世界経済ウオッチ・米FOMC会合・世界株式市場・今日の株価予想・ネット・インベスターほか

■世界経済ウオッチ/
 10数年の長期停滞で得た教訓=経済「安定化」の重要性


三菱UFJ証券リサーチ本部チ-フエコノミストの水野和夫さん(Kazuo Mizuno/Chief Economist, Mitsubishi Securities Co., Ltd.)は、原油が90 ドルまで高騰すれば、米国ではグロースリセッション懸念が台頭し、バーナンキ米FRB議長の「想定」が崩れる恐れが生ずると見る。

水野さんのコメントは、おおよそ次のとおり――。

<世界の対外不均衡是正の道は、棚上げされたも同然>

景気はIT 革命によって「超短期化・安定化」し、グローバル化によって「長期化・不安定化」するのである。IT 革命がグローバル化を促すから、「安定化」と「不安定化」は同時に進行する。長期循環が短期循環に勝るから、世界経済は時間の経過とともに「不安定化」していく。90 年代末以降、超短期循環のデバイス循環が「踊り場」に、主循環のPC 循環が下降期にはいっても、上位循環の米住宅ブーム(通常4 年の上昇期をもつ米消費ブームが8年超に長期化)が二つの下位循環の下方圧力を十分打ち消してきた。しかし、06 年3 月の米中古住宅価格上昇率が8%弱に鈍化したことで、マイナスの米個人貯蓄率がプラスに転じる可能性が出てきたため、4 月27 日、バーナンキ米FRB 議長の「金利引上げ一時休止」宣言は住宅価格を所得の伸び率以下には鈍化させないというに等しい内容である。G7 やIMF がリスクとして懸念する世界の対外不均衡是正の道は棚上げされたも同然である。

<原油高騰を十分吸収してきた米住宅価格にも限界>

米住宅ブームは消費ブームを生み、中国では近代化が史上最大の投資ブームをもたらしている。前者は対外不均衡問題、後者は資源・素材インフレの原因となっている。消費と投資は需要と供給を拡大均衡させ、その裏側で資源・素材インフレ(中国の投資ブーム)と世界の対外不均衡問題(米消費ブーム)が米貯蓄率を通じてリンクしている。90 年代末から米消費ブームと中国投資ブームが同時にスタートし、これまでのところ原油高騰を米住宅価格が十分吸収してきた。しかし、原油価格の高騰が続くとそうはいかない。米消費ブームが長期化したとしてもせいぜい従来の倍の8 年であるのに対して、中国をはじめとする近代化のトレンドは数十年の長さにあるからである。

▼米FOMC会合/
  賃金上昇圧力に警戒感、利上げ停止期待に変化?


クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、10日の米FOMC(連邦公開市場委員会)について、「FOMCショック?」として、こう語った――。

米国の金融政策運営に関しては、エネルギーコスト上昇に対するFRBの姿勢に目が行きがちである。しかし、最近に関する限り、市場は、むしろ、賃金上昇圧力の方に注目すべきであろう。

まず、直近4 月下旬のFRBベージュ・ブックでは、熟練労働者の需給タイト化を背景に賃金上昇ペースの拡大を指摘する地区連銀が増えた。3 月のベージュ・ブックでは、「労働コスト圧力は殆ど変わっていない」と総括されており、短期間のうちに、賃金を取り巻く環境に大きな変化が生じている可能性が示唆された。

第2 には、一部連銀が指摘する賃金上昇圧力の高まりが、実際に4月の雇用統計で確認された。
非農業部門雇用者数は前月比13.8 万人増に止まり、前年比増加率でも+1.4%と3月比で0.2%ポイント低下した(図表1)。しかし、同時に公表された週当たり賃金は、前月比0.8%増となり、前年比では+5.1%と3 月の+4.1%から大きく加速した(図表2)。

▼世界株式市場/
  これが、金利上昇下でも株価上昇が続く「理由」


大和総研・投資戦略部シニアストラテジストの成瀬順也さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は最近、「世界的に、金利上昇と株価上昇が並存している」と語った。基本的に、株価は業績と金利で決まる。そこに、短期的な振幅を需給がもたらす。単純化すれば業績、金利、需給が株価を決める3大要因と言える訳で、「金利の上昇にも拘わらず株価が上昇しているのは、他の2要因が与える影響が勝っていることになる」と言う。

その上で、次のようにコメントした――。

<長期金利と比して割安な株価>

まず、金利の上昇が好景気すなわち好業績の裏返しと好感されている面がある。そう思うことが出来るのは、バリュエーションによるところが大きい。主要先進国における現在の金融引き締めは、いずれも緩和状態から中立水準を模索する動きと捉えることができるが、株価は長期金利に比べ割安な状態となっている。多少、長期金利が上昇したところでその位置づけは変わらない。であれば、金利上昇の株価への悪影響は、バリュエーション面では想定する必要がなく、景気・業績を抑制するかしないかに限られてくる。

▼今日の株価予想/
 現状は、28日安値16750円からの上昇トレンド


T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。

本日の東京市場では様子見気分の強いスタートになりそうだ。
FOMCだけでなく、5月限オプションのSQもあり、神経質な値動きになりやすい状況ではある。また、昨日は110円台に入った円高も気になるところ。もっとも、米国株式はダウ、ナスダックは続伸しており、これが下値を支えそう。決算発表を終えた個別銘柄の物色を中心として、全体としては引き続きもみ合いながら落ち着きどころを探る展開になりそうだ。

テクニカル分析
昨日の日経平均株価は、17291.67円+137.90と3日続伸。昨日は17300円台後半まで 上昇して、4月21日以来の高値水準まで値を戻す場面もあった。現状は、4月25日と 28日につけた16700円台の2つの安値がダブル・ボトムのかたちになり、28日安値 16750円からの上昇トレンドが見られる。ここから計算できる上値目標は、17176円(4月27日高値)~16750円までの下落幅の倍返し17600円。また、年初来高値17563 円~16750円までの下落幅の61.8%戻しである17250円を終値で突破したことで、4月 21日の高値17479円や年初来高値17563円などのこれまでのピークも、上値目標になってくる。一方、下値の節目は、まず昨日の安値17248円。仮にここを下回ると昨 日の高値17375円が先週からの上昇の天井となり、短期的には調整局面入りとなりそう。この時、マド埋めポイントとなる5月2日の高値17188円や、同日後場の安値 17110円が下値サポートになりそうだ。

話題の銘柄
三菱重工業(7011)/適正株価はPCFR2倍の700円に設定

2006年3月期実績は、前期比8%増収、営業利益は4.8倍と特に利益伸長率の高い増収増益決算となった。全社合計ベースでは、資材価格上昇による影響が280億円発生したが、円安効果や増収及び売上構成比改善効果、採算改善効果により前期比560億円強の営業増益が確保された。特に採算改善効果は約480億円と、05年3月期営業冷機実額の3.3倍の規模を実現、佃社長体制による“利益重視”の施策が着実な成果に結びつきつつある1つの証左と考えられる。

大和では、「新たに発表された『2006事業計画』は、原動機や航空・宇宙事業などの『収益柱』における積極投資負担もあるが、為替前提は105円/ドルに設定されており、“下限”的な印象が強い」、「07年3月期計画も保守的な内容。各事業領域の受注環境やコスト削減策の06年3月期における効果などを勘案すれば、上ブレは可能と判断している」と指摘。今2007年3月期連結営業利益を会社計画800億円(EPS11.9円)に対し850億円(EPS14.6円)、来2008年3月期1230億円(EPS22.7円)と予想。PERは特別損益による変動が大きいため、予想PCFRのヒストリカル対比を用いて、適正株価を08年3月期予想PCFR12倍の700円に設定。レーティング「2」を継続した。

トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/

▼ネット・インベスター/
    8日の売買人気15銘柄中トップ:売り、買いともに=ソフトバンク


ネット証券評議会は8日(月)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

8日(月)分の日次データは以下の通り――。

▼ドル円予想/ 
 向こう1ヶ月では、110円を割り込む可能性も


ゴールデン・ウィーク明けの東京市場では、ドル/円相場は、先週金曜日に海外市場でつけた112.25円を割り込み、111円台前半へと7ヶ月ぶりの円高となった。

クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、この数週間のドル安はG7前後のイベントがトリガーとなったのだが、4月27日のバーナンキFRB議長の議会証言によって、一段と下振れリスクが高まっているとして、「ドルの下支え要因は依然として顕在なのだが、一連のショックから立ち直るのには、予想以上に時間がかかりそうである」と語る。


その上で、次のようにコメントした――。

<向こう3ヶ月後のドル円予想を、115円から110円へ下方修正>

4 月27日のバーナンキFRB議長の議会証言と、その解釈を巡る市場と同議長の不調和はドルの回復を遅らせることとづ