▼4-6月期GDPの影響/
日銀の利上げスケジュールには大きく影響せず
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、今朝ほど発表された4-6月期GDP 統計について、「早期追加利上げの材料とならず」として次のような見解を示した――。
<個人消費など民需は+0.7%と、好調を維持>
4-6 月期の実質GDP は前期比+0.3%と弱めの数字となったが、個人消費は+0.5%と予想外に強い伸びを示し、民需は+0.7%(前期は+0.9%)と好調を維持した。公的資本形成の大幅減(4.6%減)がGDP 全体を押し下げた格好である。
もっとも、インフレ関連指標の改善は、依然として、ゆっくりとしたものに止まっている。
注目されたユニット・レイバー・コストは実質GDP が下振れしたため、前年比-0.3%と弊社の事前予想(-0.8%)を上回ったが、前年比マイナスの領域に止まった(図表1)。7-9 月期についても、企業利益循環を考えれば、雇用者報酬の伸び率は鈍化する可能性が高く(図表2)、実質GDP 成長率が幾分でも再加速すれば、ユニット・レイバー・コスト前年比のマイナス幅は拡大する公算にある。
ユニット・レイバー・コストのプラス化が回避されているのは、企業が1 人当たり賃金の伸びを依然として抑制しているためである。過剰雇用が解消された中で企業の採用意欲はそれなりに回復しているものの、交易条件循環(素材高、エネルギー高による交易条件の悪化)を背景とした企業利益環境の悪化を受けて、賃金引上げを渋る企業が増加しているとみられる。
重要なことは、素材高・エネルギー高は日本経済にとって必ずしもインフレ的ではないということである。国際競争の激化等を受けて企業の利益率引き上げ志向は強まっている。このため、素材やエネルギーのコストが上昇すれば、企業の労働コスト抑制インセンティブは強まることになる。
▼経済指標を読む/
6月貿易黒字=当面縮小傾向を辿る、と予想
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は10日、財務省が発表した国際収支統計について、「4-6月期の経常黒字(季節調整済み)は2 期連続縮小」として、次のようにコメントした――。
<所得収支の黒字額は今後、海外金利の上昇等から持ち直す>
財務省が発表した国際収支統計によると、6月の経常黒字額は前年比7.2%減少の1 兆167 億円と、事前予想(当社:1 兆2900 億円、コンセンサス:1 兆1490 億円)を若干下回った。所得収支が4670 億円と前年比23.2%増加したものの、貿易・サービス黒字が6500 億円と前年比14.4%減少し、全体を押し下げた。その結果、4-6 月期の経常黒字額は前年比4.4%減の3 兆9129 億円となり、3 期ぶりに前年比縮小した。ただし、1-3 月期には同18.5%増と大幅に増加していたことから、年初来の累計では前年比7.8%増となっている。
6 月の経常黒字額は季節調整済みでは5 月に前月比39.1%増と大幅に増加していたことへの反動もあり、前月比2.4%減少し1 兆5423 億円となった。4-6 月期では前期比16.8%減少の4 兆2588 億円となり、2 期連続マイナスとなった。輸出の伸び率が輸入を上回るペースで鈍化し、貿易黒字が前期比13.2%減少、サービス収支の赤字幅が前期より68.1%も拡大した。また、増加傾向にあった所得収支の黒字額も4-6 月期は3 兆3068 億円と5 期ぶりに縮小した。海外金利の上昇等から、今後、所得収支の黒字額は持ち直すと思われるものの、年後半の海外経済の鈍化を考慮すると、今後輸出がさらに減速する可能性が高いことや、原油価格の高止まりが輸入額を押し上げていることから、貿易黒字は当面縮小傾向を辿ると予想される。
▼8-9月の株式相場/
国内景気は堅調、株価下振れリスクは米国景気
野村證券・金融経済研究所・投資調査部長(チーフストラテジスト)の芳賀沼千里さん(Chisato Haganuma/ Managing Director、Investment Strategy Dept. Nomura Securities Co., Ltd.)は今日午前、向こう1ヶ月の株式相場の見通しについて、日本国内の景気はしっかりしているものの米国景気にややリスクがあるとして、日経平均株価で16,000円~14,700円のレンジを予想した。
<マクロ経済の動きに影響を受けやすい日本企業の業績>
現在、株価が15,600円前後にあるにも関わらず、レンジの下値をあえて14,700円としたことについて、芳賀沼さんは、「日本企業の業績がマクロ経済に頼っている面があることは重要」と語る。
足下の企業業績はしっかりとしていると言う。4-6月期の業績について見ると、増収が+10%、増益が+15%と良好な中身となっている。長い目で見ると、コストが上がっている分は売上げ増でカバーし、利益を上げている格好。
したがって、マクロ経済の環境が変わってくることがリスクとなる。具体的には外需であり、「米国景気の動向には注意が必要」と言う。FOMCでも関心はインフレから景気に移っている。「住宅市場や経済指標によっては下振れするリスクがあり、日本の株価にも影響する」と見る。
<主に、小売り、通信など、内需関連セクターに注目>
こうした状況下での注目セクターとしては、
(1)小売り、(2)通信、(3)海運、(4)鉄鋼など、主に内需関連セクターを挙げた。
▼今日の株価予想/
200日移動を終値で超えると、長期上昇基調を再確認
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
本日の東京市場は寄り付き前に発表される4-6月期のGDP統計が鍵を握る。
先日は発表された機械受注統計で国内景気が底固いとの思惑が強まり相場が大きく上昇した後だけに、GDPがこれを裏付けるものとなれば更なる上値追いも期待できそうだ。一方、GDPの数字が芳しくない場合は、SQでのバスケット売買次第では、下値を模索する動きが続く可能性もある。したがって、朝方発表されるこの経済指標を手掛かりに、今後の相場の方向性を探る動きになりそうだ。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は3日ぶりの反落となった。ただし、一昨日の高値15659円を 上回ったことで、目先では15154円(8月7日)を底値とする上昇トレンドは継続中である。また、上値を15690円まで伸ばし、7月高値の15710円(7月4日)に迫る場面もあった。仮に15710円を突破すれば、年初来安値14045円(6月14日)が長期の観点からの底値となり、ここを起点とした新たな上昇トレンドが期待できる。なお、その際の最初のターゲットは、14045円~15710円の値幅1665円を、14437円に加えた 16100円。一方、下値は、先月末から上値抵抗線になっていた15500円水準が、現時点では強いサポートとなる。なお、昨日は結果的には200日移動平均線15692円が上値抵抗線になった。ここを終値で上回ると、長期の上昇基調があらためて確認される。
話題の銘柄
牧野フライス製作(6135)/株価の割安感は非常に強いと判断
8月8日に、第1四半期決算が発表された。第1四半期の連結経常利益が前年同期比5%増の22億円となり、9月中間期の会社計画(57億円)に対する進捗率が4割弱に止まったため、株価は一時、前日比118円安まで下げた。これに対し野村では、「第1四半期の営業利益は前年同期比18%増益で全体としては堅調だった。ただし、地域別では強弱があり、所在地別営業利益では日本と米州が前年同期比増益である一方、アジアと欧州は同減益で、欧州は1.3億円の営業損失を計上した。アジアが減益となった主因は、売上の計上時期が7~9月期以降にずれた案件があったためであり、一時的要因で、受注も好調なことから、通期見通しには変更はない。欧州では05年からリストラを実施したが、営業面の成果はまだ出ておらず、今回、欧州事業の営業利益を収支均衡へ減額修正する。単独(親会社)の業績は会社計画を上回る勢いで推移している。単独受注は4~6月平均が月66.7億円(前年同期比14%増)で、7月も高水準を達成した模様である。会社は『先行きも堅調が続きそう』としており、我々は日本事業の利益見通しを小幅増額修正する」と指摘。06年7月に実施した増資による発行済株式数が10%増加する影響を織り込み、今2007年3月期連結営業利益143億円(EPS76.2円)、来2008年3月期171億円(EPS93.6円)を予想。「増益率とPERの観点では、07年3月期、08年3月期の平均営業増益率が年率20%と機械セクター平均の17%を上回り、07年3月期予想基準PERは14倍でセクター平均の19倍を大きく下回る。割安感は非常に強いと判断する」と指摘。レーティング「1」を継続した。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼Net Investor/売買人気15銘柄中トップ銘柄
【10日】売り、買いともに=ソフトバンク
ネット証券評議会は10日(月火水木金)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。
同日分の日次データは以下の通り――。
▼ドル円予想/
再現フィルム相場=114円台~115円台の往復
アキ投資顧問・社長の堀内昭利さん(Akitoshi Horiuchi/ President, AKI Investment Advisor)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
再現フィルム相場。
ドル円、東京時間下げ、欧州時間下げ、NY時間上げ。と言うわけで、もう何日も114円台と115円台の往来を繰り返している。クロス円は久しぶりに崩れたが、NYの必死の押し上げに回復基調。さて、本日、金曜日は日本から続々といろいろな指標とコメントが出るから、相場へのインパクトがどの程度か見てみたい。
(8月11日。金曜日。夏は暑いのだ、と思う日。)
▼今日の長期金利/
1.90%を意識しながら、神経質にもみ合う
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:35、長期金利(債券相場)予想しについて、概ね次のようにコメントした――。
<予想レンジ>
・ 長期金利(#280-08)1.880%~1.910%
・ 債券先物(9月限) 132.00円~132.30円
<シナリオ>
本日の長期金利は、材料交錯のなか、1.90%という心理的な節目を意識しながら神経質にもみ合う。
英航空機テロ未遂の影響は、昨日の米国市場で吸収されたようなので、本邦金融・資本市場への余波は限られそうだ。8:50に発表される4-6月期分のGDP統計については、実質GDP成長率の減速(市場予想:前期比+0.5%、同年率+2.0%)はすでに織り込まれている。多少下振れしても積極的な買い材料にはならないだろう。むしろ、機械受注の堅調などを背景に、「景気減速は一時的に止まり、7-9月期以降は設備投資主導による拡大基調が持続する」との見方がくすぶっているので、買い戻された場面では戻り売りも出やすい。
一方、日銀金融政策決定会合(9:00~)は、金融市場調節方針の現状維持が既定路線になっているので、材料視されない。メイン・イベントは福井俊彦日銀総裁の記者会見。ただ引け後(15:30)なので、ザラバ中は「待ち」の姿勢にならざるを得ない。
債券先物チャート
9月限の日足は寄り付き坊主の中陰線で、
一気に雲(本日131.99円-132.46円)を下抜けようかという形状に悪化。
ニュース・チェック
★午前の東京市場=株価は、4-6月期GDP発表に反応薄で小動き
今日午前の東京株式市場は、今朝発表された4-6月期GDPが事前予想を下回ったが市場の反応は軽微なもので済んだ。日経平均 が終値で前日比-26.86円安の15604.05円、またTOPIXも同-2.60安の1580.28、JASADAQ指数は同+0.17高の92.13となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄はネポン(東証2部 金属製品 7985)、ベネフィット・ワン(JQ整理サービス業 2412)、サニックス(東証1部サービス業 4651)。またドル円相場は、115.45-115.50円前後で推移、ユーロ円は147.42-147.46円前後で推移している。
★9月、小泉首相退任の有終の美に「デフレ脱却宣言」の可能性?
閣僚のなかからも「デフレ脱却」を示唆する発言が出るなど、デフレ脱却「宣言」を巡る論議が活発化しているが、三菱UFJ証券の石井純さんは、「一連の政府要人発言は『脱デフレ』を目標に掲げてきた小泉政権の有終の美を飾るべく、周到に準備を始めたことを示唆している」と語る。もし実現すれば、株式市場にとっては、市場心理を改善させる好機となるかも知れない。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
ソニー株式会社(6758)
ソニーIRインタビューコーナーを掲載いたしました。
今回は、2006年度第1四半期の業績、2006年度の業績 見通しをご説明するとともに、ご質問頂きました
デジタル 一眼レフカメラの販売状況に関して、コーポレート・ エグゼクティブ SVP 湯原隆男 より動画映像にて回答させて いただいております。 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/corp/mm/index.html
株式会社マーベラスエンターテイメント(7844)
08/10 平成19年3月期第1四半期財務・業績の概況(連結)を【決算短信】に掲載致しました。
http://www.mmv.co.jp/company/index.html
ケネディクス株式会社(4321)
08/10平成18年12月期連結中間決算短信
08/10平成18年12月期中間決算短信
http://www.kwjapan.com/jp/ir/irnews.html
積水ハウス株式会社 (1928)
8月10日に、7月度の受注速報をアップしました。
http://www.sekisuihouse.co.jp/company/order/orders_2006.html

