景気と債券市場・ロシア株式市場・ネット・インベスター・円相場予想・ドル円予想ほか

▼景気と債券市場/
現タイミングでの解除はやや拙速と見る「理由」


メリルリンチ日本証券・調査部、債券ストラテジストの熊谷亮丸さん(Mitsumaru.Kumagai / Merrill Lynch Co., Ltd.)は3日(金)、今週の債券相場について、「概ね横這い圏で推移する」との見通しを示した。注目材料としては、①日銀金融政策決定会合(3/8-9)、②機械受注(1 月分。3/10 発表)、③国債入札、④米雇用統計(2 月分。3/10 発表)の4点を挙げた。

その上で、概ね次のようにコメントした――。

<解除の見送りなら、債券相場は一時的に反発>

当社では、6日週の日銀金融政策決定会合(3/8-9)で量的金融緩和政策が解除される可能性は20%程度と予想している。このタイミングでの解除は、そもそも「CPI コア前年比が安定的にゼロ以上」という量的金融緩和政策解除の第一条件を完全に満たしているかどうかという点についてすら、議論が分かれるところであろう。全国CPI コアは2006 年1 月分こそ前年比+0.5%と大幅なプラスとなったものの、2005 年11 月分と12 月分に関しては何れも前年比+0.1%と僅かな上昇を示しているに過ぎない。

さらに、①企業の資金繰りが不安定化する決算期末を控えていること、②2006 年度予算案が審議中であること(財務省・国債管理政策に関する有識者会議の本間正明座長は「日銀が量的緩和を解除し金利が上昇した場合には、国債発行計画を柔軟に調整する必要がある」との考えを示唆している)、③量的緩和解除後の「道しるべ」に関する確固たる成案を得るには時間不足であること、④自民党の金融小委員会(委員長:山本幸三衆院議員)が3 月後半に中間報告をまとめること、⑤手形オペ43 兆のうち34 兆の期落ちが4~6 月期に到来するため3 月に量的緩和政策を解除しても超過準備額の削減が技術的に困難なこと等を勘案すると、このタイミングでの解除はやや拙速であるといえよう。

▼ロシア株式市場/
98年の金融危機直後から、約37倍にも上昇!

大和総研・資本市場調査本部の佐藤清一郎さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は先頃、上昇が続くロシア株式市場について、資源関連輸出の増加は、設備投資増や個人消費の増加という形で、国内経済にも好ましい影響をもたらしているとして、「ロシアの好調なパフォーマンスは、今後も継続していく可能性が高い」との見方を示した――。

ロシアの株式市場は、目立った調整もなく、ほぼ一本調子での上昇が続いている。RTS株価指数(1995年9月1日=100、ドルベース)は、金融危機後の1998年10月5日、38.53 まで急落したが、2006 年2月22日の終値は1465.62 である。金融危機直後との比較で、約37 倍近い上昇、昨年末(1125.6)と比較しても、既に、30%程度の上昇となっている。

<ロシア経済=好調な背景に「2つの構造変化」>

ロシアが好調な背景には、2つの構造変化がある。

(1)冷戦崩壊後の東西地域の経済的融合に伴う新興地域の盛り上がりという世界経済の構造 (2)1998 年の金融危機を契機に、より本格的に市場経済に向けた改革を進展させたという

ロシア国内の構造変化である。

原油・天然ガスなど資源輸出の好調は、国内での新規設備投資を誘発し、また海外からの直接投資資金も呼び込む形となり、ロシア経済に好影響をもたらしている。中国に続き、インドやアセアンの経済が拡大方向で動き始めている現状を考えると、資源供給国であるロシアが置かれた環境は、引き続き良好ということになる。

▼ネット・インベスター/
    3日の売買人気15銘柄中トップ:

売り、買いともに=ソフトバンク

ネット証券評議会は3日(金)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。

3日(金)分の日次データは以下の通り――。

●東証IPO銘柄 

▼株式会社 ラクーン(3031)  http://www.tse.or.jp/listing/new/200604/4raccoon.html

当社は、「スーパーデリバリー」及び「オンライン激安問屋」という2つのeマーケットプレイスを運営しております。従来、主に都心に所在する製造業者・輸入業者から地方・中小規模小売店への商品流通は複数の問屋が介在するなど非効率な面が目立ちました。当社は、2つ のeマーケットプレイスの運営を通じてアパレル・雑貨の地方流通・中 小規模小売店への流通を効率化することを使命と考えております。
同社ホームページ http://www.raccoon.ne.jp/company/
 
▼国際石油開発帝石ホールディングス株式会社(1605)
http://www.tse.or.jp/listing/new/index.html

当社は、世界各地及び日本国内で石油・天然ガスの探鉱・開発・生産事業を推進している国際石油開発株式会社と帝国石油株式会社の経営統合により設立された共同持株会社であります。当社は、日本を代表する石油開発企業として、バランスのとれた資産ポートフォリオの構築、健全な財務基盤の更なる強化及び技術力の結集により、企業価値の持続的な向上を目指すと共に、エネルギーの安定供給の効率的な実現のために努力を重ねてまいります。

▼円相場予想/
  ユーロ金利に続き、次回FOMCでもドル金利上げへ

『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は為替相場の見通しについて、概ね次のようにコメントした――。

2006年3月6日【マーケット・コメント】
---注目は、日銀の政策決定会合、米国貿易収支、米国雇用統計---

先週末(3月3日)の米国経済指標は、ISM(米サプライ管理協会)が発表する
2月の非製造業景況指数。
[60.1]に上昇。事前予想が[58.0]で、予想よりも良かった。1月が[56.8]。

この数字を受けて、一時、ドル買いの反応したが、結果的には大きな値動きにならず。
ドル/円(USD/JPY)は、[116.30-40]レベル、
ユーロ/ドル(EUR/USD)は、[1.2040-50]レベルでの越週となった。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
今週の注目は、3月8、9日に予定される日銀の政策決定会合。
そして、米国貿易収支(3月9日)、米国雇用統計(3月10日)。

(中略)繰り返しになりますが、記述します。

『量的緩和政策解除』が、行われても、

上述のように、『長短金利の上昇抑制策』が採られるのでしたら、
円金利が直ぐに上昇する訳ではない。

それで、3月2日にユーロ金利は引き上げになった。
なおかつ、さらなるユーロ金利引き上げの可能性もトリシェ総裁は示唆した。

ドル金利も、3月27日、28日に開催される
FOMC(Federal Open Market Committee:連邦公開市場委員会)で、
ドル金利の追加利上げを予想する向きが大勢を占めている。
そして、その予想通りに、
ドル金利は、また、引き上げられることになろう(と、個人的には見ている)。

 (参考)
 【ドル金利追加引き上げの可能性を示唆】 2006/2/16(木)
 ---バーナンキFRB議長の議会証言は予想通り---
 http://smatt.hp.infoseek.co.jp/2006Feb16.htm

▼ドル円予想/
 日米欧がほぼ同幅の金利上昇=為替への影響小

マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今日午前、為替相場について、次のように語った――。

先週は、日本の消費者物価指数が発表されて、+0.5%と予想を上回る強さとなり、いよいよ量的緩和解除の雰囲気いきが出てきました。それによって、日本の長短金利が上昇しています、これだけ見ると、いよいよ円高かと思いがちです。しかし、ちょっと待ってください。実は、皆さん、気がついていないかもしれませんが、日本の金利の上昇とほぼ同じ幅でヨーロッパとアメリカの金利も上昇しているのです。

為替は2つの通貨の交換レートなので、どちらかの金利だけが上昇すれば、為替相場に影響がでるかもしれません。しかし、どちらの金利も同じだけ上昇していれば、2つの通貨の金利差は変わらないわけですから、影響はないはずです。このように、いろんな角度から見て、判断することが重要です。

▼今週の債券相場/
足元、「解除前後が最も利回りが高い」を示唆する動き

日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。

今週の債券相場見通し

今週の債券相場見通し…量的緩和解除を巡り波乱含み、10年債利回りは1.595~1.690%を予想

<完全に、量的緩和解除前夜の動き>

完全に量的緩和解除前夜の動きになっている。

先週末発表された1月全国消費者物価指数の発表を受けて、8、9日の金融政策決定会合での解除が確実視されるようになった。焦点は解除時の「目安」と言える。「物価参照値」(インフレーション・リファレンス)から「翌年度の物価の数値見通しに一定の評価を加えながら政策の方向性を示す(朝日)」まで幅が広い。本来、日銀はターゲットと概ね同一視されるリファレンスには抵抗を示すはずである。しかし、各社の報道を受けて市場はこの導入をかなり織り込んでいる。9日の解除を前提に、さらに、リファレンスが発表されれば、(その数字にもよるが)市場は持続的金利上昇に歯止めがかかると好感しよう。しかし、リファレンスにはほど遠い内容の場合、失望感は小さくない。イールド・カーブのベア・フラット化が進み、利回り上昇の目処とし、先週既に一度つけている5年国債の1.15%に再びタッチする公算が大きくなる。

現状、リファレンスは1つの案に過ぎず、必ずしも導入の可能性は高くないようだ。それだけに、警戒が必要であり、「目安」で会合が紛糾すれば、解除そのものが先送りになるリスクすら残っていよう。一方、「解除後の無担保コールO/N が概ねゼロ近傍で推移、上限は現行の公定歩合0.10%になる」「長国買入れの減額なし」は完全に織り込んでいると言える。

<米長期金利が上昇傾向・・・>

このような見極め難い環境下、明日、10年物価連動、週末10 日に5年の国債入札がある。

前者は、0.8%クーポンと目される現在の実勢、量的緩和解除が確実視される物価などファンダメンタルズ、会計問題の解決などを考えると懸念は乏しい。一方、後者は、9日の解除を前提にリファレンスなど強い「目安」なら、ブル・スティープ化の過程に入り、地合いは良好と見込まれる。問題は金利上昇懸念が払拭されない場合だ。それでも、1.20%接近では絶対水準を評価した買いの勢力が上回ろう。

指標発表は10 日に1月機械受注がある。船舶・電力を除く民需で前月比5.0%台の減少が予想の中心。米国では同じく週末、2月雇用統計が発表される。足元、米長期金利が上昇傾向。量的緩和解除の話題に隠れがちだが、昨春以降の日米長期金利の同時性を考えると見逃せない。米10 年国債利回りが4.0%台後半で上昇し続けると大きな弱材料になりかねない。

<今週の10年277回債利回り=1.595~1.690%と予想>

今週の10 年277 回債利回りは1.595~1.690%と予想する。

量的緩和解除と「目安」の内容など大きな材料があり、波乱含みだが、先週末の反発相場も尊重したい。本レポートでは、「量的緩和解除前後が最も利回りが高い」と想定している。足元はそれを示唆する動きである。9日は長国先物3月限の最終売買日であり、踏み上げのポテンシャルがあることにも要注意。イールド・カーブには引き続きフラット化圧力が残ろう。しかし、(1)10-5年、20-10 年の国債利回りスプレッドで各々50bp、40bp という一旦の目処を既に達成している、(2)政策金利の引き上げ懸念が大きく後退すれば、フラット化の大きな背景の1つを失う…ことから、今後は環境の見極めがより重要になってくる。先週末はスティープ化から一転、フラット化とダイナミックに動いた。

▼今週の債券投資/
  神経質な相場=吹き値売り/突っ込み買いの戦略

三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝、長期金利(債券相場)予想しについて、概ね次のようにコメントした――。

今週〔3月6日-10日〕の長期金利見通し

<予想レンジ>
・ 長期金利(#277) 1.600%~1.700%
・ 債券先物(3月限) 135.30円~136.15円

<見通し>
今週の長期金利は、9日の量的緩和解除の有無および金融政策運営の新たな「目安」を巡って、引き続き神経質に上下しそうだ。「解除は織り込み済み」との冷静な見方も出てきているが、不確定要因が少なくないため、なお波乱含みとみる。欧米金利の上昇(スティープ化)傾向と産みの苦しみを体現している株安にも要注意。ポイントは(1)“3.9量的緩和解除”の確率60%、(2)「コミットメント方式」か?「メッセージ方式」か?(3)欧米長期金利の上昇(スティープ化)。

<投資方針>
アウトライトは引き続き、逆張り。神経質に上下しそうなので、吹き値売り/突っ込み買い。イールドカーブは、量的緩和解除後の金融政策運営が「コミットメント方式」ならばブルスティープ化狙い、「メッセージ狙い」ならばベアスティープ化狙い。

債券先物チャート

3月限の日足は安寄り後の大陽線で、前日の小陽線を抱いた。

【チャート・ポイント】
138.56円:1 月18 日のザラバ高値
137.59円:雲上辺(本日)
137.41円:雲下辺(本日)
137.29円:マド埋め(1 月26 日のザラバ安値)
136.20円:基準線
136.19円:転換線
≪136.01円:先週末の東証3 月限終値,前日比+0.21円≫
<136.00円:本日の3 月限予想レンジ上限>
135.90円:5 日移動平均
≪135.79円:先週末のLIFFE3 月限終値≫
<135.60円:本日の3 月限予想レンジ下限>
135.29円:2 月27 日のザラバ安値
134.11円:2004 年7 月1日のザラバ最安値
133.26円:2004 年中のザラバ最安値(6 月23 日)

(チーフ債券ストラテジスト 石井 純7:15a.m.)

ニュース・チェック

★午前の東京市場=株価は、小動きながらやや上昇
今日午前の東京株式市場は、日経平均 が終値で前日比+131.80円高の15,795.14円、またTOPIXも同+1.06高の1614.02、JASADAQ指数は同+0.33高の115.69となった。全銘柄中で値上がり率トップはアイレックス(JQ:6944)で、同+24.00%上昇して155円。東証1部では日本駐車場開発(2353)で、同+8.67%上昇して24,930円となった。またドル円相場は、116.50円前後で推移、ユーロ円は140.70円前後で推移している。

★ソフトバンク=ボーダフォン買収報道で、SB関連買われ、ドコモとKDDI売られる
報道によると、ソフトバンク(9984)がボーダフォン日本法人を買収する方向で最終調整に入ったことが明らかになった。買収額は1兆7000億-2兆円に上る見込みで、月内の最終合意を目指すという。今回の買収が正式に決まれば、携帯電話各社が消耗戦を強いられる可能性があり、各社とも収益モデルの見直しを迫られる可能性がある。今日午前の関連株の株価は、ソフトバンクが+4.83%値上がりして3470円、グループ会社のヤフー(4689)も+6.61%高の145,000円。一方、今回の買収で収益減が予想されるNTTドコモ(9437)は-2.33%安の167,000円、KDDI(9433)は-2.21%安の575,000円となった。

★注目企業=IR情報+ニュースリリース

松下電器産業株式会社(6752)
□ワイヤレスカメラモニターシステム KX-MS20 を発売
http://ccml.panasonic.co.jp/v31/f/?p=1000000501/ac02/2822/425

本田技研工業株式会社(7267)
自己株式の市場買付に関するお知らせを掲載しました。
 日本語版
http://www.honda.co.jp/investors/information/index46.html

 英語版http://world.honda.com/investors/information/change45.html

株式会社ディー・エヌ・エー(2434)
  3/3月次推移のご報告(平成18年2月度)
http://www.dena.ne.jp/ir/