▼米FOMCを評価/
連続利上げの可能性=短期的にも十分に残る
昨日のFOMC では予想どおり、0.25%の追加利上げが決定された。
一部には、利上げ停止と受け取る向きもあるが、クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、「そう判断するのはまだ早いだろう」として、次のような見方を示した――。
<前回FOMCとの違いは、主として実体景気評価の部分>
ステートメントをみると、前回FOMC との違いは、主として実体景気評価の部分にある。
すなわち、5 月10 日のFOMC では、「経済成長はこれまでのところ極めて強い。委員会は、今後、経済成長がより持続的なペースに向かって減速するとみている」としていたが、今回のFOMC では、「最近の経済指標は、経済成長が年初めの極めて強いペースから減速しつつあることを示唆している」とした。
こうした景況感の下方修正を受けて、先行きの政策運営に関しては、「委員会は、インフレ圧力に対抗するため、更なる引き締めが必要となる可能性があると判断しているものの、その程度とタイミングは、ひとえに(importantly)今後の景気情勢次第」とし、前回に比べて、ややトーンを落とした。前回は、“ひとえに”という表現がなかったほか、「委員会はインフレ・リスクが残っていると判断している」と断じた上で、センテンスを改めてから、「こうしたインフレ・リスクに対抗するために必要な更なる引き締めの程度とタイミングは、景気情勢次第」としていた。
<夏場の需要期、ガソリン価格が一段と上昇する可能性に注意>
このようにみてくると、米国の利上げサイクルが終盤に差し掛かっているのではないかとのイメージを持たざるを得ない面もある。しかし、次回8 月8 日会合、次々回9 月20日会合で連続利上げとなる可能性を捨てるのはまだ早い。今後、夏場の需要期に入っていく中で、原油価格が高止まりすれば、ガソリン価格が一段と上昇する可能性が高いからである。
▼経済指標を読む/
5月鉱工業生産=予想下回るも上昇傾向続く
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は29日、経済産業省が発表した5 月の鉱工業生産統計について、次のようにコメントした――。
経済産業省が発表した5 月の鉱工業生産統計によると、生産は季節調整済み前月比1.0%減と、事前予想(当社:同0.5%増、コンセンサス:同0.1%減)下回ったものの、予想レンジ(-1.4%~+0.5%)内であった。業種別では、輸送機械(同8.9%減)、情報通信機械 (同9.8%減)の減少が全体の変化率に対して-1.8%ポイント寄与したことが影響した。
また、生産計画に対する実現率は-2.0%と、今年1 月以来のマイナス幅であった。一般機械(同-4.9%)、電気機械(同-3.6%)、鉄鋼(同-3.2%)などが計画を大幅に下回った。ただ、一般機械や電気機械は6 月に前月比10%を超える生産計画を立てていることや、その計画も前回調査から上方修正されていることからすると、今回の実現率の低下は生産の後ずれによるものである可能性が高い。
その他の項目では、出荷が前月比1.0%減少と3ヶ月ぶりにマイナスに転じる一方、在庫は同1.4%減少した。また、在庫率は前月比2.3%低下と3ヶ月連続低下した。製造業全体では、うまく在庫がコントロールされていることがうかがわれる。
▼今日の株価予想/
戻り高値15,216円上回り、15,600円水準が目標値
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
本日の東京市場はスタートから急伸しそうだ。
昨日はFOMCを前にしてすでにしっかりとした値動きとなっていただけに、米国株式の大幅上昇により、戻りを試す動きが加速しそうだ。 その一方で、朝方発表される消費者物価指数、そして来週初の日銀短観を待ちながら、ゼロ金利政策の早期解除への思惑を織り込むことになりそう。ただ、それにより内外の金融政策への不安感が弱まるならば、2006年下半期の相場への期待や、月末のウィンドー・ドレッシング、そして投信の買いなどへの思惑から、引き続き堅調な値動きが続くだろう。
テクニカル分析
昨日の日経平均株価は大幅反発となった。6月28日の高値14998円を上回り、15000円という心理的な節目を突破。さらに6月27日安値15095円からのマドも埋めた。これにより、28日は急落したものの、目先では同日の安値14824円が底値となった。そのため、28日の下落は6月21日安値14482円からの短期の上昇トレンドに対する修正とはなったものの、年初来安値14045円(6月14日)からの上昇トレンドに変化はない。さらに、25日移動平均線15099円を27日に次いで終値で突破したことで、中期的な上昇基調が強まっている。そして、このまま昨日の高値15137円を上回れば、目先では14824円を底値とする新たな上昇トレンドも確認できる。その場合の上値の節目は戻り高値の15216円(6月26日)。これを上回れば、15216円~14824円までの下落 幅の倍返しとなる15600円水準が目標値となる。ただし、その間には17375円(5月8 日高値)~14045円までの下落幅の38.2%戻しとなる15320円や、200日移動平均線 15396円などの節目がある。一方、下値は15000円が最初のサポート・ライン。さらに、昨日の安値14975円を割り込むと、15216円からの下落トレンドが確認される。
話題の銘柄
福岡銀行(8326)/目標株価をPER17倍となる1000円に設定
メリルでは、「先日公表された、福岡銀行と熊本ファミリー銀行との経営統合は、財務内容に劣る銀行との組み合わせが重荷になるという従来の常識を大きく覆す可能性を秘めていると考える。この統合ではシナジー効果を考慮せずとも、熊本ファミリー銀行の与信費用が今後減少することで、福岡銀行のEPSを押し上げる効果を持つ」、「また、シナジー効果も十分期待できる。福岡銀行の信用補完によって、熊本ファミリー銀行のコア業務純益は15%増加するものと見られる」、「九州地方には、福岡銀行にとってEPS押し上げ効果が期待できる割安な地銀は他にもある。仮に熊本ファミリー銀行の店舗・従業員が確保されると分かれば、他の地銀が福岡銀行との統合のテーブルに着くことも考えられる」と指摘。目標株価を2008年3月期完全希薄化後EPS58.99円のPER17倍となる1000円に設定。投資評価を「中立」から「買い」に引き上げた。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼ネット・インベスター/
29日の売買人気15銘柄中トップ:売り=みずほ、買い=ソフトバンク
ネット証券評議会は29日(木)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。
29日(木)分の日次データは以下の通り――。
▼今日の長期金利/
材料目白押し・消化難のため神経質に上下か
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝7:30、長期金利(債券相場)予想しについて、概ね次のようにコメントした――。
<予想レンジ>
・ 長期金利(#280) 1.890%~1.940%
・ 債券先物(9月限) 131.35円~132.80円
<シナリオ>
本日の長期金利は、材料目白押し・消化難のため神経質に上下する。昨日の米債高(=利上げ継続観測の後退)が低下要因となる半面、朝方発表される消費者物価指数と米株高を好感した日経平均株価の続伸(見込み)が上昇圧力となる。そこに、日銀短観(来週初めに発表)待ちのムードも交錯する。
債券先物チャート
9月限の日足は下ひげ陰線で、安値更新。
【チャート・ポイント】
138.56円:2006年の最高値(1月18日のザラバ高値)
135.82円:限月間マド埋め(3月8日の3月限ザラバ安値)
134.54円:マド埋め(3月10日のザラバ安値)
134.07円:6月8日のザラ場高値
133.39円:雲上辺(本日)
132.79円:基準線
132.74円:雲下辺(本日)
132.17円:転換線
131.82円:5 日移動平均
<131.80:本日の9月限予想レンジ上限>
≪131.65円:先週末のLIFFE9月限終値≫
≪131.58円:先週末の東証9月限終値,前日比▲0.17円≫
131.50円:6月29日のザラバ安値
<131.35:本日の6月限予想レンジ下限>
130.15円:2000 年中のザラバ最安値(3月28 日)
▼自民総裁選と債券市場/
首相、8.15靖国参拝⇒福田氏出馬が現実味
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント
イベントの1つFOMCが終了~本日の債券相場見通し…もみ合い弱含み予想
足元、弱含みつつも債券相場が小動きにとどまっていたのは、イベント待ちだったからに他ならない。その第一弾が昨日終了したFOMCである。F.F.O/N ターゲットは25bp 引き上げられた。これは織り込み済み。ややタカ派的になると見られていた声明文はマイルドと判断された。
(The extent and timing of any additional firming that may be needed to address these risks will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.
<FRB>)
これを受けて、米国市場は株価急伸、債券高(カーブはスティープ化)となった。
我国もこの地合いを引き継ぐが、他のイベントを控えており、株高を悪材料視しやすい。相場はもみ合い弱含み、カーブは先物連動ゾーン以降でパラレル変化と見る。なお、8時30分、5月全国消費者物価指数が発表される。除く生鮮食品前年比は0.6%増が予想の中心。(AM6:45、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物9月限) : 131円37銭 ~ 131円75銭
「8月15日リスク」…小泉首相は靖国神社を参拝するか。自民党総裁選、相場への影響
各報道によれば、自民党総裁選は9月8日告示、20 日投票となる見込みである。
さて、小泉首相に残された公約は、「デフレ脱却宣言」と「8月15 日の靖国神社参拝」の2つのみと言って良い。前者に関し、宣言するか否かは意見が分かれている。なお、本レポートでは、「する」と考えている。そして、それに従って、日銀も同様の宣言を行ない、ゼロ金利政策を解除するというストーリーを描いている。本日、主に論じたいのは後者の方である。
28 日、小泉首相は自らの靖国神社参拝について、「何回行こうが問題にならない。個人の自由だ」(日経)と述べている。したがって、終戦記念日の8月15 日に参拝する可能性は否定できない。その場合、中国などの猛反発は容易に想像ができる。これをきっかけに、中国、アジア外交の見直しの観点から、福田前官房長官の総裁選出馬が現実味を帯びてこよう。
ニュース・チェック
★午前の東京市場=FOMC受け、ドルは114円台に下落、株価は急騰
今日午前の東京株式市場は今朝のFOMCを受け、一時は6日以来の1万5500円台を回復、400円超の上げ幅となったが、その後は伸び悩む。日経平均 が終値で前日比+308.08円高の15429.23円、またTOPIXも同+26.91安の1574.66、JASADAQ指数は同+0.90高の100.67となった。全銘柄中で値上がり率上位3銘柄はエヌアイシ・オートテック(JQ非鉄金属 5742)、 ワットマン(JQ小売業 9927)、スリープログループ(東証マザーズサービス業 2375)。またドル円相場もFOMCを受けてドルが急落した。114.90-114.95円前後で推移、ユーロ円は146.05-146.11円前後で推移している。
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
松下電器産業株式会社(6752)
□3口IH 200V IHクッキングヒーターを開発、発売
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?7z_2DF_B_kqp
□人事異動・関係会社役員人事について(6月28日)
http://ccml.panasonic.co.jp/p/c.do?7A_2DF_B_kqp
トレンドマイクロ株式会社(4704)
(訂正)平成 17 年 12 月期 中間決算短信(連結) [米国会計基準]および平成17年12月期個別中間財務諸表の概要の添付資料の一部訂正について。29日、ファイナンシャルニュースリリースを発表しました。
http://www.trendmicro.com/NR/rdonlyres/D6F39B64-7FB5-4508-8606-8367BCF175CA/20510/20060629final_J.pdf
株式会社サイバーエージェント(4751)
■2006年5月業績速報の開示について
http://ir.cyberagent.co.jp/monthly/index.php
■子会社の解散及び清算について
http://www.cyberagent.co.jp/
■無料でプレイできるオンラインゲームのポータルサイト “@games”(アットゲームズ)βサービス開始
http://www.atgames.jp/
株式会社カカクコム(2371)
価格.com、マネーカテゴリでクチコミ掲示板を提供開始
~比較サイトでは初めてユーザー間で金融商品に関する情報交換が可能に~
http://kakaku.com/info/index.html
株式会社大林組(1802 )
「技術研究所」の見学会を開催(同社メルマガ読者対象)
http://www.obayashi.co.jp/
株式会社資生堂(4911)
2006年3月期 事業報告書
http://www.shiseido.co.jp/jigyou/html/index.htm

