■金利上昇:市場への影響/
株式相場=60年以降、利上局面の大半で株価調整
メリルリンチ日本証券・調査部、債券ストラテジストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru.Kumagai / Merrill Lynch Co., Ltd.)は最近、内閣府や財務省の分析を参考にしつつ、金利上昇がわが国の経済や金融市場に与える影響を検証した。その概要は、次のとおり――。
表1 は、金利上昇がわが国の経済や金融市場に与える影響(=①企業収益・株価への影響、②個人消費への影響、③財政収支への影響)をまとめたものである。
第1部:企業収益・株価への影響
まず、第一に、金利上昇が企業収益や株価に与える影響は以下の通りである。
内閣府の試算によれば、企業の既存貸出に対する約定平均金利が1%上昇した場合、企業部門全体の経常利益は2.9 兆円押し下げられる(図1)。
企業規模別に見ると、大中堅企業(資本金1 億円以上)が▲1.54 兆円、中小企業(資本金1 千万円以上1 億円未満)が▲1.34 兆円となる。これを経常利益の変化率(2004 年度実績対比)に引き直すと、大中堅企業が▲4.7%、中小企業が▲7.9%と、中小企業に対するマイナスの影響が極めて大きくなっている。2007 年夏には参院選を控えていること等を勘案すると、与党の有力政治家が急速な利上げに対する牽制姿勢を強める可能性も否定しえない。
図2 は、「株式益利回り-長期金利(10 年)」及び「株式配当利回り-長期金利(10 年)」の推移を見たものである。足許では長期金利の上昇や株高を受け「株式益利回り-長期金利(10 年)」は1.3%程度と直近のピークである3.3%(2005 年6 月)から大きく低下している。個人投資家の注目度が高い「株式配当利回り-長期金利(10 年)」に関しては▲1%程度と2000年7月以来のマイナス幅を記録している。
▼千葉補選と日銀/
福井日銀には追い風、7月ゼロ金利解除が現実化
衆議院・千葉7 区補選では、
自民党支持層にも食い込んだ民主党候補が大接戦を制し、勝利した。
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、今回の選挙敗北が自民党執行部の責任問題としてどの程度クローズ・アップされてくるのか、現時点では不明であるとしながらも、「来年夏に予定されている参院選挙にむけて、小沢民主党の勢いが増してくるリスクを念頭におく必要があろう」と語る。
その上で、おおよそ次のような見方を示した――。
<自民党総裁選で、安倍氏とその周囲の求心力が相対的に低下?>
小沢民主党に対する国民の評価が上がる中で、対アジア外交の行き詰まりなどもあって、自民党執行部が徐々に守勢に立たされていくというシナリオを想定した場合、9 月中旬に予定される自民党総裁選については、これまで以上に不透明感が増すリスクがある。最有力候補である安倍氏やその周囲の求心力が相対的に低下する可能性があるからである。
現政権のマクロ経済政策運営の基本を改めて示せば、それは、「金融緩和長期化と財政支出の持続的削減」ということになる。日銀に「ビハンド・ザ・カーブ」の政策運営を維持させる一方、景気回復による税収の自然増と歳出抑制によって財政再建を図って行こうとするものである。そうした経済政策ミックスが選好されているのは、①国内的には、「増税の先送りかつ小幅化」といった形で国民の支持を得られるとの読みがある上、②対米関係という視点からは、対外赤字の順弁なファイナンスを望む米国政府の「強いドル政策」と整合的であるとの自信がある、ためである。
▼経済指標を読む/
主要銀行貸出動向=貸出需要が堅調に拡大
クレディ・スイス証券チ-フエコノミスト(マネージング・ディレクター兼経済調査部長)の白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, Credit Suisse Securities Ltd.)は24日、発表された日銀の主要銀行貸出動向アンケート調査(4 月)について、「資金需要は景気回復とともに堅調に拡大」として、次のようにコメントした――。
4 月24 日に発表された日銀の主要銀行貸出動向アンケート調査は、銀行貸出に対する需要が堅調に拡大していることを示した。資金需要判断DI はすべての主体で1 月から急上昇した。例えば、「企業向け」は15 から21 へ、「個人向け」は10 から19 へ、「地公体等向け」は10 から14 へと上昇した。企業向けと個人向けに関する資金需要DI は2000 年4 月の調査開始以来の最高値を記録し、期待成長率の上昇、企業の投資スタンスの積極化、インフレ期待や金利上昇の見通しが高まっていることで資金需要が押し上げられていること等で裏付けている。
<4月の資金需要DIの上昇、主に中小企業が貢献>
企業規模別でみると、4月の資金需要DI の上昇は主に中小企業によるものであることがわかる(前回13→18)。中堅企業は横ばい(同11→11)、大企業は低下(同13→7)した。調査結果の振れが大きいことに加えて、1)中小企業は大企業と比べてフリーキャッシュフローに乏しく、資金調達手段が限られているため、一般的に景気回復局面で銀行貸出への需要が最初に拡大する、2)資金需要の最近の回復は非製造業の比率が圧倒的に高い、ことが原因と考えられよう。実際、製造業の資金需要がすべての企業規模で低下した一方、非製造業の中小企業で拡大し、非製造業大企業で変わらなかった。
総じて、調査結果は日本の信用創造機能の緩やかで持続的な回復が続いていることを裏付け、金融政策の正常化を図る日銀を後押しする内容であった。
▼今日の株価予想/
整理売りこなしつつ、下値模索の動き続く?
T&Cホールディングス(代表取締役兼CEO・田中茂樹氏)グループの投資情報会社トレーダーズ・アンド・カンパニー(代表取締役・野田和宏氏)は今朝、今日の株式相場の見通しについて、次のように予想した――。
本日の東京市場も引き続き調整気分の強い相場になりそうだ。
急速な円高もあり、先週まで強まっていた企業業績に対する期待に修正が起こっている。また、外国人投資家の売りへの懸念も上値を押さえる。ただ、米国株式は底固いことから、連鎖的な売りは避けられた。そのため、整理売りをこなしながら下値を模索する動きが続きそうだ。
テクニカル分析
日経平均株価は、16914.40円-489.56と大幅反落となり、今年最大の下げ幅となった。4月18日安値16945円を下回ったことで、年初来高値17563円(4月7日)が、2月 20日安値15389円から始まる中期的な上昇相場の天井になった。そのため、この上昇幅の38.2%押しである16730円が下値の目途になりそうだ。
なお、昨日は25日移動平均線17086円を下回った。
同様のケースは1月、2月にもあったが、それぞれ同移動平均線から5.5%、4.4%の下方乖離まで下げる局面があった。したがって、今後調整が本格化するとすれば、瞬間的には16000円台の前半も下値のターゲットとなる。一方、上値は17000円が最初の抵抗線。株価は、3月末からはほとんどの時間帯でこの大台を上回っていたことから、この水準を越えると戻り売り圧力が強まりそうだ。ただし、25日移動平均線を上回るならば、昨日の安値が当面の底値となる可能性もある。
話題の銘柄
アズワン(7476)/ターゲットプライスを4200円に設定
アズワンは、研究開発向け、医療向け、生産現場向け消耗品のカタログ販売を手掛ける。効率的な受発注システム及びデリバリーシステムを構築し、クイックデリバリーを実現している。日興シティでは、「アズワンの主要な事業領域は、研究開発の領域であるため、安定的な売上成長、独自のビジネスモデルによる利益の確保が見込めよう。2006年3月期より、「研究用総合機器カタログ」、「サンクアスト産業用研究機器カタログ」については、毎年発刊されることになった。カタログ費はかさむが、カタログ発刊による増収効果が期待される」と指摘。2006年3月期連結営業利益47億円(EPS146.3円)、2007年3月期50.4億円(EPS156.5円)、2008年3月期57億円(EPS177.0円)を予想。3段階割引キャッシュフロー(DCF)モデルを用いて、ターゲットプライスを4200円に設定。投資評価「1M」で新規カバレッジを開始した。
トレーダーズ・ウエブ: http://www.traders.co.jp/
▼ネット・インベスター/
24日の売買人気15銘柄中トップ:
売り、買いともに=ソフトバンク
ネット証券評議会は24日(月)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。
24日(月)分の日次データは以下の通り――。
▼G7後のドル円予想/
市場は過剰反応=115円台前半は売られ過ぎ
週明けのドル/円相場は115円台を割り込み、ほぼ3ヶ月ぶりの水準まで下落した。
クレディ・スイス証券、経済調査部ストラテジストの小笠原悟さん(Satoru Ogasawara/Strategist, Credit Suisse Securities Ltd.)は、先週金曜日の外貨準備を巡る2つのニュースと週末のG7会議の声明文がトリガーとなったようだとして、「週末のイベントをうまくこなせば、向こう1ヶ月間にも120円をトライする可能性があると見ていたのだが、短期的には114円を割り込むリスクも念頭にいれておいていいかもしれない」と語る。
<中期的には、ドル円が再び下落基調へ転じたと見るのは時期尚早>
しかし、「中期的にはドル/円が再び下落基調へ転じたと見るのは時期尚早」と言う。
▼ドル円予想/
ドル円急落でも、日本人は最後まで投げない?
アキ投資顧問・社長の堀内昭利さん(Akitoshi Horiuchi/ President, AKI Investment Advisor)は今朝、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
円高になって面白くない政府関係者も多いようだが、原油の影響を微減に抑えるためには必須だよ。それにもまして昨日はやたらとドル円の売り推奨が広がり、最後まで突っぱねていた海外の銀行の中には115円台で売り推奨とまで言うようになってきた。まあ、日本人は最後まで投げないだろうね。理由?今までそれでうまくいってきたから。
ユーロ円が落ちたとは言え、まだ142円台では円買いの圧力も騒がれているほどでもないと思うね。大体こいつがこんな値段で威張っている事自体が信じられん。ポン円は210円台というふざけた値段からやっと204円台に落ちたが、日英を比較すればまだ下げ不足。まあ、いいじゃんか、これで皆GWで旅費が安く済むよ。
(4月25日。火曜日。桜も福島に到達と思う日。)
<堀内氏のプロフィール>
1974年スイス銀行入行、為替ディーラーとなる。79年同行東京支店資金課長、83ドイツBHF銀行東京支店資金部長。91年同行東京支店支店長。97年退職、株式会社アキ投資顧問を設立し、社長に就任。80年代には同社顧問で盟友の中山茂氏とともに東京外為市場を席巻した敏腕ディーラー。その活躍は、のちに小説『東京外為市場25時』(大下英治著)となり、TVドラマ「伝説のディーラー」となった。
▼ドル円相場急落/
「サプライズ」の投資家マインドへの影響度を確かめたい
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は昨日から今日にかけて、ドル急落に関して次のようにコメントした――。
今回の円高の原因は3つ。
(1)G-7の声明に、中国が名指しされて、もっと切り上げをしろと言われたこと。
(2)スウェーデン中銀が外貨準備の一部をドルからユーロにシフトしたこと。
(3)ロシアの財務相が「ドルって大丈夫?」と疑問を投げかけたこと。
いやなムードです。しかし、(1)もこれは中国の問題なので現実性は????
(2)はやりましたという発表で、もう終った話。ということで、影響は一時的かもしれないので、もう少し様子を見たいところです。
<これも、為替相場の常道・・・>
いつものことですが、世の中、時々予期しないことが起きます。
今回のG-7の声明も、中国を名指ししたり、円が強くなるだろうとフランスの財務相が発言したり、びっくりするような発言がでました。相場にはサプライズ度が高ければ高いほど、影響が大きくでます。また、通貨政策関連で何かが起きると、経済や金利差などというものは、全く無視して相場が動いてしまう。というのも為替相場の常道です。
私が、慎重にと申し上げているのは、このサプライズがどれぐらい投資家のマインドに影響を与えるかということをよく確かめないといけないということです。確かに、G-7の声明自体に大きな意味を私はそれほど感じませんが、他の人がすごいことだと思えば、相場はそっちに動いてしまいます。余計な損を防ぐためにはよく考えることが重要です。
<今井氏のプロフィール>
1985年に三和銀行入行、87年よりディーリングの世界に入る。89年から5年間、シカゴにて通貨先物市場に傾倒し、多くの著名トレーダーと出会う。2004年3月までUFJ銀行・為替部門の統括次長兼チーフディーラー。同年4月に独立。心理学などを駆使した独自の手法で15年間1年もマイナスなく勝ちつづけた常勝トレーダー。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事を歴任。慶応大学グローバル・セキュリティ研究所・研究員。現在、マットキャピタルマネジメント代表取締役CEO。06年4月、早稲田大学公共政策研究所研究員、兼インド経済研究所研究員を兼務。
▼今日の長期金利/
20年債入札を無難にこなせば、低下余地が広がる
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)予想しについて、概ね次のようにコメントした――。
【予想レンジ】
・長期金利(#278) 1.865%~1.900%
・債券先物(6月限) 132.70円~133.00円
【シナリオ】
本日の長期金利は、弱含みもみ合い。米債高/円高/株安を手掛かりに買い戻しが恐る恐る入り始める。20年利付国債入札を無難にこなせば低下余地が広がる。
債券先物チャート
6月限の日足は上十字線風で、基準線(133.04円)の回復をうかがっている。
【チャート・ポイント】
138.56円:2006年の最高値(1月18日のザラバ高値)
137.29円:マド埋め(1月26 日のザラバ安値)
136.11円:雲上辺(本日)
135.82円:限月間マド埋め(3月8日の3月限ザラバ安値)
135.17円:雲下辺(本日)
134.54円:マド埋め(3月10日のザラバ安値)
133.81円:マド埋め(3月28日のザラバ安値)
133.04円:基準線
<133.00円:本日の6月限予想レンジ上限>
≪132.82円:昨日の東証6月限終値,前日比+0.14円≫
≪132.80円:昨日のLIFFE6月限終値≫
<132.70円:本日の6月限予想レンジ下限>
132.50円:5 日移動平均
132.33円:転換線
131.75円:4月14日のザラバ安値
130.15円:2000 年中のザラバ最安値(3月28 日)
(チーフ債券ストラテジスト 石井 純7:35am)
▼今日の債券相場/
昨日の堅調地合い引き継ぐも、20年債入札に注意
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント
本日の債券相場見通し…地合い良好。ただ、20年国債入札はやや気にかかる
昨日の堅調地合いが引き継がれる。海外市況などからすると株価続落の感は強く、米10 年国債利回りは5.0%を割り込んだ。長国先物中心に朝方は買戻し先行の公算。しかし、その際、新発20 年国債のクーポンは2.2%が決定的となる。消化にやや不安を残すこととなり、7年以降のゾーンはスティープ化を余儀なくされよう。ただ、相場全体が崩れることはあるまい。(AM6:34:佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物6月限) : 132円78銭 ~ 133円02銭
ニュース・チェック
★日興AM=「アジアンインベスター2006 アチーブメント アワード」を受賞
日興アセットマネジメント株式会社(取締役会長兼CEO:ティモシー・マッカーシー氏)は24日、「アジアンインベスター 2006 アチーブメント アワード」を受賞したことを発表した。これは、「過去5年間におけるリスク調整後の日本株の運用成績でトップとなったことによるもの」と言う。来る5月19日に香港で授与式が行われるが、これはアジア地域の運用機関にとって権威のある式典として知られている。受賞にあたり、社長兼CIOのビル・ワイルダー氏は次のように述べている――。「アジアンインベスター誌よりこのような名誉ある賞を受け、大変光栄に思います。高い評価を頂いたことで、日興AMの社員は益々自信を深め、意欲を高めることと思います。今後も日興AMのメンバーが一層の好パフォーマンスをお客様にご提供するよう努めてまいります。」
http://www.nikko-am.co.jp/
★価格.com=情報発信番組『kakaku.com TV』の動画配信を開始
株式会社カカクコム(東京都文京区 代表取締役社長 穐田誉輝氏、2371)は24日(月)より、毎週月曜日から金曜日の21時55分からの約5分間、MXテレビにおいて放映している、価格.comのデータを活用した情報番組『kakaku.com TV』の過去の放映内容を『価格.com』上でも見られる動画配信サービスを開始した。今回の動画配信の開始により、従来では『kakaku.com TV』を試聴できなかった地域の方や、番組を見逃してしまった方も情報が見られるようになった。 http://kakaku.com/tv/
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
大和証券グループ本社(8601)
■
http://www.daiwa.jp/CACHE/japanese/press.cfm
松下電器産業株式会社(6752)
□松下電器の放送用半導体メモリー・ビデオシステム「P2-HD」シリーズが
北京オリンピックの公式放送機器に採用
http://ccml.panasonic.co.jp/v31/f/?p=1000000501/ac02/3100/425
□デジタルオーダーメイド耳あな型補聴器 “AYA PASSION” 6機種を発売
http://ccml.panasonic.co.jp/v31/f/?p=1000000501/ac02/3106/425

