■格差拡大は警告する!/
対応を怠れば、10年後に競争力と潜在成長率は低下
――「成功者をねたんではいけない」などと言っていて大丈夫?――
最近、広く国民の間でも関心が高まっている格差拡大については、いち早く数年前から折りに振れて取り上げてきた。この格差拡大と経済成長率の関係について、三菱UFJ証券・リサーチ本部チ-フエコノミストの水野和夫さん(Kazuo Mizuno/Chief Economist, Mitsubishi Securities Co., Ltd.)は、最近のレポートのなかで、政府見解についての検証を含め多角的な分析を行った――。
プロローグ: グローバル化非適応国では低成長と格差が併存
水野さんは、グローバリゼーションは、経済的国境線を変えるのであるから、「先進国と途上国の間で存在していた従来の格差を、先進国内に持ち込むことになる」と語る。グローバリゼーションとは、まさにスーザン・ジョージのいう「富と権力を社会的上下関係の上の方に集中していくための機構」(2002、p13)の側面を有する。ただ、グローバリゼーション自体を否定しているわけではない。「グローバリゼーション非適応国では低成長と格差が並存することになる」からだ。
日本の貧困率は15.3%とOECD 調査27ヶ国中第5 位の高さにある。上位5ヶ国中「メキシコとトルコはまだ中進国といってよく、先進国に注目すれば、日本はなんと第3 位の高貧困率の国という衝撃的な事実である」(橘木俊詔、2005)。「景気が長期にわったて回復・拡大しても日本全体が良くなるという均質性は消滅した」と言う。成長の成果が地域別に均質的に行き渡らないように、付加価値(企業利潤と雇用者所得の合計)の分配にも偏りが顕著になってきた。成長路線のみではもはや日本が抱える格差問題を解決できない、と言う。
その上で、水野さんは次のように論じている――。
第1部: 所得格差を高齢化で説明できるのは99年半ばまで
地域別で景気回復のばらつきが広がれば、所得格差も当然広がる。
「法人企業統計季報」(財務省)で一人当たり人件費格差を比べると90 年代半ばを境に急速に格差が広がっている。中国の近代化や米国の消費ブームによる需要増と連動することができる日本の製造業・大企業と、それができず国内の人口減で需要が伸びない中小企業・非製造業の一人当たり人件費を比較すると、05 年10-12月期で2.4 倍にまで拡がっている(図表Ⅱ-3a)。
こうした点に関して、政府は、格差拡大は見かけ上にすぎないとして、原因は「主として高齢化と世帯規模の縮小」(06 年1 月の月例経済報告)にあるとしている。しかし、企業統計で計算した人件費格差を高齢化で説明できるのは99 年半ばまでであって、それ以降は「産業間の成長格差」が原因である。その結果、家計の生活意識は「苦しい」と回答する割合が景気回復下で増え続けている(図表Ⅱ-3b)。「苦しい」と答える家計の割合は、今景気回復直前には35.8%(01年)であったが、この割合はその後減るどころか、04 年には39.5%と約4%上昇した。景気回復はゆとりある生活をもたらさなくなったのである。とりわけ母子家庭の「苦しい」が急増している。2004 年時点で71.8%にも達し、01 年の61.4%から10%ポイントも増加した。
第2部: あと5年格差拡大が続けば、貯蓄非保有世帯は3世帯に一軒へ
景気が回復しても雇用者所得は増えないから、グローバル化を背景に所得格差が広がると、所得が減少する人々が増えることを意味する。「法人企業統計季報」(財務省)によれば、格差拡大が顕著となった94年4-6月期を起点として、05 年10-12 月期までの増加率を比較すると(図表Ⅱ-4a)、近代化経済圏産業(IT 産業と鉄鋼、輸送機械)の大企業は1.2 倍(年率1.6%増)と増加したのに対して、ポスト近代経済圏(非製造業から情報・通信を除く)の中小企業のそれは、0.87 倍(年率1.2%減)へと減っている。しかも、この産業の一人当たり人件費は年間で377万円だから、共稼ぎでない限り、世帯当たりの収入は300 万円前後となる。
貯蓄が徐々に出来なくなり、貯蓄非保有世帯が所得格差の広がりと歩調をあわせて増加する(図表Ⅱ-4b)。05 年の貯蓄非保有世帯は23.8%と1963 年の調査開始以来最高水準に達した。90年代半ばに格差拡大が加速したのは、ちょうど同じ時期にIT 革命とグローバル化が進展し、①大企業・製造業は国境の外に新たなフロンティアをみつけ、②IT 革命はデジタル・デバイドを生んだからである。そうであれば、95 年以降の所得格差があと5 年続くと仮定すれば、現在2.3 倍の所得格差は2.8 倍にまで開くことになる。その場合、貯蓄非保有世帯は3 世帯に一軒となる可能性が高い。
第3部: 市場原理主義政策の最低保障線「機会均等」が崩壊し始めた!
負債が残ったまま貯蓄残高がゼロになると、家賃、光熱費、食費などの基礎的支出のウェートが高まって、借金返済が重い負担となる。子供の教育費にお金をかけることが出来なくなる。公立小中学校の児童・生徒で就学援助を受ける割合が高まってきた。04 年時点での就学援助率は全国平均で12.8%であるが、東京23 区、大阪市など大都市でこの比率は高い。地方での就職機会が減少するから都会に職を求めることになる。都会と地方の格差が広がれば、当然次に起きるのは、都会の中で格差拡大である。
東京23区の就学援助率は04 年で28.6%に達し、01 年の24.4%から増加している。大阪市では東京23 区よりも高く35.0%である(2003 年)。東京23区の区ごとに就学援助率を01 年と04 年で比較すると、01年時点で就学援助率が高かった区ほど、04年に一段と高くなっている。就学援助率の高い区ほど、国語や算数などの学力テストの平均点が低いという関係が存在する(図表Ⅱ‐5a)。この学力格差は小学校よりも中学校でさらに拡がっている。小学校では一教科8.7 点だった差が中学では10.2 点に広がっている。とくに、数学と英語で大きな差がついている(図表Ⅱ‐5b)。親の経済力が子の学力に影響を及ぼすようになり、市場原理主義政策の最低保障線である機会均等が崩れてきているのである。
第4部: 子供の学力低下は、潜在成長率にも悪影響を及ぼす
就学援助率が高まり、それと逆比例して学力が低下すれば、潜在成長率にも悪影響を及ぼす。
潜在成長率を決める三つの要素の一つである全要素生産性(他に人口と資本投入量)は主として教育によって決まるからである。
<社会保障負担増を招いた「少子化対策」の失敗を繰り返すのか?>
80 年代半ば以降から出生率が低下していたにもかかわらず、出生率は将来上がるだろうと予測し続け少子化対策を怠った結果、つけが今社会保障負担増となってまわってきた。「成功者をねたんではいけない」として学力の低下を子供の努力不足のせいにしているようでは、10年後に競争力と潜在成長率が低下し、予期せぬ消費率アップとなって跳ね返ってくる。成長率より金利を人為的に低くし、消費税率アップを抑制しようと目論んでも砂上の楼閣に終わるであろう。
<参考> 憲法25条・第2項には、「国は、すべての生活部面において、社会福祉、社会保障及び
公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とある。
■1月消費者物価指数/
量的緩和解除の「3条件」は、ほぼ満たされた
クレディ・スイス・ファ-スト・ボストン証券会社、経済調査部(Credit Suisse First Boston:CSFB)は本日午前、総務省が発表した1 月の全国生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)について、概ね次のようにコメントした――。
総務省が発表した1 月の全国生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)は前年比0.5%上昇と、事前予想(当社:+0.3%、コンセンサス:+0.4%)を若干上回った。
<総合指数も、2ヶ月連続で前年比0.1%上昇>
これまで指数を押し下げていた固定電話通信料の値下げなどの特殊要因が剥落したことや、原油価格高騰を背景に電力、ガス料金が値上がりしたためであるが、需要動向を反映しやすい被服および履物や、諸雑費の前年比上昇率も拡大しており、引き続きデフレ圧力は緩和傾向にあることを確認するものであった。また、試算値として発表されている食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数も2ヶ月連続で前年比0.1%上昇、当社が推計する特殊要因を除くコアCPI は前年比0.1%上昇と昨年5 月以来9ヶ月ぶりにプラスに転じた。
これで全国コアCPI は昨年10月から4ヶ月連続でゼロ%を上回り、また、足下の景気の底堅さから判断すると、量的緩和政策解除の3 条件はほぼ満たされたと言えよう。金融市場ではすでに量的緩和解除を織り込んでいる状況にあり、早ければ来週(8 日、9 日)の政策決定会合、あるいは4 月の会合で解除される可能性が一段と高まった。
2月の東京都区部コアCPI
同時に発表された2月の東京都区部コアCPI は前年比0.2%上昇と2ヶ月連続でプラスとなった。
中でも被服及び履物が1 月の前年比0.7%上昇から同2.2%上昇へと急上昇しており、これは2 月の全国の消費者物価指数にも反映されることになろう。4 月には規制緩和の影響で、電気料金などの引下げが計画されているものの、そうした要因を除いても安定的にコアCPI はゼロ%を越えて推移する可能性が高い。
▼雇用関連統計/
企業の常用雇用者への不足感=約13年ぶりの高水準
クレディ・スイス・ファ-スト・ボストン証券会社、経済調査部(Credit Suisse First Boston:CSFB)は本日午前、発表された1月の雇用統計および勤労者世帯家計調査に関して、おおよそ次のように語った――。
雇用統計 前月比0.1%ポイント上昇
1 月の季節調整済み完全失業率は4.5%と前月より0.1%ポイント上昇した。
失業者数が昨年12 月の季節調整済み前月比7 万人減から同3 万人増に転じたためである。ただし、失業者数の増加は景気回復を背景に、これまで労働市場から退出していた人々が再び職探しを始めたことも影響している。就業者数は同27 万人、雇用者数は同44 万人増加しており、引き続き雇用情勢は改善しているといえよう。
同時に発表された、1月の季節調整済み有効求人倍率は1.03 倍であった。有効求人数は前月比0.9%減少、有効求職者数は同1.2%減少したものの、有効求人倍率はバブル崩壊直後の92 年の水準まで回復していることに変わりはない。
また、昨日発表された2 月の労働経済動向調査では、企業の常用雇用者に対する不足感は約13 年ぶりの高水準になった。景気回復を受け労働者の不足感が高まっている上、団塊の世代の大量退職を控え、企業が若年労働者の確保に動いているといわれる。現在のところ賃金上昇が一般物価の上昇圧力につながっている状況にはない。賃金上昇率は昨年やっと前年比プラスに転じた程度であり、また、若年労働者の場合は熟練してない分、賃金は抑制されている。また、依然として企業の価格決定力が弱い状況下では、すぐに物価上昇圧力として顕著化する可能性は低いと思われる。
ただ、主要企業の一部で5 年ぶりに賃上げが行われることや、熟練工の不足が著しいとの報道もあり、これまでよりは雇用と賃金動向を注視していく必要があろう。
勤労者世帯家計調査
1 月の勤労者世帯の実質消費支出は前年比4.7%減と4ヶ月ぶりに減少した。
昨年12 月に同3.2%と大幅に増加したことへの反動減であると捉えられる。実質可処分所得も前年比4.0%減と7ヶ月連続で減少した。10-12 月期のGDP 統計では実質民間消費支出は前期比年率換算3.2%と大幅に増加したのだが、今回の数字は1-3 月期の最初の月として同期の消費支出のスローダウンを示唆するものであろう。
▼来週の株価予想/
9日に「解除」なら、悪材料出尽くしで16,000円台へ
日興コーディアル証券・国際市場分析部長の馬渕治好さん(Haruyoshi Mabuchi/ Nikko Cordial Securities Inc.)は今日午前、来週の株式相場について、予想レンジ15,000円~16,300円とする見通しを示した。「ザラバでは1月のライブドア・ショックの底値15,059円までは覚悟しておいたほうがいい」と言う。
<「解除」はほぼ、「ゼロ金利解除」もある程度織り込み済み>
今朝、発表の1月消費者物価指数が事前予想を超える前年比+0.5%となったことから、来週9日(木)の日銀・金融決定会合で量的緩和政策を解除するとの観測が高まってきた。「株価は、そこまでは神経質な相場展開になる」と見られる。
ただ、マーケットでは量的緩和解除のほか、多少の利上げについてもかなり織り込んでいる。イールドカーブは2年から10年のゾーンが、2000年のゼロ金利解除当時とほぼ同水準となっており、ゼロ金利解除を織り込んできた。また、金先6月限では「0.25%利上げを織り込んでいる」と言う。
<投資戦略=引き続き「寄らば大樹」のスタンスで臨みたい>
ただ、実際に9日に解除になれば、「悪材料出尽くし、あく抜けから回復に向かう」と見る。「それまでの間に15,000円まで下落しなければ、16,000円台に復帰するだろう」と予想する。
注目銘柄としては、先週に引き続きディフェンシブで「寄らば大樹」のスタンスで臨みたい。
国際優良銘柄のトヨタ自動車(7203)、配当が高い電力株、ディフェンシブでは食品の味の素(2802)、日用品の資生堂(4911)などを挙げた。
▼ネット・インベスター/
2日の売買人気15銘柄中トップ:
売り=新日鉄、買い=ソフトバンク
ネット証券評議会は2日(木)夕刻、同日の同評議会参加5社(松井証券、イー・トレード証券、カブドットコム証券、楽天証券、オリックス証券)合計の「売買代金上位15銘柄」を公表した。
2日(木)分の日次データは以下の通り――。
●東証IPO銘柄
▼兼房株式会社(5984)
http://www.tse.or.jp/listing/new/200603/3kanefusa.html
当社は、たゆまぬ研究開発と他より一歩先んずる品質の創造により、その技術力、品質の高さにおいて日本はもとより世界各国から高い評価を頂いている工業用機械刃物の国内トップメーカーです。「常に時代に先んじて新しい切削加工に挑戦する」を理念として、住宅関連産業界を中心に鉄鋼・自動車・製本紙工・IT産業界など幅広い分野において、工業生産に欠くことが出来ない工業用機械刃物を提案・開発し、製造・販売しております。
同社ホームページ http://www.kanefusa.co.jp/
▼ドル円相場/
3月、米国要因による「ドル安」で円高が加速?
最近、日本の金利先高期待の高まりを背景に「円高」が進んでいるが、大和総研・経済金融調査部・為替分析担当シニアエコノミストの亀岡裕次さん(Daiwa Institute of Research Ltd. DIR)は、「3月には米国要因による「ドル安」によって円高が加速する可能性がある」と語る。
<5/10米利上げに、急ブレーキがかかる可能性も・・・>
2006 年1月分は好調だった米国の経済指標も、数字を一時的に押し上げた諸要因がなくなることで、「2 月分は一転して不振となるのではないか」と見る。今後は、3月27~28日の米FOMCでのFF 金利4.75%への利上げ予想(現状98%)はあまり変化がないだろうが、米経済指標の鈍化を受けて、「5月10日の5%への利上げ予想(同70%)は大きく後退する可能性がある」として、「ドル安が進み始める可能性に留意すべきだろう」と言う。
▼FX投資戦略/
ユーロが始動、久しぶりのウネリにて期待したい
アキ投資顧問・社長の堀内昭利さん(Akitoshi Horiuchi/ President, AKI Investment Advisor)は今朝(CPI発表前)、為替相場について概ね次のようにコメントした――。
CPI(消費者物価指数)の前にポンドと同格の弱さとは驚いた。
織り込み済みのように見えるが、ユーロが織り込み済みみたいな顔をしながらそうではなかったので、何とも言えぬ。発表時の値段によるだろう。
と言う訳で、変なタイミングで円全面安的傾向。クロス円が売られすぎていたからいずれ多少反発とは思っていたが、タイミングにピンと来ない。ユーロが始動開始となったが、本当について行っていいのだろうか? 久しぶりのウネリにて期待したい。日本人がドルスイスでキャリートレードやっているんだって? うーん。スイスフランってむずかしいよ。金利上げるのも時間の問題のような気がするし、あまり勧めないね。(3月3日。木曜日。雛祭り。)
▼ユーロ相場予想/
ECBの0.25%引上げは、既に織り込み済み
『フォレックス・ディーラー物語』(http://www.d4.dion.ne.jp/~smatt/)の松田哲さん(Satoshi Matsuda )は為替相場の見通しについて、概ね次のようにコメントした――。
【欧州中央銀行理事会(ECB理事会)】
---予想通りに、ユーロ利上げ---
昨日(3月2日)開催された欧州中央銀行理事会(ECB理事会)では、
ユーロ(EUR)の政策金利を、現行の[2.25%]から[0.25%]引き上げて、
[2.50%]にすると決定した。3月8日から実施される。
この利上げは、マーケットの予想通りだったので、
ユーロ金利の[0.25%]の引き上げに関しては、既に、織り込み済みの状況といえる。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ECB理事会後のコメントで、トリシェ総裁は、以下の点を述べた。
利上げは物価の上向きリスクを反映したもの。
利上げは、中長期的なインフレ期待の抑制維持に貢献する。
金利はすべての期間で依然非常に低水準。
金融政策は引き続き緩和的。
インフレは短期的には2%より上にとどまる。
第4四半期GDPは、短期的な振れを示す。
最新の経済指標は景気改善を示唆している。
景気の下振れリスクは原油と世界の不均衡。
ECBスタッフGDP予想は、06年が1.7-2.5%で、07年は1.5-2.5%
インフレ見通しは、06年が1.9-2.5%で、07年は1.6-2.8%
CPI(インフレ)予想の上方修正は、石油価格上昇を反映。
ECBは引き続きすべての動向を注意深く監視する。
ECBは物価安定に向けて必要なことを実施する。
連続利上げの事前取り決めはしていない。
ECBはいつでも必要なときに行動できるよう準備をしている。
結局のところ、トリシェ総裁の発言は、
『ユーロ圏の景気が上向けば再び利上げをする可能性がある』と示唆したこと。
そのあたりのところは、事前に思い付く範囲内なので、
既に、昨日(3月2日)のコメントで述べている。故に割愛。
(参考)
【本日は、ECB理事会】 2006/3/2(木)
---ユーロ利上げとトリシェ総裁の名演技が期待される---
http://smatt.hp.infoseek.co.jp/2006Mar02.htm
▼ユーロ相場予想/
ECB=今年の更なる利上げが出てきそうだ
マットキャピタルマネジメント代表取締役CEOの今井雅人さん(Masato Imai/ President CEO, Matt Capital Management)は今日午前、昨日のECB(欧州中銀)による利上げを受けて、ユーロ相場について、次のようにコメントした――。
昨日は、ECBが0.25%利上げをして、ユーロが上昇しました。
私も基本的にはユーロは買いから入っているので、どこかで、買おうと思っていましたが、ついつい躊躇していまいました。不覚・・・。
さて、利上げ後のトリシェ総裁のコメントを見てみましょう。
「この日の決定は我々の現状分析を反映しており、我々は引き続きすべての動向を見守るとだけ申し上げておく。我々は事前約束をしない」
「将来についてだが、我々は事実と数字、データ、そして物価安定のリスクとその展開に関する我々の分析に基づいて行動する。無条件に何らかの約束を行うことは決してしない・物価安定を確実にするために、必要な措置を取っていく」
これからのことは、今後の状況を見ながら決めていくということです。欧州の状況を見ると、物価はまだ高く、景気は落ち着いているので、まだまだ、今年の更なる利上げは出てきそうです。
▼今日の長期金利/
明らかな局面変化=中期的な目線は「約1.77%」へ
三菱UFJ 証券・金融市場戦略部チ-フ債券ストラテジストの石井純さん(Jun Ishii/ Chief Fixed Income Strategist, Mitsubishi UFJ Securities Co.,Ltd.)は今朝(CPI発表前)、長期金利(債券相場)予想しについて、概ね次のようにコメントした――。
昨日の内外債券市場
【終 値】
・ 債券先物(3 月限) :135.80 円〔▲0.06 円〕
・ LIFFE JGB FUT.(MAR) :135.55 円
・ 新発 2 年利付国債(#242):0.490%〔▲0.005%〕
・ 新発 5 年利付国債( #53):1.085%〔▲0.010%〕
・ 新発10 年利付国債(#277):1.650%〔――――〕
・ 新発20 年利付国債( #84):2.045%〔+0.040%〕
・ 新発30 年利付国債( #21):2.290%〔+0.045%〕
・ 米10 年国債 :4.63% 〔+0.05%〕
・ 独10 年国債 :3.58% 〔+0.06%〕
本日の予想レンジとコメント
【予想レンジ】
・ 長期金利(#277) 1.660%~1.695%
・ 債券先物(3月限) 135.35円~135.75円
【見通し】
本日の長期金利は、昨日の欧米債安を嫌気して上昇余地を探りそうだ。
読売新聞朝刊の「量的緩和解除、9 日提案で最終調整」との報道も、当方を含め4 月解除説が依然として根強かっただけに、ネガティブ・サプライズに働きそうだ。分水嶺の1.60%を踏み越え、昨年10 月から固執していた変動レンジ:1.40%~1.60%を上放れる動き。明らかな局面変化と捉えられる。債券市場は新たな水準感の形成を迫られる。中期的な目線は、現行の「コミットメント方式」の量的緩和政策が導入される以前、「メッセージ方式」のゼロ金利政策時代だった1999 年2 月~2000年8月の平均値:約1.77%である。
【相場材料】~ 各種報道より
<日 本> ひな祭り 耳の日
① 08:30 消費者物価指数(全国1月分、東京都区部2月分)
② 08:30 完全失業率・有効求人倍率(1月分)
③ 08:30 サラリーマン世帯家計調査(1月分)
④ 10:30 毎月勤労統計<速報>(1月分)
⑤ 12:00 中川秀直自民党政調会長、講演
<海 外>
① 米ISM 非製造業景気指数(2月分)
(5日)
② 中国全国人民代表大会が開幕(北京、約10日間)
債券先物チャート
3 月限の日足は小陽線だが、前日のかぶせ中陰線が効いて水準を切り下げた。
【チャート・ポイント】
138.56円:1 月18 日のザラバ高値
137.60円:雲上辺(本日)
137.41円:雲下辺(本日)
137.29円:マド埋め(1 月26 日のザラバ安値)
136.48円:基準線
136.19円:転換線
135.83円:5 日移動平均
≪135.80円:昨日の東証3 月限終値,前日比▲0.06 円≫
<135.75円:本日の3 月限予想レンジ上限>
≪135.55円:昨日のLIFFE3 月限終値≫
<135.35円:本日の3 月限予想レンジ下限>
135.29円:2 月27 日のザラバ安値
134.11円:2004 年7 月1日のザラバ最安値
133.26円:2004 年中のザラバ最安値(6 月23 日)
(チーフ債券ストラテジスト 石井 純7:40a.m.)
▼今日の債券相場/
9日解除を完全に織り込む上、CPI発表で波乱含み
日興シティグル-プ証券会社・債券本部チ-フストラテジストの佐野一彦さん(Kazuhiko Sano/ Chief Strategist, Nikko Citigroup Ltd.)は今朝(CPI発表前)、債券相場(長期金利)予想について、概ね次のようにコメントした――。
本日の想定レンジとコメント
本日の債券相場見通し・・・9日解除を完全に織り込む上、消費者物価の発表で波乱含み
海外では、ECB(欧州中銀) の利上げなどを受けて欧米債が軟調、LIFFE でも大きく値を下げた。9日の解除を完全に織り込む上、消費者物価次第で10 年277 回債の1.70%タッチもある。素直に下落が基本線だが、材料出尽くしの反応もあり得る。いずれにせよ、波乱含みの展開を予想。
(AM6:33、佐野さん)
本日の筆者の想定レンジ(長国先物3月限) : 135 円29 銭 ~ 135 円85 銭
ニュース・チェック
★午前の東京市場=今朝の全国CPI+0,5%を受け、株価は軟調
今日午前の東京株式市場は今朝の1月消費者物価指数が事前予想を超える前年比+0.5%となったことで、来週9日の日銀・決定会合で量的緩和解除の可能性が高まったことから、米株安と相俟って総じて下落した。日経平均 が終値で前日比-136.28円安の15,773.48円、またTOPIXも同-14.70安の1617.54、JASADAQ指数は同-1.36安の115.28となった。全銘柄中で値上がり率トップはエス・サイエンス新株(東証1部:57211)で、同+34.88%上昇して116円。またドル円相場は、116.40円前後で推移、ユーロ円は139.80円台で推移している。
★大和証券G+一橋大=ストック・オプション公正価値の評価モデル共同開発
大和証券グループと一橋大学大学院国際企業戦略研究科は、産学連携プロジェクトの一環である「ストック・オプション公正価値の評価モデル開発」に関する共同研究を完了した。
目的は、企業会計基準の改訂により、新会社法の施行日以降に付与されるストック・オプションの財務諸表での費用計上が義務付けられるため、その費用計上額を計算する
際のストック・オプションの公正な評価額を算定するためのモデルの研究。
大和証券 http://www.daiwa.jp/CACHE/japanese/press.cfm
一橋大学 http://www.ics.hit-u.ac.jp/jp/fs/research.html
★日興AM=4ファンドが、リッパー社から「最優秀ファンド」を受賞
日興アセットマネジメント株式会社(取締役会長兼CEO:ティモシー・マッカーシー氏)は、日興AMが設定、運用する4本のファンド=①「新健康産業21オープン」、②「業種選択ファンド Nポートフォリオ(不動産・電鉄)」、③「業種選択ファンド Gポートフォリオ(鉄鋼・造船)」、④「ミュータント」――が、ロイター・ジャパン株式会社の1部門であるリッパージャパンが選ぶ「リッパーファンド アワード ジャパン2006」において、「最優秀ファンド」を受賞したことを発表した。中でも「新健康産業21オープン」と「業種選択ファンド Nポートフォリオ(不動産・電鉄)」に関しては、2年連続での受賞となった。 http://www.nikko-am.co.jp/
★デンソー=グループ内の損害保険を引き受ける子会社を設立
株式会社デンソー(6902)は、グループ内の損害保険を引き受ける子会社(キャプティブ)を設立すると発表した。米国ハワイ州に、デンソーグループ内の損害保険を引き受ける100%出資子会社を2006年3月に設立する。新会社の社名は、「デンソー・リインシュアランス・アメリカ株式会社」 (DENSO REINSURANCE AMERICA, INC.)で、2006年4月から業務を開始する。 http://www.denso.co.jp/ja/newsreleases/060302-01.html
★注目企業=IR情報+ニュースリリース
カブドットコム証券株式会社(8703)
平成18年2月 委託手数料及び業務計数の開示(速報値)
http://kabu.com/company/pressrelease/20060302.asp
松井証券株式会社(8628)
平成18年2月の月間売買実績・口座数等(速報値)のお知らせ
2月の口座増加数は41,583口座で過去最高となりました。
http://www.matsui.co.jp/about_matsui/disclose/press/new.html
松下電器産業株式会社(6752)
□ノンフロン・ヒートポンプシステム搭載飲料自動販売機を発売
http://ccml.panasonic.co.jp/v31/f/?p=1000000501/ac02/2815/425
□ホームAV用UniPhier(R)(ユニフィエ)システムLSIを開発(3月1日)
http://ccml.panasonic.co.jp/v31/f/?p=1000000501/ac02/2816/425

