給をにらんだ展開へ
エース交易ホームトレード部の陳晁熙(チン・チョウキ)さん(Chen Chaur-Shi)は、トウモロコシ先物相場について、概ね次のようなテクニカル分析を行っている――。
米国中西部の穀物生産地に高温乾燥懸念が強まって、
トウモロコシ相場の地合いが強まっている。
<シカゴ取組高急増は、次の需給相場をにらんだ動き>
7月から8月にかけての天候は順調で、トウモロコシの生育に最も重要な受粉期は大過なく過ごしてきたのに皮肉なことだ。今回の熱波で、トウモロコシが潜在的な最大収量に達しないとの懸念が再燃し、現在の米農務省の単収見通し149ブッシェルを下回るとの見方も出ている。
米気象予報会社メテオロジクスによると、コーンベルト地帯の気温は週半ばから後半にかけて低下する見通しだが、6―10日間予報では中西部は再び高温、乾燥状態になるという。しかし降雨となれば、一転して反落の展開となりそうだ。7月23日時点のクロッププログレスで大豆とトウモロコシの作柄が予想以上に悪化したことから強気ムードが広がり、引き続き作柄が悪化する可能性があるとの見方が強まったが、乾燥が続いていたアイオワ州やイリノイ州で降雨があり、相場は反転していることから、今週末の高温・乾燥による影響も一時的との見方も強い。しかし、シカゴトウモロコシの取組高は140万枚に上り、エルニーニョかラニーニャが発生しているならまだしも、天候相場も終わりかけている状況では異様なほど膨らんでいる。これは、天候懸念による上昇を期待しているというより、その次の需給相場をにらんでの取組と考えた方がよさそうだ。
●新刊書レビュー
『伝説の株必勝法 W.D.ギャンの28鉄則』
林 康史[編著]、定価500円(本体476円+税)、小学館文庫
ウィリアム・デルバート・ギャン。
相場予測に関して数々のエピソードを持つ伝説的トレーダーであり、その考え方は、「ギャン理論」と呼ばれ、現在でも多くの投資家から、“投資の基本”として信奉されている。
本書では、自分なりのルールを確立し、“リスクを最小限に抑えること”が最終的には利益につながると主張し、ウォール街で尊敬された伝説の投資家、W.D.ギャンが遺した「28のルール」を詳しく解説している。これらは、「ネット株取引にも活用できる普遍的な鉄則とも言える」と言う。
さて、ネット株取引にも生かせる「連戦連勝」の秘策とは・・・。
ニュース・チェック
★午前の東京市場=株価は、15,000円台で堅調ながら薄商い
今日午前の東京株式市場は堅調ながら薄商い。日経平均 が終値で前日比+47.71円高の15512.00円、またTOPIXも同+4.29高の1573.94、JASADAQ指数は同+0.27高の92.73となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄は堀田産業(東証2部 繊維製品 3532)、日本テレホン(JQMM情報・通信業 9425)、くろがね工作所(大証2部その他製品 7997)。またドル円相場は、114.71-114.76円前後で推移、ユーロ円は146.27-146.43円前後で推移している。
★サイバーエージェント=第3四半期業績(連結)は、純利益が133.4%の大幅増益
株式会社サイバーエージェント(代表取締役社長:藤田晋氏、東証マザーズ4751)は2006年9月期第3四半期業績(連結)を発表した。( )内:対前年同半期増減率。売上高41,713百万円 (38.8%)、営業利益1,832百万円 (32.6%)、経常利益1,711百万円 (20.0%)、当期純利益 4,543百万円(133.4%)。 http://ir.cyberagent.co.jp/upload/ir_latest_material/ir20060802_renketsu.pdf
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
カブドットコム証券株式会社(8703)
平成18年7月 委託手数料及び業務計数の開示(速報値)
http://kabu.com/company/pressrelease/20060802.asp
松井証券株式会社(8628)
平成18年7月の月間売買実績・口座数等(速報値)のお知らせ
http://www.matsui.co.jp/about_matsui/disclose/press/new.html
松下電器産業株式会社(6752)
□温水洗浄便座「 ビューティ・トワレ 」 SZシリーズを発売
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?ax_2DF_T_kqp
□DVDビデオカメラ「DVDデジカム」VDR-D400を発売
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?ay_2DF_T_kqp
ソニー株式会社(6758)
■有効720万画素CCD搭載「光学式手ブレ補正」機能と「高感度ISO1000」に対応した
“ダブルでブレない”スタイリッシュな“サイバーショット”発売
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200608/06-0802/
■高感度ISO1000対応でブレに強い2.5型液晶搭載、スタミナ “サイバーショット”発売
~デジタルスチルカメラを初めてお使いの方に簡単・便利な機能搭載~
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200608/06-0802B/
株式会社サイバーエージェント(4751)
サイバーエージェントとネットプライスが業務提携
「Ameba(アメブロ)」でのショッピング事業を共同で展開
http://www.ameba.jp/

